家庭用蓄電池のデメリット・メリットを一覧解説!今が買い時といわれる理由を解説

  • 更新日:2026/03/26

電気代の高騰や災害の増加により、家庭用蓄電池の導入を検討する方が増えています。蓄電池は電気を貯めて必要なときに使える便利な設備です。しかし、蓄電池にはいくつかのデメリットがあることも、導入前に知っておかなければなりません。

この記事では、家庭用蓄電池のデメリットとメリットをわかりやすく解説します。また、蓄電池は「今が買い時」といわれる理由もまとめました。蓄電池に興味をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

蓄電池を導入するデメリット4つ

蓄電池の導入は魅力的な一方で、いくつかのデメリットがあります。しかし、いずれのデメリットにも解決策があり、適切な対応をとればメリットへの転換も可能です。ここでは、蓄電池を導入するデメリットとして4点を挙げ、それぞれの解決策と併せて解説します。

①初期費用がかかる

蓄電池を導入する際にデメリットとなるのが、高額な初期費用です。2025年現在の相場としては、本体と工事費を合わせて120万円~300万円と決して安くはありません。

しかし、国や自治体による補助金を活用できる可能性があります。たとえば「DR家庭用蓄電池事業」では上限60万円の補助金が支給されました。補助制度は各都道府県で実施しています。蓄電池を購入する際は、利用できる補助制度の有無を事前に確認しましょう。

②寿命がある

蓄電池には寿命があり、導入から一定の期間が経過すると性能が低下します。寿命は蓄電池の使用頻度によって変わりますが、設置から10年~15年が目安です。

できるだけ寿命が長い蓄電池を選ぶのが有効な解決策です。近年では長寿命モデルが増え、15年~20年以上使用できる製品も増えました。保証期間が15年以上と長期に及ぶ製品を選ぶと、さらに安心です。

③設置スペースが必要

蓄電池は本体サイズが大きく、屋外に設置するタイプが主流です。サイズの目安としては、エアコン室外機の1台~2台分程度と考えましょう。一方で、屋内設置型のコンパクトな蓄電池も販売されています。それでもエアコン室外機1台分程度の設置スペースが必要です。

解決策として、できるだけコンパクトなモデルの蓄電池を選びましょう。「壁掛け型」や「スリム型」の蓄電池を選ぶと、狭小住宅でも設置できる可能性があります。

④「元が取れる」とは限らない

蓄電池を単体で設置した場合、初期費用の元が取れるとは限りません。東京電力のオール電化向けプラン「スマートライフS」を利用した場合の電気代をシミュレーションします。

【蓄電池の利用により節約できる電気代のシミュレーション】
午前6時~翌午前1時の電気量料金 35.76円/1kWh
午前1時~午前6時の電気量料金 27.86円/1kWh
電気料金の差額 7.9円/1kWh
1日あたりの電気料金の差額 39.5円(5kWhの場合)
1年あたりの電気料金の差額 14,418円

電気代が安い時間帯に5kWhの電力を購入して蓄電池に充電した場合、1日で節約できる電気代は39.5円です。1年間で節約できる電気代は14,418円となり、120万円で蓄電池を購入した場合、元が取れるまでに約83年を要します。

ただし、太陽光発電と組み合わせると効率的な節約が可能です。日中の余剰電力を蓄電池に蓄えて夜間に使用すれば、買電量を大幅に削減できます。固定価格買取制度終了後(卒FIT後)は、自家発電した電力の消費量を増やす対策により、投資回収期間を着実に短縮できます。

蓄電池を導入するメリット5つ

ここまで、蓄電池のデメリットを先行してご紹介しました。しかし、蓄電池にはデメリットを上回る導入メリットがあります。節約や防災など、蓄電池導入の具体的なメリットを5つ見てみましょう。

①電気代が安くなる

夜間に安く購入できる電気を蓄電池に充電し、電気代が高くなる日中の時間帯に使用する「ピークシフト」により、電気代を削減できます。先ほどのシミュレーションどおり、1日39.5円を節約できれば、月々の電気代が1,185円も安くなる計算です。ソーラーパネルを設置すると、さらに効果的です。

②災害・停電時でも安心

大容量モデルの蓄電池を導入すると、数日分の電力を確保できます。地震や台風などの災害により電力の供給がストップしても、冷蔵庫や照明の稼働を継続でき、スマホの充電も可能です。防災用の設備として蓄電池を導入する方も少なくありません。

③環境保護に貢献できる

蓄電池は、再生可能エネルギーを有効活用する設備です。CO2排出量の削減に貢献でき、脱炭素社会の実現に近づけます。環境保護に寄与したい方も、蓄電池の導入を検討するとよいでしょう。

④太陽光発電の電気を無駄なく使える

太陽光発電により生み出した電気を、無駄なく使い切りやすい点も蓄電池の導入メリットです。

自家発電した電気は電力会社に売電できます。ただし、高単価で売電できるのは、固定価格買取制度が適用される「導入から10年間」のみです。その後は売電価格が下がり、電気代を節約しにくくなります。

しかし、蓄電池を併用すると、それまで売電していた電力を蓄電にシフトできます。結果的に買電量が減り、電気代の節約効果を最大限に高められるのです。電力の供給状況により、一時的に売電が制限される「出力制限」が発生したとしても、発電した電力を無駄なく活用できます。

⑤電気自動車と好相性

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーを家庭で使える「V2Hシステム」との併用により、蓄電池の魅力はさらに増します。蓄電池が満タンになった場合、電気自動車のバッテリーを補助用の蓄電池として活用でき、節約や非常用電源の確保に役立つためです。

すでに電気自動車を導入している方はもちろん、将来的な電気自動車の普及を見込み、先手を打って節約・災害対策に乗り出したい方にも、蓄電池の導入をおすすめします。

太陽光発電と同時設置するとメリットが大きい!

ここまでに、蓄電池を太陽光発電と併用するとメリットを最大化できるとお伝えしてきました。しかし「なぜ併用するとメリットが増えるのだろう」「太陽光発電の導入は決めているけれど、多額の初期費用を支払ってまで蓄電池を導入するべきなのだろうか」と疑問を抱いている方も多いでしょう。

そこでこの項目では、太陽光発電と蓄電池を同時設置するメリットについて、さらに詳しく解説します。

①補助金を活用できる

太陽光発電と蓄電池を同時に導入すると、国や自治体の補助金が両方に適用される可能性が高いです。一例として東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」では、蓄電池の補助金として1kWあたり12万円、太陽光発電の補助金として1kWあたり15万円(上限45万円)の補助金が支給されます。

仮に10kWの蓄電池を導入し、太陽光発電の補助金支給額が上限の45万円だった場合は、合計で165万円の補助金を受け取れる計算です。補助制度の内容によっては、さらに高額な補助金が支給される可能性もあります。補助金の活用により、導入費の実質負担額を半額程度に抑えられる可能性もあるでしょう。

②電気代の大幅な削減になる

太陽光発電と蓄電池を併用すると、自家発電により余った電力を蓄電池に充電して夜間に使用できます。これにより、夜間に購入する電力をゼロまたはわずかな量に減らし、電気代を大幅に削減できます。

一般的な住宅では、太陽光発電だけを導入した場合の自家消費率は30%前後です。しかし、蓄電池を併用すると、自家消費率が50%~70%程度まで向上する可能性があります。EVやV2Hを併用する場合の効果はさらに大きく、自家消費率を80%~90%まで高めるのも不可能ではありません。

③卒FIT後でも無駄なく電気を活用できる

卒FITとは、太陽光発電のFIT制度(固定価格買取制度)終了後を意味する言葉です。太陽光発電の余剰電力は電力会社に売却(売電)できます。しかし、高値で売電できる期間は、太陽光発電の導入から10年間(産業用の場合は20年間)に限られます。

【固定価格買取制度(FIT制度)による売電価格】
容量 期間 売電価格
10kW未満 最初の4年間 24円
残りの6年間 8.3円
卒FIT後 8.5円
10kW~50kW 最初の5年間 19円
残りの15年間 8.3円
卒FIT後 8.5円

※10kW未満の売電価格は税込です。10kW~50kWの売電価格は税抜です。卒FIT後の売電価格は東京電力の「再エネ買取標準プラン」を利用した場合です。

家庭用太陽光発電の場合、5年目以降の売電価格が大幅に下がり、4年目までと同等の売電収入を得られません。一方で買電価格は安くならず、高止まりの状態が続きます。そのため、安く売電するよりも、蓄電池に電気を貯めて自家消費するほうが経済的です。

④災害時にさらに心強い

災害時の備えとして役立つ点も、太陽光発電と蓄電池を同時に設置するメリットです。日本は災害大国であり、首都直下型地震の発生確率は、今後30年間で約70%とされます。近年も各地で震度6強クラスの地震が発生しており、いつどこで災害に見舞われるかはわかりません。

地震や台風による被災時に停電が発生したとしても、蓄電池に貯めた電気は24時間いつでも利用可能です。日中に太陽光発電した電気を蓄電池に貯めると、日が沈んだ後の夜間や早朝、あるいは悪天候により太陽光発電ができない日でも、充電が切れるまでは普段どおりに電気を使えます。

夜間も照明を使えると安全を確保しやすく、スマホやタブレットの充電も普段どおりに行えます。テレビやパソコンを利用できれば、災害に関する最新の情報も取得しやすいでしょう。また、冷蔵庫の電源も落とさずに済みますから、冷蔵・冷凍保存していた食品を無駄にする心配もありません。

「蓄電池は今が買い時」といわれる理由

家庭用蓄電池は「今が買い時」です。購入を先延ばしすると、補助金制度が終了する、原材料費が高騰して値上げされるといった問題に悩まされる可能性があります。「蓄電池は今が買い時」といわれる理由を詳しく見てみましょう。

①技術的革新により大きく値下がりしている

蓄電池の価格は、技術的革新と量産効果により大きく値下がりしました。特に2020年~2021年にかけての下落率は大きく、1kWあたり約4万円も下落しています。2021年以降は価格の下落がストップしており、今が底値とも考えられる状況です。

②補助金の継続状況が不透明である

先述したとおり、国や自治体は蓄電池の購入者に向けた補助制度を実施しています。しかし、補助制度が今後も継続されるとは限りません。

補助金は国や自治体の予算から支払われる仕組みです。予算には上限があり、使い切った段階で公募が終了します。たとえば「令和6年度補正DR家庭用蓄電池事業」の場合、2025年3月26日に受付が始まり、約3ヶ月後の2025年7月2日には予算が上限に達し、受付終了となりました。

次年度以降も補助金の支給が継続される保証はなく、「あと数年待てばもっと高額な補助金が出るだろう」との期待は危険です。補助金を活用できる今のうちに、蓄電池の導入を決断することをおすすめします。

③原価の高騰も考えられる

多くの家庭用蓄電池がリチウムイオン電池を採用しています。蓄電池の価格は、主原料として使われるリチウムの価格に依存する可能性が高いです。

蓄電池やEV需要の拡大、円安の進行、地政学的なリスクといった要素により、リチウムをはじめとする原価の高騰も考えられます。大幅な価格高騰が見られない「今」が蓄電池の買い時といわれるのは、このためです。

まとめ

蓄電池には「初期費用が高い」「寿命がある」などのデメリットがあります。しかし、電気代削減や防災対策、環境への貢献といったメリットが大きく、デメリットを相殺できる可能性が高いです。特に太陽光発電との併用で蓄電池の効果を最大化でき、より大きなメリットが得られます。

蓄電池は技術革新により値下がりしており、現時点では国や多くの自治体が補助金を支給しています。「今が買い時」と話す有識者も少なくありません。太陽光発電をこれから導入する方や、すでに導入済みの方は、蓄電池の購入も検討するとよいでしょう。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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プロパンと比較して年間10万円お得
オール電化家庭はガスの代わりに電気を使用します。ガス代が無くなる一方で、当然電気代は増加します。しかし、光熱費全体で見たときに、電気代に一本化することがかなりお得になるケースがあります。太陽光や蓄電池なしでも十分な光熱費削減が期待できます。
「エコキュートとガス給湯器のコスト比較!光熱費はエコキュートがお得!」記事へのリンク
省エネ性能が高い
エコキュートは、ヒートポンプ技術と呼ばれる大気熱を利用したお湯の沸き上げ方法を採用しています。この技術により、エネルギーの使用量が約1/4に抑えることが可能です。この省エネ技術により、ガス給湯器よりも光熱費が安くなります。
「オール電化に使える補助金まとめ!エコキュート・太陽光発電・リフォーム補助金を解説」記事へのリンク
補助金でお得に導入
国は省エネ・脱炭素の推進のために数々の補助金を、オール電化向けに用意しています。エコキュートであれば給湯省エネ事業、太陽光・蓄電池であれば子育てエコホーム支援事業などです。これら補助金を利用してお得にオール電化に切り替える方が増えています。
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