エコキュートによる騒音はある?原因やトラブル、対策についてもご紹介

  • 更新日:2026/04/02

エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクで構成される給湯器です。省エネでお湯を沸かせる便利な機器ですが、導入時には自宅の敷地内に設備を増設する必要があるため、稼働時の騒音が発生しないか不安な方も多いかもしれません。実際に「エコキュートの運転音が気になる」といった口コミも見られます。

そこで本記事では、エコキュートが発する音の大きさを紹介したうえで、騒音だと感じられる原因や騒音によって起こり得るトラブル例をご紹介します。さらに、騒音を抑えるために有効な対策にも触れました。騒音に不安を抱えている方はもちろん、「騒音をどうにかしたい」とお困りの方も、ぜひ参考にしてください。

目次

エコキュートの音はどのくらい?

エコキュートの音は、主にヒートポンプユニット付近から発生します。騒音レベルは40~50dB(デシベル)程度で、図書館や閑静な住宅街と同程度とされています。騒音値と生活への影響を一覧にまとめました。

【騒音レベルと生活への影響】
騒音値 騒音の発生源 生活への影響
20db ささやき ほとんど聞こえない
40db 図書館 聞こえるが、会話への支障はない
60db 乗用車の車内 声を大きくすれば会話ができる
80db 地下鉄の車内 うるさくて会話ができない
100db 電車が通るときのガード下 聴覚に異常をきたす可能性がある

エコキュートの運転音は、一般的には会話に支障が出るほどではありません。ただし、エコキュートは夜間に稼働することが多く、周囲が静かな環境では相対的に大きく感じる可能性があります。特に冬場など外気温が低い日は、空気を圧縮する際の負荷が増え、運転音がやや大きくなりがちです。

エコキュートの音が騒音だと感じられる主な原因

エコキュートの音を騒音に感じる背景には、単純な運転音の大きさだけでなく、周辺環境や設置条件が関係しているケースが多くあります。ここでは、主な原因を4つに絞って解説します。

設置場所の問題

ヒートポンプユニットの設置場所によっては、運転音を騒音として感じやすくなります。次のような場所に設置している場合は、特に注意が必要です。

<エコキュートの稼働音を騒音に感じやすい設置場所の例>

  • 隣家のすぐ近く
  • 寝室の周辺または窓の近く
  • 壁や塀に囲まれた狭いスペース
  • エアコン室外機などその他の騒音源の近く

静かな居住空間の近くにヒートポンプユニットがあると、運転音が強調されやすくなります。壁や塀に囲まれた場所では、音が反射して大きく感じることもあります。また、他の騒音源の近くに設置すると音が重なり、実際以上に大きく感じやすくなるでしょう。

共振や振動が発生している場合

ヒートポンプユニットのファンや圧縮機はわずかに振動するため、その揺れが建物に伝わって共振を起こすことがあります。共振とは、物体の固有振動数と近い振動が加わったときに、振動の幅が大きくなる現象です。ギターが弦の音を共振させて大きく響かせるのと同様の現象が、ヒートポンプユニットと住宅の間でも起こり得ます。

特に木造住宅の固有振動数は4~8Hz程度とされており、条件によっては共振が生じやすい場合があるのです。共振が起きると、建物全体が揺れているように感じられ、不快感が増すことがあります。設置台が不安定だったり、ヒートポンプユニットが地面や壁に直接固定されていたりすると、振動が伝わりやすくなります。

周辺環境が静かな場合

閑静な住宅街では環境音が少ないため、40dB程度の一般的な運転音でも騒音として感じやすくなります。エコキュートは、多くの場合23時~早朝にかけてお湯を沸かします。日中は賑やかな地域でも、夜間に通行量や交通量が減る場所では運転音が目立ちやすくなるでしょう。

異常が原因の場合

エコキュートの不調や故障など、なんらかのトラブルが原因で生じる異音を騒音と捉えてしまうケースもあります。特に、「キーン」という高音や「ガタガタ」といった振動音が続く場合は、故障の可能性を疑う必要があります。圧縮機の劣化や冷媒漏れ、ファンへの異物混入など、異音の原因はさまざまです。

エコキュートによる主な騒音トラブル

騒音問題の影響は、単なる不快感にとどまりません。状況によっては心身に悪影響を及ぼしたり、近隣とのトラブルを招いたりするおそれもあります。主な騒音トラブルを把握し、重大化しないよう対策を講じましょう。

睡眠妨害やストレスなど生活への影響

エコキュートの騒音で多いのは、深夜の運転音による睡眠の質の低下です。ヒートポンプユニットが寝室や窓の近くにあると、音が大きく感じられやすく、入眠を妨げられたり夜中に目が覚めたりして、睡眠不足につながる可能性があります。

人によっては、低周波音により圧迫感や頭痛、イライラ、不眠などのストレスを感じる場合もあります。低周波音への感じ方には個人差が大きく、自分では気にならなくても、同居する家族が強い負担を感じている可能性もあります。

住宅の振動による不快感の発生

先述した共振によって、実際の音以上の不快感が生じることがあります。ヒートポンプユニットの振動が建物に伝わると、住宅が揺れているように感じられ、居住自体がストレスになるケースもあります。

近隣トラブル・クレームにつながるケース

隣トラブル・クレームにつながるケース

隣家の近くにエコキュートを設置している場合、低周波音などが原因で隣人の睡眠を妨げ、近隣トラブルに発展する可能性があります。クレームや苦情を受けると、その後の近所付き合いが難しくなり、場合によっては転居を検討せざるを得なくなることもあるでしょう。

なお、住宅に設置したエコキュートの低周波音を巡り、不眠症などの健康被害を受けたとして、住民が機器メーカーや住宅会社を相手取って訴訟を起こした例も報告されています。裁判に発展すると、弁護士費用などの負担が生じる点にも注意が必要です。

エコキュートの騒音対策

ここまでにご紹介したとおり、エコキュートの騒音は健康面への影響や近隣トラブルにつながるおそれがあります。騒音を軽減するためには、次の4つの対策が有効です。

設置場所や設置方法の変更

最も重要なのが、設置場所や設置方法の見直しです。可能な限り寝室や窓から離し、居住空間から運転音を遠ざけましょう。隣家に響きやすい位置を避けたり、壁や塀に囲まれた狭い場所への設置を避けたりする工夫も有効です。

なお、一般社団法人日本冷凍空調工業会では、騒音トラブル防止を目的に「騒音等防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯器据付けガイドブック」を発行しています。ガイドブックでは、据付け場所の選定ポイントとして次の3点が示されています。

<据付け場所の選定ポイント>

  • お客様および隣接するご近所様の寝室の傍は避ける。
  • ヒートポンプユニットの近辺(上方向含む)に窓や床下通風口などの音の侵入口があれば極力距離をとる。
  • ヒートポンプユニットの周囲に極力スペースを設け、壁や塀で音が反射しないように工夫する。

詳しくは以下のリンクからご確認ください。

https://www.jraia.or.jp/product/file/ecoQ_guidebook.pdf

https://www.jraia.or.jp/product/file/ecoQ_guidebook2.pdf

※出典:騒音等防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯器据付けガイドブック

防振ゴム・防音シートなどの対策グッズ

後付けできる対策グッズの利用も検討しましょう。例えば、防音シートや緩衝材をヒートポンプユニットの上部や側面に貼ることで、内部から発生する透過音を抑えられる場合があります。

振動が気になる場合は、ヒートポンプユニットの脚の下に防振ゴムを敷くと効果的です。土台への振動伝達を抑えられるため、共振も起こりにくくなります。吸排気を妨げない範囲で、ユニット周囲に防音壁を設置する方法も有効です。大がかりな室内防音をせずに、近隣トラブルの予防につなげやすい点がメリットです。

運転時間(沸き上げ時間)の調整

周囲が静かになる深夜帯の稼働を避け、音を目立ちにくくする方法です。エコキュートの沸き上げ時間は手動で設定できます。深夜よりも生活音がある昼間に稼働させれば、騒音問題が軽減される可能性があるのです。機種によっては、使用状況に応じて沸き上げ時間を学習・最適化する機能があり、都度設定する手間を抑えられます。

ただし、オール電化向けの電気料金プランを契約している場合、昼間の稼働は電気代が割高になる点に注意が必要です。深夜の電気料金が安い一方、昼間は高めに設定されていることが多いためです。音が気にならない程度であれば、騒音対策よりも節電を優先したほうが、結果として満足度が高まる場合もあります。

定期メンテナンス・修理

故障に由来する異音であれば、修理によって本来の運転音に戻る可能性があります。例えば、ファンモーターの不具合で運転音が大きくなっている場合、部品交換だけで改善することもあります。「最近急に音が大きくなった」「これまで聞いたことのない音がする」といった場合は、音の種類や状況を整理して業者に伝え、点検・修理を依頼すると良いでしょう。

また、定期的なメンテナンスは故障の予防にもつながります。フィルター清掃や点検で異常を早期発見できれば、異音の予防だけでなく寿命の延長も期待できるでしょう。年1回程度の定期点検を受けたり、小さな違和感でも早めに相談したりすることをおすすめします。

まとめ

エコキュートの運転音は40dB程度で、図書館と同程度の静かさです。しかし、次のような状況では睡眠障害や近隣トラブルにつながる可能性があります。

<エコキュートの運転音が騒音問題になりやすいケース>

  • 寝室や窓の近くに設置した場合
  • 隣家のすぐ近くに設置した場合
  • 閑静な住宅街で、静かになった深夜に稼働させた場合
  • 不調や故障が原因で異音が発生している場合

上記のようなケースでは、次の4つの対策が有効です。

<エコキュートの騒音対策>

  • 設置場所や設置方法の変更
  • 防振ゴム・防音シートなどの対策グッズ
  • 運転時間(沸き上げ時間)の調整
  • 定期メンテナンス・修理

運転時間を深夜から昼間に変更すれば、睡眠への影響は軽減しやすくなります。ただし、オール電化向けプランでは電気代が上がる可能性があるため、騒音対策と節電対策の優先順位も含めて検討しながら、無理のない形で対策を進めましょう。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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「エコキュートとガス給湯器のコスト比較!光熱費はエコキュートがお得!」記事へのリンク
省エネ性能が高い
エコキュートは、ヒートポンプ技術と呼ばれる大気熱を利用したお湯の沸き上げ方法を採用しています。この技術により、エネルギーの使用量が約1/4に抑えることが可能です。この省エネ技術により、ガス給湯器よりも光熱費が安くなります。
「オール電化に使える補助金まとめ!エコキュート・太陽光発電・リフォーム補助金を解説」記事へのリンク
補助金でお得に導入
国は省エネ・脱炭素の推進のために数々の補助金を、オール電化向けに用意しています。エコキュートであれば給湯省エネ事業、太陽光・蓄電池であれば子育てエコホーム支援事業などです。これら補助金を利用してお得にオール電化に切り替える方が増えています。
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