オール電化で停電が起きたら?必ず知っておきたい対処法と備え

  • 更新日:2025/03/25

オール電化住宅では、ガスを使用せずにすべてを電気でまかっているため、停電が起こった場合にどのような事態に陥るのか、不安に感じている人も多いでしょう。

オール電化住宅に住んでいる人や、これからオール電化住宅に住むことを検討している人は、停電が起こった際の対処法や備えを身に付けておく必要があります。

この記事では、オール電化で停電が起こった場合の対処法について、詳しく解説します。もしもの際に、備えておくべきアイテムもあわせて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

オール電化で停電が起きても焦らないために

オール電化住宅で停電が起こった場合、次のような事態が起こると想定されます。

    <オール電化で停電が起こった場合に起こること>

  • IHコンロが使えないため調理できない
  • 冷蔵庫が使えなくなるため冷蔵や冷凍が必要な食材の保存が難しくなる
  • 照明が消える
  • スマホの充電ができなくなる
  • 冷暖房が使えないため、夏や冬などでは室温管理が難しくなる
  • お湯が使えなくなるためお風呂に入れない
  • トイレが使用できなくなる

以上のような事態を想定して日頃から備えていれば、オール電化住宅で停電が起こっても、焦らずに行動できるでしょう。

オール電化住宅と停電の関係性とは

オール電化に限らず、ガスを利用している住宅でも停電が起こると、なにかと不便なものです。停電の原因は、おもに台風などの災害による送電線のトラブルが考えられます。

災害の際に、電気はもちろん、水道やガスなどのライフラインが停止する可能性があります。ライフラインのなかで、復旧のスピードが早いのは電気であるといわれているため、早急に電気が復旧すれば、日常を取り戻すのも早いかもしれません。

ブレーカーが落ちただけの場合もある?

オール電化住宅の場合、停電すると電気で動いているすべてのものが停止します。照明が消え、トイレも使えなくなったら「停電した!」と思うかもしれません。

しかし、それは停電ではなく、ブレーカーが落ちただけのケースもあるため、まずは焦らずにブレーカーを確認してみましょう。

    <ブレーカーの確認ポイントと対処法>

  • ブレーカーが「切」になっていた場合:「入」に切り替える
  • 複数のブレーカーが「切」になっていた場合:一度すべて「切」にして「アンペアブレーカー」→「漏電ブレーカー」→「安全ブレーカー」の順に「入」に切り替えていく

停電時の初動対応|まずやるべきこと

停電が起こった際は、慌てず以下のことを行っていきましょう。

    <停電時にまずやるべきこと>

  • 家電製品のコンセントを抜く
  • スマートフォンのバッテリーを節約する
  • 水を溜めておく

家電製品のコンセントを抜く理由

停電時の間もコンセントを挿しっぱなしにしておくと、復旧した際に大きな電流や電圧がかかり、火災が起こったり、家電製品にダメージを与えたりする可能性があります。

とくに、アイロンやドライヤーなど、熱を発生する家電には注意が必要です。パソコンやルーターなども、停電によって故障しやすい機器なので、必ずコンセントを抜いておきましょう。

スマートフォンや携帯電話のバッテリー節約術

停電してしまうと、スマートフォンや携帯電話の充電ができなくなってしまうため、できるだけ長持ちさせるためにバッテリーを節約する必要があります。バッテリーの節約術には、以下のようなものが挙げられます。

    <スマートフォンのバッテリー節約術>

  • ディスプレイを暗くする
  • 画面の自動オフまでの時間を短くする
  • 「緊急省電力モード」や「非常用節電モード」などに切り替える
  • 「機内モード」に切り替えて電波を探すためのバッテリー消費を防ぐ

水とトイレの対処法

飲料水は、日頃からペットボトルの水を家族分備蓄しておきましょう。オール電化住宅の場合、停電になるとトイレが流せなくなるため、お風呂などに大量の水を溜めておき、バケツを利用して水を流しましょう。

手動レバーがついているタイプ、ついていないタイプや、各メーカーによって停電時の対処法が異なるため、TOTOやLIXILなどの公式ホームページを確認しておくことをおすすめします。

停電が長引いた場合の生活対応

停電が長引くと、すべてを電気でまかなっているオール電化住宅では、生活対応についても工夫が必要です。ここからは、停電が長引いた際の対処法について解説します。

IHコンロが使えないときの調理法

IHコンロが使えなくなると、フライパンや鍋を使った調理ができなくなるため、カセットコンロを家庭にひとつ用意しておくことをおすすめします。カセットコンロがあれば、お湯を沸かしたり、簡単な調理をしたりできます。

カセットコンロを準備していなかった場合は、水でカップラーメンやカップ焼きそばを作ることも可能です。火を通さなくても食べられる、非常食を常備しておくと安心でしょう。

冷暖房が使えないときの過ごし方

夏場は冷房が使えなくなるため、熱中症を予防することが必要です。こまめに水分や塩分を補給して、風通しの良い衣服を着用しましょう。

体に熱がこもっている場合は、保冷剤や氷、冷たいタオルで、首の後ろや手足の付け根部分を冷やすと効果的です。

冬場に暖房が使えなくなった場合は上着を着こみ、できるだけ温かい服装にすることが大切です。毛布やカイロ、断熱シートなどを活用するのもいいでしょう。

部屋を暖めるためには、電気を使わずに使用できる、石油ストーブやガスボンベ式ストーブを用意します。ストーブがあれば、やかんなどを利用してお湯も沸かせるので、一石二鳥です。

お湯がでないときの工夫

オール電化住宅でエコキュートを使っている場合、停電が起こっても貯湯タンクにお湯が溜まっていれば、しばらくお湯を利用できます。

ただし、普段通りに使っているとすぐになくなってしまうため、使い方を工夫して、できるだけ長くお湯が使えるように心がけましょう。

停電時に役立つ必須アイテム10選

オール電化住宅で停電したときに役立つアイテムを紹介します。「調理・暖房」「照明・通信」「長期停電時」に分けて10個のアイテムを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

調理・暖房に役立つアイテム

調理・暖房に役立つアイテムは、以下の6つです。

【調理・暖房に役立つアイテム】
アイテム名 おもな用途
カセットコンロ・カセットボンベ 鍋やフライパンで調理をしたり、お湯を沸かしたりすることが可能
飲料水 水分補給や食事を作ったりする際に重宝する。1日あたり9ℓ×人数分を備蓄しておくと良い
非常食 お湯があれば食べられるカップラーメン、そのまま食べられる缶詰や乾パン、レトルト食品を備蓄しておくと良い。人数×3日分を目安とする
クーラーボックス 冷蔵庫のなかの食材を保存するために役立つ。氷や保冷剤を入れて、むやみに開けないようにすることが大切
石油ストーブ 灯油を用意しておけば、部屋全体を暖めることが可能。やかんや鍋を利用して、お湯も沸かせる
湯たんぽ 寒い季節にお湯だけで暖をとれる湯たんぽは、エコキュートのお湯を活用して使う。人数分用意しておくと安心

照明・通信に便利なアイテム

照明・通信に役立つアイテムは、以下の2つです。

【照明・通信に役立つアイテム】
アイテム名 おもな用途
懐中電灯・電池 夜間の暗い時間帯に役立つ。予備の電池も用意しておくと安心
モバイルバッテリー スマホの充電に役立つ。バッテリー容量によっては、1~2回の充電しかできない可能性があるため、用意する際はバッテリー容量をチェックすることをおすすめする。スマホのほかにも使いたい家電がある場合は、蓄電池や発電機を用意しておくと重宝する

長期停電に備えるためのアイテム

長期停電に備えるためのアイテムは、以下の2つです。

【長期停電に備えるためのアイテム】
アイテム名 おもな用途
携帯トイレ 短期間の停電であれば、溜めておいた水をバケツで流すことでトイレを使用できるが、長期停電時には、尿や便を固めて捨てられる携帯トイレがあると重宝する。携帯トイレの使用はニオイ対策としても有効
太陽光パネル・蓄電池 日中に太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に溜めておくことで、夜間も非停電時と同じように過ごすことが可能。オール電化住宅の場合、太陽光パネルを活用することは、日頃の電気代節約にもつながる

停電に備える|日頃からの準備で安心を

自然災害による停電は、いつ起こるかわかりません。日頃から準備しておくことで、毎日を安心して過ごせるでしょう。

太陽光発電と蓄電池の活用

太陽光発電システムを導入していれば、室内にあるパワーコンディショナーに搭載されている「非常用コンセント」を利用して、最大1500Wの電力を利用できます。

晴れた日の日中であれば、そこから電気の利用が可能なので、テレビやラジオ、扇風機、スマホの充電やルーターの電源確保など、さまざまな使い方ができるでしょう。

日中に発電した電気を蓄電池に貯めておけば、日が暮れたあとの時間帯にも、電気を使い続けることが可能です。

機種によって蓄電できる容量や、一度に使用可能な電力量などが異なるため、蓄電池を選ぶ際は、使い方や家族のライフスタイルに合わせたものを選択しましょう。

防災グッズをそろえるポイント

防災グッズを意識してそろえておくことは、大切なことです。しかし、ただそろえて家に置いておけばいいわけではありません。防災グッズは、以下のポイントに沿ってそろえて準備しておくと、より効果を発揮しやすいでしょう。

【防災グッズをそろえるポイント】
必要なものを用途に応じて分ける
  • 食料品や飲料水、カセットコンロなど家のなかで使うもの
  • 携帯ラジオやヘルメット、衣類や貴重品、小銭など持ち出して使うもの
各アイテムを取り出しやすい方法で収納する
  • 食料品や生活用品はパントリーに収納して、ローリングストックを心がける
  • 防災袋は玄関においておき、すぐに持ち出せるようにする
  • 非常用持ち出し袋は、スマホなどと一緒に枕元においておくと、最短距離で避難できる

停電リスクの高い日の行動計画

地震など突然の災害は事前に把握できませんが、大型の台風が近づいているときなど、停電リスクが高い日はある程度予測できます。まだ台風が来ていないときに、停電することを見越して行動しておくことが重要です。

    <停電リスクが高い日の行動計画>

  • 電源の備え:モバイルバッテリーを充電しておいたり、乾電池を買い足しておいたりして、電源の備えを行いましょう。蓄電池を持っている場合は、蓄電池に電気を溜めておきます。
  • 照明の備え:懐中電灯やソーラー充電式のランタン、ラジオ一体型のランタンなどをわかる場所に置いておきましょう。予備の乾電池や、手回し式の懐中電灯もあると安心です。ろうそくは火災の可能性があるため、取り扱いに注意しましょう。
  • 調理器具の備え:カスコンロやカセットボンベを準備しておきましょう。お湯を沸かすだけで食べられるカップラーメンやカップ焼きそば、そのまま食べられるレトルト食品などを購入しておくことも大切です。水や電気が使えるうちにご飯を炊いておき、おにぎりを作っておくと、いざ停電になったとしてもその日のうちにすぐ食べられます。
  • 天気情報の確認:今、台風がどの辺にいるのか、何時頃に自分の住んでいる地域に影響がではじめるのかなど、インターネットを使って調べておきましょう。気象庁の台風情報やYahoo!天気・災害の防災情報などをチェックしておくと、近づいている台風の勢力や現在位置、進路などが確認できます。
  • 家族の行動を確認:家族が現在どこにいるのか、何時頃帰ってくるのかを確認しましょう。家に大きな被害があった場合の避難場所や避難ルートを、あらかじめ家族全員で決めておくと安心です。

まとめ:オール電化でも停電に備えた安心な暮らしを

オール電化住宅では、すべてを電気でまかなっているため、停電になるとなにもできないのではないかと心配になってしまうかもしれません。しかし、停電に備えて事前に準備しておくことで、安心して生活することが可能です。

オール電化住宅で停電が起こった場合に起こり得る事態を把握し、それに備えて役立つアイテムを用意しておきましょう。電気は、ライフラインのなかでも、復旧が早いという傾向があります。

また、発電機や蓄電池、太陽光発電システムを住宅に設置しておくことで、停電時でも普段と変わらない生活ができる可能性があります。

現在オール電化住宅に住んでいる人や、今後オール電化住宅にリフォーム・建て替えしようと検討している人は、停電時の対策としてこの記事を役立ててみてください。

<この記事を書いた人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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