太陽光発電と蓄電池の価格相場はいくら?何年で元は取れる?実態を解説します

  • 更新日:2025/12/01

太陽光発電を効率化させるためのポイントが、蓄電池との併用です。蓄電池を併用することで、太陽光発電ができない夜間も電力を自家消費できるほか、昼間に余った電力を蓄えて売電しやすくなります。

さらに、停電が発生した場合の非常用電源として利用できることも、蓄電池を併用するメリットです。

しかし、太陽光発電と蓄電池を同時に購入するとどのくらいの価格になるのか、費用面の不安を抱えている方も多いかもしれません。

この記事では、太陽光発電と蓄電池の価格相場はいくらなのか、そして何年で元を取れるのか、実態を解説します。

目次

太陽光発電と蓄電池の価格相場はいくら?

太陽光発電と蓄電池の価格は、初期費用と月々の固定費の2つに分けて考える必要があります。まずは初期費用の目安を見てみましょう。

【太陽光発電と蓄電池の価格相場(初期費用)】
太陽光発電と蓄電池 価格相場(初期費用)
太陽光発電(システム容量3~5kW) 85万円~145万円
蓄電池(5kWh~15kWh) 70万円~170万円
合計 155万円~315万円

ただ、購入時にはセット割引を適用できる場合があり、上記の金額よりも初期費用が安くなることが見込まれます。

また、国や自治体の補助金制度を適用できる可能性もあるため、お住まいの市区町村HPなどから情報を取得しましょう。

次に、4人家族が太陽光発電と蓄電池を併用した場合の、固定費の目安をシミュレーションします。

蓄電池の利用パターンは「夜間消費」と「夜間蓄電」に分かれ、それぞれの特徴は次のとおりです。

    <夜間消費と夜間蓄電の違い>

  • 夜間消費…電気代が安い夜間に電気を使ったり、購入した電力を蓄電池に貯めたりする
  • 夜間蓄電…夜間に充電した電力を、電気代が高い日中に使用する

パターンごとにシミュレーションした結果を見てみましょう。まずは夜間消費パターンです。

【太陽光発電と蓄電池の費用相場(年間固定費・夜間消費パターン)】
経済効果 支払う光熱費 利益
~4年目 158,753円 76,437円 82,316円
5~10年目 128,954円 76,437円 52,517円
11年目~ 131,663円 76,437円 55,226円

※経済効果は自家消費により削減できた光熱費+売電金額です。希望の自家消費率70%、余剰売電率30%で試算しています。

4年目までの実質的な利益と、5~10年目までの実質的な利益を足すと644,366円です。

その後は1年ごとに55,226円の利益を見込めます。仮に初期費用が160万円だった場合、28年で初期費用の元を取れる計算です。

次に、夜間に蓄電する場合の固定費をシミュレーションします。

【太陽光発電と蓄電池の費用相場(年間固定費・夜間蓄電パターン)】
経済効果 支払う光熱費 利益
~4年目 177,103円 166,447円 10,656円
5~10年目 128,954円 76,437円 52,517円
11年目~ 131,663円 76,437円 55,226円

※経済効果は自家消費により削減できた光熱費+売電金額です。希望の自家消費率70%、日中・朝夕の買電率30%で試算しています。

トータルで比較すると、夜間消費パターンのほうが元をとりやすいことがわかります。

太陽光発電(太陽光パネル)の価格相場

経済産業省の資料によると、2024年に設置された太陽光パネルの価格相場は次のとおりです。

【太陽光発電(太陽光パネル)の価格相場】
項目 価格相場
システム費用(購入費・工事費) 28.6万円/kW
運転維持費 1,061円/kW/年

3kWの太陽光パネルを購入・設置する場合、初期費用は約86万円、維持費は年間約3,000円です。

蓄電池の価格相場

三菱総合研究所の資料によると、蓄電池の価格と工事費の相場は次のとおりです。

【蓄電池の価格相場】
システム容量 5kWh未満 5~10kWh 10kWh以上
システム価格 15万円 10.6万円 10.7万円
工事費 1.6万円 1.3万円 0.6万円
合計 約17万円 約12万円 約11.5万円

※1kWhあたり

10kWhの蓄電池を設置する場合の価格相場は、12万円×10kWhで120万円が購入・設置費の目安となります。

蓄電池は、希望する自家消費の容量と、蓄電池の導入費用のバランスで選ぶのが基本です。

自家消費の容量が多ければ多いほど経済性が高くなりますが、容量を大きくすると導入費用が高くなり、元をとるまでの期間が長引く可能性があります。

太陽光発電と蓄電池をセットで購入するメリットは?

太陽光発電と蓄電池をセットで購入するメリットは次の6つです。それぞれのポイントを詳しく解説します。

    <太陽光発電と蓄電池をセットで購入するメリット>

  1. 売電するより充電した方がお得!
  2. 卒FIT後はさらに経済的メリットが大きくなる
  3. セット購入で割引が適用される
  4. 補助金が活用できる
  5. 災害時の備えになる
  6. 環境面に優しい選択ができる

1.売電するより充電した方がお得!

太陽光発電は、昼間に発電した電力を自家消費する使い方が基本になります。余った電力の使い道は、電力会社に売却する「売電」と、蓄電池に貯めて夜間に消費する「充電」の2種類です。

蓄電池を併用して充電する場合と、蓄電池を使わずに売電する場合のどちらがお得か比較してみましょう。

【太陽光発電と蓄電池の費用相場】
経済効果 支払う光熱費 利益
~4年目 充電 158,753円 76,437円 82,316円
売電 111,450円 111,954円 -504円
5~10年目 充電 128,954円 76,437円 52,517円
売電 89,214円 111,954円 -22,740円
11年目~ 充電 131,663円 76,437円 55,226円
売電 91,235円 111,954円 -20,719円

※経済効果は自家消費により削減できた光熱費+売電金額です。希望の自家消費率70%、余剰売電率30%で試算しています。太陽光容量は3kWを想定しています。

蓄電池は導入費用がかかりますが、長い目で見ればお得になる可能性があります。

2.卒FIT後はさらに経済的メリットが大きくなる

卒FITとは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」が終了することです。

FIT価格は4年目まで24円/kWh、5~10年目までは8.6円に設定されていますが、卒FIT後の売電価格はそれよりも下がる可能性が高くなります。

蓄電池が真価を発揮するのは卒FIT後です。売電価格が安くなる卒FIT後は、発電した電気をいかに自家消費するかがポイントになります。

蓄電池を併用すると、昼間に発電した余剰電力を無駄なく夜間や雨天時に使えるため、電気代を節約しやすくなるでしょう。

3.セット購入で割引が適用される

太陽光発電システムと蓄電池をセットで購入すると、割引が適用される場合があります。具体的な割引額は、導入する機器のメーカーや種類によって異なるため、一概にはいえません。

ただし、それぞれを単体で購入するよりも安くなるため、太陽光発電システムと蓄電池の同時購入をおすすめします。

4.補助金が活用できる

国や地方自治体は再生可能エネルギーの導入を促進する事業を展開しており、太陽光発電と蓄電池の導入時に補助金制度を活用できる可能性があります。

一例として「ZEH補助金」は、一定の条件を満たした住宅に対し、最大で90万円の補助金を支給する制度です。

その他にも、自治体が独自の補助・助成制度を実施している場合があるため、お住まいの市区町村のHPなどから情報を収集しましょう。

なお、補助金には申請期間や予算枠が設けられているため、早めの導入と申請をおすすめします。

5.災害時の備えになる

太陽光発電と蓄電池を併用すると、災害時の非常用電源として活用できることもメリットです。

停電が発生したとしても、日中の晴れた時間帯は自家発電でき、余剰電力を蓄電池に貯められます。

貯めた電気は夜間などに活用できるため、停電時も照明や冷蔵庫、通信機器などの稼働を続けられるのです。

6.環境面に優しい選択ができる

太陽光発電は、発電時にCO₂を排出しない、クリーンな再生可能エネルギーです。

蓄電池を導入することにより、より多くの電力を自家消費できるため、電力会社からの買電量を減らせます。

環境面に優しい選択ができることも、太陽光発電と蓄電池をセットで購入する魅力です。

太陽光発電と蓄電池をセットで購入するデメリットは?

太陽光発電と蓄電池をセットで購入するメリットは、価格面以外にも多くあります。一方で、以下の3点については、デメリットと考えなければなりません。それぞれのポイントを解説します。

    <太陽光発電と蓄電池をセットで購入するデメリット>

  1. 初期コストが大きくなる
  2. 十分な設置スペースが必要
  3. メンテナンスが必要になる

1.初期コストが大きくなる

蓄電池の価格は、工事費を含めて70万円~170万円が目安です。太陽光発電システムだけでも85万円~145万円の導入コストがかかるため、セットで購入すると初期コストが大きくなります。

本体だけではなく、システム全体を構築する機器のひとつである「パワーコンディショナー」も購入しなければなりません。

ただし、中長期的に見れば初期投資の元を取れる可能性があり、購入時にはセット割引や補助金を活用できる可能性もあります。非常時の備えにもなるため、セットで購入する価値は十分にあるでしょう。

2.十分な設置スペースが必要

太陽光パネルは住宅の屋根などに、蓄電池は屋外または屋内の一部箇所に設置する必要があります。

そのため、十分な設置スペースを確保しなければなりません。特に蓄電池は稼働中に熱を発するため、風通しの良い場所や、直射日光が当たらない場所を選ぶ必要があります。

3.メンテナンスが必要になる

故障のリスクを減らし、稼働効率を高めるためには、太陽光パネルと蓄電池それぞれのメンテナンスが必要です。

メンテナンスを怠り、大規模な故障が発生すると、機器を再購入しなければなりません。

専門業者とのメンテナンス契約も視野に入れながら、定期的にメンテナンスを行いましょう。

太陽光発電と蓄電池の併用で元を取れる?

太陽光発電と蓄電池の併用で初期費用の元を取れるのかシミュレーションします。

【シミュレーション結果】
太陽光発電なし
蓄電池なし
太陽光発電あり
蓄電池あり
電気代(円) 284,645円 214,436円
売電収入(円) 0
  • 1~4年目:26,664円
  • 5~10年目:9,555円
  • 11年目以降:1,111円
収支 284,645円の支出
  • 1~4年目:187,772円の支出
  • 5~10年目:204,881円の支出
  • 11年目以降:213,325円の支出

※東京電力の場合

差額を比較しながらまとめてみましょう。

    <差額の比較>

  • 1~4年目:-96,873円×4年=-387,492円
  • 5~10年目:-79,764円×6年=478,584円
  • 11年目以降:-71,320円×10年=713,200円

太陽光発電と蓄電池を併用すると、10年間で866,076円もお得になる計算です。

その後は1年あたり71,320円の差額が生じるため、合計20年間太陽光発電蓄電池を併用した場合、累計の差額は1,579,276円です。

初期費用に150万円がかかったとしても、太陽光発電と蓄電池を20年間使い続けると、初期費用の元を取れるでしょう。

太陽光発電に蓄電池を後付けすることは可能?

太陽光発電に蓄電池を後付けすることは可能です。特にパワーコンディショナーがハイブリッド型の場合、蓄電池と連携できるため、スムーズに後付けできます。

まとめ

ガス併用で電気代を払い続ける場合と、太陽光発電と蓄電池を併用した場合を比較した結果は次のとおりです。

【シミュレーション結果】
太陽光発電なし
蓄電池なし
太陽光発電あり
蓄電池あり
電気代(円) 284,645円 214,436円
売電収入(円) 0
  • 1~4年目:26,664円
  • 5~10年目:9,555円
  • 11年目以降:1,111円
収支 284,645円の支出
  • 1~4年目:187,772円の支出
  • 5~10年目:204,881円の支出
  • 11年目以降:213,325円の支出

※東京電力の場合

太陽光発電と蓄電池の初期費用が150万円だった場合、約20年で元を取れる計算になりました。

上記は東京電力の料金を比較した場合であり、その他の電力会社を利用すると、さらに電気代が安くなる可能性があります。

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<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
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