オール電化の賃貸は本当にやめとけ?失敗しないための完全ガイド

  • 更新日:2025/03/17

賃貸住宅を探している人のなかには、オール電化の賃貸物件を借りるべきかどうか悩んでいる人もいるでしょう。

オール電化の賃貸物件では「やめとけ」と言われる原因であるデメリットが目立つ傾向にありますが、同時にメリットも存在するため、一概に「やめとけ」とは言えません。

この記事では、オール電化の賃貸に関するデメリットやメリットを解説します。オール電化の賃貸が向いている人などもあわせて紹介しているので、賃貸住宅を探している人はぜひ参考にしてみてください。

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オール電化の賃貸が「やめとけ」と言われる理由

オール電化の賃貸が「やめとけ」と言われる理由を、デメリットや実際によく耳にする不満などから確認していきましょう。

オール電化賃貸のデメリットとは?

オール電化の賃貸のデメリットは、以下のようなものが挙げられます。

<オール電化賃貸のデメリット>

  • 停電になるとすべてのものが使えなくなる
  • 電気代が高くなる可能性がある
  • エコキュートのタンクのお湯がなくなる可能性がある
  • 入居後すぐにはお湯が出ない
  • 初期費用が高額になる可能性がある

オール電化ではガスを使わずに、調理器具やお湯、トイレなど、すべてのものを電気でまかなっているため、停電時になにもできなくなる可能性があります。停電に備えて、蓄電池やガスコンロ、暑さ寒さ対策用品などを日頃から準備しておくことが必要です。

また、お湯はエコキュートを利用しているため、タンクに貯められるお湯の量が限られています。エコキュートは、事前に電源を入れておかなければお湯を沸かせないため、入居後に電源を入れてもすぐにはお湯が使えません。

IHコンロやエコキュートといった設備は導入費用が比較的高くなるので、賃貸物件の場合は、入居する際の初期費用や家賃に上乗せされる可能性があります。そのため、初期費用や家賃が高額になるケースがあるのです。

オール電化でよくある不満

オール電化の賃貸でよく耳にする不安には、以下のようなものが挙げられます。

<オール電化賃貸のよくある不満>

  • 昼間の電気代が高い
  • 料理器具に制限があったり、火力が足りないと感じたりすることがある
  • 電気の床暖房は暖まりにくい気がする

オール電化住宅での電気料金プランでは、深夜料金を割安にして、昼間の電気代が高く設定されているものが多いです。そのため、在宅勤務の人など、昼間も家にいてパソコンなどを使用する場合は、昼間の電気代が高くつく可能性があります。

また、料理をする人のなかには、IH専用の調理器具しか使えないことや、ガスに比べて火力が弱いことを不満に感じている人も多いです。とくに底が丸くなっている中華鍋のような形の調理器具は、IHヒーターが当たる面積が狭いため、熱効率が悪いという特徴があります。

エコキュートのお湯を利用する床暖房の場合、給湯温度がガス給湯式と比べて低いため、暖まりにくい可能性があります。電気式の床暖房の場合、暖まりやすさは問題ないものの、光熱費が高くなりやすいという特徴があるため、ランニングコストを重視する人は注意が必要です。

オール電化の電気代が高くて不満という方は是非こちらの記事を参考にしてください。

オール電化が向いていないケース

オール電化の賃貸には「昼間の電気代が割高になる」「使える湯量が限られている」「停電するとお湯や冷暖房、調理設備などがすべて使えなくなる」というデメリットがあります。これらのデメリットから、オール電化賃貸が向いていないのは、以下のようなケースだといえるでしょう。

<オール電化賃貸が向いていないケース>

  • 昼間でも家で過ごす、もしくは家で過ごす家族がいる
  • 家族の人数が多い

オール電化の賃貸に向いている人の特徴

オール電化の賃貸は、ライフスタイルや住むうえで重視するポイントが合えば、住みやすい住宅です。オール電化賃貸が向いている人の特徴は、以下のとおりです。

<オール電化賃貸が向いている人の特徴>

  • 夜間電力を上手に活用できる人
  • 火災リスクを減らしたい人
  • キッチンを清潔に保ちたい人

それぞれについて詳しく解説します。

夜間電力を上手に活用できる人

オール電化での電気料金プランの多くは、夜間の電気料金を割安にし、昼間の電気料金を割高に設定しています。そのため、昼間は家におらず、家で電気を使うのは主に夜間だという人にオール電化が向いています。

火災リスクを減らしたい人

オール電化ではガスを使わず、調理などもすべて電気を使っているため、火災リスクを下げられるという特徴があります。石油ストーブなどを使わずに、電気やお湯を使った床暖房を利用すれば、さらに火災リスクを下げられるでしょう。

キッチンを清潔に保ちたい人

オール電化の場合、ガスコンロではなくIHクッキングヒーターを使用して、調理を行います。IHクッキングヒーターは、ガスコンロのように五徳がないため、調理後にふきんで拭き取るだけで簡単に掃除ができます。

ガスコンロの五徳やその周辺の油汚れは、蓄積すればするほど掃除が大変になっていくため、毎日手軽に掃除ができるIHクッキングヒーターは、キッチンを清潔に保ちたい人に向いているといえるでしょう。

オール電化賃貸で後悔しないためのポイント

オール電化賃貸を契約する場合、ポイントを押さえておくことで、後悔することを回避できる可能性があります。物件の選び方や電力会社の契約プランの見直しなどは、ランニングコストを抑えることにつながり、停電時の備えをしておくことで、オール電化でも安心して暮らせるでしょう。

物件選びのコツ

物件によっては、電力会社が指定されているものもあるため、事前にどの電力会社のどの料金プランになるのかを確認しておきましょう。指定されている電力会社に不満がある場合は、自分で電力会社を選択できる物件を選びましょう。

また、エコキュートの容量のチェックも大切です。何人で住むのかによって使用するお湯の量が異なるため、家族の人数やライフスタイルに合ったエコキュートがある物件を選ぶことをおすすめします。

電力会社の契約プランを見直す

オール電化の賃貸住宅でも、電力会社や契約プランの切り替えは可能です。ライフスタイルに合った料金プランを契約することで、電気代を節約できるでしょう。

どの電力会社のプランが良いか気になる方はこちらをチェックしてみてください。

カセットコンロなどの代替品を用意する

オール電化住宅では、停電時に照明はもちろん、トイレや調理設備も使用できなくなります。ガスであれば、停電していてもお湯を沸かすことが可能です。IHクッキングヒーターは停電時に使用できないため、カセットコンロなどの代替品をあらかじめ用意しておくことが大切です。

停電が2~3日続いても大丈夫なように、カセットボンベの予備や、火を使わなくても調理できるレトルト食品や缶詰、乾パンなども準備しておくと安心でしょう。

オール電化賃貸のメリットを知っておこう

オール電化の賃貸物件についてデメリットや注意点を挙げてきましたが、もちろんメリットも存在します。オール電化賃貸のデメリットと同時にメリットも知っておくことで、賃貸物件を契約する際の選択の幅が広がるので、ぜひチェックしておいてください。

光熱費の一元化による管理のしやすさ

オール電化賃貸では、ガスの契約が不要なので、光熱費は電気代のみに絞られます。月々の光熱費を計算する際も、電気代だけをチェックすればランニングコストを把握できるため、管理しやすいというメリットがあります。

災害時の復旧スピードが早い

地震や台風、大雨などの自然災害が起こると、電気やガス、水道などのライフラインが止まってしまう可能性があります。電気はライフラインのなかでも、復旧スピードが早い傾向にあるため、災害発生後に早い段階で復旧する可能性があるのです。

電気が普及すれば、調理や入浴が問題なくできるようになるため、オール電化住宅に住んでいることで、いち早くもとの生活を取り戻せるでしょう。

環境に優しいエネルギー利用

オール電化住宅と太陽光発電システムを併用すれば、電気代が節約できるだけでなく、環境にも配慮したエネルギー利用が可能です。太陽光発電システムでは、太陽が出ている限り発電が可能なので、停電時でも電気を利用できるというメリットもあります。

昼間に発電した電気を蓄電池に貯めておけば、夜間も昼間と同じように電気が使えるためおすすめです。ただし、太陽光発電システムや蓄電池は、設置するための初期費用が高額になる可能性があるため、慎重に検討してみましょう。

体験談で見るオール電化賃貸のリアル

実際にオール電化賃貸に住んでいる人が、どのように感じているのかを紹介します。成功談と後悔した例のどちらも紹介するので、今後の判断材料にしてみてください。

オール電化賃貸での成功談

成功談1:オール電化にすると夜間の電気料金が安くなるので、エコキュートを上手に使えば光熱費が安くなるのが魅力です。電気代を心配する声が多いですが、IHクッキングヒーターの電気代も大して高くないので、ガスと併用するよりも安くなるでしょう。IHの使い勝手は、使い始めは戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れます。

成功談2高かったプロパンガス代がなくなり、光熱費を減らすことに成功しました。電気代が上がっているといっても、ガス代も価格上昇しているので、どちらを選んでも、今後光熱費が上がっていくことには変わりないでしょう。しかし、石油もガスも限りある資源なので、太陽光で発電できる電気は頼れる存在だと感じます。

オール電化賃貸で後悔した例

後悔した例1:床暖房がガスと違って、全然暖かくならないので驚きました。ガスオーブンも使えないので、料理好きとしては残念なことが多いです。IHの鍋などは、安物を買うとすぐに壊れてしまうため、結局高くつくような気がしています。

後悔した例2:ガス乾燥機がお気に入りだったので、使えなくなったことを後悔しています。料理も、揚げ物などで長時間使用していると、勝手に消えます。安全装置が作動した結果ですが、少し煩わしいのでガスで調理したいです。

よくある質問(FAQ)

ここからは、オール電化の賃貸に関して、多くの人が疑問に思うことをQ&A方式で紹介します。オール電化の賃貸を契約しようかと検討している人は、自分の感じている疑問や不安と照らし合せながら、チェックしてみてください。

オール電化の賃貸は本当にやめとけ?

オール電化の賃貸には、デメリットと同時にメリットもあるため、一概に「やめとけ」とは言えません。オール電化賃貸に向いている人、向いていない人は、以下のように分けられます。

【オール電化賃貸が向いている人・向いていない人】
向いている人 向いていない人
  • 昼間に家におらず、主に夜間に電気を使う人
  • キッチンを手軽に掃除したい人
  • 光熱費を一本化したい人
  • 在宅勤務などで昼間も家にいる人
  • ガス火で調理したい人
  • 小さな子供や老人などが家にいて、火を使うリスクがあることに不安を感じている人

自分のライフスタイルや、生活するうえで重視したいポイントを再確認し、自分にはオール電化賃貸が合っているのかどうかを考えてみてください。

オール電化の賃貸で一人暮らしするとコストは?

オール電化の賃貸住宅で一人暮らしをする場合、光熱費の平均額金額は1万777円だと試算されます。

さらに詳細な光熱費について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

【ライフスタイル別の電気代目安】
ライフスタイル 1ヶ月の電気代(目安)
在宅勤務のため1日中家で過ごす人 11,000円
主に夜に電気を使う生活をしている人 6,300円
主に昼に電気を使う生活をしている人 8,000円

契約する電力会社や地域の気候によって異なるため、目安程度に覚えておきましょう。

家族でオール電化賃貸に住む場合の注意点は?

家族のライフスタイルはさまざまです。家族全員が昼間不在で、夜に集中して電気を使うわけではないため、家族構成やそれぞれのライフスタイルによっては、電気代が高額になる可能性があります。

それぞれの部屋でエアコンを使ったり、熱伝導率の悪い鍋で家族全員分の料理を用意したりするといったことを繰り返していると、毎月の電気代がガスと併用した場合よりも高くなる可能性が高いです。オール電化賃貸で、快適かつ低コストで住むためには、一人ひとりの工夫が必要でしょう。

また、エコキュートの容量によっては、すぐに湯切れを起こす可能性があるため、家族が多い場合は入浴などに注意が必要です。

まとめ

オール電化の賃貸物件で「やめとけ」と言われる原因であるデメリットは、以下のとおりです。

<オール電化賃貸のデメリット>

  • 停電になるとすべてのものが使えなくなる
  • 電気代が高くなる可能性がある
  • エコキュートのタンクのお湯がなくなる可能性がある
  • 入居後すぐにはお湯が出ない
  • 初期費用が高額になる可能性がある

オール電化の賃貸物件は、昼間でも家で過ごすもしくは家で過ごす家族がいる人や、家族の人数が多い人には向いていないでしょう。一方で、ライフスタイルや住むうえで重視するポイントが合う人であれば、住みやすい住宅といえます。夜間電力を上手に活用できる人や火災リスクを減らしたい人、キッチンを清潔に保ちたい人は、オール電化の賃貸がおすすめです。

デメリットだけでなく、メリットやリアルな体験談を確認して、オール電化賃貸を借りるべきかどうか検討してみてください。

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<この記事を書いた人>

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