エコキュートの選び方は?タイプや機能、地域での選び方をご紹介
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かす、お財布にも地球環境にもやさしい給湯器です。タンクに貯まったお湯や水は、停電時や断水時にも利用できるため、災害時に役立つ設備としても注目されています。しかし、いざエコキュートを購入しようと資料を集めてみると、種類の多さに混乱する方も少なくありません。
そこで今回は、エコキュートの選び方について、給湯タイプやタンク容量、設置スペースなど、特に重要な6つのポイントからわかりやすく解説します。この記事を最後までご覧いただければ、ご自身にぴったりのエコキュートを簡単に見分けられるようになるでしょう。
エコキュートの選び方
エコキュートの選び方で重要なポイントは次の6つです。
<エコキュートの選び方で重要なポイント>
- 給湯タイプ
- タンク容量
- 設置スペース
- 給湯圧
- 地域仕様
- 省エネ性能と機能
この記事では、上記6つのポイントに焦点を当てて、ご自身にとって最適なエコキュートの選び方を解説します。
給湯タイプ別の選び方
給湯タイプは大きく「フルオートタイプ」「オートタイプ」「給湯専用タイプ」の3種類です。給湯タイプによって「保温や足し湯も自動で行うか」などの基本的な性能が異なり、販売価格にも差があります。ライフスタイルや好みに合った給湯タイプを選べるように、それぞれの特徴をチェックしましょう。
フルオートタイプ
フルオートタイプは、お湯はりや保温、足し湯までをすべて自動で行うタイプです。お湯が減ったり冷めたりすると、エコキュートが自動で調整を行い、快適な入浴環境を整えます。常に快適な温度やお湯の量を保ちたい方や家族の入浴時間がバラバラになりやすいご家庭に最適です。
各メーカーが最も力を入れて開発しているため商品数が多く、的確に機種選びを進める必要があります。メーカーごとの独自機能にも注目し、魅力を感じる機種を絞り込みましょう。
オートタイプ
オートタイプは、お湯はりだけを自動で行い、保温や足し湯は手動で行うタイプです。フルオートと比べて本体価格を抑えられるため、コストパフォーマンスを重視しつつ、最初のお湯はりだけは自動にしたい方に適しています。家族の入浴時間が重なりやすいご家庭や手動操作が苦にならない方も、オートタイプを選ぶと良いでしょう。
ただし、メーカーや機種によって、自動でできる範囲とできない範囲に差があります。どこまで自動なのかをしっかり確認することが、オートタイプの購入に失敗しないコツです。
給湯専用タイプ
給湯専用タイプは、オート機能がなく、すべての作業を自分で行うタイプのエコキュートです。設置コストを最小限に抑えたい方や追い焚きなどの配管工事ができないご自宅にお住まいの方は、給湯専用タイプを選ぶと良いでしょう。
タンク容量の選び方
エコキュートは、原則として深夜に沸かしたお湯をタンクに貯めておき、日中に使用する仕組みです。自分に合ったタンク容量を選ばないと、日中にお湯の量が不足する「湯切れ」を引き起こします。余裕を持ったサイズ選びができるように、家族の人数や想定する使い方に合ったタンク容量を選びましょう。
家族人数での考え方
家族人数ごとに見た、適切なタンク容量の目安は次のとおりです。
【家族人数ごとに見た適切なタンク容量】
| 家族の人数 | 適切なタンク容量の目安 |
|---|---|
| 2~4人 | 300L以上 |
| 3~5人 | 370L以上 |
| 4~8人 | 460L以上 |
平常時のみの使用であれば、この程度の容量があれば十分です。
災害時のための貯湯量
通常のお湯の使用量からタンク容量を決めるのが基本ですが、災害時のことも考慮した容量を選びましょう。貯湯タンクに貯まっているお湯は、災害時の非常用水として利用できます。数日分のトイレや手洗いの水を確保したい場合は、家族人数の目安よりも1サイズ大きな容量を選ぶと安心です。
湯切れへの対策
湯切れとは、貯湯タンク内のお湯を使い切り、その日に必要なお湯を追加で沸かす必要が生じる状態です。特に冬場は給湯温度が低くなりやすく、お湯の使用量が増えます。シャワーを長く使う家族がいる場合や将来的に出産などで家族が増える可能性がある場合は、湯切れのリスクを見越した容量を選びましょう。
設置スペースの確認
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を作る「ヒートポンプユニット」とヒートポンプユニットで作ったお湯を貯めておく「貯湯タンクユニット」で構成されます。この2つのユニットを設置するのに必要なスペースを事前に確認しましょう。
確認すべきポイント
エコキュートの形状は、大きく「角型」「薄型」「コンパクト」「ローボディ」の4つです。それぞれユニットの幅や奥行きが異なるため、設置スペースに合ったタイプを選びましょう。この際に確認すべきポイントをリストアップします。
<設置スペースのチェックポイント>
- 予定している設置スペースに収まるサイズか
- 搬入やメンテナンススペースとして、本体サイズ+30~60cmを確保できるか
- 排水管の通り道を確保できるか
- 寝室や隣家から離れた場所に設置できるか
エコキュートの稼働音は40dB前後で、図書館の中と同程度の水準です。ただし、エコキュートは深夜に稼働することが多く、就寝中に音や振動が気になる場合があります。睡眠への影響や近隣トラブルのリスクを低減するためにも、寝室や隣家からなるべく離れた場所に設置しましょう。
屋内と屋外の違い
エコキュートは基本的に屋外に設置するものです。ただし、寒冷地やマンションなどの狭小地といった特殊な事情がある場合は、貯湯タンクのみを屋内に設置することがあります。
屋内設置のメリットは、敷地の外観がスッキリすることと貯湯タンクの温度が下がりにくいことです。一方で、貯湯タンクの放熱で室内が暖まりやすいことや屋内設置に対応するエコキュートが少ないことはデメリットといえます。敷地内に設置スペースがない場合を除き、原則として屋外設置をおすすめします。
給湯圧の選び方
給湯圧とは、主にシャワーを使う際の水圧のことです。特に2階、3階部分の水圧は弱くなりやすいため、状況に応じて給湯圧が強い「高圧タイプ」のエコキュートを検討しましょう。
家の設備条件での違い
エコキュートは貯湯式の給湯器であり、貯湯タンクには「減圧弁」と呼ばれる部品が設置されています。これは、水圧による機器の破損を防ぐために不可欠な部品です。減圧弁の影響により、一般的なエコキュートの水圧はガス給湯器と比べて低くなります。
特に2階~3階に浴室がある場合や、古い住宅で配管が古い場合、混合栓を使用している場合は影響が顕著です。水圧の強さにこだわりたい場合は、高圧タイプのエコキュートの購入を検討しましょう。
現在の水圧から計算
先述した減圧弁の影響により、現在のガス給湯器と比べると、エコキュート導入後の水圧は弱くなる可能性があります。現状の水圧をチェックして、今よりも強い水圧が必要かどうか考えましょう。ガス給湯器の水圧は、次の手順で確認できます。
<ガス給湯器の水圧を調べる方法>
2Lのペットボトルを用意する
蛇口をペットボトルに差し込み、満タンになるまでの時間を測る
満タンになるまでの時間ごとに見た水圧の目安は次のとおりです。
【水圧の目安】
| 満タンまでの秒数 | 水圧の目安 |
|---|---|
| 1~3秒 | 0.5MPa以上 |
| 4~5秒 | 0.4MPa以上 |
| 6~8秒 | 0.3MPa以上 |
| 9~12秒 | 0.2MPa以上 |
0.3MPa以上であれば、おおむね適正な範囲です。
高圧タイプを検討すべき家庭の特徴
エコキュートの高圧タイプは、以下のようなご家庭におすすめです。
<高圧タイプがおすすめのご家庭>
- 2~3階で水圧に不満がある場合
- 複数箇所で同時にお湯を使うことが多い場合
- マッサージシャワーなど強い水圧を好む場合
地域による選び方
お住まいの地域の気候条件に合ったモデルを選ぶことも重要です。地域に合ったエコキュートを的確に選ぶことで、故障を防ぎやすくなり、寿命が延びる可能性があります。3つのポイントを確認して、ご自宅の特性に合ったエコキュートを選びましょう。
寒冷地なら凍結防止機能付き
最低気温がマイナス10℃を下回る地域では、凍結防止機能が付いた「寒冷地仕様」のエコキュートが適しています。ヒーターなど独自の機能が搭載されており、真冬の厳しい環境下でも正常に稼働するよう工夫されています。降雪地帯など、冬場に凍結が発生しやすい地域にお住まいの場合は、寒冷地仕様のエコキュートを選びましょう。
塩害地域なら耐塩害仕様
海からの距離が1km以内の塩害地域にお住まいの方には、耐塩害仕様のエコキュートがおすすめです。潮風による腐食を防げるように、一般的な仕様のエコキュートよりも塗装や部品が強化されています。一般的な仕様のエコキュートを塩害地域で使用すると、部品がさびやすく、劣化を早めるおそれがあるため注意が必要です。
設置場所の工夫
風当たりが強い場所や潮風が吹く場所、積雪がある場合には、設置場所をしっかり検討する必要があります。季節風や雪によるダメージが見込まれる場合は、防雪部材を取り付けると良いでしょう。状況に応じて、先述した屋内用エコキュートの導入も検討してください。
省エネ性能と機能での選び方
エコキュートを導入するメリットの一つが、ガス給湯器と比べて省エネ性能を高めやすいことです。エコキュートは機種によって機能が異なり、省エネ性能も変化します。求めている省エネ性能を備えているかどうか、購入前にチェックしましょう。
省エネ性能の見方
省エネ性能を見極めるうえで指標となるのが「年間給湯保温効率」です。年間給湯保温効率は、エコキュートが使用した電力のうち、お湯をつくって保温するために活用したエネルギーの割合を示します。年間給湯保温効率が高いほど、省エネ性能が良いエコキュートと考えましょう。
目安として、年間給湯保温効率が3.6以上の機種を選ぶと、省エネ性能の高さを実感しやすいでしょう。数値が高いほど補助金の対象になりやすく、エコキュートをお得に導入できます。
あると便利な機能
エコキュートには次のような機能が搭載されている場合があります。
【あると便利な機能】
| 機能 | 特徴 |
|---|---|
| 自動配管洗浄 | 配管を自動で洗浄するため、メンテナンスの手間を減らしやすい |
| 床暖房 | タンク内のお湯を床下に循環させ、お部屋全体を暖める |
| 浴室暖房 | 浴室全体を暖めることにより、ヒートショックのリスクを軽減する |
これらの機能が、生活の質を高めてくれる可能性があります。
必要な機能となくても困らない機能の切り分け
「せっかく購入するなら、今は必要とは思わなくても、たくさんの機能が備わったエコキュートを選びたい」と考える方も多いでしょう。しかし、多機能・高機能のエコキュートほど販売価格が高額になりがちです。予算との兼ね合いも見ながら、必要とする機能だけを備えたエコキュートを選ぶことをおすすめします。
まとめ
エコキュートの選び方と、それぞれのチェックポイントをまとめます。
【エコキュートの選び方】
| 選び方 | チェックポイント |
|---|---|
| 給湯タイプ | ・フルオートタイプ ・オートタイプ ・給湯専用タイプ |
| タンク容量 | ・家族人数での考え方を把握する ・災害時のための貯湯量を計算する ・湯切れへの対策を行う |
| 設置スペース | ・角型、薄型、コンパクトなどタイプごとのサイズを調べる ・屋内と屋外の違いを知る |
| 給湯圧 | ・家の設備条件での違いを知る ・現在の水圧から高圧タイプが必要か検討する ・高圧タイプを検討すべき家庭の特徴を確認 |
| 地域 | ・寒冷地なら凍結防止機能付き ・塩害地域なら耐塩害仕様 ・風当たりが強い場所や積雪がある場合の設置場所を工夫する |
| 省エネ性能と機能 | ・省エネ性能の見方を知る ・あると便利な機能を整理する ・必要な機能となくても困らない機能を切り分ける |
上記のポイントを整理すると、ご自身にぴったりのエコキュートが見つかります。一般論として、多機能・高機能なエコキュートほど販売価格が割高です。予算との兼ね合いも見ながら、本当に必要とする機能や性能が備わっているかどうかをチェックすることが、コストパフォーマンスが高い機種を選ぶコツです。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!


















