【初心者向け】エコキュートの仕組みを簡単に解説!従来のガス給湯器との違いも

  • 更新日:2026/03/19

エコキュートは、オール電化住宅にとって欠かせない給湯器です。しかし「どのような仕組みでお湯が沸くのか分からない」といった理由から、導入を敬遠している方が多いかもしれません。

この記事では、難しい言葉や専門用語を避けて、エコキュートの仕組みを分かりやすく解説します。従来のガス給湯器や電気給湯器とはどのように違うのかについても触れるほか、エコキュートのメリット・デメリットもお伝えするため、ぜひ参考になさってください。

エコキュートはオール電化住宅に欠かせない機器ですが、消耗品である以上、突然の故障に見舞われる可能性があります。将来的にエコキュートの交換が必要になった場合、どのくらいの費用がかかるのかが分からず、エコキュートの導入を躊躇している方もいるでしょう。

この記事では、エコキュート交換にかかる費用や時間の目安について分かりやすく解説します。当日の流れや前日までにしておくと良いこともご紹介するため、参考にしていただければ幸いです。

目次

そもそもエコキュートとは?

エコキュートは、「ECO(エコ)」と「CUTE(キュート)」を組み合わせた名前で、少ないエネルギーで活用できる電気式のエコな給湯システムです。主にオール電化住宅で使われており、空気中の熱を活用して効率的にお湯を沸かします。

従来の給湯器のように、お湯を沸かす過程でガスや石油を燃やさないため、CO2排出が少なく、地球に優しいことがエコキュートの魅力です。太陽光発電設備の普及に伴い、エコキュートを導入する家庭は増加傾向にあります。

エコキュートの仕組み

エコキュートは、大きく「ヒートポンプユニット」と「貯湯ユニット」の2種類で構成されています。いずれもエコキュートを稼働させる上で欠かせない装置となるため、それぞれの役割をざっくりと知っておきましょう。

<エコキュートの仕組み>

  • 「ヒートポンプ」ユニット
  • 「貯湯」ユニット

「ヒートポンプ」ユニット

ヒートポンプユニットは、エコキュートの心臓部ともいえる存在です。空気中から少量の熱を吸収し、ポンプ内で空気を圧縮して発生させた熱エネルギーを水に伝えて、高温のお湯に変えます。

これは「ヒートポンプ技術」と呼ばれており、エコキュートで生み出せる熱エネルギーは、使う電力の3倍以上です。エコキュートは、高効率かつ地球環境にもやさしい機器と言えます。

「貯湯」ユニット

貯湯ユニットは、ヒートポンプユニットで作ったお湯を貯めるタンクのような存在です。断熱材で全体を覆っているため、タンク内に貯まったお湯を長時間保温できます。

家庭用のごく一般的な貯湯ユニットの場合、タンクの容量は370L~460Lです。貯湯ユニットには一定量のお湯を貯めておけるため、災害による断水が発生したとしても、タンク内に水が残っている限りは、非常用の水源として活用できます。

従来の給湯システムとの違い

エコキュートは革新的な給湯器ですが、従来の給湯システムとはどのような違いがあるのか疑問を抱えている方も多いでしょう。ここでは、多くの方にとって最も身近な存在である「ガス給湯器」や、電気給湯器(電気温水器)とエコキュートを比較しながら、仕組みの違いについて解説します。

<従来の給湯システムとの違い>

  • ガス給湯器との違い
  • 電気給湯器との違い

ガス給湯器との違い

ガス給湯器は、多くの家庭で使われてきた、定番とも言える給湯器の種類です。都市ガスやプロパンガスを利用してガスを燃やし、その場でお湯を沸かす「瞬間式」が主流となっています。エコキュートとの違いを表にまとめました。

【エコキュートとガス給湯器の違い】

ガス給湯器 エコキュート
給湯の方法 ガスと電気を使う 電気だけを使う
本体価格の目安 15万円~40万円 40万円~70万円
サイズ 幅350mm~奥行250mm~高さ600mm程度 幅600mm~奥行750mm~高さ1,800mm程度
寿命 約10年 約10年~15年
水圧 500KPa前後 290KPa前後
安全性 火災、ガス漏れ 特になし
補助金 対象機種が限られる 多くの機種で支給される

ガス給湯器は瞬間的にお湯が沸き、水圧が強いことが特徴です。しかし電気代に加えてガス代がかかることや、お湯を沸かす過程でCO2が出ることはデメリットと言えます。そのため、導入時に補助金が支給されない場合も多いです。

一方のエコキュートは、ガスを使わずにお湯を沸かす仕組みの給湯器です。水圧ではガス給湯器よりもやや劣りますが、この欠点を克服した「高水圧タイプ」の機種も販売されています。ガスを使わないため、調理中の火災やガス漏れのリスクもありません。また、追い炊きなどの便利な機能は、エコキュートにも搭載されています。

さらに、エコキュートの導入コストは高額になるものの、国や自治体からの補助金を活用しやすいです。そのため、実際の導入費用は、上記の費用よりも安く抑えられるでしょう。

電気給湯器との違い

電気給湯器(電気温水器)は、電熱ヒーターを使って水を温めてお湯を作る給湯器です。エコキュートと同じ電気式の給湯器ですが、お湯の作り方の仕組みが異なります。

エコキュートは、外気を利用したヒートポンプユニットでお湯を作ることが特徴です。この過程で空気を圧縮して熱エネルギーを増やせるため、電気給湯器よりも高い効率でお湯を沸かせます。そのため、電気給湯器からエコキュートに切り替えると、電気代を節約できる可能性が高いです。

エコキュートのメリット5つ

エコキュートには以下のような5つのメリットがあります。

<エコキュートのメリット5つ>

  • 光熱費を削減できる
  • 環境にやさしい
  • 災害時にタンクの水を利用できる
  • 補助金を活用して設置可能
  • ガスのリスクを排除

光熱費の削減以外にも、メリットに感じられる要素が多いのではないでしょうか。ここからは、エコキュートのメリットについて、それぞれの項目をさらに詳しく解説します。

光熱費を削減できる

エコキュートは熱効率が高い給湯器であり、従来のガス給湯器や電気給湯器と比較して、光熱費を削減しやすいことがメリットです。東京電力エナジーパートナーによると、新築戸建て住宅に家族4人で暮らす場合、ガス給湯器と比べて年間38,300円も給湯料金を削減できると言います。

オール電化向けの電力プランを利用すると、夜間の電力料金が安くなるため、エコキュートを使って夜間にお湯を沸かすと、さらに電気代を削減しやすくなるでしょう。LPガスのガス給湯器からエコキュートに変更した家庭では、年間10万円以上の電気代削減に成功したとの試算結果もあります。

環境にやさしい

エコキュートはガスを燃焼させずにお湯を沸かせる仕組みのため、CO2排出量を大幅に削減できます。各家庭で削減できるCO2の排出量は約35%です。

近年、地球温暖化の影響による異常気象が目立ち、これが農産物の価格上昇や生態系の変化につながっているとの指摘もあります。エコキュートを導入することにより、加速する地球温暖化に対して、個人レベルで「待った」をかけられることもメリットです。

災害時にタンクの水を利用できる

貯湯ユニットに貯まったお湯や水は、非常用水栓から自由に取り出せます。地震や台風などの災害により、水道がストップしたとしても、貯湯タンクに残っている水を生活用水として利用することが可能です。

残念ながら飲用水には適していませんが、洗濯をしたり、トイレの水を流したりといった用途で活用できるため、災害時のストレスを大幅に軽減できるでしょう。新型コロナウイルスのようなパンデミックが発生し、在宅時間が増えたとしても、断水のリスクに備えやすくなります。

補助金を活用して設置可能

エコキュートは省エネ機器として認められており、国や自治体の補助金対象となる場合が多いです。例えば「給湯省エネ2025事業」では、エコキュート1台あたり最大で13万円の補助金が支給されます。

【給湯省エネ2025事業の補助金内訳】

ベースとなる補助額 6万円/台
A要件(インターネットに接続できる機種などを導入する場合) 4万円/台を加算
B要件(他機種と比較して5%以上CO2排出量が少ない場合) 6万円/台を加算
A+B要件(A要件とB要件の両方を満たす場合) 7万円/台を加算

自治体が独自に支給する補助金と組み合わせられる場合もあるため、お住まいの地域の市区町村HPなどから、最新の補助制度について調べてみましょう。

ガスのリスクを排除

エコキュートではガスを使わないため、ガスに関連するリスクを排除できます。

<エコキュートで排除できるガスのリスク>

  • 調理中の火災、やけど
  • ガス漏れによる中毒、爆発など

調理中の火が衣服にうつってやけどをする心配がないため、子どもや高齢者でも安心してキッチンに立てるでしょう。家庭内の安全性を高められることも、エコキュートを導入するメリットです。

エコキュートのデメリット5つ

エコキュートには多くのメリットがありますが、導入する前に知っておくべきデメリットもあります。

<エコキュートのデメリット5つ>

  • 設置スペースが必要
  • 初期コストがかかる
  • 災害時に水を使えるが飲用NG
  • 水圧が弱め
  • お湯切れの可能性がある

エコキュート特有のデメリットも把握した上で、導入するかどうかを検討しましょう。

設置スペースが必要

エコキュートを設置する場合は、先述したように「ヒートポンプユニット」と「貯湯ユニット」の両方を設置しなければなりません。そのため、一定以上の設置スペースを確保する必要があります。

また、メンテナンス時に人が入るスペースを確保する必要があるため、壁から10cm~20cmほどの距離を取らなければならないことにも注意が必要です。設置スペースにゆとりがない場合は、スリムタイプのエコキュートを選ぶことをおすすめします。

初期コストがかかる

エコキュートを導入する際の初期コストは、従来のガス給湯器や電気給湯器と比較して高額です。これが原因で、エコキュートの導入を躊躇する方も少なくありません。

ただし、エコキュートは国や自治体の補助金の対象となるケースが多く、実際の導入コストを削減できます。また、従来の給湯器と比較して熱効率が良いこともエコキュートの特徴です。電気の使い方がこれまでと同じでも、光熱費を削減しやすくなり、長い目で見ればお得になります。

災害時に水を使えるが飲用NG

貯湯ユニットに貯まった水は、飲用に適していません。タンク内のお湯は高温のため、煮沸消毒できるようにも感じますが、水道水に含まれる不純物がタンク内に付着または沈殿している可能性が高く、食中毒のリスクがあるためです。

ただし、マックスで370L~460Lほどの水を貯めておけることがメリットであることには変わりありません。飲用以外の生活用水としては利用できるため、トイレや洗濯の水として使ったり、洗顔用として使ったりすることは可能です。

水圧が弱め

一般的なエコキュートは、貯湯ユニットの損傷を防ぐことを目的として、シャワーの水圧を低めに設定しています。そのため、従来の給湯器による強い水圧に慣れている方の場合、エコキュートの水圧の弱さにストレスを感じる場合があるでしょう。

しかし、高圧力タイプのエコキュートも販売されているほか、低水圧でも十分な勢いで水が出せるシャワーヘッドも開発されています。水圧の弱さに不安を抱えている方は、エコキュートの仕様を確認して、水圧が高い機種を購入するなどの対策をすると良いでしょう。

お湯切れの可能性がある

お湯切れとは、エコキュートの貯湯ユニットに貯えられているお湯を使い切ってしまい、お湯が出なくなる状態です。エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を作り、それを貯湯ユニットに貯める仕組みですが、タンク内のお湯を使い切ると、低温の水しか使えなくなってしまいます。お湯切れを避けたい場合は、家族の人数やライフスタイルに合ったタンク容量のエコキュートを選びましょう。

【家族の人数ごとに見た必要なタンク容量の目安】

家族の人数 タンク容量の目安
2~3人 370L~
3~5人 460L~
4~7人 550L~

ゆとりのあるタンク容量のエコキュートを選ぶことにより、お湯切れのリスクを抑えられます。

まとめ

エコキュートは、空気熱を活かしてお湯を沸かすヒートポンプユニットと、お湯を貯める貯湯ユニットで構成された、シンプルながら革新的な仕組みの給湯器です。ガス給湯器よりも光熱費を抑えやすく、火災などのリスクをなくせることなどが、エコキュートを導入するメリットと言えます。

エコキュートは省エネ機器として認められているため、導入時には国や自治体から補助金が支給される可能性が高いです。エコキュートはご家庭に多くのメリットをもたらす機器であるため、これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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オール電化・ガス併用を比較したい方
「オール電化家庭とガス併用家庭を徹底比較!電気代・ガス代などの光熱費の違いと節約術」記事へのリンク
プロパンと比較して年間10万円お得
オール電化家庭はガスの代わりに電気を使用します。ガス代が無くなる一方で、当然電気代は増加します。しかし、光熱費全体で見たときに、電気代に一本化することがかなりお得になるケースがあります。太陽光や蓄電池なしでも十分な光熱費削減が期待できます。
「エコキュートとガス給湯器のコスト比較!光熱費はエコキュートがお得!」記事へのリンク
省エネ性能が高い
エコキュートは、ヒートポンプ技術と呼ばれる大気熱を利用したお湯の沸き上げ方法を採用しています。この技術により、エネルギーの使用量が約1/4に抑えることが可能です。この省エネ技術により、ガス給湯器よりも光熱費が安くなります。
「オール電化に使える補助金まとめ!エコキュート・太陽光発電・リフォーム補助金を解説」記事へのリンク
補助金でお得に導入
国は省エネ・脱炭素の推進のために数々の補助金を、オール電化向けに用意しています。エコキュートであれば給湯省エネ事業、太陽光・蓄電池であれば子育てエコホーム支援事業などです。これら補助金を利用してお得にオール電化に切り替える方が増えています。
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