蓄電池を自宅に設置する必要性はある?太陽光発電を導入しているなら設置がおすすめ!

  • 更新日:2026/03/26

蓄電池は、電気をためる役割を持つ設備です。設置すると電気代の節約を実現しやすいほか、災害時の非常電源としても活用でき、近年では急速に需要を拡大させています。蓄電池は太陽光発電との相性もよく、オール電化住宅には特に設置をおすすめできる設備です。

この記事では、蓄電池を自宅に設置する必要性や、蓄電池の役割、そして注意点を解説します。蓄電池をお得に購入する方法や、蓄電池の設置がおすすめの家庭・おすすめできない家庭についても言及するので、蓄電池を設置すべきか悩んでいる方はぜひご覧ください。

目次

蓄電池を自宅に設置する必要性はある?

蓄電池の設置をおすすめできるかどうかは、ご家庭の状況により異なります。特におすすめできるのは、太陽光発電システムを既に導入しているご家庭や、今後の導入を決断したご家庭です。

確かに、冷蔵庫や給湯器といった家電・器具と比較すると、蓄電池の必要性は低いように思われます。しかし、蓄電池を設置すると、より効率的に電気を利用でき、メリットがデメリットを上回る可能性が高いです。

電気代の高騰が続く現代社会では、蓄電池を利用するとピーク時の電力購入が減り、節約効果が期待できます。また、地震・台風などの災害時に非常用電源として活用できる点も蓄電池のメリットです。蓄電池は単なる贅沢品ではありません。光熱費の削減や、災害対策用の設備として、設置を検討する価値があります。

蓄電池の役割

蓄電池は、その名のとおり「電気をためる役割」を果たす設備です。蓄電池は単体で発電能力を持ちません。電力会社から購入した電力や、太陽光パネルから発電した電力を蓄えて、必要なタイミングで使う設備です。

蓄電池で電気代を抑えられる理由には「ピークシフト」の活用があります。これは、電気料金が安い時間帯に購入した電力を蓄電池にためておき、電気料金が高い時間に使うことにより、電気代の差額を節約する仕組みです。

また、太陽光発電と組み合わせて使うと、発電能力を最大化できる点も蓄電池の特徴です。日中に余った電力を蓄電池にためておき、夜間に活用すると、無駄な買電・売電を削減して自家消費を最大化できます。ここでは、蓄電池の役割について、3つの項目に分けて詳しくご紹介します。

「ピークシフト」で電気代を節約する

ピークシフトとは、電力需要のピークをあえてずらし、電気代を節約する方法です。多くの電力会社では、太陽光発電の利用を想定した「時間帯別料金プラン」を用意しています。一例として東京電力の時間帯別料金プラン「スマートライフS」の料金表を見てみましょう。

【スマートライフSの料金表】

電気を購入する時間帯 電気量料金
午前6時~翌午前1時 35.76円/1kWh
午前1時~午前6時 27.86円/1kWh
電気料金の差額 7.9円/1kWh

たとえば午前1時~午前6時までに10kWhを購入して蓄電池にためると、1日あたり79円を節約できます。わずかな金額に感じますが、30日に換算すると2,370円、1年間で28,835円の節約が可能です。中長期的に見れば、節約した電気代の差額分で、蓄電池の購入費を相殺できる可能性もあります。

太陽光発電の電気を効率的に使う

蓄電池は、太陽光発電のポテンシャルを最大限に発揮させる役割も担います。日中に太陽光発電で作った電力をためて、太陽光発電ができない夜間や早朝、悪天候時の電力として活用できるためです。これにより、電力の自家消費率が向上し、買電量を減らせます。

特に、FIT制度(固定価格買取制度)が終了した「卒FIT後」に蓄電池を利用すると効果的です。太陽光発電の売電価格はFIT制度により10年間固定されます。しかし、卒FIT後は売電価格が大幅に下がり、太陽光発電導入初期のような売電収入が得られません。

【固定価格買取制度(FIT制度)による売電価格】

容量 期間 売電価格
10kW未満 最初の4年間 24円
残りの6年間 8.3円
卒FIT後 8.5円
10kW~50kW 最初の5年間 19円
残りの15年間 8.3円
卒FIT後 8.5円

※10kW未満の売電価格は税込です。10kW~50kWの売電価格は税抜です。卒FIT後の売電価格は東京電力の「再エネ買取標準プラン」を利用した場合です。

太陽光発電の導入から5年目以降に蓄電池を活用し、売電から自家消費にシフトすると、より大きな経済効果を得やすいです。余剰電力の無駄のない活用にもつながり、太陽光発電のメリットを最大化できます。

災害・停電時の備えになる

蓄電池は、災害・停電時の備えとして有効な設備です。電力の供給がストップしたとしても、蓄電池にためた電気を好きなタイミングで使用できます。蓄電池の電気を使い果たすまでは、夜間も照明を点灯できますし、冷蔵庫も引き続き稼働させられます。テレビやパソコンを使った情報収集も、スマホの充電も可能です。

太陽光発電と組み合わせれば、電力の供給が長期間ストップしたとしても、日中に自家発電した際の余剰電力を蓄電池にためられます。悪天候が続いた場合を除き、最低限の生活に必要な1日分の電力は、蓄電池にため続けられる可能性が高いです。

蓄電池を設置する際の注意点3つ

蓄電池には多くのメリットがある一方で、事前に把握しておくべきいくつかの注意点もあります。注意点を理解すると、的確な事前準備が可能になり、蓄電池のポテンシャルを最大限に引き出せるでしょう。

初期費用がかかる

蓄電池を設置する際、もっとも大きなハードルとなるのが初期費用です。蓄電池の価格は容量や性能、メーカーにより異なります。あくまでも目安ですが、相場として120万円~300万円程度の初期費用がかかる可能性が高いです。

ただし、蓄電池を購入する際に、国や自治体による補助金を受け取れる場合があります。補助金は初期費用を浮かせるうえで必ず活用したい制度です。詳しい補助制度の内容は「蓄電池は補助金を利用できる場合がある」で後述するため、ぜひこの記事を最後までご覧ください。

設置スペースが必要

蓄電池の設置スペースは、屋外設置型でエアコン室外機1~2台分です。屋内設置型の蓄電池はコンパクトですが、それでもエアコン室外機1台分程度のスペースを確保する必要があります。狭小住宅にお住まいの場合は、事前に蓄電池を設置するスペースがあるか確認しなければなりません。

設置スペースを確保できない場合は、「壁掛け型」「スリム型」といったよりコンパクトなモデルの蓄電池を購入しましょう。容量は減りますが、電力消費量によっては、必要量の電気を確保できる可能性があります。

経年劣化により寿命がある

蓄電池の寿命は10年~15年が目安です。使い方によって寿命を延ばせる一方で、反対に寿命を縮める可能性もあります。メンテナンス不足などにより経年劣化が早まり、蓄電池が10年前後で寿命を迎えると、シミュレーションどおりに投資コストを回収できず、元を取れない可能性があります。

蓄電池の設置がおすすめの家庭

蓄電池のメリットや注意点を知り、設置すべきか悩んでいる方も多いでしょう。ここでは、蓄電池の設置を特におすすめできるご家庭の特徴を3つご紹介します。

太陽光発電を導入している家庭

太陽光発電をすでに導入しているご家庭や、将来的な導入を決断しているご家庭は、蓄電池の必要性が高いです。太陽光発電のポテンシャルを最大限に引き出し、節約効果を高められます。また、太陽光発電と蓄電池の両方に適用できる補助制度もあり、補助金を活かしてお得に蓄電池を設置できます。

電気代・電気使用量が多い家庭

電気使用量が多く、電気代が高いご家庭は、ピークシフトの活用により大幅な節約が可能です。電気代はさまざまな要因で変動し、今後も急騰する可能性があります。太陽光発電と蓄電池の併用により、自家消費率を高めれば、月々の電気代が安定しやすくなります。

災害・停電に備えたい家庭

災害や停電に備えたいご家庭も、蓄電池の必要性が高いです。首都直下型地震が発生する確率は、今後30年間で約70%とされています。

2024年には石川県を中心とする最大震度7の能登半島地震、2016年に発生した熊本地震の記憶も新しく、日本全国で地震への警戒が必要です。また、台風により停電が発生するケースも多く、この場合も蓄電池が役立ちます。

蓄電池の設置がおすすめできない家庭

ここで取り上げる3つのタイプのご家庭には、蓄電池の必要性が高いとはいえず、設置を積極的におすすめできません。以下の項目に当てはまる場合は、太陽光発電単体の利用を検討するとよいでしょう。

太陽光発電を導入していない家庭

太陽光発電を導入する予定がないご家庭は、蓄電池を設置する必要性が高くありません。蓄電池は単体で電力を生み出す装置ではなく、あくまでも電気をためておく装置です。太陽光なしでは充電を買電に依存するため、節約により得られる経済効果が小さくなります。初期コストの元も取りにくくなるでしょう。

設置スペースが限られている家庭

蓄電池の設置スペースを確保できないご家庭も、必要性について慎重に検討すべきです。設置スペースを確認しないまま蓄電池を購入すると、最悪の場合はせっかく購入した蓄電池を設置できない可能性もあります。

また、設置できるスペースが見つかっても、設置環境によっては蓄電池の劣化を早めるおそれがあるため要注意です。直射日光がそそぐ場所や、風通しが悪い場所に蓄電池を設置すると、経年劣化を早める可能性が高くなります。不安な場合はメーカーや施工業者に相談して、蓄電池を無理なく設置できるか確認しましょう。

初期費用を抑えたい家庭

太陽光発電導入時の初期費用を抑えたいご家庭にも、蓄電池の同時購入はおすすめしません。

蓄電池の購入時には補助金が支給される場合があります。しかし、それでも目安として60万円以上の初期費用を支払わなければなりません。蓄電池の設置は、中長期的に見ればお得になる可能性を秘めますが、短期間で初期費用を回収するほどの経済効果は得られません。

蓄電池は補助金を利用できる場合がある

蓄電池の設置には、国や自治体による補助金を利用できる場合があります。代表的な補助制度をいくつか見てみましょう。

まず「DR家庭用蓄電池事業」は、経済産業省が実施する補助制度です。条件を満たす場合、最大60万円の補助金を受け取れます。

【DR家庭用蓄電池事業の詳細】

補助額(上限) 1申請あたり60万円
補助対象 日本国内において、DRに活用可能なリソースとして、家庭用蓄電システムを新規で導入する個人、法人、個人事業主
申し込み方法 申請後にDR契約を締結し、蓄電池の設置完了後に補助金を受け取る

次に「子育てグリーン住宅支援事業」は、国土交通省と環境省が実施する補助制度です。蓄電池を設置する場合、一律64,000円の補助金を受け取れる可能性があります。

【子育てグリーン住宅支援事業の詳細】

補助額(上限) 64,000円/戸
補助対象 定置用リチウム蓄電池のうち、一般社団法人環境共創イニシアチブにおいて令和4 年度以降登録・公表されている蓄電システムであること
申し込み方法 建築事業者に補助制度の利用を申請し、事務局の承諾を得たうえで工事を進め、補助金を受け取る

※申し込み方法は注文住宅の新築の場合です。

補助制度の内容は年度ごとに異なる場合が多いです。また、お住まいの地域を管轄する自治体が独自に行う補助制度もあります。蓄電池を購入する前に、現在利用できる補助制度にはどんな種類があるのか確認しましょう。

まとめ

蓄電池は、再生可能エネルギーを有効活用できる設備です。蓄電池の必要性が高いご家庭と、必要性が高いとは言えないご家庭の特徴は次のとおりです。

【蓄電池の必要性が高いご家庭・必要性が低いご家庭】

蓄電池の必要性が高いご家庭 蓄電池の必要性が低いご家庭
・太陽光発電を導入している家庭
・電気代・電気使用量が多い家庭
・災害・停電に備えたい家庭
・太陽光発電を導入していない家庭
・設置スペースが限られている家庭
・初期費用を抑えたい家庭

蓄電池は決して贅沢品ではありません。太陽光発電との併用で節約効果を高められ、災害時の備えにもなる、必要性の高い設備です。また、蓄電池の購入時には補助金を利用できる場合があります。利用できる補助制度を確認したうえで、蓄電池の設置を検討しましょう。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

おすすめ電力会社について 編集部おすすめのオール電化記事
オール電化・ガス併用を比較したい方
「オール電化家庭とガス併用家庭を徹底比較!電気代・ガス代などの光熱費の違いと節約術」記事へのリンク
プロパンと比較して年間10万円お得
オール電化家庭はガスの代わりに電気を使用します。ガス代が無くなる一方で、当然電気代は増加します。しかし、光熱費全体で見たときに、電気代に一本化することがかなりお得になるケースがあります。太陽光や蓄電池なしでも十分な光熱費削減が期待できます。
「エコキュートとガス給湯器のコスト比較!光熱費はエコキュートがお得!」記事へのリンク
省エネ性能が高い
エコキュートは、ヒートポンプ技術と呼ばれる大気熱を利用したお湯の沸き上げ方法を採用しています。この技術により、エネルギーの使用量が約1/4に抑えることが可能です。この省エネ技術により、ガス給湯器よりも光熱費が安くなります。
「オール電化に使える補助金まとめ!エコキュート・太陽光発電・リフォーム補助金を解説」記事へのリンク
補助金でお得に導入
国は省エネ・脱炭素の推進のために数々の補助金を、オール電化向けに用意しています。エコキュートであれば給湯省エネ事業、太陽光・蓄電池であれば子育てエコホーム支援事業などです。これら補助金を利用してお得にオール電化に切り替える方が増えています。
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