北陸のオール電化住宅での電気代は高い?原因や安くする方法、導入すべきか解説

  • 更新日:2025/07/15

北陸地方では、特に冬季の電気代が高くなりやすいため、光熱費を抑える方法がないか考慮している方も多いでしょう。

解決策のひとつとして挙げられるのが、ガス併用からオール電化への切り替えです。

この記事では、北陸におけるオール電化住宅の平均的な光熱費や、オール電化を導入すべきかなどを解説します。

目次

北陸のオール電化住宅での電気代は高い?

北陸地方におけるオール電化住宅の電気代は、全国平均と比較してやや高めの水準です。

まずは以下のポイントを確認し、オール電化への切り替えがお得になるかどうかを見てみましょう。

<北陸のオール電化住宅での電気代は高い?>

  • オール電化住宅の電気代の平均額
  • 北陸における電気代・ガス代の平均
  • 北陸でオール電化にした場合、電気代の目安は?

それぞれを解説します。

オール電化住宅の電気代の平均額

まずは、北陸とそのほかの地域における、オール電化住宅の電気代を比較してみます。

【オール電化住宅の電気代の平均額】
地域 一人暮らし 二人暮らし 三人家族 四人家族
北陸(北陸電力) 15,117円 23,692円 27,979円 32,266円
北海道(北海道電力) 19,312円 31,410円 46,341円 43,973円
東北(東北電力) 18,413円 27,784円 32,469円 37,155円
関東(東京電力) 9,738円 15,710円 18,852円 21,994円
東海(中部電力) 11,316円 17,634円 20,793円 23,952円
近畿(関西電力) 9,954円 15,064円 17,619円 20,174円
中国(中国電力) 11,029円 17,037円 20,040円 23,044円
四国(四国電力) 13,115円 17,798円 20,860円 23,965円
九州(九州電力) 8,544円 12,981円 15,199円 17,418円
沖縄(沖縄電力) 7,309円 11,151円 13,072円 14,993円

※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量を正確に推計。 推計した電力使用量から、各エリア旧一般電気事業者のオール電化向けプランで2025年4月時点の電気代算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。

一人暮らしの家庭で比較すると、北陸におけるオール電化住宅の光熱費は、全国で3番目の高さです。

冬場に多用する暖房器具のエネルギー消費量が多いため、北海道や東北といった寒冷地の光熱費は高くなる傾向にあります。

北陸における電気代・ガス代の平均

北陸における電気代・ガス代の平均は、世帯人数ごとに次のとおりです。

【北陸における電気代・都市ガス代の平均】
一人暮らし 二人暮らし 三人暮らし 四人暮らし
電気代 9,485円 15,655円 18,553円 21,753円
都市ガス代 3,195円 5,169円 6,533円 7,002円
電気+ガス代 12,679円 20,824円 25,086円 28,754円
光熱費合計(灯油代含む) 14,309円 24,136円 28,497円 31,768円

※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量と都市ガス使用量を正確に推計。 推計した各使用量から、最新の電気代と都市ガス代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。

オール電化住宅の平均と比較すると、一人暮らし~三人暮らしではやや安く、四人暮らしではやや高くなります。

ただし、オール電化の電気代は工夫次第でさらに安くなることに加えて、オール電化にはコストパフォーマンス以外のメリットがあります。

これについては、後ほど詳しく見ていきましょう。

【北陸における電気代・LPガス代の平均】
一人暮らし 二人暮らし 三人暮らし 四人暮らし
電気代 9,485円 15,655円 18,553円 21,753円
LPガス代 7,285円 9,162円 10,442円 10,987円
電気+ガス代 16,770円 24,818円 28,995円 32,739円
光熱費合計(灯油代含む) 18,359円 28,273円 32,553円 35,883円

※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量とLPガス使用量を正確に推計。 推計した各使用量から、最新の電気代とLPガス代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。

北陸でオール電化にした場合、電気代の目安は?

北陸地方でオール電化にした場合、月ごとの電気代の目安は、家族構成別に以下のとおりです。

【北陸地方でオール電化にした場合の電気代の目安】
一人暮らし 二人暮らし 三人暮らし 四人暮らし
1月 22,103円 35,334円 41,950円 48,566円
2月 20,822円 33,200円 39,389円 45,578円
3月 18,692円 29,649円 35,128円 40,607円
4月 13,627円 21,208円 24,999円 28,790円
5月 13,819円 21,528円 25,382円 29,237円
6月 11,681円 17,964円 21,106円 24,248円
7月 12,823円 19,868円 23,391円 26,913円
8月 13,697円 21,326円 25,140円 28,954円
9月 11,706円 18,006円 21,156円 24,307円
10月 11,350円 17,414円 20,445円 23,477円
11月 13,622円 21,200円 24,989円 28,777円
12月 17,464円 27,603円 32,672円 37,742円

※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量を正確に推計。 推計した電力使用量から、北陸電力のオール電化向けプランで最新の電気代算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。

12月~3月にかけての4ヶ月間が、特に高いことがわかります。

北陸でオール電化住宅の電気代が高くなる理由

先ほどご紹介したように、北陸のオール電化住宅の電気代は、4人家族で3万円を上回るケースも見られます。

電気代が高くなりがちな理由として挙げられるのは、次の4つです。

<北陸でオール電化住宅の電気代が高くなる理由>

  • 冬季に暖房器具を使う時間が増えるため
  • エネルギー効率が低い旧式のエコキュートを使用しているため
  • 電気料金プランがオール電化に適していないため
  • 電気代そのものが上がっているため

それぞれを具体的に見ていきましょう。

冬季に暖房器具を使う時間が増えるため

北陸や北海道、東北といった寒冷地は、冬季に暖房器具を使う時間が増えるため、そのほかの地域と比べて電気代が高くなる傾向にあります。

先ほどの比較表でご紹介したとおり、北陸の電気代を月別に比較すると、1月の電気代は6月の約2倍でした。

オール電化にした後も、暖房だけは灯油を利用した方が光熱費は抑えられるでしょう。

エネルギー効率が低い旧式のエコキュートを使用しているため

オール電化住宅では「エコキュート」という給湯器を利用することが一般的です。

旧式のエコキュートや電気温水器を使い続けている場合、エコキュートのエネルギー効率が低いため、新しいエコキュートと比較して電気代が高くなります。

エネルギー効率がよいエコキュートに買い替える場合は「年間給湯保温効率」を比較しましょう。

年間給湯保温効率が0.1高くなると、目安として年間1,000円を節約できます。

仮に年間給湯保温効率3.3から4.0のエコキュートに交換すると、年間7,000円の電気代を節約する効果が期待できます。

電気料金プランがオール電化に適していないため

オール電化導入後は、電力会社が提供している「オール電化向けプラン」に変更しましょう。

オール電化向けプランとは、電気を使う時間帯によって料金が変動するプランです。

エコキュートは夜間に電力を利用するため、夜間料金が安いオール電化向けプランに切り替えると、電気代を節約しやすくなります。

電気代そのものが上がっているため

以下のような事情により、電気代そのものが高騰しています。

<電気代高騰の主な原因>

  • 原子力発電所の稼働停止に伴う発電コストの上昇
  • 火力発電に用いる原油や石炭などの価格上昇
  • ウクライナ侵攻に起因するロシアからの原油・石炭などの輸入規制

このため、北陸地方に限らず、数年前の電気代と比較して、近年の電気代は全国的に割高な状態です。

ただし、海外からの資源を輸入している点はガスも同様です。

ガスも電気同様に高騰しているため、トータルでの光熱費削減を目指すのがおすすめです。

北陸でオール電化にするメリット

北陸でオール電化にするメリットは、次の3つです。

<北陸でオール電化にするメリット>

  • 地震や豪雨・豪雪などの災害に備えやすくなる
  • 光熱費を一元管理できる
  • ガス併用よりも光熱費が安くなる可能性がある

それぞれのポイントを解説します。

地震や豪雨・豪雪などの災害に備えやすくなる

地震などの災害に備えやすいことが、オール電化のメリットです。

記憶に新しい能登半島地震をきっかけに、防災意識を高めた方は多いかもしれません。

オール電化ではガスを使わないため、火災やガス漏れによる爆発などのリスクを抑えられます。

また、電力の復旧は比較的早いため、被災後に元の生活を取り戻しやすいです。

光熱費を一元管理できる

電気代とガス代を一括で管理できるため、家計管理が楽になり、支出の把握や予算管理がしやすいでしょう。

また、ガスの基本料金も発生しないため、料金の節約にもつながります。

ガス併用よりも光熱費が安くなる可能性がある

北陸地方では、オール電化導入後、ガス併用よりも光熱費が安くなる可能性があります。

先ほどご紹介した情報をあらためて、整理してみましょう。

【北陸地方におけるオール電化住宅とカス併用住宅の平均的な光熱費】
一人暮らし 二人暮らし 三人家族 四人家族
オール電化 15,117円 23,692円 27,979円 32,266円
都市ガス併用 14,309円 24,136円 28,497円 31,768円
LPガス併用 18,359円 28,273円 32,553円 35,883円

※すべて2025年4月の情報

1ヶ月あたりの料金目安を比較すると、都市ガス併用の場合は二人暮らしと三人暮らしの家庭で、オール電化のほうが安いことがわかります。

後述する「北陸のオール電化住宅で電気代を抑える方法」のポイントを活かすことにより、さらにオール電化の電気代を抑えやすくなるでしょう。

LPガス併用の場合と比較すると、いずれの家庭においてもオール電化の方が光熱費が安くなります。

北陸でオール電化にするデメリット

北陸でオール電化にするデメリットは、次の3つです。

<北陸でオール電化にするデメリット>

  • 停電するとすべてのエネルギーがストップしてしまう
  • 初期コストがやや高い
  • 使用できる調理器具が限られる

メリットと併せて確認しておきましょう。

停電するとすべてのエネルギーがストップしてしまう

オール電化は、室内のエネルギーを電力だけでまかなうため、停電するとすべての電気製品が使えなくなります。

万一に備えたい場合は、電気代が安い時間帯に充電した電力を非常時に活用できる「蓄電池」の購入も検討しましょう。

初期コストがやや高い

オール電化で利用するエコキュートの導入にかかる費用は、40万円~70万円前後であり、これはガス給湯器の約2倍のコストです。

ただし、エコキュートはガス給湯器よりも長持ちしやすいため、光熱費を抑えられると、長い目で見ればお得になります。

使用できる調理器具が限られる

IHクッキングヒーターでは、土鍋や陶磁器、耐熱ガラスといった素材を用いている調理器具を使用できません。

そのため、場合によりIH対応の調理器具に買い替える必要があります。

北陸でオール電化の導入をおすすめできるケース

北陸でオール電化の導入をおすすめできるのは、以下に該当する場合です。

<北陸でオール電化の導入をおすすめできるケース>

  • 光熱費を削減したい方
  • 地震や降雪などの自然災害に備えたい方
  • 光熱費の支払いを一元管理したい方
  • 夜間に電気を使う機会が多い方

北陸のオール電化住宅で、電気代を抑える方法

北陸のオール電化住宅で電気代を抑える方法は、次の3つです。

<北陸のオール電化住宅で、電気代を抑える方法>

  • オール電化に適した電力会社や料金プランを選ぶ
  • 省エネ性能が高い家電に買い替える
  • 家の断熱対策を行う

それぞれを解説します。

オール電化に適した電力会社や料金プランを選ぶ

オール電化に適した、夜間の電気代が安い電力会社や料金プランを選びましょう。

北陸電力のオール電化向けプラン「くつろぎナイト12」の概要は、次のとおりです。

【北陸電力のオール電化向けプラン「くつろぎナイト12」の概要】
料金の区分 単位 料金単価
昼間時間(夏季料金) 1kWh 39.87円
昼間時間(その他季料金) 39.87円
ウィークエンド時間 33.80円
夜間時間 26.98円

夜間時間は20時から翌8時までの12時間で、この間の料金が安くなります。

省エネ性能が高い家電に買い替える

省エネ性能が高い家電に交換すると、電力消費量が同じでも、電気代自体が安くなります。

例えば、2013年のエアコンと、2023年の省エネタイプのエアコン(多段階評価★3.0以上)を比較すると、年間の電気代が約4,150円もお得です。

家の断熱対策を行う

北陸の寒さを効率よくしのぐためには、家の断熱対策を行うことも有効です。

性能がよい断熱材を使ってリフォームしたり、遮光カーテンに交換したりといった対策を行うと、暖房で暖めた空気が外部に漏れにくくなり、効率よく室内を暖められます。

まとめ

北陸地方の電気代は、暖房器具を多用する冬季に高くなりがちです。

オール電化に切り替えると、ガス併用と比較して電気代を抑えやすくなります。

オール電化には「災害に強い」「光熱費の支払いを一元化できる」などのメリットもあるため、オール電化の導入を検討してみてはいかがでしょう。

<この記事を書いた人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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エコモ博士
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