太陽光発電の処分費用はいくら?撤去にかかる費用を安く抑える方法も紹介します
太陽光発電は環境に優しく、家計の電気代削減にも貢献するものです。多くの家庭や事業所が太陽光発電を導入していますが、ソーラーパネルには寿命があり、使用済みのソーラーパネルは処分する必要があります。
本記事では、太陽光発電の処分費用について解説した上で、撤去にかかる費用を安く抑える方法もご紹介します。処分する際に確認すると良いポイントもお伝えするため、ぜひ太陽光パネルの「終活」に向けた参考にしていただければ幸いです。
太陽光発電の処分費用はいくら?
太陽光発電の処分費用は、建物と同時に解体するのか、それとも太陽光発電の設備のみを処分するのかによって大きく異なります。まずは処分費用の相場を確認しておきましょう。
建物と一緒に解体する場合
建物と一緒に太陽光発電の設備を解体する場合、撤去費用は解体費用に含まれる場合が多いです。見積もりを依頼した際に費用の内訳を確認し、解体費用にソーラーパネルの撤去費用が含まれているか確認しましょう。なお、解体費用の相場は建物の構造や規模によって異なります。
| 構造 | 20坪 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
|---|---|---|---|---|
| 木造 | 80万円~100万円 | 120万円~150万円 | 160万円~200万円 | 200万円~240万円 |
| 軽量鉄骨造 | 120万円~130万円 | 180万円~195万円 | 240万円~260万円 | 300万円~325万円 |
| 重量鉄骨造 | 130万円~140万円 | 195万円~210万円 | 260万円~280万円 | 325万円~350万円 |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 120万円~160万円 | 180万円~240万円 | 240万円~320万円 | 320万円~400万円 |
アスベストの撤去など、特殊な工事が必要な場合は、別途工事費が請求される可能性があります。
また、見積書にソーラーパネルの撤去費用が含まれていない場合は、上記の解体費用にソーラーパネルの撤去費用が加算される可能性が高いです。その場合の費用相場は、後述するとおり0.57万円/kWです。
ただし、建物の撤去と同時にソーラーパネルを撤去する場合は、人件費や架台工事にかかる費用を一本化できます。そのため、ソーラーパネルを撤去してから建物の解体を依頼する場合と比べて、総工費を安く抑えやすいでしょう。
太陽光発電の設備のみ処分する場合
ソーラーパネルは20年~30年で寿命を迎えると言われており、使用済みのソーラーパネルは法律に基づいて処分する必要があります。経済産業省が公表している「太陽光発電設備の廃棄等費用の積立てを担保する制度に関する詳細検討②」によると、太陽光発電設備の廃棄等費用は次のとおりです。
【基礎を撤去しない場合(PVパネル+架台のみ廃棄処理する場合)の合計額】
| 最小値 | 中央値 | 最大値 |
|---|---|---|
| 0.35万円 | 0.57万円 | 4.80万円 |
※単位はすべて万円/kW
本調査による太陽光発電の処分費用は、1kWあたり0.35万円~4.80万円で、中央値は0.57万円でした。中央値で計算すると、太陽光発電システム容量を5kW仮定した場合、0.57万円×5kWで2.85万円です。
この金額に含まれている費用は、ソーラーパネルの撤去にかかる仮設工事費、解体・撤去工事費、産廃処理費です。「太陽光発電の処分にかかる費用の内訳」で後述しますが、実際はパワーコンディショナーなどの設備の撤去や、屋根の補修などに追加料金がかかる可能性があります。
また、最小値と最大値に大きな開きがあることからもわかるように、この費用はあくまでも目安です。屋根材の種類やソーラーパネルの劣化状態、利用する業者によって料金が変わるため、後述する「太陽光発電の処分費用を安く抑えるコツ」を参考にしながら、慎重に業者を選びましょう。
太陽光発電の再設置にかかる費用はいくら?
太陽光発電の再設置とは、一時的に既存のソーラーパネル等を取り外して、リフォームした屋根や引っ越し先に移設する方法です。再設置にかかる費用相場を見てみましょう。
屋根リフォーム後に再設置する場合
はじめにソーラーパネルを取り外し、屋根カバー工法や葺き替え工事を行ってからソーラーパネルを取り付け直すのが再設置の流れです。この場合の費用内訳を見てみましょう。
| 作業内容 | 費用相場 |
|---|---|
| ソーラーパネルの取り外し | 8,000円/1枚 |
| ソーラーパネルの取り付け | 7,000円~8,000円/1枚 |
| ソーラーパネルの清掃 | 20,000円/1式 |
ソーラーパネルの枚数を12枚と仮定する場合、再設置にかかる費用は20万円前後です。なお、ハト除けなどを取り付ける場合は、別途工事費が請求される場合があります。
引っ越した家に移設する場合
引っ越した家にソーラーパネルを移設することは、技術的には可能です。ただし、工事の行程が増えるほか、ソーラーパネルの運搬にもコストがかかるため、屋根リフォーム後に再設置する場合と比較すると費用が割高になります。移設する場合の費用相場は次のとおりです。
| 作業内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 足場の設置費用 | 20,000円/1回 |
| ソーラーパネルの取り外し | 8,000円/1枚 |
| ソーラーパネルの取り付け | 7,000円~8,000円/1枚 |
| ソーラーパネルの清掃 | 20,000円/1式 |
| 運搬費用 | 30,000円/1回 |
足場の設置は旧居・新居で合わせて2回行うため、2回分の費用が必要です。運搬費用は目安であり、移動する距離やソーラーパネルの枚数により増減する場合があります。これらの費用を合計すると、1回の移設で30万円以上の費用がかかる可能性が高いでしょう。
太陽光発電の処分にかかる費用の内訳
太陽光発電システムの処分費用は、主に以下の項目に分けられます。
<太陽光発電の処分にかかる費用の内訳>
- 撤去にかかる費用
- 運搬にかかる費用
- 廃棄にかかる費用
それぞれの費用内訳をご紹介します。
撤去にかかる費用
ソーラーパネル本体や、ソーラーパネルを固定している架台、パワーコンディショナーなどの関連設備、そして配線といった周辺機器を撤去するためにかかる費用です。具体的な内訳を見てみましょう。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| ソーラーパネルの取り外し | 8,000円/1枚 |
| パワーコンディショナーなど周辺機器の撤去 | 20,000円/1回 |
| 足場設置費用 | 20,000円/1回 |
| 屋根補修費 | 50,000円~100,000円/1回 |
屋根補修が必要かどうかは屋根や住宅の状態によって異なります。業者に見積もりを依頼する際に、補修などの追加工事が必要かどうか、また見積もりに記載されていない追加料金が請求される可能性があるかどうかを確認しましょう。
運搬にかかる費用
運搬にかかる費用は、撤去したソーラーパネルや周辺機器を、指定された処分場やリサイクル施設まで運ぶためにかかる費用です。内訳は「車両使用料」「人件費」「ガソリン代」で決まり、1回あたり30,000円程度(ソーラーパネル1枚あたり1,000円~2,000円前後)と考えると良いでしょう。
ソーラーパネルには有害物質が含まれることもあり、一般的な粗大ごみとしては処分できません。産業廃棄物として適切に処理する必要があるため、原則として専門の収集業者に回収を依頼する必要があります。
廃棄にかかる費用
廃棄にかかる費用は、処分場やリサイクル施設に運搬されたソーラーパネルを、最終的に処理するためにかかる費用です。廃棄にかかる費用は、主に次の3つに分けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 中間処理費 | パネルを分解してガラスやシリコンなどに分別するための費用 |
| リサイクル費用 | 分別された素材をリサイクルするための費用 |
| 最終処分費 | リサイクル困難な素材を埋め立て処分するための費用 |
これらの費用を合計した「処理費用」の目安は、環境省が「使用済太陽電池モジュールのリサイクル等の推進に係る調査業務」で公表しています。これによると、処理費用の目安は、ソーラーパネル1枚あたり3,000円前後です。ソーラーパネル12枚を処分すると仮定した場合、処理費用の目安は36,000円程度と考えましょう。
太陽光発電の処分費用を安く抑えるコツ
ここまでにご紹介したとおり、太陽光発電の処分費用は高額になりがちです。中央値で見ても20万円以上、屋根の状態や太陽光発電装置の規模によっては50万円以上の処分費用がかかる可能性があります。しかし、いくつかのコツを活かすことにより、処分費用を安く抑えることも可能です。
<太陽光発電の処分費用を安く抑えるコツ>
- 複数の処分業者に相談する
- 買取できるか確認してみる
上記の2点について、詳しく解説します。
複数の処分業者に相談する
特に重要なポイントとなるのが、複数の処分業者に相談して、相見積もりをとることです。
利用する処分業者によって、撤去費用や運搬費、リサイクル費用の設定が異なります。得意とする太陽光パネルの種類や回収ルート、提携している処理施設・リサイクル施設も違うため、同じ内容の処分を依頼するとしても、見積もり額に大きな差が出ることは珍しくありません。
また、相見積もりをとることによって、費用相場を把握できるだけでなく、法外な費用を請求する悪徳業者を見分けられることもメリットです。目安として2~3社から見積もりをとり、見積書の内容や担当者の対応が信頼できるかどうかを確認して、利用する業者を比較検討しましょう。
買取できるか確認してみる
ソーラーパネルのコンディションが良好な場合は、中古品として売却できる可能性があります。買取価格の相場は1枚あたり10,000円前後とされており、仮に12枚を売却できた場合は12万円の回収を見込めるため、軽視できません。
特に有名メーカーの高性能モデルや、比較的新しいソーラーパネル、出力(kW)が高いソーラーパネルほど高値で売れる傾向にあります。ソーラーパネルを売却できれば、処分費用の一部または全部を相殺できる可能性もあるため、買取業者やリユース業者に相談すると良いでしょう。
太陽光発電の設備を処分する際の確認ポイント
太陽光発電の設備を処分する際は、法律に則った手続きが必要です。また、ソーラーパネルの撤去後も安心して住み続けるためには、屋根の状態も確認しましょう。ここでは、それぞれのポイントを解説します。
FIT制度の廃止届を申請する
固定価格買取制度(FIT制度)の認定を受けて太陽光発電を導入した場合は、設備を廃棄する際に、経済産業省に「廃止届」を提出するよう義務付けられています。設置時に代行事業者を利用した場合は、その事業者に相談しましょう。ご自身で手続きを行った場合は、「JPEA代行申請センター(JP-AC)」のHPから「再生可能エネルギー電子申請」の「廃止届マニュアル」を参考に手続きを進める必要があります。
屋根の状態を確認する
ソーラーパネルを撤去した後は、屋根の状態を必ず確認しましょう。以下のような問題が認められる場合は、建物の劣化を防いで安全に住み続けるために、屋根の補修工事が必要です。
<屋根の補修工事が必要な例>
- 架台を固定するために開けたビス穴から雨漏りする恐れがある
- パネルの重さや振動により屋根自体が劣化している
- パネルが設置されていた箇所が紫外線や雨風のダメージを受けて変色している
屋根の不具合は建物全体の寿命にも関わります。撤去工事と併せて屋根の点検を依頼し、補修工事が必要かどうかを調べましょう。
まとめ
太陽光発電の廃棄にかかる費用相場は次のとおりです。
【基礎を撤去しない場合(PVパネル+架台のみ廃棄処理する場合)の合計額】
| 最小値 | 中央値 | 最大値 |
|---|---|---|
| 0.35万円 | 0.57万円 | 4.80万円 |
※単位はすべて万円/kW
太陽光発電の廃棄費用は、工事の内容や設備の規模によって大きく異なります。パワーコンディショナーなどの関連する設備の撤去には別料金がかかり、屋根が劣化している場合は別途補修工事が必要です。廃棄を依頼する際は複数の業者から見積もりをとり、費用相場や担当者の対応を確認して、依頼する業者を比較検討しましょう。
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