4人家族の電気代の平均は?オール電化や夏・冬での違い、節約のコツも解説
近年の電気代高騰に悩んでいる4人家族の方は、多いかもしれません。ガス併用からオール電化に切り替えて、電力使用量がさらに増えると、月々の光熱費にはどのくらいの差が生じるのでしょうか。
この記事では、4人家族におけるオール電化住宅の電気代を季節や地域ごとなどで比較して、節約術も解説します。
4人家族の電気代の平均はいくら?
4人家族は、一人暮らしや2人暮らしと比較して、電気代が高くなりがちです。まずは、電気代の全国平均を確認してみましょう。
- 4人家族の電気代の全国平均
- 4人家族の電気代の推移は?
- 一軒家とマンションでの違い
- 夏・冬での違い
- 地域による違い
<4人家族の電気代の平均はいくら?>
それぞれを解説します。
4人家族の電気代の全国平均
4人家族における電気代の全国平均額は、16,301円です。
ただし、ガス併用住宅の場合は、電気代にガス代を加えた金額が光熱費の合計となります。
4人家族における光熱費の全国平均額は、25,352円でした。オール電化住宅とのランニングコストを比較する場合は、光熱費の平均額を比較すると良いでしょう。
4人家族の電気代の推移は?
総務省統計局の「家計調査」によると、過去5年間の電気代は以下のように推移しています。
【総務省統計局による4人家族の電気代推移】
2019年 | 11,761円 |
---|---|
2020年 | 11,788円 |
2021年 | 11,376円 |
2022年 | 13,948円 |
2023年 | 13,532円 |
2022年以降の電気代が高騰していることがわかります。電気代が高騰した原因として挙げられるのは、主に次の3点です。
- ウクライナ侵攻の影響により、ロシアの化石燃料や天然ガスの輸入が制限されたため
- 原子力発電所の停止により火力発電の比重が大きくなり、燃料価格が高騰したため
- 再エネ賦課金の単価が上昇しているため
<電気代が高騰している理由>
このような事情により、数年前と比較して電気代が大幅に値上がりしています。電気の使用量が変わらないにも関わらず、月々の電気代が上がっているように感じるのは、このためです。
一軒家とマンションでの違い
日本生活協同組合連合会が2019年に実施した「電気・ガス料金調査」によると、一軒家とマンションの電気料金平均額には、以下のような開きがありました。
【一軒家とマンションの電気料金平均額】
一軒家 | 8,546円 |
---|---|
マンション | 6,477円 |
上記の金額は4人家族だけでなく、一人暮らしや2人暮らしなどの家庭も含めた平均額である点には、注意が必要です。
しかし、4人家族においても、一軒家のほうがマンションよりも、電気代が高い傾向が見られます。
この理由として考えられるのは、次のとおりです。
- マンションよりも部屋数が多くなるため
- マンションよりも平米数が広くなるため
- リビングが広くなり冷暖房効率が下がるため
<一軒家の電気代がマンションよりも高くなる理由>
一軒家は、マンションと比較して部屋数が多く、平米数も広くなる可能性が高いです。それぞれの部屋で照明やエアコンを稼働させると、そのぶん電気代が高くなるでしょう。
また、リビングが広いと冷暖房効率が下がります。例えば冬の場合、暖房の設定温度を1度上げると、電気代が10%上がるといわれています。
このような事情により、一軒家の電気代は、マンションの電気代よりも高くなりやすいのです。
夏・冬での違い
電気を使う季節によっても、電気代が変動します。ここでは、関東地方にお住まいで、東京電力を契約している場合を想定して、夏と冬の電気代平均額を比較してみましょう。
なお、以下の平均額は、電気代のみを抽出したものであり、ガス代は計算に含めていません。
【季節ごとの電気代の違い(関東・4人家族の場合)】
夏(6月~8月) | 14,380円 |
---|---|
冬(12月~2月) | 21,153円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」よりガス併用家庭の電力使用量を正確に推計。推計した電力使用量から、電気代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
冬の電気代は、夏の電気代と比較して大幅に上昇します。これは、暖房や電気ストーブといった暖房器具の消費エネルギー量は、冷房の消費エネルギー量よりも大きいためです。
関東以外の地域においても、沖縄を除き、全国的に冬の電気代のほうが高くなる傾向にあります。
地域による違い
地域による電気代の違いも、確認しておきましょう。なお、以下の平均額は、電気代のみを抽出したものであり、ガス代は計算に含めていません。
【地域ごとに見た4人家族の電気代の違い】
地域 | 北海道 | 東北 | 関東 | 北陸 | 東海 | 近畿 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
電気代 | 20,460円 | 16,439円 | 16,650円 | 15,449円 | 15,879円 | 14,844円 | 15,535円 | 15,954円 | 14,551円 | 17,250円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」よりガス併用家庭の電力使用量を正確に推計。推計した電力使用量から、電気代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
北海道や沖縄、東北、関東といった地域の電気代は、そのほかの地域の電気代と比較して高めです。
地域ごとの電力会社による電力料金が異なることや、寒冷地における暖房機器使用率の高さなどが、電気代の地域格差を生む要因になっています。
なお、地域別のオール電化住宅での電気代に関する詳細は、関連記事でわかりやすく解説しています。お住まいの地域ごとの詳細をチェックしたい方は、ぜひ以下の関連記事もご一読ください。
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4人家族での「オール電化住宅」と「電気・ガス併用住宅」の電気代の違い
電気代や光熱費を削減するために、電気・ガス併用からオール電化への切り替えを検討している4人家族の方も多いでしょう。
そこで、先ほどシミュレーションしたガス併用住宅の電気代と、オール電化住宅の光熱費の全国平均額を比較してみます。
【オール電化とガス併用住宅の電気代比較】
オール電化 | 23,952円 |
---|---|
ガス併用(電気代) | 16,301円 |
都市ガス併用(ガス代との合計) | 25,352円 |
LPガス併用(ガス代との合計) | 31,034円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量とガス使用量を正確に推計。 推計した各使用量から、電気代とガス代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
都市ガス併用住宅のガス代との合計(=光熱費全体)とオール電化の電気代(=光熱費全体)を比較すると、オール電化のほうが月々1,400円も安くなるという試算結果になりました。
LPガス併用家庭と比較するとさらに安くなり、月々7,000円安くなる可能性が高いです。
また、オール電化の電気代は、後述する方法でさらに節約できる可能性があります。ランニングコストを削減したい方は、オール電化への切り替えを検討すると良いでしょう。
4人家族の電気代が高くなる主な原因
4人家族の電気代が、1人暮らし~3人家族の家庭と比較して高くなる主な原因は、次の3つです。
- 家の広さ
- 家族それぞれの生活スタイルの違い
- 契約内容が適切でない
<4人家族の電気代が高くなる主な原因>
それぞれのポイントを解説します。
家の広さ
4人家族の場合、3DK~4LDKのように間取りが多く、平米数が広い家にお住まいの方が多いでしょう。
広い家に住んでいる場合、必然的に電気の使用量が増えるため、電気代も高くなります。
一軒家の電気代がマンションの電気代よりも高くなる理由でもお伝えしましたが、部屋数が多ければそれぞれの部屋で照明やエアコンを使用するため、冷房効率が下がるのです。
また、リビングが広い場合も冷房効率が下がります。その結果、エネルギー消費量が増え、電気代が上がってしまいます。
家族それぞれの生活スタイルの違い
4人家族の場合、家族それぞれの生活スタイルが食い違う場合も多いです。家庭内で電力を使用する時間が増えると、そのぶんだけ電気代も高くなります。
4人家族の内訳を「会社員の夫」「専業主婦の妻」「中学生と高校生の子ども」の4人と仮定しましょう。
この場合、日中は家事で電力を消費し、夕方は調理や子どもの勉強で電力を消費し、夜間や深夜は帰宅した夫が電力を消費すると考えられます。
例えば、日中は在宅していない共働きの2人暮らしと比較すると、4人家族の電気代が高くなるのは必然です。
「家族が別々の部屋で過ごす時間が長い」「共働きだが日勤と夜勤で在宅時間が異なる」といったケースでも、4人家族の電気代は高くなる傾向があります。
契約内容が適切でない
電力会社との契約内容が、適切でない可能性も考えられます。この場合に確認しておきたいのは「契約アンペア数」です。
契約アンペア数が多ければ多いほど、電気代の基本料金が上がるため、注意しましょう。一例として、東京電力の契約アンペア数ごとの基本料金をご紹介します。
【東京電力の基本料金】
10A | 311円75銭 |
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15A | 467円63銭 |
20A | 623円50銭 |
30A | 935円25銭 |
40A | 1,247円00銭 |
50A | 1,558円75銭 |
60A | 1,870円50銭 |
4人家族の場合、適切な契約アンペア数は40A~50Aといわれています。同時に多数の電化製品を稼働させる機会が少ない場合や、今までブレーカーが落ちたことがない場合は、契約アンペア数を減らす検討をすると良いでしょう。
4人家族の電気代を節約する方法
4人家族の電気代を節約する方法は、主に次の4つです。
- 電力会社や料金プランを見直す
- 契約アンペア数を調整する
- 家電の使い方を工夫する
- 省エネ家電に買い替える
<4人家族の電気代を節約する方法>
できることから順番に試し、電気代の削減を目指しましょう。
電力会社や料金プランを見直す
オール電化への切り替え後は、夜間料金が安く、昼間の料金が高いオール電化向けプランを契約することが一般的です。
この場合、テレワークや家事などで、日中に電力を消費する時間が多いご家庭では、電気代が高くなりやすいため、注意しなければいけません。
この場合の対策として有効なのは、電力会社や料金プランの見直しです。現在は、電力自由化により新電力会社との契約も可能になっており、料金プランは多様化しています。
日中の電気料金が安いプランなど、ライフスタイルに合った料金プランを提供する電力会社と契約すると、電気代を節約しやすくなるでしょう。
契約アンペア数を調整する
先述したとおり、電気の基本料金は契約アンペア数で決まります。契約アンペア数が大きい場合、最適な契約アンペア数に調整すると、基本料金を下げて電気代を節約することが可能です。
例えば、東京電力の場合、基本料金1,870円50銭の60Aから、基本料金1,558円75銭の50Aに引き下げると、月々311円75銭を節約できます。
これだけでも、1年間で3,741円の節約を実現できるため、契約アンペア数の見直しも視野に入れましょう。
家電の使い方を工夫する
家電の使い方を工夫すると、電気代を節約できます。最適な節約方法は季節ごとに異なるため、夏と冬それぞれの節約術を確認しておきましょう。
【夏と冬の電気代節約術】
夏の節約術 | 冬の節約術 |
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また、室内全体の断熱性能を向上させて、冷暖房効率を高めるといった対策も有効です。大がかりなリフォーム・リノベーションが難しい場合は、断熱カーテンへの交換といった簡易的な節約術も、一定の効果を発揮します。
省エネ家電に買い替える
現在使用している家電が古くなった場合は、省エネ家電への買い替えがおすすめです。資源エネルギー庁によると、省エネ家電は以下のような効果を発揮するといいます。
【省エネ家電の効果】
冷蔵庫 | 10年前の製品と比べて約28~35%の省エネ |
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照明器具 | 電球型LEDランプは白熱電球と比べて約86%の省エネ |
エアコン | 10年前の製品と比べて約15%の省エネ |
温水洗浄便座 | 10年前の製品と比べて約8%の省エネ |
4人家族でオール電化にするメリット・注意点
4人家族でオール電化にするメリットと注意点をまとめました。
【4人暮らしでオール電化にするメリット・注意点】
メリット | 注意点 |
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試算結果では、ガス併用と比べて、オール電化の光熱費のほうが安くなりました。ガスコンロと比べて、IHクッキングヒーターは掃除が簡単になることや、災害時の復旧はガスよりも電気のほうが早い傾向にあること、火災などのリスクが低いこともオール電化のメリットです。
まとめ
シミュレーション結果によると、4人家族の光熱費は、ガス併用よりもオール電化のほうが安くなる可能性が高いです。
【オール電化とガス併用住宅の電気代比較】
オール電化 | 23,952円 |
---|---|
都市ガス併用(ガス代との合計) | 25,352円 |
LPガス併用(ガス代との合計) | 31,034円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量とガス使用量を正確に推計。 推計した各使用量から、電気代とガス代を算出。 基本料金と各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
また、掃除の手間が減ることや災害リスクに備えやすいことも、オール電化のメリットといえます。
オール電化に魅力を感じる方は、ガス併用からオール電化への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
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お得にオール電化に切り替えたい方は、複数業者で比較しないと損をしやすいです。
最大3社の地元施工店で比較検討をすることで、初期費用を抑えながら質の高い施工でオール電化への切り替えが可能になります。
また、本記事では紹介しませんでしたが、太陽光や蓄電池も導入するとさらなる光熱費削減が可能になります。

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!
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