オール電化のお風呂を徹底解説!メリット・デメリットと電気代節約のコツ

  • 更新日:2025/03/18

従来のお風呂とは異なり、オール電化のお風呂では「電気給湯器」を使用します。電気給湯器に切り替えることで、電気代の節約などさまざまなメリットが期待できますが、いくつかデメリットもあるので注意が必要です。

この記事では、オール電化のお風呂の仕組みや給湯設備、メリット・デメリットについて解説します。導入費用の目安や電気代を抑えるコツなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

オール電化のお風呂の仕組みとは?

オール電化住宅ではガスを使わず、電気を使ってお湯を作ります。従来のガス給湯器ではなく、電気給湯器でお湯を沸かすため、オール電化に切り替える場合は給湯器の変更が必要です。

なお、ガス式と電気式のどちらにしても、お風呂のタイプやデザインに影響することはありません。給湯器の交換によって変わるのは、給湯器本体とリモコンのみです。

オール電化住宅で使われる主な給湯設備

オール電化住宅の給湯設備は、大きく分けて電気温水器とエコキュートの2種類があります。電気温水器とは、電気ヒーターを利用してお湯を沸かす給湯器のことです。

瞬間式と貯湯式の2つに分けられ、前者はいつでもすぐにお湯が使える、後者はランニングコストを比較的抑えられるといった特徴があります。

もう一つのエコキュートとは、ヒートポンプ技術で水を温める給湯器のことです。電気温水器よりも消費電力が少なく、家計にも環境にもやさしい給湯器として人気を集めています。

ガス給湯器との違い

ガス給湯器とは、ガスを使ってお湯を作り出す給湯器のことです。給湯栓が開くと同時に燃焼が始まり、瞬間的にお湯が沸くため、湯切れの心配がありません。その他にも、水圧が強い、初期費用が安いといった特徴があります。

一方、電気給湯器は、タンク内にある水を電気ヒーターなどで温めてお湯を作ります。ガス給湯器とはお湯を沸かす仕組みが異なり、電気給湯器のほうがエネルギー消費量が少ないため、光熱費の削減に有効です。

オール電化のお風呂のメリット

オール電化のお風呂には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、特筆すべき3つのメリットをご紹介します。

環境にやさしい

オール電化のお風呂ではガスを使わないため、環境負荷を低減することが可能です。エコキュートに関しては、お湯を沸かすときに二酸化炭素を排出しないので、エコな給湯設備として評価されています。

電気料金プラン次第でランニングコストを抑えられる

オール電化の最大のメリットともいえるのが、光熱費を抑えられることです。ライフスタイルに合った電気料金プランを選択すれば、毎月の電気代を効率良く抑えられます。

少しでも電気代を抑えたいという人は、電気温水器よりもエコキュートのほうがおすすめです。

災害時の復旧が比較的早い

災害が発生したとき、電気・ガス・水道といったライフラインが止まることがあります。この3つのライフラインの中で、復旧が比較的早いのが電気です。

また、貯湯式の電気給湯器であれば、停電時でもお湯が使えます。災害対策として役立つ点も、特筆すべきメリットといえるでしょう。

オール電化のお風呂のデメリット

さまざまなメリットがあるオール電化のお風呂ですが、いくつかデメリットがあるのもまた事実です。ここでは、事前に知っておきたいデメリットを5つご紹介します。

初期費用と設置コストが高い

オール電化のお風呂の最大のデメリットは、導入コストが高いことです。一般的に、ガス給湯器から電気給湯器に変更する場合、設備費と工事費を合わせて60万円以上の初期費用がかかります。

また、お風呂をリフォームするとなれば、100万円を超える場合もあるでしょう。導入コストが高いのはデメリットですが、長期的な節約効果を踏まえると、オール電化のお風呂に切り替えるメリットは大きいといえます。

電気代が高くなる場合もある

オール電化は電気代の節約に有効ですが、導入したからといって必ず電気代が安くなるとは限りません。場合によっては電気代が高くなることもあるので、注意が必要です。

例えば、オール電化向けの電気料金プランは、昼間の料金が高く、夜間の料金が安い傾向があります。この場合、深夜以外にお湯を沸かすと、結果として電気代が高くなる可能性が高いです。

電気代を抑えるためには、ライフスタイルに合った給湯器や料金プランを選ぶことはもちろん、電気の使い方にも注意しなければなりません。

水圧が弱いことがある

オール電化住宅で使われる電気給湯器には、水圧が弱いという欠点があります。一般的なガス給湯器の水圧は500KPa程度ですが、電気給湯器の水圧は180KPa程度です。

水圧の強弱の感じ方には個人差がありますが、不安な人は高圧タイプの給湯器の導入を検討してみると良いでしょう。

湯切れの可能性がある

電気温水器やエコキュートは、タンクの中で沸かしたお湯を利用するシステムです。そのため、お湯を使いすぎると、湯切れする(お湯が出なくなる)ことがあります。

湯切れした場合、タンク内の水が温まるまでお湯は使えません。さらに、お湯を沸かすには時間がかかります。

湯切れを防ぐためには、お湯を使いすぎないように気をつけるのはもちろん、ご家族の人数に合ったタンク容量を選ぶことも大切です。

修理費が高額になりやすい

オール電化住宅に用いられる給湯設備は、修理費が高い傾向があります。部品の交換だけであれば数万円程度で済むこともありますが、給湯器本体を丸ごと交換するとなれば、数十万円はかかるでしょう。

なお、保証期間内に修理を依頼した場合、修理費はかからないケースがほとんどです。もし保証期間が過ぎていた場合、新品に交換したほうが安くなることもあるため、給湯器の取り替えも検討してみてください。

エコキュートと電気温水器の選び方

オール電化住宅では「エコキュート」が選ばれることが多いですが、適切な給湯器はご家庭によって異なります。

ここでは、エコキュートと電気温水器に分けて、それぞれに向いているご家庭の特徴をご紹介します。

エコキュートが向いている家庭

エコキュートは消費電力が少なく、電気代は電気温水器の3分の1程度といわれています。そのため、光熱費を削減したいというご家庭におすすめです。

また、エコキュートは二酸化炭素を排出しません。家計負担だけではなく、環境負荷を減らしたいと考えているご家庭にも向いています。

電気温水器が向いている家庭

電気温水器は静音性に優れており、また構造がシンプルなため、壊れにくいという特徴があります。

加えて、瞬間式の電気温水器であれば、いつでもすぐにお湯を使うことが可能です。これらの点に魅力を感じるのであれば、電気温水器の導入を検討してみると良いでしょう。

家族の人数別:最適なタンク容量

前述のとおり、オール電化のお風呂では湯切れする可能性があるため、世帯人数に合ったタンク容量を選ぶことが重要です。

メーカーにもよりますが、一般的には370リットル、460リットル、550〜560リットルという3つのサイズが展開されています。

家族の人数別におけるタンク容量の目安は、以下のとおりです。

    <家族の人数別におけるタンク容量の目安>

  • 2~3人の場合:370リットル
  • 4~5人の場合:460リットル
  • 6~7人の場合:550リットル

湯切れのリスクを減らしたいのであれば、少し大きめのタンク容量を選ぶことをおすすめします。

オール電化のお風呂の電気代を抑えるコツ

電気代の負担を減らすため、オール電化のお風呂の導入を検討している人は多いでしょう。以下では、電気代を抑えるためのポイントを6つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

電気料金プランを見直す

オール電化のお風呂の電気代を抑えるためには、電気料金プランの見直しが必須です。先ほどもお伝えしたとおり、適切なプランを選択しなければ、かえって電気代が高くなる可能性もあります。ライフスタイルはご家庭によって異なるため、それぞれの生活様式に合ったプランを選びましょう。

昼間にお湯を溜めない

オール電化向けの電気料金プランは、夜間の料金が安くなる分、昼間の料金が高くなることが多いです。日中にお湯を沸かすと電気代が高くなってしまうため、昼間にお湯を溜めるのは避けましょう。

ピークカット設定を活用する

ピークカット設定とは、電力需要のピーク時の電気使用量を抑えてくれる設定のことです。この機能を使えば、電気料金が高い時間帯の電気使用量を減らせるため、電気代の節約につながります。ピークカット設定ができる給湯器を導入した場合は、必ず使うようにしましょう。

シャワーヘッドを節水タイプに変更する

シャワーヘッドを節水タイプに変更すれば、お湯の使い過ぎを防げるため、電気代を抑えられます。さらに、節水効果による水道代の節約も期待できるでしょう。少しでも生活費を抑えたい人は、シャワーヘッドの交換も検討してみてください。

追い焚きを減らす

追い焚きを頻繁に行うと、電気代が高くなってしまうため、できるだけ回数を減らしましょう。さらに電気代を節約したいのであれば、保温の回数を減らすことも意識してみてください。

なお、オール電化のお風呂には、浴槽に直接熱湯を流し込む「足し湯」という機能があります。追い焚き機能よりも足し湯のほうが経済的なため、お湯が必要なときは足し湯を上手く活用しましょう。

太陽光発電や蓄電池の併用でさらに節約

太陽光発電や蓄電池を併用することで、さらに電気代の節約が期待できます。電気料金が高い日中は太陽光発電でカバーでき、家庭用蓄電池があれば、太陽光発電で作った電気を蓄えることが可能です。

結果として、電力会社から購入する電気量が減るため、導入後は電気代を大幅に抑えられるでしょう。いずれの設備も導入コストが高いですが、国や自治体から補助金が交付される場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

オール電化のお風呂の工事・導入の流れ

最後に、オール電化のお風呂の工事・導入の流れについてご説明します。以下の内容も参考にしながら、着実に準備を進めていきましょう。

工事に必要なステップ

オール電化のお風呂の導入工事の基本的な流れは、以下のとおりです。

    <オール電化のお風呂の導入工事の基本的な流れ>

  1. 給湯器の設置スペースの確保
  2. 古い給湯器の撤去
  3. 基礎工事
  4. 配管・配線工事
  5. 給湯器の設置
  6. 試運転をして完了

なお、エコキュートの設置工事は、半日から1日程度で完了することが多いです。工事内容や施工期間は、導入する設備やお住まいの環境によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

導入費用の目安

オール電化のお風呂の導入費用は、設備費と工事費を合わせて60万円以上かかることが一般的です。ただし、導入費用は給湯器の種類や依頼する業者などによって大きく変動するため、相見積もりをとることをおすすめします。

信頼できる工事業者の選び方

オール電化のお風呂の設置工事に対応している業者は多いため、どこに依頼すればいいのかと悩んでしまう人も少なくありません。工事業者を選定するときは、以下の3つの点に注目しましょう。

    <信頼できる工事業者の選び方>

  • 施工実績
  • 価格
  • 保証期間・アフターサービス

施工実績が豊富な業者であれば、迅速かつ正確に工事を進めてくれる可能性が高いです。まずは、ホームページなどで実績を確認し、そのうえで見積もりを依頼しましょう。

また、給湯器の設置費用は「本体価格+基本工事費」で表記されるのが一般的です。しかし、業者の中には、本体価格のみを表記しているところもあるため、事前に最終的な金額も確認しておきましょう。

上記に加えて、給湯器は初期不良を起こすことがあります。特にエコキュートは複雑な構造をしており、故障するケースが比較的多いといわれているため、保証期間やアフターサービスがある業者に依頼するとより安心です。

まとめ

オール電化のお風呂は「環境負荷の低減」や「光熱費の削減」などの観点から関心が高まっています。さまざまなメリットがありますが、初期費用が高い、湯切れの可能性があるといったデメリットがあることもまた事実です。

この記事で取り上げたメリット・デメリットを踏まえて、オール電化のお風呂の導入を検討してみてください。

<この記事を書いた人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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