北陸のオール電化住宅での電気代は高い?原因や安くする方法、導入すべきか解説
北陸地方では、特に冬季の電気代が高くなりやすいため、光熱費を抑える方法がないか考慮している方も多いでしょう。
解決策のひとつとして挙げられるのが、ガス併用からオール電化への切り替えです。
この記事では、北陸におけるオール電化住宅の平均的な光熱費や、オール電化を導入すべきかなどを解説します。
北陸のオール電化住宅での電気代は高い?
北陸地方におけるオール電化住宅の電気代は、全国平均と比較してやや高めの水準です。
まずは以下のポイントを確認し、オール電化への切り替えがお得になるかどうかを見てみましょう。
<北陸のオール電化住宅での電気代は高い?>
- オール電化住宅の電気代の平均額
- 北陸における電気代・ガス代の平均
- 北陸でオール電化にした場合、電気代の目安は?
それぞれを解説します。
オール電化住宅の電気代の平均額
まずは、北陸とそのほかの地域における、オール電化住宅の電気代を比較してみます。
【オール電化住宅の電気代の平均額】
地域 | 一人暮らし | 二人暮らし | 三人家族 | 四人家族 |
---|---|---|---|---|
北陸(北陸電力) | 15,117円 | 23,692円 | 27,979円 | 32,266円 |
北海道(北海道電力) | 19,312円 | 31,410円 | 46,341円 | 43,973円 |
東北(東北電力) | 18,413円 | 27,784円 | 32,469円 | 37,155円 |
関東(東京電力) | 9,738円 | 15,710円 | 18,852円 | 21,994円 |
東海(中部電力) | 11,316円 | 17,634円 | 20,793円 | 23,952円 |
近畿(関西電力) | 9,954円 | 15,064円 | 17,619円 | 20,174円 |
中国(中国電力) | 11,029円 | 17,037円 | 20,040円 | 23,044円 |
四国(四国電力) | 13,115円 | 17,798円 | 20,860円 | 23,965円 |
九州(九州電力) | 8,544円 | 12,981円 | 15,199円 | 17,418円 |
沖縄(沖縄電力) | 7,309円 | 11,151円 | 13,072円 | 14,993円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量を正確に推計。 推計した電力使用量から、各エリア旧一般電気事業者のオール電化向けプランで2025年4月時点の電気代算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
一人暮らしの家庭で比較すると、北陸におけるオール電化住宅の光熱費は、全国で3番目の高さです。
冬場に多用する暖房器具のエネルギー消費量が多いため、北海道や東北といった寒冷地の光熱費は高くなる傾向にあります。
北陸における電気代・ガス代の平均
北陸における電気代・ガス代の平均は、世帯人数ごとに次のとおりです。
【北陸における電気代・都市ガス代の平均】
一人暮らし | 二人暮らし | 三人暮らし | 四人暮らし | |
---|---|---|---|---|
電気代 | 9,485円 | 15,655円 | 18,553円 | 21,753円 |
都市ガス代 | 3,195円 | 5,169円 | 6,533円 | 7,002円 |
電気+ガス代 | 12,679円 | 20,824円 | 25,086円 | 28,754円 |
光熱費合計(灯油代含む) | 14,309円 | 24,136円 | 28,497円 | 31,768円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量と都市ガス使用量を正確に推計。 推計した各使用量から、最新の電気代と都市ガス代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
オール電化住宅の平均と比較すると、一人暮らし~三人暮らしではやや安く、四人暮らしではやや高くなります。
ただし、オール電化の電気代は工夫次第でさらに安くなることに加えて、オール電化にはコストパフォーマンス以外のメリットがあります。
これについては、後ほど詳しく見ていきましょう。
【北陸における電気代・LPガス代の平均】
一人暮らし | 二人暮らし | 三人暮らし | 四人暮らし | |
---|---|---|---|---|
電気代 | 9,485円 | 15,655円 | 18,553円 | 21,753円 |
LPガス代 | 7,285円 | 9,162円 | 10,442円 | 10,987円 |
電気+ガス代 | 16,770円 | 24,818円 | 28,995円 | 32,739円 |
光熱費合計(灯油代含む) | 18,359円 | 28,273円 | 32,553円 | 35,883円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量とLPガス使用量を正確に推計。 推計した各使用量から、最新の電気代とLPガス代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
北陸でオール電化にした場合、電気代の目安は?
北陸地方でオール電化にした場合、月ごとの電気代の目安は、家族構成別に以下のとおりです。
【北陸地方でオール電化にした場合の電気代の目安】
一人暮らし | 二人暮らし | 三人暮らし | 四人暮らし | |
---|---|---|---|---|
1月 | 22,103円 | 35,334円 | 41,950円 | 48,566円 |
2月 | 20,822円 | 33,200円 | 39,389円 | 45,578円 |
3月 | 18,692円 | 29,649円 | 35,128円 | 40,607円 |
4月 | 13,627円 | 21,208円 | 24,999円 | 28,790円 |
5月 | 13,819円 | 21,528円 | 25,382円 | 29,237円 |
6月 | 11,681円 | 17,964円 | 21,106円 | 24,248円 |
7月 | 12,823円 | 19,868円 | 23,391円 | 26,913円 |
8月 | 13,697円 | 21,326円 | 25,140円 | 28,954円 |
9月 | 11,706円 | 18,006円 | 21,156円 | 24,307円 |
10月 | 11,350円 | 17,414円 | 20,445円 | 23,477円 |
11月 | 13,622円 | 21,200円 | 24,989円 | 28,777円 |
12月 | 17,464円 | 27,603円 | 32,672円 | 37,742円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量を正確に推計。 推計した電力使用量から、北陸電力のオール電化向けプランで最新の電気代算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
12月~3月にかけての4ヶ月間が、特に高いことがわかります。
北陸でオール電化住宅の電気代が高くなる理由
先ほどご紹介したように、北陸のオール電化住宅の電気代は、4人家族で3万円を上回るケースも見られます。
電気代が高くなりがちな理由として挙げられるのは、次の4つです。
<北陸でオール電化住宅の電気代が高くなる理由>
- 冬季に暖房器具を使う時間が増えるため
- エネルギー効率が低い旧式のエコキュートを使用しているため
- 電気料金プランがオール電化に適していないため
- 電気代そのものが上がっているため
それぞれを具体的に見ていきましょう。
冬季に暖房器具を使う時間が増えるため
北陸や北海道、東北といった寒冷地は、冬季に暖房器具を使う時間が増えるため、そのほかの地域と比べて電気代が高くなる傾向にあります。
先ほどの比較表でご紹介したとおり、北陸の電気代を月別に比較すると、1月の電気代は6月の約2倍でした。
オール電化にした後も、暖房だけは灯油を利用した方が光熱費は抑えられるでしょう。
エネルギー効率が低い旧式のエコキュートを使用しているため
オール電化住宅では「エコキュート」という給湯器を利用することが一般的です。
旧式のエコキュートや電気温水器を使い続けている場合、エコキュートのエネルギー効率が低いため、新しいエコキュートと比較して電気代が高くなります。
エネルギー効率がよいエコキュートに買い替える場合は「年間給湯保温効率」を比較しましょう。
年間給湯保温効率が0.1高くなると、目安として年間1,000円を節約できます。
仮に年間給湯保温効率3.3から4.0のエコキュートに交換すると、年間7,000円の電気代を節約する効果が期待できます。
電気料金プランがオール電化に適していないため
オール電化導入後は、電力会社が提供している「オール電化向けプラン」に変更しましょう。
オール電化向けプランとは、電気を使う時間帯によって料金が変動するプランです。
エコキュートは夜間に電力を利用するため、夜間料金が安いオール電化向けプランに切り替えると、電気代を節約しやすくなります。
電気代そのものが上がっているため
以下のような事情により、電気代そのものが高騰しています。
<電気代高騰の主な原因>
- 原子力発電所の稼働停止に伴う発電コストの上昇
- 火力発電に用いる原油や石炭などの価格上昇
- ウクライナ侵攻に起因するロシアからの原油・石炭などの輸入規制
このため、北陸地方に限らず、数年前の電気代と比較して、近年の電気代は全国的に割高な状態です。
ただし、海外からの資源を輸入している点はガスも同様です。
ガスも電気同様に高騰しているため、トータルでの光熱費削減を目指すのがおすすめです。
北陸でオール電化にするメリット
北陸でオール電化にするメリットは、次の3つです。
<北陸でオール電化にするメリット>
- 地震や豪雨・豪雪などの災害に備えやすくなる
- 光熱費を一元管理できる
- ガス併用よりも光熱費が安くなる可能性がある
それぞれのポイントを解説します。
地震や豪雨・豪雪などの災害に備えやすくなる
地震などの災害に備えやすいことが、オール電化のメリットです。
記憶に新しい能登半島地震をきっかけに、防災意識を高めた方は多いかもしれません。
オール電化ではガスを使わないため、火災やガス漏れによる爆発などのリスクを抑えられます。
また、電力の復旧は比較的早いため、被災後に元の生活を取り戻しやすいです。
光熱費を一元管理できる
電気代とガス代を一括で管理できるため、家計管理が楽になり、支出の把握や予算管理がしやすいでしょう。
また、ガスの基本料金も発生しないため、料金の節約にもつながります。
ガス併用よりも光熱費が安くなる可能性がある
北陸地方では、オール電化導入後、ガス併用よりも光熱費が安くなる可能性があります。
先ほどご紹介した情報をあらためて、整理してみましょう。
【北陸地方におけるオール電化住宅とカス併用住宅の平均的な光熱費】
一人暮らし | 二人暮らし | 三人家族 | 四人家族 | |
---|---|---|---|---|
オール電化 | 15,117円 | 23,692円 | 27,979円 | 32,266円 |
都市ガス併用 | 14,309円 | 24,136円 | 28,497円 | 31,768円 |
LPガス併用 | 18,359円 | 28,273円 | 32,553円 | 35,883円 |
※すべて2025年4月の情報
1ヶ月あたりの料金目安を比較すると、都市ガス併用の場合は二人暮らしと三人暮らしの家庭で、オール電化のほうが安いことがわかります。
後述する「北陸のオール電化住宅で電気代を抑える方法」のポイントを活かすことにより、さらにオール電化の電気代を抑えやすくなるでしょう。
LPガス併用の場合と比較すると、いずれの家庭においてもオール電化の方が光熱費が安くなります。
北陸でオール電化にするデメリット
北陸でオール電化にするデメリットは、次の3つです。
<北陸でオール電化にするデメリット>
- 停電するとすべてのエネルギーがストップしてしまう
- 初期コストがやや高い
- 使用できる調理器具が限られる
メリットと併せて確認しておきましょう。
停電するとすべてのエネルギーがストップしてしまう
オール電化は、室内のエネルギーを電力だけでまかなうため、停電するとすべての電気製品が使えなくなります。
万一に備えたい場合は、電気代が安い時間帯に充電した電力を非常時に活用できる「蓄電池」の購入も検討しましょう。
初期コストがやや高い
オール電化で利用するエコキュートの導入にかかる費用は、40万円~70万円前後であり、これはガス給湯器の約2倍のコストです。
ただし、エコキュートはガス給湯器よりも長持ちしやすいため、光熱費を抑えられると、長い目で見ればお得になります。
使用できる調理器具が限られる
IHクッキングヒーターでは、土鍋や陶磁器、耐熱ガラスといった素材を用いている調理器具を使用できません。
そのため、場合によりIH対応の調理器具に買い替える必要があります。
北陸でオール電化の導入をおすすめできるケース
北陸でオール電化の導入をおすすめできるのは、以下に該当する場合です。
<北陸でオール電化の導入をおすすめできるケース>
- 光熱費を削減したい方
- 地震や降雪などの自然災害に備えたい方
- 光熱費の支払いを一元管理したい方
- 夜間に電気を使う機会が多い方
北陸のオール電化住宅で、電気代を抑える方法
北陸のオール電化住宅で電気代を抑える方法は、次の3つです。
<北陸のオール電化住宅で、電気代を抑える方法>
- オール電化に適した電力会社や料金プランを選ぶ
- 省エネ性能が高い家電に買い替える
- 家の断熱対策を行う
それぞれを解説します。
オール電化に適した電力会社や料金プランを選ぶ
オール電化に適した、夜間の電気代が安い電力会社や料金プランを選びましょう。
北陸電力のオール電化向けプラン「くつろぎナイト12」の概要は、次のとおりです。
【北陸電力のオール電化向けプラン「くつろぎナイト12」の概要】
料金の区分 | 単位 | 料金単価 |
---|---|---|
昼間時間(夏季料金) | 1kWh | 39.87円 |
昼間時間(その他季料金) | 39.87円 | |
ウィークエンド時間 | 33.80円 | |
夜間時間 | 26.98円 |
夜間時間は20時から翌8時までの12時間で、この間の料金が安くなります。
省エネ性能が高い家電に買い替える
省エネ性能が高い家電に交換すると、電力消費量が同じでも、電気代自体が安くなります。
例えば、2013年のエアコンと、2023年の省エネタイプのエアコン(多段階評価★3.0以上)を比較すると、年間の電気代が約4,150円もお得です。
家の断熱対策を行う
北陸の寒さを効率よくしのぐためには、家の断熱対策を行うことも有効です。
性能がよい断熱材を使ってリフォームしたり、遮光カーテンに交換したりといった対策を行うと、暖房で暖めた空気が外部に漏れにくくなり、効率よく室内を暖められます。
まとめ
北陸地方の電気代は、暖房器具を多用する冬季に高くなりがちです。
オール電化に切り替えると、ガス併用と比較して電気代を抑えやすくなります。
オール電化には「災害に強い」「光熱費の支払いを一元化できる」などのメリットもあるため、オール電化の導入を検討してみてはいかがでしょう。

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!
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