屋根一体型の太陽光パネルとは?設置価格や置き型太陽光パネルとの違いを解説

  • 更新日:2025/09/09

住宅やビルの新築に併せて、太陽光発電システムの導入を検討している方は多いのではないでしょうか。太陽光発電というと、屋根にソーラーパネルを設置する形式を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、近年ではデザイン性が良い「屋根一体型」の太陽パネルを選ぶ方も増えてきました。

この記事では、屋根一体型の太陽光パネルとは何か、メリットやデメリットを交えながら解説します。また、屋根置き型との違いや、お得に活用する方法をお伝えし、よくある質問にもお答えしています。太陽光発電の導入を検討している方の参考になれば幸いです。

目次

屋根一体型の太陽光パネルとは?

屋根一体型の太陽光パネルとは、屋根材と太陽光パネルが一体化した発電システムです。一般的には屋根材の上にソーラーパネルを設置する「屋根置き型」が知られていますが、デザイン性に長けた屋根一体型は、ハウスメーカーなどが住宅を新築する際や、大規模な屋根リフォームを行う際に選ばれています。

全体の太陽光パネルのうち、何割が屋根一体型かについては公的なデータが見つからないため不明です。しかし、アメリカの調査会社「Mordor Intelligence」によると、建材一体型(屋根一体型)太陽光発電市場は2020年~2025年までに年平均成長率14.79%以上で成長すると予測しています。

屋根置き型は既存の屋根に取り付けられる

ごく一般的な屋根置き型のソーラーパネルは、既存の住宅やビルの屋根に取り付けられます。屋根材の上に架台を設置して、その上にソーラーパネルを取り付けるのが基本です。屋根一体型と比較すると自由度が高く、屋根の形状や広さに応じて、ソーラーパネルの枚数や配置を柔軟に決められます。

屋根一体型の太陽光パネルを選ぶメリット

屋根一体型の太陽光パネルを選ぶメリットは次の4つです。それぞれを詳しく見てみましょう。

<屋根一体型の太陽光パネルを選ぶメリット>

  • スッキリした見た目でデザイン性が良い
  • 屋根塗装が不要になる
  • 雨漏りリスクを下げられる
  • 工事期間・コストを抑えられる

スッキリした見た目でデザイン性が良い

屋根材自体がソーラーパネルを兼ねているため、見た目がスッキリしており、デザイン性が良いことがメリットです。

屋根置き型の場合、ソーラーパネルと屋根材の間に隙間ができたり、配線が露出したりする場合があり、お世辞にも見た目が良いとは言えません。しかし、屋根一体型は意匠性が高いため、デザインを重視して建物を建築する方にとって最適な選択肢と言えます。

屋根塗装が不要になる

屋根材自体がソーラーパネルでつくられているため、通常は10年に一度程度で必要になる屋根塗装を依頼する必要がありません。大規模修繕の項目を減らすことにより、住宅などのメンテナンスにかかる費用と手間を大幅に削減できます。

雨漏りリスクを下げられる

防水機能を兼ねた屋根材にソーラーパネルが組み込まれているため、雨漏りリスクを避けられることもメリットです。建物の内部が傷むリスクを軽減でき、不動産の資産価値を維持しやすくなるでしょう。

屋根置き型のデメリットは、ソーラーパネルを固定することを目的として、屋根材の一部に穴を開ける必要があることです。施工不良などにより、穴が適切に処理されなかった場合、穴から雨水が侵入し、雨漏り・水漏れなどのトラブルが起こる可能性があります。

工事期間・コストを抑えられる

屋根工事とソーラーパネルの設置工事を別々に行う屋根置き型と比較して、工事期間・コストを抑えやすいことも屋根一体型ソーラーパネルのメリットです。

屋根一体型ソーラーパネルは、建材の一部としてあらかじめ建築現場に搬入されます。一度の工事で屋根とソーラーパネルの設置が完了するため、工期を短縮し、人件費を削減できる可能性が高いです。そのため、トータルコストでは、屋根置き型を下回る価格でソーラーパネルを設置できる可能性があります。

屋根一体型の太陽光パネルを選ぶデメリット

屋根一体型の太陽光パネルには、メリットだけでなくデメリットもあります。以下の4点には注意が必要なため、工事を依頼する前にデメリットを確認しておきましょう。

<屋根一体型の太陽光パネルを選ぶデメリット>

  • 修理・メンテナンスが難しい
  • 発電効率が良くない
  • 屋根置き型より初期費用が高い
  • 設置のタイミングが限定的

修理・メンテナンスが難しい

ソーラーパネルが屋根材に組み込まれているため、修理やメンテナンスが難しいことが屋根一体型のデメリットです。

屋根置き型の場合、ソーラーパネルの一部に故障や不具合が生じた場合、特定のソーラーパネルだけを交換して修理できる可能性があります。一方、屋根一体型は一部のみの修理が難しく、屋根材ごと交換する必要が生じるケースも少なくありません。また、修理やメンテナンスに対応できる業者も限られており、速やかに問題を解消できない場合があることもデメリットです。

発電効率が良くない

屋根一体型はデザイン性を重視した設計を用いているため、屋根の形状や設置角度によっては、太陽光を十分に受け取れない可能性があります。そのため、屋根置き型と比較すると、発電効率が良好とは言えないこともデメリットです。

ソーラーパネルと屋根の間に隙間がなく、熱がこもりやすいことも、発電効率を悪くさせる原因のひとつです。ソーラーパネルには、温度が上昇すると発電効率が低下する「高温劣化」という性質があります。設置条件によっては、仕様書に記載されているとおりの発電量を確保できないことがあるのです。火災リスクは高くありませんが、この点にも注意しましょう。

屋根置き型より初期費用が高い

屋根置き型と比較して、導入時の初期費用が高くなりやすいこともデメリットのひとつです。発電容量4~5kWhのソーラーパネルの初期費用を比較してみます。

【初期費用の比較表】

種類 初期費用の目安
屋根一体型 150万円~200万円前後
屋根置き型 114万円~145万円前後

資源エネルギー庁によると、一般的なソーラーパネルの設置費用は、1kWhあたり28.6万円です。そのため5kWのソーラーパネルを購入したとしても、価格は145万円前後に抑えられます。

一方の屋根一体型は、目安として150万円~200万円の初期費用がかかるため、屋根置き型と比較して50万円以上も高くなる可能性があるでしょう。また、ソーラーパネルが建材の一部として扱われるため、固定資産税が発生することも費用面のデメリットです。

設置のタイミングが限定的

屋根一体型ソーラーパネルは、設置のタイミングが限られることにも注意しなければなりません。屋根一体型は屋根材を兼ねているため、新築時や屋根のリフォーム・リノベーション時など、大規模な工事を行う際に設置することが普通です。

既存の住宅などに屋根一体型ソーラーパネルを設置する場合は、健全な屋根材を剥がす工事が必要になります。これには高額なコストと長い工期がかかるため、現実的とは言えないでしょう。屋根一体型ソーラーパネルを導入できるタイミングは、原則として新築時やリフォーム時に限定されます。

「屋根一体型」と「屋根置き型」の太陽光パネルの違い

屋根一体型と屋根置き型の違いについて、わかりやすい一覧表にまとめました。

【「屋根一体型」と「屋根置き型」の太陽光パネルの違い】

屋根一体型 屋根置き型
特徴 屋根材が太陽光パネルを兼ねている 屋根の上に太陽光パネルを載せる
設置費用 150万円~200万円 114万円~145万円
デザイン性 スッキリするため見栄えが良い 良くないと感じる人もいる
メンテナンス 難しい 比較的かんたん
雨漏りリスク ほとんどない 施工不良により発生する場合がある
設置タイミング 新築・リフォーム・リノベーション いつでも設置できる

※設置費用は4~5kWhの場合

屋根一体型ソーラーパネルで最大の特徴は、デザイン性の高さです。デザインを重視するなら屋根一体型、コストパフォーマンスを重視するなら屋根置き型を選ぶと良いでしょう。また、これから新築・リノベーションをする方も、屋根一体型の導入を検討する価値があります。

屋根一体型の太陽光パネルをお得に活用する方法

屋根一体型の太陽光パネルは、次の方法によりお得に活用できる可能性があります。2つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

<屋根一体型の太陽光パネルをお得に活用する方法>

  • 補助金を活用してお得に設置する
  • 同時に蓄電池を設置する

補助金を活用してお得に設置する

太陽光発電の導入時には、国や地方自治体による補助金制度を利用できる可能性があります。例えば「ZEH補助金」は、太陽光発電等の導入により一定の省エネ性能を満たす住宅に対して、最大で90万円の補助金を支給するお得な制度です。

ZEH補助金以外にも、各地方自治体が独自に補助金を支給する場合があります。利用条件や補助金の支給額は制度によって異なるため、市区町村のHPや担当窓口で確認しましょう。この際、屋根一体型の太陽光パネルの補助金の支給対象となるか、念のため確認することをおすすめします。

同時に蓄電池を設置する

屋根一体型太陽光パネルと蓄電池の併用も検討しましょう。蓄電池を設置するメリットは次の2つです。

<同時に蓄電池を設置するメリット>

  • 自家消費率を高められる
  • 災害時の非常用電源として利用できる

太陽光発電ができるのは、太陽光が出ている日中の時間帯に限られます。夜間や雨天時には発電ができず、その間に使う電気は電力会社から購入しなければなりません。しかし、蓄電池を併用すると、余剰電力を充電して確保できます。これを夜間などに使用できるため、電力の自家消費率が上がり、電気代を節約しやすくなるのです。

また、蓄電池は非常用の電源としても活用できます。災害等により電力の供給がストップしたとしても、日中の太陽光を電気エネルギーに変えて蓄電できるため、停電中の夜間も普段どおりに家電を使える可能性が高いです。冷静に復旧を待てることも、蓄電池を設置するメリットと言えます。

屋根一体型の太陽光パネルに関するよくある質問

この記事の最後に、屋根一体型の太陽光パネルに関するよくある質問にお答えします。不明点や疑問点が残る場合は、ハウスメーカーなどの施工業者に問い合わせましょう。

<屋根一体型の太陽光パネルに関するよくある質問>

  • 屋根一体型太陽光パネルは火災が起きやすい?
  • 屋根一体型太陽光パネルは固定資産税がかかる?

屋根一体型太陽光パネルは火災が起きやすい?

太陽光パネルは、ごくまれではありますが、火災トラブルを起こすことがあります。屋根一体型は熱がこもりやすい形状のため、火災リスクを心配する方も多いでかもしれません。

しかし、火災の原因は設置不良や落雷に起因するため、屋根一体型=火災リスクが高いとは言えません。信頼できるメーカーと施工業者を選び、定期的なメンテナンスを受けることにより、火災リスクをさらに引き下げられます。

屋根一体型太陽光パネルは固定資産税がかかる?

屋根一体型太陽光パネルは、固定資産税の課税対象となる場合があります。なぜならば、固定資産税の対象となる「家屋」に、屋根も含まれるためです。

屋根一体型太陽光パネルは、屋根材そのものとみなされる可能性が高いでしょう。そのため、太陽光パネルが家屋の評価額に加算され、固定資産税が上がる可能性があります。一方、屋根置き型太陽光パネルはあくまでも設備とみなされるため、固定資産税がかかりません。

まとめ

改めて、一般的な屋根置き型太陽光パネルと、屋根一体型太陽光パネルの違いを比較します。

【「屋根一体型」と「屋根置き型」の太陽光パネルの違い】

屋根一体型 屋根置き型
特徴 屋根材が太陽光パネルを兼ねている 屋根の上に太陽光パネルを載せる
設置費用 150万円~200万円 114万円~145万円
デザイン性 スッキリするため見栄えが良い 良くないと感じる人もいる
メンテナンス 難しい 比較的かんたん
雨漏りリスク ほとんどない 施工不良により発生する場合がある
設置タイミング 新築・リフォーム・リノベーション いつでも設置できる

※設置費用は4~5kWhの場合

コストパフォーマンスを重視する場合は、屋根置き型太陽光パネルを選びましょう。電力会社や料金プランを最適化することにより、さらにランニングコストを削減できます。

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<この記事を書いた人>
エコモ博士

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