エコキュートの設置場所はどこが良い?サイズやポイント、注意点をご紹介
エコキュートを導入する際、製品選びと同じくらい重視すべきなのが「設置場所」の選定です。適切な場所にエコキュートを設置しないと、省エネ効率が下がったり、騒音問題が近隣トラブルに発展したりするリスクがあります。エコキュートは一度設置すると、簡単に設置場所を変更することは難しいため、導入時には慎重に設置場所を決めましょう。
この記事では、エコキュートの設置場所として重視すべきポイントや、設置に必要なスペースの目安、そして本体サイズの実寸などをご紹介します。思わぬトラブルを避けるうえで注意すべき点も併せて解説しますので、最後までじっくりご覧いただければ幸いです。
エコキュートの設置場所はどこ?
エコキュートは、一般的なガス給湯器と比較してサイズが大きく、設置には一定のスペースが必要です。また、後述するようなトラブルを避けるためには、どの機器をどこに置くかについても慎重に決めなければなりません。まずは、エコキュートの設置場所として適切な場所がどこか、2つの基本ポイントを整理しましょう。
エコキュートは2つのユニットを設置
エコキュートは「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンクユニット」という2つのユニットで構成されています。
ヒートポンプユニットは、外気の熱を取り込んでお湯を作る、エアコンで例えると室外機にあたるユニットです。ユニットに付帯するファンを回して空気を吸い込み、冷媒を圧縮して熱エネルギーに変えてお湯を沸かします。電気エネルギーと比べて約3倍の熱効率でお湯を作れるため、少ない電気で経済的に運用できることがエコキュートの特徴です。
一方の貯湯タンクユニットは、ヒートポンプユニットで沸かしたお湯を貯めておく大きなタンクです。断熱材で覆われており、24時間お湯が冷めにくい構造になっています。貯湯タンクユニットに貯まるお湯は高温のため、水で割って適温に調整してから、キッチンやシャワーのお湯として使用します。
ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットは、いずれも屋外に設置することが一般的です。2つの機器は配管で接続するため、基本的には隣接して設置します。
戸建て住宅での一般的な設置場所
戸建て住宅にエコキュートを設置する場合、一般的には「水回りから15m以内で、隣家から離れた屋外」が適切な設置場所です。水回りからの距離が離れすぎると、配管の距離が長くなり、お湯の温度低下や熱損失といった問題が発生します。また、騒音や振動によるクレームを受ける可能性があるため、隣家に近い場所への設置は避けたほうが良いでしょう。
詳しくは「エコキュートの最適な設置場所を決める重要ポイント」で後述しますが、エコキュートの稼働音や低周波音が睡眠の妨げとなるおそれがあります。そのため、できる限り寝室から離れた場所に2つのユニットを設置するのが基本です。なお、ヒートポンプユニットは外気を取り込んで稼働する構造のため、原則として屋内には設置できません。
エコキュートの設置に必要なスペースと本体サイズ
エコキュートの設置には、本体サイズに加えて、メンテナンスや通風のためのスペースを確保する必要があります。目安として、「本体サイズ+人が1人以上立ち入れるスペース」の確保が必要と考えましょう。ここでは、エコキュートを4つのタイプに分類し、本体サイズの目安と特徴をご紹介します。
角型タイプのサイズと特徴
角型タイプとは、最も標準的な形状のエコキュートです。保温性能が高く、省エネ性に優れ、容量の選択肢が多いといった特徴があります。一方で、ほかのタイプと比較して本体サイズが大きいため、広い設置スペースが必要です。一例として、パナソニックとダイキンの角型タイプの本体サイズをご紹介します。
【角型タイプのサイズ】
| メーカー | 型番 | タンク容量 | ヒートポンプユニットのサイズ | 貯湯ユニットのサイズ |
|---|---|---|---|---|
| パナソニック | HE-JPU46LQS | 460L | 672×867×332mm | 2170×600×680mm |
| HE-JPU37LQS | 370L | 672×867×332mm | 1810×600×680mm | |
| ダイキン | EQX46ZFV | 460L | 735×899×300mm | 2175×630×730mm |
| EQX37ZFV | 370L | 735×899×300mm | 1825×630×730mm |
※本体サイズには配管カバーや吹出グリルを含みます。
薄型タイプのサイズと特徴
薄型タイプとは、貯湯タンクユニットの奥行きや幅を抑えた、省スペース設計のエコキュートです。狭小地や通路沿いにエコキュートを設置したい場合に適しており、設置の自由度が高く、設置場所を柔軟に選定できます。ただし、角型と比べると販売価格がやや高額になりがちです。ここでは、パナソニックと日立の製品サイズを見てみましょう。
【薄型タイプのサイズ】
| メーカー | 型番 | タンク容量 | ヒートポンプユニットのサイズ | 貯湯ユニットのサイズ |
|---|---|---|---|---|
| パナソニック | HE-WU46LQS | 460L | 672×867×332mm | 2199×1078×440mm |
| HE-WU37LQS | 370L | 672×867×332mm | 1843×1078×440mm | |
| 日立 | BHP-FS46XH | 460L | 720×792×299mm | 2225×450×1090mm |
| BHP-FS37XH | 370L | 720×792×299mm | 1890×450×1090mm |
※本体サイズには配管カバーや吹出グリルを含みます。
コンパクトタイプのサイズと特徴
コンパクトタイプとは、貯湯タンクユニットの容量が小さく、タンクの幅や奥行きをさらに抑えた設計のエコキュートです。少人数世帯やマンションのベランダ・バルコニーへの設置に適しています。ここでは、パナソニックとダイキンのモデルを例に、コンパクトタイプの実寸の一例をご紹介します。
【コンパクトタイプのサイズ】
| メーカー | 型番 | タンク容量 | ヒートポンプユニットのサイズ | 貯湯ユニットのサイズ |
|---|---|---|---|---|
| パナソニック | HE-V20HQCS | 195L | 672×867×332mm | 1890×440×560mm |
| ダイキン | EQX46ZFV | 190L | 715×865×301mm | 1380×430×630mm |
※本体サイズには配管カバーや吹出グリルを含みます。
ローボディタイプのサイズと特徴
ローボディタイプとは、本体の高さを低く抑えて設計したエコキュートです。軒下や低い庇の下に設置しやすく、視覚的な圧迫感も抑えられます。また、人が立ち入るスペースを確保しやすいため、メンテナンスが容易な点もメリットです。ここでは、三菱電機のモデルを一例に、ローボディタイプの実寸を見てみましょう。
【ローボディタイプのサイズ】
| メーカー | 型番 | タンク容量 | ヒートポンプユニットのサイズ | 貯湯ユニットのサイズ |
|---|---|---|---|---|
| 三菱 | SRT-B306DM | 300L | 638×865×301mm | 1560×630×760mm |
※本体サイズには配管カバーや吹出グリルを含みます。
エコキュートの最適な設置場所を決める重要ポイント
エコキュートの設置場所を誤ると、日々の使い勝手や省エネ性が悪くなるほか、エコキュートの寿命を早める原因にもなります。ここでは、日本冷凍空調工業会のガイドブックに基づき、最適な設置場所を決める際の重要ポイントを整理します。
https://www.jraia.or.jp/product/file/ecoQ_guidebook.pdf
https://www.jraia.or.jp/product/file/ecoQ_guidebook2.pdf
出典:騒音等防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯器の据付けガイドブック
水回りとの距離
給湯効率を最大化するためには、お風呂や台所といった、お湯を使う場所とエコキュートの設置場所を近づけることが重要です。配管が長くなればなるほど、蛇口をひねってからお湯が出るまでにタイムラグが発生し、無駄な捨て水が増えます。熱放散によるエネルギーロスも大きくなるため、浴室との距離は15m以内を目安に設定しましょう。
将来のメンテナンスや交換のしやすさ
エコキュートを快適に使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。また、エコキュートの寿命は10年~15年とされており、将来的な買い替えも見据えたスペースの確保が必要です。周囲の空間が狭いと、メンテナンス作業が難しくなるほか、交換の際に余計な手間がかかることもあります。
目安として、ヒートポンプユニットの前面や貯湯タンクユニットの点検口付近に作業員が入れる30~60cm程度のスペースを確保しましょう。また、設置場所まで製品を運ぶ通路を確保することも重要です。敷地の入口から設置場所までの間に障害物がなく、スムーズに運搬できるかどうか確認しましょう。
エコキュートの設置場所で注意すべきポイント
エコキュートを設置する場所によっては、騒音や振動に起因するトラブルが発生する可能性があります。エコキュートは設置工事により固定するため、一度設置すると簡単には設置場所を変更できません。事前に注意すべきポイントを確認し、エコキュートを快適に使用できる設置場所を選定しましょう。
寝室・窓・隣家に近い場所は避ける
寝室や窓、隣家に近い場所への設置を避けることが鉄則です。エコキュートは、電気代が安い深夜の時間帯に稼働させることで、節約効果を最大限に高められます。深夜でもストレスなく稼働させられるように、就寝中に騒音や振動を感じにくい場所に設置しましょう。
エコキュートの稼働音は40dB前後で、これは図書館とほとんど変わらない水準です。ただし、40dB程度の音でも静かな深夜に稼働すると、近隣トラブルの原因になりかねません。クレーム・苦情を受けないように、隣家からはできるだけ離れた場所に設置するよう意識しましょう。
狭い通路や囲まれた空間には設置しない
狭い通路や囲まれた空間も、エコキュートの設置場所としては不向きです。狭い空間に設置すると音が反響しやすくなり、通常以上に大きく聞こえる可能性があります。また、メンテナンスもしにくくなり、不具合が発生した際の対応も遅れてしまいます。
特にヒートポンプユニットは、周囲の空気を吸い込み、冷たい空気を吹き出す仕組みです。狭い場所に設置すると、吸気・排気がスムーズに行われにくくなり、運転効率が低下するおそれがあります。省エネ性を高めるためにも、狭い通路や囲まれた空間への設置は避けましょう。
振動が建物に伝わらないようにする
ヒートポンプユニットの小さな振動が建物と共振し、小さな地震のような揺れを感じる場合があります。共振とは、振動体に固有振動数と等しい振動が外部から加わった際に、振動の幅が大きくなる現象です。弦を弾いた振動を共鳴させて音を大きくするギターの仕組みをイメージすると、わかりやすいでしょう。
特に木造住宅の固有振動数は4~8Hz程度で、共振が発生しやすいとされています。エコキュートを設置する際は、振動が建物に伝わらないよう工夫しましょう。例えば、ヒートポンプユニットの脚の下に「防振ゴム」を敷くことで、土台への振動伝達を抑えやすくなります。
まとめ
エコキュートの設置場所は、次の要素を総合的に考えて決めることが重要です。
<エコキュートの設置場所を決める要素>
- 水回りからの距離
- 省エネ効率
- メンテナンス性
- 騒音や振動対策
エコキュートには角型、薄型、コンパクト、ローボディなどいくつかのタイプがあり、それぞれサイズの特徴が異なります。まずは敷地に合ったタイプを選び、サイズを確認したうえで導入する製品を選定しましょう。なお、エコキュートの設置場所で注意すべきポイントは次の3つです。
<エコキュートの設置場所で注意すべきポイント>
- 寝室・窓・隣家に近い場所は避ける
- 狭い通路や囲まれた空間には設置しない
- 振動が建物に伝わらないようにする
これらのポイントを踏まえて、将来的なトラブルを避けやすい場所にエコキュートを設置しましょう。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!


















