エコキュートと電気温水器の違いとは?「失敗した」と感じる後悔事例も紹介!

  • 更新日:2026/03/24

かつて給湯器といえば「電気温水器」を指すことが一般的でした。しかし、エコキュートの登場後は状況が一変します。国の省エネ政策・補助金制度の後押しもあり、近年の給湯器は新設・交換ともにエコキュートが主流です。

そこで気になるのは、エコキュートと電気温水器の違いではないでしょうか。この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを徹底的に比較します。また、エコキュートに変えて「失敗した」と感じた事例についても、具体的に3つご紹介します。

目次

エコキュートと電気温水器とは?

エコキュートと電気温水器は、いずれも電気でお湯を沸かす給湯器です。しかし、それぞれお湯を供給する仕組みが異なります。まずはエコキュートと電気温水器の概要を整理しましょう。

エコキュートとは

エコキュートとは、空気中から集めた熱を使ってお湯を沸かす「ヒートポンプ式」の給湯器です。タンクに貯めたお湯に水を混ぜて適温に調節して使います。オール電化との相性が良く、太陽光発電を導入する予定の方や、電気代を削減したい方、災害に備えたい方に適しています。

環境省が2019年に実施した調査によると、エコキュートの普及率は14.8%でした。2050年カーボンニュートラル達成に向け、エコキュートは重要な存在と見なされています。政府による補助金制度の対象でもあり、今後も普及が拡大される可能性が高いでしょう。

電気温水器とは

電気温水器とは、自然の熱エネルギーを使用せず、ゼロからお湯を沸かす給湯器です。「貯湯式」と「瞬間式」の2種類があり、貯湯式はタンクに貯めた水を電気ヒーターで温めて、瞬間式は使用する分の水だけを瞬間的に温めてお湯にします。エコキュートと比較してサイズが小さく、設置スペースが少ない家庭に適しています。

電気温水器の普及率は明確に示されていません。エコキュートと比較して省エネ性能が低く、今後はエコキュートにシェアを奪われる可能性が高いでしょう。市場規模としては、縮小する傾向にあると考えられます。

エコキュートと電気温水器の寿命の違いは?

エコキュートと電気温水器の寿命は、いずれも10年~15年とされています。しかし、以下の表にまとめたとおり、寿命以外の違いは多いです。

【エコキュートと電気温水器の比較表】
エコキュート電気温水器
本体価格15万円~35万円10万円~25万円
初期費用20万円~30万円7万円~10万円
電気代抑えやすい抑えにくい
補助金あるない
耐用年数10年~15年10年~15年
必要なスペース大きい小さい

上記の表で比較したポイントについて、さらに詳しく解説します。

本体価格

エコキュートの本体価格は、省エネ性能や機能などによって異なりますが、15万円~35万円が目安です。一方、電気温水器の本体価格は10万円~25万円前後と、エコキュートを下回ります。

エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットから成り立ち、複雑な構造で構成されるため、本体価格が高くなりがちです。しかし、後述するようにランニングコストでは逆転しやすく、本体価格の比較はあまり重視されません。

初期費用

エコキュートの初期費用は、20万円~30万円が相場です。初期費用には、エコキュートの取り付けにかかる標準工事費用のほか、基礎工事や配管工事、電気工事などの費用が含まります。本体価格を合わせると、エコキュートの導入にかかる費用は、40万円~60万円前後が相場と考えましょう。

電気温水器の場合、初期費用は7万円~10万円前後に抑えられる場合が多いです。本体価格と初期費用を合わせた導入費用は15万円~40万円前後となり、エコキュートを大幅に下回ります。

電気代

パナソニックでは、自社エコキュート(HE-JPU37LQS)と一般的な電気温水器の電気代を比較したシミュレーションを行っています。このデータによると、給湯にかかるランニングコストは以下のとおりです。

エコキュート電気温水器
月平均3,100円13,100円
年間平均37,200円157,200円

※東京電力エリアのシミュレーション結果です。

エコキュートの電気代は、電気温水器と比較して約4分の1に抑えられます。

補助金

エコキュートは「給湯省エネ2025事業」の対象であり、導入時に以下の補助金が支給されます。

対象となる機器補助金
ヒートポンプ給湯器 基本額:60,000円
A要件:100,000円
B要件:120,000円
A要件及びB要件:130,000円
ハイブリッド給湯器 基本額:80,000円
A要件:130,000円
B要件:130,000円
A要件及びB要件:150,000円

エコキュートは最大で15万円の補助金を受け取れます。しかし、電気給湯器は補助金の対象外です。本体価格や初期費用が割高になる一方、その費用の一部を補助金で相殺できる点は、エコキュートならではのメリットと言えます。

耐用年数

耐用年数(寿命)に関しては、エコキュートと電気温水器のいずれも10年~15年が目安です。機器が故障した場合、修理または買い替えで対応します。なお、エコキュートは買い替え時にも補助金を受け取れる可能性があります。

必要なスペース

設置スペースがコンパクトなのは電気温水器です。電気温水器は貯湯タンクのみで設計されており、狭いスペースにも設置できる可能性があります。

一方のエコキュートは、貯湯タンクとヒートポンプで構成されており、電気温水器と比較してより広い設置スペースが必要です。設置スペースが限られている場合は、コンパクトタイプのエコキュートを導入しましょう。

エコキュートのメリット・デメリット

現在電気温水器を利用していて、エコキュートへの乗り換えを検討している方も多いでしょう。ここでは、エコキュートのメリット・デメリットについて解説します。

メリット①:電気代が安い

エコキュートのメリットとして最も大きいのは、電気代の安さです。エコキュートは、ヒートポンプ技術を用いており、使用電力の3倍以上の熱エネルギーを生み出します。パナソニックのデータを基に、エコキュートと電気温水器の年間電気代を比較してみましょう。

エリアエコキュート電気温水器
北海道電力57,600円196,800円
東北電力48,000円188,400円
東京電力37,200円157,200円
北陸電力42,000円166,800円
中部電力25,200円100,800円
関西電力20,400円87,600円
中国電力43,200円176,400円
四国電力44,400円193,200円
九州電力20,400円85,200円
沖縄電力32,400円82,800円

電気温水器からエコキュートに乗り換えると、地域を問わず、電気代を3分の1~4分の1程度まで削減できる可能性が高いです。

メリット②:補助金制度が充実している

エコキュートは省エネ家電として認められており、導入時に国や自治体の補助金を受け取れる可能性があります。補助金の活用により、導入費用の大幅な削減が可能です。

メリット③:断水時でも生活用水として使える

災害等により断水が発生したとしても、エコキュートの貯湯タンクに溜まっているお湯や水は、生活用水として使用できます。防災面で役立つ点も、エコキュートを導入するメリットのひとつです。

ただし、エコキュートのお湯や水は、そのままの状態では飲用水としては利用できません。トイレの水を流したり、洗濯に用いたりといった使い方に限定しましょう。

メリット④:環境に優しい

エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす、環境に優しい給湯器です。電気エネルギーの消費を抑えられ、地球温暖化の原因となるCO2排出量を削減できます。エコキュートが補助金の対象となる理由も、CO2排出量を大幅にカットできるためです。

デメリット①:初期費用が高め

デメリットとして考えなければならないのは、高額な初期費用がかかる点です。電気温水器を導入する場合や、電気温水器に交換する場合と比較して、より高額な費用が発生する可能性が高いでしょう。

ただし、電気温水器とは異なり、エコキュートは補助金の対象となります。初期費用の一部を削減でき、実質的な負担額を抑えることが可能です。

また、先述したように、ランニングコストを抑えられる点もエコキュートのメリットです。東京電力エリアの試算結果を見ると、エコキュートの年間電気代は、電気温水器と比較して約12万円も安くなります。初期費用の差額は、導入から数年以内に相殺が可能です。

デメリット②:設置スペースが必要

エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットで構成されており、2台分の設置スペースが必要です。庭などに十分なスペースがない場合、エコキュートを設置できない可能性があります。省スペースに設置したい場合は、コンパクトタイプのエコキュートを導入しましょう。

デメリット③:メンテナンスが必要

貯湯タンクの点検や水抜きといったメンテナンスを定期的に行う必要があります。メンテナンスを怠ると、機器の劣化や故障につながる可能性が高いです。ただし、メンテナンスの方法はシンプルです。1回のメンテナンスにかかる時間は10分程度であり、慣れると簡単に終えられるでしょう。

デメリット④:水圧が弱くなる

エコキュートは貯湯式の給湯器であり、水道直圧式と比較して水圧が弱くなりがちです。これまでにガス給湯器を利用していて、はじめて電気給湯器を利用する方は、水圧の弱さを感じる可能性があります。水圧の弱さが気になる方は、一般的なエコキュートではなく、高圧タイプのエコキュートを導入しましょう。

電気温水器からエコキュートに変えて「失敗した」と感じた3つの事例

ここでは、電気給湯器からエコキュートに切り替えた際の失敗事例を3つご紹介します。それぞれの対策と合わせて見てみましょう。

運転音がうるさかった

深夜によくエコキュートを使う共働き世帯は、エコキュートの運転音に悩まされがちです。ブーンという運転音が気になって眠れない方や、隣人から騒音についてチクっと指摘されたと話す方もいます。

エコキュートの運転音は40dB程度とされ、これは図書館の中と同じくらいのレベルです。一般的にはさほど気にならない大きさの音ですが、今までにない音が発生するせいで、敏感になる人もいます。

運転音が気になる場合は、エコキュートの設置場所を調整しましょう。寝室や隣の家との距離を取ってエコキュートを設置すると、運転音が気になりにくくなります。

設置スペースが足りなかった

電気温水器を設置していた場所にエコキュートを設置しようとしたものの、設置スペースが足らず、追加工事が必要になる事例です。既存の配管を延長して別の場所に設置したり、設置場所自体を移動したりする場合、追加工事費が発生して、初期費用が高額になる場合があります。

予期せぬ出費を抑えるための対策として、設置場所の事前確認を徹底しましょう。エコキュートの寸法と設置場所の広さを比較して、スペースに収まるサイズのエコキュートを購入してください。

電気代があまり安くなった気がしない

電気代の削減を期待してエコキュートを導入したものの、想定していたほど電気代が安くならないといった失敗事例です。

この場合、最適な電気料金プランを選択できていない可能性があります。深夜の従量料金が安いオール電化向けの料金プランに切り替えると、電気代を削減できる可能性が高いです。

また、電力会社ごとに電気代の設定が異なります。定期的に電力会社や電気料金プランの見直しを行い、より安価で利用できる電力会社に乗り換えましょう。

まとめ

エコキュートと電気温水器は、どちらも電気を使ってお湯を沸かす給湯器です。しかし、お湯を沸かす仕組みが異なります。エコキュートは発電の高効率化が可能な給湯器であり、電気温水器と比較して電気代を大幅に削減できる可能性が高いです。

電気温水器からエコキュートに切り替えて「失敗した」と感じる人もいます。ただし「最適な電力会社と料金プランを選ぶ」「設置場所を工夫する」といった対策により、エコキュートならではのデメリットを克服できます。特に電気代を削減したい方や、防災対策を強化したい方などには、エコキュートの導入を強くおすすめします。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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「オール電化家庭とガス併用家庭を徹底比較!電気代・ガス代などの光熱費の違いと節約術」記事へのリンク
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オール電化家庭はガスの代わりに電気を使用します。ガス代が無くなる一方で、当然電気代は増加します。しかし、光熱費全体で見たときに、電気代に一本化することがかなりお得になるケースがあります。太陽光や蓄電池なしでも十分な光熱費削減が期待できます。
「エコキュートとガス給湯器のコスト比較!光熱費はエコキュートがお得!」記事へのリンク
省エネ性能が高い
エコキュートは、ヒートポンプ技術と呼ばれる大気熱を利用したお湯の沸き上げ方法を採用しています。この技術により、エネルギーの使用量が約1/4に抑えることが可能です。この省エネ技術により、ガス給湯器よりも光熱費が安くなります。
「オール電化に使える補助金まとめ!エコキュート・太陽光発電・リフォーム補助金を解説」記事へのリンク
補助金でお得に導入
国は省エネ・脱炭素の推進のために数々の補助金を、オール電化向けに用意しています。エコキュートであれば給湯省エネ事業、太陽光・蓄電池であれば子育てエコホーム支援事業などです。これら補助金を利用してお得にオール電化に切り替える方が増えています。
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idemitsuでんきは、出光興産が提供する電気料金プランです。オール電化住宅において最高水準に安定かつ安価な専用プランがあります。特にオール電化向けという観点では、一人暮らし~大家族まで国内で最高峰の料金構成となっている電気プランと言えます。また、EVユーザーの方も安価な深夜電気で蓄電できるためおススメです。
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