オール電化で一人暮らしする場合の電気代はいくら?平均額や節約術を解説
進学や就職をきっかけに一人暮らしをはじめる方にとって、気がかりなのは電気代でしょう。
昨今は多くの地域で電気代の値上がりが続いていますが、オール電化なら電気代を安く抑えられる可能性があります。
今回は、オール電化住宅で一人暮らしをする場合にかかる電気代の平均について、ガス併用の料金と比較しながらご紹介します。
オール電化住宅のメリットや注意点、電気代を節約する方法も解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
オール電化住宅で一人暮らしする場合の電気代はいくら?
まずは、オール電化住宅で一人暮らしをする場合、月々の電気代の目安がいくらになるのかをご紹介します。オール電化とガス併用の電気代も比較します。
- 「オール電化×一人暮らし」での電気代の平均
- オール電化の電気代は冬に高くなる
- オール電化とガス併用の電気代を比較
<オール電化住宅で一人暮らしする場合の電気代はいくら?>
それぞれを具体的に見ていきましょう。
「オール電化×一人暮らし」での電気代の平均
関西電力の調査によると、オール電化住宅における電気代の平均月額は、世帯人数別に以下のとおりです。
【世帯人数別に見たオール電化住宅の電気代平均月額】
一人暮らし | 10,777円 |
---|---|
2人家族 | 13,406円 |
3人家族 | 14,835円 |
4人家族以上 | 16,533円 |
※関西電力「はぴeみる電」会員による2020年~2021年の平均値
一人暮らしの電気代がもっとも安く、2人家族と比べて2,629円の差額があります。
なお、居住形態別に見ると、一戸建ての電気代平均額が15,311円であることに対し、集合住宅の電気代平均額は12,123円です。
オール電化の電気代は冬に高くなる
オール電化住宅の電気代は、季節によっても平均額が大きく変動します。
総務省統計局が発表している「家計調査 家計収支編 2023年」によると、季節ごとに見た一人暮らしの電気代の平均月額は、次のとおりです。
【季節ごとに見た一人暮らしの電気代の平均月額】
冬(1月~3月) | 9,340円 |
---|---|
春(4月~6月) | 5,486円 |
夏(7月~9月) | 5,842円 |
秋(10月~12月) | 5,833円 |
季節ごとに電気代を比較してみると、冬の時期が圧倒的に高いことが分かります。
暖房を使用する際の消費エネルギーが大きいため、冬は全国的に電気代が高くなる傾向にあります。
上記の電気代は、オール電化住宅だけでなく、ガス併用の住宅も含めた平均額であることに注意しなければなりません。
ただし、オール電化で使う「エコキュート」は、タンクに貯めた水を加熱してお湯を作る仕組みのため、オール電化住宅に限っても冬は消費電力が多くなりがちです。
オール電化とガス併用の電気代を比較
オール電化とガス併用、それぞれの電気代を比較します。先ほどご紹介した関西電力のデータ収集時期に合わせて、こちらの比較では、2021年度の家計調査をもとに電気代を比較しました。
【オール電化とガス併用の電気代を比較】
世帯人数 | オール電化 | ガス併用 |
---|---|---|
一人暮らし | 10,777円 | 9,134円 |
2人暮らし | 13,406円 | 14,824円 |
3人暮らし | 14,835円 | 16,754円 |
4人暮らし以上 | 16,533円 | 17,617円 |
一人暮らしの場合、ガス併用のほうが月々1,643円お得です。ただし、エネルギーの使い方によっても数値が異なるため、電気代の比較はあくまでも目安でしかありません。
また、次の項目でご紹介するとおり、コスト面以外にもオール電化にするメリットは多くあります。
さまざまな要素を加味して、オール電化住宅を選ぶかどうかを検討すると良いでしょう。
オール電化住宅が一人暮らしに向いている理由
オール電化住宅とは、給湯や調理に使うエネルギーも電気でまかなう住宅のことです。
給湯器の「エコキュート」と、調理器具の「IHクッキングヒーター」が基本設備で、それぞれ「ガス給湯器」「ガスコンロ」の代わりに使用します。オール電化住宅が一人暮らしに向いている理由は、次のとおりです。
- 光熱費が一元化される
- 夜間の電気代が安い
- 災害に強い
- お手入れがしやすい
<オール電化住宅が一人暮らしに向いている理由>
それぞれを具体的に見ていきましょう。
光熱費が一元化される
オール電化住宅では、すべてのエネルギーを電力でまかなうため、光熱費を一元化できることがメリットです。ガス併用住宅のように、電気代とガス代を別々に支払う必要がありません。
一般的な電力とガスのプランには「基本料金」が加算されるため、電気やガスの使用量が少なくても、一定の料金を毎月支払う必要が生じます。
オール電化住宅にすると、ガスの基本料金を削減できるほか、支払いの手間もかかりにくいため、便利です。
夜間の電気代が安い
オール電化向けの電気料金は、夜間の電気代が安い傾向にあります。大手電力会社10社の電気代を見てみましょう。
【大手電力会社10社の時間帯別電力量料金】
電力会社 | 夜間料金 | 日中料金 |
---|---|---|
北海道電力 | 28円99銭 | 37円93銭 |
東北電力 | 29円86銭 | 36円86銭 |
東京電力 | 27円86銭 | 35円76銭 |
中部電力(平日) | 16円52銭 | 38円80銭 |
北陸電力 | 26円98銭 | 39円87銭 |
関西電力 | 15円37銭 | 26円24銭 |
四国電力 | 30円40銭 | 40円02銭 |
中国電力 | 30円35銭 | 44円40銭 |
九州電力 | 14円59銭 | 24円74銭 |
沖縄電力 | 29円66銭 | 53円92銭 |
いずれも、夜間の電気代は割安です。一人暮らしの方の場合、日中は仕事や学校で留守にする機会が多いでしょう。
電気代が安くなる時間帯に、調理や入浴をするといった工夫をすると、電気代が安くなる可能性が高いです。
災害に強い
オール電化住宅では直火やガスを使わないため、火災やガス漏れのリスクが大幅に下がります。
また、地震などが原因で被災したとしても、電気が復旧すれば、普段どおりに家事をこなすことが可能です。
災害時のライフラインは、電気・水道・ガスの順番に復旧するといわれており、災害に強いこともオール電化住宅のメリットです。
お手入れがしやすい
オール電化で使うIHクッキングヒーターは、平面な構造のため、サッと拭くだけでお手入れが完了します。
ガスコンロは「ゴトク」などのパーツを組み合わせた立体的な構造のため、IHと比べて汚れやすく、掃除の手間がかかりやすい点がデメリットです。
一人暮らしで忙しく、掃除をする時間を確保しにくい方も、IHなら清潔なキッチンを維持しやすいでしょう。
オール電化住宅の注意点
オール電化住宅の注意点としては、以下の3点が挙げられます。
- 昼間の電気代が割高になる
- IHで使える調理器具が限られる
- 停電するとすべてのエネルギーが使えなくなる
<オール電化住宅の注意点>
先ほどの比較表でもご紹介したとおり、オール電化向けの料金プランは、夜間が割安になる代わりに、昼間の料金が割高です。
また、IHクッキングヒーターで使用できる調理器具は「IH対応」のものに限られ、土鍋や陶磁器、耐熱ガラス製などの調理器具は使用できません。
オール電化住宅で電気代が高くなる原因と対策
電気代が安くなることを期待してオール電化住宅を選んだ結果、むしろ電気代が高くなるケースも見られます。
その原因と有効な対策をご紹介するので、オール電化住宅に住む前に確認してみてください。
- 契約している料金プランがオール電化に適していない
- 電化製品や給湯器が古い、省エネ性能が低い
- 消費電力が大きい家電を使いすぎている
- 昼間の電力消費量が多い
- 電気のつけっぱなしが多い
<オール電化住宅で電気代が高くなる原因と対策>
それぞれを具体的に見ていきましょう。
契約している料金プランがオール電化に適していない
電力会社では、ライフスタイルに合ったプランを選択できるよう、さまざまな料金プランを提供しています。
契約している料金プランがオール電化向けでない場合、基本料金が高かったり、夜間割引を適用できなかったりするせいで、電気代が割高になっているかもしれません。
一般的に、電気代の基本料金は「契約アンペア数」によって決まります。アンペアとは、電気の契約容量を表すもので、容量が大きいほど基本料金も高額です。
一人暮らしの場合、同時に使う電力量を抑えやすいため、契約アンペア数を抑えて基本料金を下げると良いでしょう。
なお、アンペアに関する詳しい情報は、以下の関連記事でご紹介しています。
【関連記事】アンペアとは?電気料金との関係性や目安、変更方法について解説電化製品や給湯器が古い、省エネ性能が低い
使用している電化製品や給湯器が古い場合、省エネ性能が低く、最新機種と比較して、多くのエネルギーを消費している可能性があります。
例えば、パナソニック製エアコンの場合、省エネ性能によって、年間電気代の目安は以下のように異なります。
【省エネ性能ごとに見た年間電気代の目安】
機種名 | 多段階評価点 | 年間目安電気代 |
---|---|---|
CS-X285D | ★★★★ | 20,100円 |
CS-EX365D | ★ | 36,800円 |
出典:省エネ型製品情報サイト
一人暮らしをはじめるにあたって、家電の買い替えも検討すると良いでしょう。
消費電力が大きい家電を使いすぎている
消費電力が大きい家電を使いすぎると、短時間の使用でも電気代が高くなりやすいです。
エアコンや電気ストーブ、こたつ、電子レンジ、ドライヤーなどは消費電力が大きいため、使用時間を極力短縮することを意識しましょう。
昼間の電力消費量が多い
先述したように、オール電化向けのプランは、昼間の電気代が割高です。そのため、昼間の電力消費量が多いと、電気代が高くなります。
一人暮らしの場合、電気代が安い夜間に料理を作り置きしたり、入浴時間を深夜にずらしたりすると、電気代を節約しやすいでしょう。
電気のつけっぱなしが多い
基本的なことではありますが、電気は使った分だけ料金がかかるため、無駄なつけっぱなしを避けることも重要です。
センサー式の機器を利用したり、電気を消し忘れやすい場所に貼り紙やメモをしたりして対策すると、電気のつけっぱなしを防ぎやすくなります。
オール電化住宅での一人暮らしで、電気代を節約する方法
オール電化住宅で一人暮らしをする際に、電気代を節約する方法は以下の5つです。
- 料金プランや電力会社を見直す
- 夜間料金を最大限活用する
- 省エネモードを活用する
- 消費電力が低い家電に買い替える
- 断熱対策を施す
<オール電化住宅での一人暮らしで、電気代を節約する方法>
それぞれを詳しく見ていきましょう。
料金プランや電力会社を見直す
前提として、オール電化向けのプランを選ぶことが重要ですが、電力会社の見直しも選択肢に含めましょう。
現在は、地元の大手電力会社だけでなく、民間の「新電力」へと自由に乗り換えられます。
大手電力会社と比較して料金が安くなる可能性があるため、さまざまな電力会社と料金を比較しましょう。
夜間料金を最大限活用する
電気代が割安になる夜間料金を最大限活用することも、ポイントです。一人暮らしで夜型の生活をしている方は、オール電化住宅で暮らすことにより、電気代を安く抑えやすいでしょう。
昼間の洗い物はシンクに残しておき、深夜に洗い物をするといった工夫の積み重ねが、節約につながります。
省エネモードを活用する
エコキュートには「省エネモード」が付帯する製品があります。省エネモードに設定すると、お湯を沸かす量を減らせるため、電力の消費量を削減することが可能です。
特に、あまりお湯を使わない夏の時期は、エコキュートを省エネモードに設定すると良いでしょう。
消費電力が低い家電に買い替える
現在使用している家電が古い場合は、消費電力が低い家電への買い替えも検討しましょう。
一人暮らしの方には、スマホから遠隔操作できる「スマート家電」の購入をおすすめします。
例えば、エアコンの場合、消し忘れて外出してしまったとしても、スマホを操作するだけで自宅の外から電源をオフにできます。
断熱対策を施す
室内に断熱対策を施すと、エアコンの風が室外に流出しにくくなるため、節約しやすくなります。
一人暮らしでは、賃貸物件に住むケースが多いですが、サッシの隙間を「隙間テープ」で塞いだり、「遮熱断熱カーテン」を使ったりする対策なら、原則として大家さんの許可を得る必要もありません。
まとめ
一人暮らしにおけるオール電化とガス併用の電気代を比較すると、平均額ではガス併用のほうが割安です。
ただし、オール電化には「光熱費が一元化される」「災害に強い」など、コスト以外のメリットも多くあります。
また、電気代が高くなる原因を把握することにより、電気代を節約しやすくもなります。
大手電力会社と新電力の料金プランも比較しながら、オール電化住宅での一人暮らしが魅力的なものになるかどうかを判断しましょう。
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