オール電化で床暖房はどう選ぶ?種類・メリット・注意点を徹底解説
オール電化住宅を選ぶ方の中には、床暖房の設置を検討する方が多いです。しかし、床暖房にはさまざまなタイプがあり、種類や選び方を迷う方も多いのではないでしょうか。
住宅の種類と床暖房には相性があるため、オール電化住宅に適した床暖房を選ぶ必要があります。
今回は、オール電化住宅に最適な床暖房の選び方やメリット、注意点について詳しく解説します。
床暖房のメリットや主要メーカーごとの床暖房の特徴も紹介しているので、床暖房自体を検討している方もぜひ参考にしてみてください。
オール電化住宅と床暖房の基本知識
オール電化住宅に床暖房を導入する際、正しい知識がなければ、理想の住まいとは異なってしまうかもしれません。
まずは、オール電化住宅と床暖房それぞれの基本知識から見ていきましょう。
オール電化住宅とは?
オール電化住宅とは、ガスを使わずに、すべてのエネルギー源を電気でまかなう住宅のことです。
冷暖房や給湯、キッチンの調理、照明など、すべてのエネルギーを電気でまかなうため、環境に配慮した省エネルギーな暮らしが叶います。
オール電化住宅は、環境だけでなくお財布に優しいのも特徴の一つです。
オール電化住宅では、エコキュートやヒートポンプを使用した省エネ技術を活用することが多く、毎月の電気代の削減にもつながります。太陽光発電と組み合わせることで、さらに光熱費の削減に効果的です。
床暖房の種類
床暖房は、床下に設置された熱源によって、床全体を均等に暖める暖房システムです。足元からじんわりと熱を感じ、ほかの暖房器具がなくても体が心地よく暖まります。
床から足元に直接伝わる熱だけでなく、床から部屋全体に広がる熱が加わり、温度ムラなく部屋が暖まるのが特徴です。
床暖房は、主に「電気ヒーター式床暖房」と「温水循環式床暖房」の2つの種類があります。
■電気ヒーター式床暖房
電気ヒーター式床暖房は、床下に電気ヒーターを埋め込み、電気を使って床を暖める仕組みの床暖房です。設置が比較的簡単で、初期費用を抑えられるメリットがあります。ただし、ランニングコストは、温水循環式床暖房と比べて高額になるのがデメリットです。
■温水循環式床暖房
温水循環式床暖房は、床下に配管を埋め込み、電気やガス、灯油などで温めた水を流して、床を暖める仕組みの床暖房です。電気ヒーター式と比べると暖かさが長時間持続し、部屋全体を効率的に暖められます。ただし、設置するには比較的コストと手間がかかります。
オール電化住宅には「温水循環式床暖房」がおすすめ
床暖房には2つの種類があり、オール電化住宅には「温水循環式床暖房」が適しています。
上記のとおり、温水循環式床暖房は、床下に埋め込まれた配管に温水を流して、床を暖める仕組みの床暖房です。
温水の作り方にはさまざまな種類があり、オール電化の場合は、エコキュートやヒートポンプなどの熱源機によって熱を作ります。
オール電化住宅に適した温水循環式床暖房は、特に「エコキュート」と「ヒートポンプ」の組み合わせがおすすめです。
オール電化住宅に、エコキュートとヒートポンプを組み合わせた温水循環式床暖房がおすすめの理由には、以下の5点が挙げられます。
エネルギー効率の良さ
温水循環式床暖房の大きなメリットの一つは、エネルギー効率の良さです。エネルギー効率の良い温水循環式床暖房に、エコキュートやヒートポンプを組み合わせることで、外気からの熱を利用して効率的に暖められます。電力消費を抑えながら暖めることが可能です。
エネルギー効率が良いと熱を持続できるため、暖房後も長時間安定した温かさが得られることも、おすすめの理由です。
短時間で部屋を暖め直す必要がないため、エネルギーを無駄に消費することがありません。
ランニングコストの削減
エコキュートもヒートポンプも周囲の熱を取り込んで温水を作るため、エネルギー効率を最大化できます。
エネルギー効率が高いとランニングコストが大幅に削減でき、電気代が高くなりやすい冬でも光熱費を抑えることが可能です。
特にエコキュートは、外気温が低くなりやすい夜でも安定した効率で動作するため、コストパフォーマンスに優れている特徴があります。
エコキュートが夜間の安価な電力でお湯を作り、日中はヒートポンプが効率的に運転することで、システム全体の効率を最大化できます。
環境への配慮
オール電化住宅は、環境に配慮した省エネルギーが特徴の一つです。温水循環式床暖房に利用するヒートポンプやエコキュートも、外気の熱を利用して温水を作るため、CO2排出量が少なく環境に優しい特徴があります。
特にエコキュートは、従来の給湯器に比べて約1/3のエネルギーでお湯を作れるため、環境負荷の軽減が可能です。
オール電化住宅に温水循環式床暖房を導入することで、家庭全体のエネルギー消費を抑え、環境保護に貢献できます。
メンテナンスが比較的簡単
温水循環式床暖房は、長期間使用しても安定した暖房効果を維持できる、手間のかからないシステムです。
メンテナンスの頻度が低く、比較的簡単に管理できます。特にエコキュートは耐久性が高く、長期間にわたって使用できるため、メンテナンスの手間だけでなく、コストの削減にも効果的です。
省スペースでの設置
床暖房のメリットの一つが、設置のスペースを気にせず、インテリアの邪魔もしないことです。さらに、エコキュートやヒートポンプは一般的に屋外に設置されるため、床暖房と組み合わせることで広々とした生活空間を保てます。
床暖房を導入する際のメリットと注意点
床暖房には、さまざまなメリットがある反面、注意点もあります。ここからは、オール電化住宅に床暖房を導入するメリットと注意点を見ていきましょう。
床暖房のメリット
床暖房を導入するメリットは、以下のとおりです。
- 温度ムラなく部屋全体を温められる
- エネルギー効率が高い
- 長期的にランニングコストを抑えられる
- ほかの暖房器具と比べてスペースをとらない
- 乾燥しにくい
<床暖房のメリット>
床暖房には上記のようなメリットがあるため、特に冷え性や乾燥が気になる家庭、高齢者がいる家庭、子育て世帯の家庭におすすめです。
床暖房を導入する際の注意点
床暖房には多くのメリットがありますが、導入には以下のような注意点もあります。
- 初期費用が高い
- 床材の種類に制限がある
- 定期的なメンテナンスの手間がかかる
- 床下に設置スペースがいる
- 床暖房の上に置けるものに制限がある
<床暖房を導入する際の注意点>
床暖房は快適かつ効率的な暖房システムですが、導入には初期費用や床材の種類、設置場所やメンテナンスの手間などさまざまな点を考慮しなければいけません。床暖房を導入する際は、しっかりと計画を立てることが大切です。
床暖房の設置・リフォームを検討する際のポイント
床暖房の設置やリフォームを検討する際には、設置場所や必要な設備をしっかりと考慮することが大切です。
ここからは、床暖房対応の床材を選ぶ際のポイントやリフォーム時の注意点について、効率的で快適な床暖房環境を作るためのヒントとともに紹介します。
床暖房対応の床材の選び方
床暖房は熱を床下から伝えるため、熱伝導率が高い床材を選ぶことが大切です。床暖房は長期間使うもののため、耐久性にも考慮する必要があります。特に床暖房に適した床材は、以下が挙げられます。
- タイル
- 石材
- フローリング
<床暖房に適した床材>
ただし、大理石などの天然石は床暖房が使えないため、注意が必要です。カーペットやラグは熱伝導率が悪いので、床暖房を設置する際は避けましょう。
床暖房をリフォームする際の注意点
リフォーム時に床暖房を導入する際にまず注意すべきポイントは、配管の設置です。
温水循環式床暖房の場合は、床下に配管を設置する必要があり、リフォームの際は床材の撤去や構造の変更が必要になることがあります。
床下のスペースが狭い場合や、配管の取り回しが難しい場所では工事が複雑になり、費用がかさむこともあるでしょう。
次に重要なのが、断熱性能の確保です。床暖房を効率的に運転させるには、床下や部屋の断熱がしっかりと施されていることが不可欠です。
断熱が不十分だと熱が逃げやすく、温度の上昇に時間がかかります。リフォーム時は断熱材を適切に追加したり、床材の選定を工夫したりすることで、効率的な暖房が叶います。
太陽光発電との組み合わせでさらにお得に
オール電化住宅は、太陽光発電を組み合わせることで、さらにお得になります。太陽光発電で作った電力をエコキュートや床暖房に利用することで、電力会社からの購入電力が減少し、さらなる光熱費の削減につながります。
光熱費の削減や省エネルギーを目的に床暖房の導入を検討している方は、太陽光発電との組み合わせも検討してみましょう。
主要メーカーの床暖房システム比較
床暖房はさまざまなメーカーが提供しており、床暖房を選ぶ際は、信頼できるメーカーのものを選ぶことが大切です。
ここからは、各主要メーカーが提供している床暖房の特徴について紹介します。どのメーカーの床暖房が自分に適しているのか、見ていきましょう。
床暖房システムを選ぶ際は、信頼できるメーカーを選ぶことが非常に重要です。本章では、主要なメーカーの床暖房システムについて、各社の特長を比較し、どのメーカーが自分に最適か判断する材料を提供します。
パナソニックの床暖房の特徴
パナソニックの床暖房の大きな特徴は、省エネ性能と快適性に優れたシステムです。特に温水循環式床暖房では、エコキュートとの連携により効率的にお湯を供給し、ランニングコストを抑えながら暖房を行えます。
温度設定はリモコンで簡単に調整でき、部屋全体を均等に暖めることが可能です。
床暖房の設置は後付けが可能で、リフォームに対応しているため、既存の住宅にも適用可能です。耐久性にも優れているため、長期間にわたり高い性能を維持できます。
ダイキンの床暖房の特徴
ダイキンの床暖房の特徴は、温水循環式とエアコンとの統合システムによって、冷暖房を一体化した高効率な運転が叶うことです。
特にヒートポンプを活用することで、外気から熱を効率的に取り込めて、さらにエネルギーを無駄なく温水を生み出せます。
ダイキンの床暖房は温度の管理が細かくできるため、長時間でも快適かつ安定した温度を維持できるのも特徴です。
三菱の床暖房の特徴
三菱の床暖房の特徴は、エコキュートやヒートポンプを活用した温水循環式システムを採用している点です。
省エネ効果が高く、低温でも効率的に温水を循環させられ、寒い冬でも快適に部屋全体を暖められます。
温まりが早く一定の温度を維持できるため、過度に温度調節をする必要がありません。長時間運転してもエネルギーを無駄にせず、ランニングコストが抑えられます。設置やメンテナンスも簡単で、使用後の維持管理がしやすいのが特徴です。
コロナの床暖房の特徴
コロナの床暖房は、温水循環式のシステムを使用しており、エコキュートとの連携で高い省エネ性能を発揮できるのが特徴です。コストパフォーマンスに優れており、初期費用を抑えつつ、安定した暖房を提供できます。
温度管理が簡単で、部屋全体を均等に温められるのも特徴の一つです。メンテナンスの手間も少なく、手間をかけずに使用できます。
まとめ
床暖房にはいくつかの種類があり、オール電化住宅には「温水循環式床暖房」の設置がおすすめです。
特に、「エコキュート」と「ヒートポンプ」を組み合わせた温水循環式床暖房を導入することで、高いエネルギー効率やランニングコストの削減、環境への配慮などさまざまなメリットがあります。
床暖房自体には多くのメリットがある反面、注意点もあるので、今回紹介した内容を参考に、プロに相談しながら床暖房の導入を検討しましょう。
主要メーカーの製品を比較し、家庭にあった信頼性の高いシステムを選ぶことも大切です。

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!
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