家庭用蓄電池の充電時間はどれくらい?おすすめの時間帯は昼?夜?

  • 更新日:2026/03/26

電気代の削減や、非常時の備えとして、家庭用蓄電池の購入を検討している方は多いでしょう。その際に多くの方が疑問を抱くのが、充電にかかる時間の目安です。

この記事では、そんな疑問にわかりやすくお答えしたうえで、家庭用蓄電池の充電方法や充電に適した時間帯、そして充電に関する注意点を解説します。家庭用蓄電池についてわからないことがある場合は、ぜひこの記事を最後までご覧ください。

目次

家庭用蓄電池の充電にかかる時間は?

結論から申し上げますと、家庭用蓄電池の充電にかかる時間は、容量ごとに次のとおりです。

【家庭用蓄電池の充電時間】

蓄電容量 充電時間の目安
4.2kWh 2~3時間
9.8kWh 5~6時間
12kWh 6~8時間

充電時間は「蓄電容量÷入力電力」で算出できます。一般的な家庭用蓄電池の場合、入力電力は1時間あたり1.5kW~2kWです。たとえば入力電力2kWで12kWhをフル充電する場合、充電時間は約6時間と計算できます。なお、充電時間を短縮する急速型の製品もあります。

充電した電力はどれくらいで使い切る?

家庭用蓄電池に充電した電力をどれくらいで使い切るかは、使用する家電の消費電力により異なります。容量4.2kWhの蓄電池をフル充電した場合、家電をどれくらい使えるのか、主な家電ごとに見てみましょう。

【フル充電した家庭用蓄電池の電気を使い切るまでの回数(蓄電容量4.2kWhの場合)】

家電の種類 消費電力 使用回数(時間)の目安
エアコン(暖房) 0.36~1.50kW/1時間 2~12時間
エアコン(冷房) 0.66~1.48kW/1時間 2~6時間
冷蔵庫(450L) 0.03kW/1時間 140時間
電子レンジ 0.06kW/500Wで5分 70回
洗濯機(乾燥なし) 0.04~0.08kW/1回 53~105回
洗濯機(乾燥あり) 2.14kW/1回 1~2回
掃除機 0.09~0.17kW/10分 25~47回
テレビ(32型) 0.07kW/1時間 60時間
パソコン 0.09kW/1時間 47時間
ドライヤー 0.01kW/1分 420回

使用する家電の性能や大きさにより、消費電力は大幅に異なります。お手持ちの家電の正確な消費電力を計算したい場合は、取扱説明書などから消費電力を確認し、使用回数・時間の目安を調べましょう。

家庭用蓄電池の充電方法

家庭用蓄電池の充電方法は大きく分けて3種類です。ご家庭の設置環境や目的により、それぞれの方法を使い分けて充電できます。3つの充電方法の特徴について、詳しく見てみましょう。

太陽光発電

太陽光発電からの充電は、もっともエコで経済的な充電方法です。太陽光発電により生まれた余剰電力を蓄電池に直接充電し、必要なタイミングで家庭内の分電盤に放電します。

日中に発電した電力を蓄電池にためられる点がメリットで、夜間や荒天時といった太陽光発電が不可能なタイミングでも電力の自家消費が可能です。災害などにより長時間・長期間の停電が発生したとしても、蓄電池の電気を使い切るまでは、普段どおりに家電を使いながら生活できます。

コンセント(電力会社から)

家庭用蓄電池のタイプによっては、コンセントにプラグを差して充電できます。この充電方法のメリットは、大規模な配線工事が不要な点です。充電式の乾電池と同じように、電力会社から購入した電力を蓄電池に直接給電できます。

電気代が安い夜間に充電して、電気代が高い日中に放電すると、電気料金の差額分を節約できます。ただし、災害などにより停電が発生すると、充電ができなくなるのは注意点です。停電が長期間に及んだ場合、日常生活に必要な電力が不足する可能性があります。

外部電源

外部電源から充電できる家庭用蓄電池もあります。外部電源とは、燃料電池や電気自動車の車載コンセントなどです。京セラの「Enerezza Plus」のように、燃料電池と連携できる製品もあります。

外部電源の電力をパワーコンディショナ経由で蓄電池に供給するのが、基本的な充電の仕組みです。充電時間は各電源の出力に依存します。柔軟性が高く、災害時に役立つ充電方法である点が外部電源を使用するメリットです。一方、EVなどの外部電力の購入には、高額な初期費用が発生します。

家庭用蓄電池の充電は昼間?夜間?

家庭用蓄電池の充電に適した時間帯は、ライフスタイルによって異なります。太陽光発電を導入している場合は昼間の充電がおすすめです。一方、太陽光発電を未導入の場合は、夜間に充電するとよいでしょう。ここでは、2つの時間帯に分けて詳細を解説します。

昼間の充電

昼間の充電は、太陽光発電を導入済みのご家庭におすすめです。日中に発電して使い切れなかった余剰電力を蓄電池に充電し、自家発電ができない夜間や悪天候時、もしくは電気代が高い「ピーク時」に使用します。これにより、電力の自家消費率が向上し、電気代を節約できます。

特に売電価格が安くなる「卒FIT後」に蓄電池を活用すると経済効果が得やすいでしょう。再生可能エネルギーを有効活用でき、環境負荷も抑えられます。ただし、天候不良時は日中でもごくわずかしか発電できない、もしくはまったく発電できない可能性がある点はデメリットです。

夜間の充電

夜間の充電は、深夜の電気料金が安い「時間帯別料金プラン」を利用しているご家庭におすすめです。電気代が安い夜間に蓄電池にためた電力を、日中の電気代が高い時間帯に使う「ピークシフト」により、差額分の電気代を節約できます。

たとえば、共働きで日中は留守にするご家庭の場合は、夜間充電が経済的です。ただし、買電価格が安い時間帯は限られます。一例として東京電力の「スマートライフS」の場合、安く買電できる時間帯は午前1時~6時までの5時間のみです。

【東京電力(スマートライフS)の電気料金】

午前6時~翌午前1時の電気量料金 35.76円/1kWh
午前1時~午前6時の電気量料金 27.86円/1kWh

蓄電池の容量と入力電力によっては、充電時間が足りず、電気代が安い時間帯だけではフル充電まで至らない可能性があります。

家庭用蓄電池の充電に関する注意点

家庭用蓄電池の充電には、いくつかの注意点があります。蓄電池の寿命を延ばし、安全性を確保するために、これからご紹介する4つの注意点を確認しましょう。

過充電は劣化を早める

蓄電池を過充電すると劣化が早まり、寿命を縮める可能性があります。過充電とは、蓄電池の残量が100%に達した後も充電を続ける状態です。反対に、蓄電池の残量がゼロの状態で放電を続ける「過放電」も劣化を早めるリスクがあり、避けなければなりません。

過充電のリスクは、蓄電池の劣化を早めるだけにとどまりません。特にリチウムイオン電池を使用した製品の場合、過充電を行うと、発火や爆発を誘発するリスクもあります。フル充電までの充電時間を確認し、過充電をできる限り避けましょう。

高温・低温の場所には設置しない

家庭用蓄電池は、高温・低温といった場所での稼働に適していません。メーカーが定めた動作温度外で使用すると、蓄電池の劣化を早めるほか、動作自体がストップする可能性もあります。

特に屋外型の蓄電池を購入する場合は、直射日光が当たる場所や、湿度の高い場所への設置を避けましょう。また、海に近いエリアにお住まいの場合は、塩害仕様の蓄電池の購入をおすすめします。

充電を繰り返すと寿命が減っていく

充電時間に関する注意点として知っておくべきなのは「サイクル数」です。蓄電池は、充電を繰り返すうちに劣化して、寿命が減ります。残量ゼロの状態からフル充電し、再びゼロになるまで放電する流れが「1サイクル」です。一般的に、蓄電池は6,000~12,000サイクルで寿命を迎えるといわれています。

蓄電池の寿命を延ばすポイントは、サイクルの回数を極力抑えることです。たとえば蓄電容量4.2kWhの蓄電池を購入し、1日8kWhを消費する場合は、1日あたり2サイクルの充電が必要です。この場合、9.8kWhの蓄電池を購入すると、充電を1日あたり1サイクルに抑えられ、寿命を延ばしやすくなります。

充電の過程で電気のロスが生じている

蓄電池を充電・放電する際は電気の変換ロスが発生します。変換ロスが生じる原因は、蓄電池の内部抵抗や温度の上昇です。充電ロスが生じる特性上、蓄電池のカタログに記載されている容量のうち、すべての容量の充電・放電はできません。

適切な蓄電池の容量を選び、適切な運用計画を立てるのが、電気のロスを最小限に抑えるポイントです。また、劣化や故障が発生すると、電気のロスはさらに大きくなる傾向にあります。何らかの不具合を発見した場合は、できるだけ早くメーカーや施工会社に連絡をして、点検・修繕を依頼しましょう。

家庭用蓄電池は充電しながら使える?

多くの家庭用蓄電池は、充電中の使用を前提として設計されています。一般的な据置型蓄電池の場合、充電中も安全に放電が可能です。スマートフォンのように「ながら充電」で劣化する心配は少なく、充電しながらでも安全に蓄電池を利用できます。ただし、充電と放電を併用すると、充電効率が低下するケースが多く、充電時間が通常よりも長引く可能性が高いです。

また、災害モードを搭載した一部の製品は充電が優先され、充電中の放電が制限される場合があります。柔軟に放電できる蓄電池を利用したい場合は、充電優先順位を設定できる製品を選びましょう。

家庭用蓄電池のグリーンモードとは?

家庭用蓄電池には「グリーンモード」と呼ばれる機能が搭載されている場合があります。これは、太陽光発電の余剰電力を最大限自家消費に回して、CO2排出量を削減する運転モードです。グリーンモードの対極にあたる「経済モード」や、「安心モード」との違いを、一覧表にまとめます。

【家庭用蓄電池のグリーンモードと経済モードの比較表】

項目 グリーンモード 経済モード 安心モード
主な目的 ・自家消費の最大化
・CO2排出量削減
・売電収入の最大化
・電気代節約
・災害対策
余剰電力の使途 蓄電池に充電 買電 買電
充電時間 日中優先 夜間優先 夜間優先
放電のタイミング ・夜間
・発電不足発生時
電気代が高い時間帯 一定の残量まで放電し待機
買電量 少ない 多い 多い
メリット ・自家消費を増やし電気代を削減できる
・地球環境の向上に貢献できる
・売電収入を最大化できる
・主にFIT期間中の電気代節約につながる
停電時も一定以上の残量を確保できる
注意点 ・売電収入が減る
・発電の可否が天候に依存する
・自家消費率が低下する
・環境負荷が高くなる
一定の残量が確保され、経済効果を得にくい

一般的な家庭用蓄電池の場合、初期状態は経済モードに設定されるケースが多いです。太陽光発電は家庭内での消費を優先し、余剰分は電力会社に売電します。電気料金が安い時間帯に蓄電池に充電し、日中の電力として使用するのが経済モードの特徴です。

グリーンモードは、太陽光発電した電力を自家消費したのち、余剰分を蓄電池に充電し、それでも余った電力は売電します。経済モードと比較して自家消費率が向上するため、売電価格が安くなる「卒FIT後」に活用すると効果的です。

安心モードは、災害などの非常時に備えて、一定の売電量を蓄電池にためるモードです。一般的には充電量が50%になるまで経済モードと同じように動き、その後は電力を消費せずに待機します。製品によっては、蓄電池にためておく残量を自由に設定できます。

まとめ

家庭用蓄電池の充電時間は、蓄電容量と入力電力によって、次のように変わります。

【家庭用蓄電池の充電にかかる時間】

蓄電容量 充電時間の目安
4.2kWh 2~3時間
9.8kWh 5~6時間
12kWh 6~8時間

充電時間をさらに短縮したい場合は、急速型の蓄電池を検討しましょう。

充電時間帯のおすすめは、ご家庭のライフスタイルによって異なります。充電時間に関する注意点も確認したうえで、適切な方法を用いて蓄電池を使用しましょう。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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