オール電化をやめたい理由と切り替え方法|光熱費削減・停電対策も実現!

  • 更新日:2025/03/06

オール電化を導入したものの「やめたい」と後悔する方も一定数存在します。それでは、オール電化をやめたいと考える方は、オール電化に対してどのような不満や悩みを抱えているのでしょうか。

この記事では、オール電化をやめる場合を想定して、切り替え方法なども交えながらご紹介します。

目次

オール電化をやめたい理由とは?実際の不満と悩みをチェック

オール電化に切り替えてから後悔して「やめたい」と感じている方は、以下のような不満や悩みを抱えている場合が多いです。

    <オール電化をやめたい方が抱えている不満と悩み>

  1. 光熱費の上昇が気になる
  2. 停電時の影響が大きい
  3. 快適性が欠けるケースもある
  4. 修理・交換費用が高い

これからオール電化を導入する方にとっては、いずれも参考になる意見といえるでしょう。具体的にどのような問題が起きているのかについて、順番にご紹介します。

1.光熱費の上昇が気になる

ガス併用からオール電化に切り替えたものの、期待したような費用対効果を得られず、むしろ光熱費が上昇したというケースも見られます。

近年は、原発の停止やウクライナ戦争による資源の高騰を受け、電気代も大幅に上昇しました。

オール電化では、ガス併用と比較して電力の使用量が増えるため、電気代の高騰が家計に大きく影響するケースが増えたのです。結果として、ガス併用時代よりも電気代が上がり、後悔している方もいます。

長期的なコストパフォーマンスに疑問を抱え、オール電化をやめたいと考える方も多いです。オール電化には高額な初期費用がかかるため、光熱費を削減できたとしても、元を取るためには10年~20年といった期間をかけなければなりません。その間に機器が故障するリスクもあり、悩んでいる方も多いです。

2.停電時の影響が大きい

停電時の影響を懸念して、オール電化をやめたいと考える方もいます。

オール電化では、自宅のエネルギーをすべて電力でまかなうため、災害などにより停電が発生した場合は、原則としてすべての電化製品が使えなくなります。

ガス併用時は、停電してもガスコンロなどを使える可能性がありますが、オール電化では停電中の調理や入浴が不可能です。

そのため、災害時に備えた準備をしておかなければなりません。トイレは水が出なくなるため、水を汲んで流せるように、バケツを用意しておくと良いでしょう。

緊急時の調理用として、カセットコンロとカセットコンロ用のガスボンベも用意しておくことをおすすめします。

3.快適性が欠けるケースもある

オール電化の導入後、ガス併用時代と比較して快適性が欠けてしまい、オール電化をやめたいと考える方も多いです。

例えば「暖房効率が悪い」「お湯の供給が不安定でストレスになる」といった悩みを抱えている方がいます。

オール電化住宅では、エコキュートなどの高効率ヒートポンプ給湯器を活用しますが、これらの機器は省エネ性能にすぐれている一方で、灯油やガスボイラーと比べると暖房能力が下がります。

そのため、寒冷地にお住まいの方などは、厳しい冬の時期にオール電化を後悔するケースが見られるのです。

お湯の供給が不安定になる原因としては、貯湯タンク内のお湯切れや、給湯設備や配管・水栓の不具合、水漏れなどが考えられます。

また、機器が劣化・故障すると、給湯器の温度が不安定になる可能性もあり、快適性が欠けてしまったと感じるケースも見られます。

4.修理・交換費用が高い

修理や交換にかかる費用が高額になりがちなことも、オール電化をやめたいと感じる理由のひとつです。

エコキュートの定期点検費用の相場は、15,000円~25,000円程度が相場です。10年目までは3年に1度、10年目以降は毎年の点検が推奨されています。

ガス併用時代と比べて光熱費を削減できても、メンテナンス費用で相殺される可能性があることには、注意しなければなりません。

また、オール電化の設備が壊れてしまった場合、修理・交換が必要です。交換時には、導入時と同等の設置費用がかかるほか、現状の設備を撤去するための費用も支払わなければなりません。これらの支出が高いことに対して、疑問や不安を持つ利用者もいます。

オール電化からの切り替え方法は?ガスやほかの選択肢を考える

オール電化をやめたいと感じた場合は、どのようなエネルギーの使い方に切り替えると良いのでしょうか。選択肢として考えられるのは、次の3つです。

    <オール電化からの切り替え方法>

  1. ガスへのエネルギー転換を検討する
  2. 太陽光発電や蓄電池との組み合わせを検討する
  3. ほかの再生可能エネルギーを選択する

1.ガスへのエネルギー転換を検討する

都市ガスやプロパンガスの併用、もしくは「オールガス」に転換する方法です。エコキュートをガス給湯器に、IHクッキングヒーターをガスコンロに切り替えて、家庭内で利用するエネルギーの一部、もしくは全部をガスに転換します。

関西電力によると、オール電化とガス併用のエネルギー費用は、以下のとおりです。

【エネルギー費用の比較】
世帯人数 オール電化 ガス併用
1人暮らし 10,777円 9,134円
2人暮らし 13,406円 14,824円
3人家族 14,835円 16,754円
4人家族 16,533円 17,617円

1人暮らしなど、電力消費量が少ない家庭の場合、ガス併用のほうが光熱費は安くなります。また、ガス併用のメリットは、次のとおりです。

    <ガス併用のメリット>

  • 直火を使って調理ができる
  • 停電時にもガスを使用できる可能性がある

2.太陽光発電や蓄電池との組み合わせを検討する

節約効果を向上させたい場合は、太陽光発電や蓄電池との組み合わせを検討しましょう。それぞれ、以下のようなメリットを得られます。

    <太陽光発電や蓄電池のメリット>

  • 太陽光発電…自家発電した電力を日中に使えるほか、余剰電力は売電できる
  • 蓄電池…太陽光で発電した電力や、安い時間帯に購入した電力を蓄えられる

いずれも、オール電化との相性が良い設備です。蓄電池は、非常時のバックアップ電源としても活用できるため、充電を済ませておけば、停電時や災害時にも電力を使い続けられます。

太陽光発電や蓄電池を導入する場合は、国や自治体による補助金・助成金を活用できる可能性があります。自治体による補助金の内容は、お住まいの地域によって異なるため、詳しくは市区町村役場の窓口などで確認しましょう。

3.ほかの再生可能エネルギーを選択する

地熱やバイオマスなど、家庭で導入できるそのほかの再生可能エネルギーの活用も、選択肢のひとつです。

地下の熱を利用して温める「地中熱ヒートポンプ」は、導入時に自治体からの補助金を受け取れる可能性もあるなど、普及が促進されています。

また、木質ペレットやバイオエタノールを燃焼させて暖める形式のストーブなどもあるため、部分的に再生可能エネルギーを活用することを検討しても良いでしょう。

オール電化をやめる前に知っておくべきポイント

オール電化をやめたいと思った場合に知っておくと良いポイントが3つあります。

    <オール電化をやめる前に知っておくべきポイント>

  1. コストと長期的な視点での選択
  2. システム変更時の注意点
  3. 改善策を試す選択肢

1.コストと長期的な視点での選択

オール電化による節約効果は、長期的な視点に立って見通さなければなりません。

先ほどご紹介した関西電力によるオール電化とガス併用の料金比較では、3人家族の場合で、ガス併用と比べて毎月1,922円を節約できています。

短期的に見れば少ない金額ですが、年間で23,064円、20年間で461,280円を節約できる計算です。

最適な電気料金プランを選ぶことなどにより、光熱費をさらに節約できる可能性もあります。初期投資とランニングコストの見積もりも出したうえで、長期的に見て得ができるかどうかを確認してからでも、オール電化をやめる決断を下すのは遅くないでしょう。

2.システム変更時の注意点

オール電化をやめてガス併用などに切り替える場合は、既存設備の撤去と新しい設備の設置工事が必要です。

例えば、太陽光パネルを撤去する場合、目安として10万円~15万円の費用がかかります。エコキュートを撤去してガス給湯器に戻すだけでも、本体と工事費を合わせて、10万円~30万円程度の費用がかかるでしょう。

また、ガス併用などへの変更に伴い、長期間の工事が必要になる可能性もあります。切り替え工事の期間中は、これまでと同様に電力を使えなくなるため、調理や入浴もままなりません。工事期間中に生じる生活への影響も考慮して、オール電化をやめるかどうかを決める必要があります。

3.改善策を試す選択肢

オール電化に対する不満やお悩みの改善策もあります。具体的には、次のとおりです。

【オール電化のお悩みを改善策の例】
お悩み 改善策の例
光熱費の上昇が気になる 電気料金プランや家電を見直す、太陽光発電を導入する
停電時の影響が大きい 蓄電池を導入してバックアップ電源にする
快適性が欠ける 高機能なエコキュートを購入する
修理・交換費用が高い メーカーなどの保証を利用する、機器の使い方を工夫する

省エネ性能が高い家電に買い替えたり、電気料金プランを見直したりするだけでも、オール電化の電気代を抑えやすくなります。

停電対策として利用できるアイテムもあるため、現状のまま不満やお悩みを改善する方法があるかどうか、確認しておきましょう。

オール電化をやめるべきか?最後に考慮すべき選択肢

上記のポイントを踏まえたうえでも、オール電化をやめるべきか悩んだ場合、最後に考慮すべき選択肢となるのは次の2つです。

    <オール電化をやめるべきか?最後に考慮すべき選択肢>

  1. 環境への配慮とエネルギー多様性の確保
  2. 自分のライフスタイルに合ったエネルギーの選択

それぞれを確認したうえで、最適な決断を下しましょう。

1.環境への配慮とエネルギー多様性の確保

地球環境を考慮する場合は、CO2削減効果のあるエネルギーや、持続可能なエネルギーを使用することを意識すると良いでしょう。

家庭で利用できるエネルギーとしては、太陽光発電以外では、地熱発電やバイオマスエネルギーがそれにあたります。

環境省では、環境に配慮したエネルギーを導入するための補助金を給付しています。補助金の要件には「指定された性能を備えた機器を購入すること」や「認定事業者による施工を受けること」といったポイントがあるため、機器の購入前に要件を確認しておきましょう。

2.自分のライフスタイルに合ったエネルギーの選択

ライフスタイルに合ったエネルギーを選ぶことも重要です。都市部と地方では選択肢にも違いが生じやすく、例えばガスを併用する場合、地方では都市ガスを使用できず、料金が割高になりがちなプロパンガスの使用を迫られる可能性もあります。

また、家族構成によっても消費電力が異なります。家族の人数が多く、消費電力が多い場合は、オール電化のほうが割安になる可能性もあるでしょう。家族構成やライフスタイルに適したエネルギー計画を立てることが、使用するエネルギーを決める際のポイントです。

まとめ

オール電化をやめたいと感じる理由は、光熱費の上昇や停電時の影響などです。オール電化からの切り替え方法は「ガスへの転換」や「太陽光発電や蓄電池との組み合わせ」などがあります。

オール電化のまま不満やお悩みを改善する方法もあるため、切り替えるかどうかは慎重に検討しましょう。

<この記事を書いた人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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