太陽光発電の1日・1年間の発電量|家の使用電力をまかなえるのか?その実態も解説

  • 更新日:2025/09/09

太陽光発電は地球にやさしいエネルギーであり、また自宅に設置すると電気代を削減できる可能性もあります。

そこで気になるのは、太陽光発電を導入すると、「1日・1年間でどのくらいの発電量をまかなえるのか」という疑問でしょう。

この記事では、太陽光発電の発電量はどのくらいなのか、電気について詳しくない方にも分かりやすい表現で解説します。

発電量を左右する要因や、効率よく発電する方法なども交え、太陽光発電の設置にかかる費用の元が取れるのか見てみましょう。

目次

太陽光発電の発電量はどれくらい?

太陽光発電の発電量は、設置するシステムの容量や、後述する要因によって異なります。

そのため一概にはいえませんが、一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)が公表するデータをもとに、発電量の目安を知ることは可能です。

まずは以下の基本情報から確認しましょう。

<太陽光発電の発電量はどれくらい?>

  • 太陽光発電の1日あたりの発電量
  • 太陽光発電の年間の発電量
  • 【基礎知識】発電量は「kWh」で表す

太陽光発電の1日あたりの発電量

1日あたりの発電量は、地域・方位・傾斜角度によって変わります。

住環境計画研究所のデータによると、地域ごとに見た発電量の目安は次のとおりです。

全国 北海道 東北 関東 中部 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄
kWh/kW 3.72 4 3.54 3.68 4.04 3.38 3.7 3.7 3.75 3.63 3.3

※システム容量1kWあたりの、1日の平均発電量です。3月の発電量を記載しています。

4人家族のオール電化住宅の場合、太陽光発電単体で全ての消費電力をまかなうことは難しいです。

詳しくは別の記事をご覧頂きたいですが、4人家族のオール電化家庭の場合、平均して一日24.5kWhが消費されます。

単純計算ですと、およそ7kW相当の太陽光発電を設置すれば、消費電力をまかなうことが可能になりますが、そう単純な話とはなりません。

創出した電力を自宅で使用(自家消費)できる割合は30%程度が目安と言われています。

当然ですが、日中に消費する電力は全体の一部なので、発電した分をそのまま回しても電力が余ることになります。

余った電力は、「売電する」か「蓄電する」かの二択となりますが、基本的には蓄電して自家消費した方が経済効果は高いです。

したがって、自家消費率を高めるためには、日中に創出した電力を夜間に使えるよう、蓄電池の設置が必要となります。

太陽光発電の年間の発電量

環境省が公表している資料によると、年間の発電量の目安は、地域ごとに次のとおりです。

全国 北海道 東北 関東 中部 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄
4,860 4,600 4,640 4,536 5,112 4,472 4,832 5,128 5,140 4,932 5,216

※単位はkWhです。システム容量4kWで試算しています。

このように、地域によって大きく異なります。新潟は4,472kWhですが、那覇は5,216kWhの発電が可能であり、その差は774 kWhです。

年間発電量のシミュレーションを行う場合は、地域差を計算に加味しましょう。

【基礎知識】発電量は「kWh」で表す

太陽光発電の発電量は「kWh(キロワットアワー)」という単位で表されています。

kWhとは、電力(キロワット)に時間(アワー)を掛けた単位です。

例えば100Wのパソコンを1時間使ったときの電力量を計算すると、次のようになります。

<計算式>

  • 100W=0.1kW×1時間=0.1kWh

つまり、100Wのパソコンを10時間使用すると、1kWhを消費する計算になります。

主な家電の平均的な消費電力と、1kWhに達するまでの時間をまとめてみましょう。

【主な家電の消費電力】

家電 消費電力の目安 1kWhに達するまでの時間
エアコン 1,500W 40分
電子レンジ 1,300W 45分
掃除機 1,000W 1時間
洗濯機 380W 2時間30分
パワコン 100W 10時間

※消費電力の目安×1時間で計算、システム容量1kWの場合

太陽光発電で1日あたり2.7kWhを発電した場合、約7回の洗濯機を回すことができる電力です。

太陽光発電の発電量はさまざまな要因に左右される

太陽光発電の発電量は、以下のとおりです。

【太陽光発電の発電量の目安】

1日 8.2~13.7kWh
1年間 3,000~5,000kWh

※システム容量3~5kWの場合

しかし、発電量はさまざまな要因に左右され、目安よりも多く発電できることもあれば、目安よりも少ない量しか発電できない場合もあります。

次の見出しから、発電量の変動要因について詳しく解説します。

<発電量の変動要因>

  • 時間帯
  • 天気
  • 季節
  • 地域
  • 太陽光パネルの設置角度
  • 太陽光パネルの性能
  • 太陽光パネルの広さ

時間帯

太陽光発電は太陽が出ている時間帯にしか発電できません。そのため、時間帯によって発電量が大きく左右されます。

「NEDO日射量データベース閲覧システム」によると、東京の日射量の目安は、時間帯別に次のとおりです。

【東京都の時間帯別日射量】

~4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時
0 0.04 0.2 0.37 0.77 1.43 2.79 3.35 3.39 3.13 3.07 2.08 1.86 1.08 0.39 0.1 0

※6月7日の東京における平均斜面日射量です。傾斜角度30°、方位学は南です。単位はMJ/㎡となります。

MJ/㎡とは、単位面積あたりに蓄積されたエネルギーの総量です。

1kWhは3.6 MJに換算できますが、太陽光発電パネルの変換効率は15%~20%ほどです。

仮に1日25MJの日射量を得られた場合、予測発電量は次のように計算できます。

  • 25MJ/㎡×24㎡=600MJ(総エネルギー量×設置面積)
  • 25MJ/㎡÷3.6MJ/kWh=6.94kWh/㎡(総エネルギー量÷3.6MJ/kWh)
  • 6.94kWh/㎡×0.18=1.25kWh/㎡(発電量×発電効率)

※変換効率を18%とした場合です。

なお、上記の計算式は水平面日射量をもとに計算しています。

実際の太陽光パネルには設置角度が付くため、水平面日射量と比較して受け取れるエネルギー量が下がる可能性が高いです。

そのため、日射時間が長い季節の晴天時だとしても、1日あたり30kWhを発電するのは難しいでしょう。

天気

太陽光発電の発電量は天気によっても大きく左右されます。

東京都内における、晴れ・曇り・雨の日の日射量を時間帯別に比較してみましょう。

【東京都の天候別日射量】

時間帯 ~4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時
晴れ 0 0.03 0.44 1.12 1.76 2.46 1.8 2.54 3.44 3.34 2.94 1.9 1.25 1.07 0.39 0.07 0.01
曇り 0 0.02 0.03 0.09 0.28 0.54 0.71 1.22 2.34 2.02 1.87 1.36 1.61 1.03 0.63 0.09 0.01
0 0.02 0.05 0.08 0.34 0.32 0.41 0.46 0.47 0.64 0.66 0.37 0.28 0.17 0.13 0.03 0.01

※晴れは6月4日、曇りは6月17日、雨は6月8日の水平面日射量です。単位はMJ/㎡となります。

雨の日の発電量は晴天時と比較して大幅に下がりますが、曇りの日は一定の発電量を確保できます。

季節

季節によって日照時間が変わるため、発電量も変化します。

気象庁のデータをもとに、東京都の全天日射量平均を月ごとに見てみましょう。

【東京都の全天日射量(平均)】

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
9.4 11.5 13.3 16.1 17.3 14.8 15.6 15.8 11.9 9.8 8.6 8.1

単位はMJ/㎡となります。

月別に見ると、10月~1月にかけての冬季は日照時間が減り、発電量が少なくなる可能性が高いです。

地域

地域によって日照時間や降水量・降雪量の多さが異なるため、発電量も変動します。

ここでは、県庁所在地ごとに見た予想発電量を、最大と最小で比較してみましょう。

【地域ごとの発電量の目安】

山梨県甲府市 1,522kW
秋田県秋田市 1,108kW
全国の県庁所在地平均 1,303kW

※環境省「令和3年度再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び提供方策検討等調査委託業務報告書」P115からの出典です。

最大の甲府市と最低の秋田市には、年間414kWもの発電量の差が生じます。

お住まいの地域によって、太陽光発電システムによって受けられる恩恵に違いがあるといえます。

太陽光パネルの設置角度

太陽光パネルは、太陽光を最も効率的に受けられる角度に設置することにより、発電量を最大化できます。

設置する方角ごとの特徴は次のとおりです。

【太陽光パネルを設置する方角ごとの特徴】

角度 特徴
南向き 日照時間が最も長く、理想的な角度
東・西向き 朝や夕方の日照時間が長く、ピークに応じて発電量が増える角度
北向き 日照時間が最も短く、推奨されない角度

なお、ソーラーパネルの傾斜角としては、30度程度の角度が最適とされています。

太陽光パネルの性能

太陽光パネルの性能差によっても、発電量が変わります。

性能を比較する際は、次のポイントに注目しましょう。

【太陽光パネルの性能を比較する際のポイント】

性能 ポイント
変換効率 太陽光を電気に変換する効率を示し、数値が高いほど発電量が増える
出力保証 メーカーが保証する出力性能で、期間が長いほど劣化しにくい
種類 単結晶シリコンや多結晶シリコンなどがあり、変換効率が異なる

性能が高いほどコストも上がる傾向が見られるため、予算と性能のバランスが取れた太陽光パネルを選ぶことが大切です。

太陽光パネルの広さ

太陽光パネルの面積が大きいほど、受け取れる日射量が増えるため、発電量が多くなります。

そのため、希望する発電量に合った大きさのパネルを設置することが基本です。

システム容量4kWの発電を目指す場合に必要な太陽光パネルの枚数と、必要な屋根などの面積を見てみましょう。

【システム容量4kWの発電に必要な太陽光パネルの枚数と面積】

必要な枚数 16枚
必要な面積 25.6㎡

※太陽光パネル1枚あたりの面積1.6㎡、発電量250Wの場合

設置面積とのバランスを考慮して、パネルの大きさを決める必要があります。

太陽光発電の発電量で自宅の電力を全てまかなえる?

太陽光発電の年間発電量は、システム容量1kWで約1,000kWhです。

それでは、太陽光発電の発電量で、自宅の電力をすべてまかなうことは可能なのでしょうか。具体的に計算してみましょう。

<太陽光発電の発電量で自宅の電力を全てまかなえる?>

  • 16kWのシステム容量があれば4人家族の使用電力をまかなえる
  • 使用電力をすべて太陽光発電でまかなうには蓄電池が必要

16kWのシステム容量があれば4人家族の使用電力をまかなえる

まずは1人暮らし~4人家族が消費する電力の目安を、地域ごとに見てみましょう。

【地域ごとに見たオール電化住宅における消費電力の目安(1日あたり)】

地域 1人暮らし 2人暮らし 3人家族 4人家族
北海道 18.25 30.42 36.5 42.59
東北 15.18 25.31 30.37 35.44
関東 9.51 15.85 19.02 22.2
北陸 13.9 23.09 27.71 32.32
東海 9.66 16.11 19.33 22.55
近畿 9.43 15.71 18.85 22
中国 9.41 15.69 18.82 21.96
四国 9.07 15.14 18.17 21.2
九州 8.63 14.39 17.27 20.15
沖縄 7.25 12.09 14.5 16.92

※単位はkWhです。

4人家族の場合、16kWのシステム容量がなければ、全ての消費電力をまかなえません。

しかし、16kWのシステム容量を設置するためには、広大な屋根面積が必要です。

一般家庭に設置できるシステム容量は、最大でも10kWまでであり、全ての電力を自家消費するのは現実的ではありません。

蓄電池を設置しない場合、余った電力は売電して収益を得られます。

これによる経済効果は次のとおりです。

月別発電量 411kWh
自家消費量 123kWh
売電量 288kWh
家庭の合計電力消費量 696kWh
実質自家消費量 30%
経済効果 ~4年目 6,910円/月
5~10年目 2,476円/月
11年目~ 2,879円/月
支払う光熱費 22,302円/月
投資回収達成時期 12.1年

家電ごとの消費電力の目安と照らし合わせてみます。

【家電の消費電力目安表(1ヶ月あたり)】

冷蔵庫(250L~450L) 20~40kWh
照明(30W) 5~8kWh
テレビ(40型) 8~10kWh
洗濯機(乾燥機使用) 15~20kWh
エアコン(冷房) 70~80kWh
エアコン(暖房) 120~130kWh
電子レンジ(600W) 3~8kWh
掃除機(500W) 1~3kWh
パソコン(30W) 5~10kWh

自家消費量を123kWhとする場合、冷蔵庫+エアコン(冷房)またはエアコン(暖房)の電気代を太陽光発電の電力でまかなえます。

使用電力をすべて太陽光発電でまかなうには蓄電池が必要

太陽光発電は日中にしか発電できないため、夜間や雨天時には発電量が不足します。

発電できない時間帯の電力不足を補うために役立つのが蓄電池です。

蓄電池を併用すると、日中の余剰電力を貯めておき、電力が不足したタイミングで使用できます。

それでも電力が足りない場合は、電力会社から不足分の電力を購入する必要がありますが、蓄電池を導入することにより、電気代を実質ゼロに近付けやすくなります。

太陽光発電で効率よく発電する方法は?

太陽光発電で効率よく発電する方法は、次の3つです。

それぞれのポイントを解説します。

<太陽光発電で効率よく発電する方法>

  • 蓄電池を利用する
  • 定期的に清掃・点検をする
  • パネルを適切に設置する

蓄電池を利用する

先述したとおり、蓄電池は発電効率を高めるために不可欠な設備です。

併用することにより、自家消費率を向上させられるほか、停電時の非常用電源としても活用できます。

蓄電池の導入にも補助金を活用できる可能性があるため、太陽光発電と併せて導入することを検討しましょう。

定期的に清掃・点検をする

太陽光パネルに砂埃や落ち葉、鳥の糞などが付着していると、発電効率が下がります。

定期的に清掃し、正常な発電量を維持しましょう。

また、パネルの破損や配線の劣化が原因で発電効率が下がる場合もあるため、専門業者へ定期的に点検を依頼することもおすすめします。

パネルを適切に設置する

パネルを適切に設置しましょう。理想的な設置場所は、南向きかつ30度の傾斜角です。

周囲に高い建物などがあり、影ができる場合は、影の影響を受けない場所に設置することもポイントになります。

まとめ

太陽光発電の発電量は、目安として次のとおりです。

全国 北海道 東北 関東 中部 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄
14.86 16.03 14.16 14.73 16.15 13.53 14.8 14.83 15 14.5 13.2

※単位はkWhです。システム容量4kWで試算しています。2020年3月の情報を掲載しています。1ヶ月あたりの予測発電量を30日で割り出しています。

家庭用の太陽光発電パネルにおける設置容量は、3~5kW程度の場合が多く、これだけで4人家族の電気代を全額まかなうことは難しいでしょう。

しかし、蓄電池を併用したり、発電効率を高める工夫を取り入れたりすることにより、家庭の消費電力を太陽光発電だけでまかなえる可能性はあります。

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<この記事を書いた人>
エコモ博士

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