【2025年版】オール電化の電気代を賢く節約!効率的な使い方、見直しポイントを解説
電気代を節約するために、オール電化への切り替えを検討している方は多いでしょう。しかし、オール電化に切り替えた後も、思うように電気代を節約できていない方は少なくありません。そこでこの記事では、オール電化の電気代を賢く節約するためのポイントを解説します。
オール電化住宅の電気代はどれくらい?
オール電化住宅とは、家庭で使うエネルギーのすべてを電力でまかなう住宅のことです。まずは、地域ごとにみたオール電化住宅の平均的な電気代をみてみましょう。
【地域別にみたオール電化住宅の平均電気代(1ヶ月あたり)】
地域 | 一人暮らし | 二人暮らし | 三人家族 | 四人家族 |
---|---|---|---|---|
北海道(北海道電力) | 19,319円 | 31,420円 | 37,705円 | 43,989円 |
東北(東北電力) | 18,419円 | 27,794円 | 32,482円 | 37,169円 |
関東(東京電力) | 9,732円 | 15,700円 | 18,840円 | 21,980円 |
北陸(北陸電力) | 15,155円 | 23,755円 | 28,054円 | 32,354円 |
東海(中部電力) | 11,341円 | 17,676円 | 20,844円 | 24,011円 |
近畿(関西電力) | 9,975円 | 15,099円 | 17,661円 | 20,222円 |
中国(中国電力) | 11,076円 | 17,115円 | 20,134円 | 23,154円 |
四国(四国電力) | 13,025円 | 18,041円 | 20,882円 | 23,982円 |
九州(九州電力) | 8,558円 | 13,004円 | 15,227円 | 17,450円 |
沖縄(沖縄電力) | 7,235円 | 11,028円 | 12,924円 | 14,820円 |
※環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量を推計。各社燃料調整費と再エネ賦課金を含めた合計料金。
地域によって電気料金の設定が異なるほか、寒冷地ではエネルギー消費が激しい暖房設備を使用する時間が増えるため、地域ごとに平均電気代が大幅に異なります。
寒冷地である北海道、東北、北陸といった地域では、暖房需要が高いため電気代が高くなりがちです。
オール電化と電気・ガス併用の光熱費を比較
オール電化住宅と、電気・ガス併用住宅の光熱費を比較してみます。
【オール電化とガス併用の平均光熱費を比較】
地域 | オール電化 | ガス併用(全国平均) | 差額(オール電化-ガス併用) |
---|---|---|---|
北海道(北海道電力) | 31,420円 | 24,255円 | 7,165円 |
東北(東北電力) | 27,794円 | 22,207円 | 5,587円 |
関東(東京電力) | 15,700円 | 17,803円 | -2,103円 |
北陸(北陸電力) | 23,755円 | 22,088円 | 1,667円 |
東海(中部電力) | 17,676円 | 17,740円 | -64円 |
近畿(関西電力) | 15,099円 | 16,516円 | -1,417円 |
中国(中国電力) | 17,115円 | 18,439円 | -1,324円 |
四国(四国電力) | 18,041円 | 17,194円 | 847円 |
九州(九州電力) | 13,004円 | 14,782円 | -1,778円 |
沖縄(沖縄電力) | 11,028円 | 17,112円 | -6,084円 |
※ガス併用は2024年総務省家計調査より算出。オール電化は環境省「令和二年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」より電力使用量を推計。オール電化家庭二人暮らし電気代の月平均。
ガス併用の住宅は、電気代・ガス代・他の光熱(灯油など)を併せた金額です。したがって、都市ガス併用家庭とプロパンガス併用家庭が混在しているデータになります。
多くのエネルギーを消費する傾向にある寒冷地では、ガス併用の光熱費よりも、オール電化の光熱費が上回っています。一方、そのほかの地域では、オール電化のほうが安くなる傾向にあります。
要因として、電気に一本化することでガスの基本料金が無くなることや、ガス代も電気代同様値上げしていることが挙げられます。
地域によっては、1ヶ月あたりの差額が六千円以上になる場合もあり、オール電化にすることで大幅な光熱費削減効果が期待できるでしょう。
また、太陽光発電や蓄電池を活用すれば、オール電化の光熱費は更に安くなることが期待できます。
エコキュートやIHクッキングヒーターの初期費用・ランニングコスト
オール電化のランニングコストは、ガス併用と比較して安くなる可能性がある一方で、高額な初期費用がかかることはデメリットです。エコキュートとIHクッキングヒーターの初期費用の目安をみてみましょう。
【オール電化の初期費用】
設備 | 初期費用の目安 |
---|---|
エコキュート | 70万円~150万円 |
IHクッキングヒーター | 10万円~50万円 |
エコキュートの本体価格は機能やグレードによって異なるため、家族構成や使い方に合った機種を選ぶことが重要です。
ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する場合は、分電盤の改修工事も必要になるため、初期費用が高額になる傾向がみられます。
ランニングコストも比較してみましょう。パナソニックに発表によると、エコキュートのランニングコストは年間で約24,000円です(東京電力エリアの場合)。ガス給湯器のランニングコストは約78,000円とされるため、大幅な節約が期待できます。
IHクッキングヒーターのランニングコストは、1時間あたりの料金で比較してみます。
【IHクッキングヒーターのランニングコスト比較】
火力 | IHクッキングヒーター | 都市ガス | プロパンガス |
---|---|---|---|
弱火 | 3.1円~11.47円 | 5.59円 | 9.02円 |
中火 | 15.5円~31円 | 24.72円 | 39.89円 |
強火 | 44.95円~77.5円 | 43.71円 | 70.51円 |
※都市ガスは東京電力の場合、プロパンガスは石油連盟の発表による平均額
調理にかかる費用は、IHクッキングヒーターと都市ガスはほぼ同じか、都市ガスがやや割安です。一方でプロパンガスと比較すると、IHクッキングヒーターのほうが割安になる可能性が高いでしょう。
オール電化の電気代はさらなる上昇が見込まれている
EIA(米国エネルギー省エネルギー情報局)の予測によると、2050年までは、天然ガスと石炭両方の値上がりが続くとされています。
この2つは、日本の電気料金にも大きな影響を及ぼすため、オール電化の電気代が将来的にさらに上昇する可能性が高いです。
しかし、都市ガスやプロパンガスも、当然輸入に依存しているため、電気と同様の値上がりが予測されます。
オール電化の電気代を節約する7つの方法
先述したように、オール電化の電気代は今後の上昇が見込まれています。そのため、光熱費を抑えるためには、電気代の節約方法を知って実践することが重要です。オール電化の電気代を節約する方法を7つご紹介します。
- 電力プランを見直す
- 電気料金が安い時間帯に家電を使用する
- 省エネ家電を導入する
- 自宅の断熱性能を向上させる
- 家電の使い方を工夫する
- 太陽光発電や蓄電池を活用する
- 節電グッズを利用する
<オール電化の電気代を節約する7つの方法>
それぞれのポイントをみてみましょう。
電力プランを見直す
オール電化の導入と併せて、電力プランを見直すことをおすすめします。地域を管轄する大手電力会社でも、各社がオール電化向けの料金プランを提供中です。
オール電化向けの電力プランは、夜間の電力量料金が安く、昼間の電力量料金は高く設定されています。
オール電化で活用する給湯器のエコキュートは、電気代が安い夜間につくったお湯を日中に使う機器のため、オール電化向けの電力プランを契約すると節約しやすいです。
電気料金が安い時間帯に家電を使用する
家電を使用する時間帯は、電気代が安い夜間に使用することを意識しましょう。
【エリア大手10電力会社の夜間従量料金比較(1kWhごと)】
エリア | 北海道電力 | 東北電力 | 東京電力 | 中部電力 | 北陸電力 | 関西電力 | 四国電力 | 中国電力 | 九州電力 | 沖縄電力 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
夜間料金 | 28.99円 | 29.86円 | 27.86円 | 16.52円 | 26.98円 | 15.37円 | 30.41円 | 30.35円 | 14.59円 | 29.66円 |
日中料金 | 37.93円 | 36.86円 | 35.76円 | 38.80円 | 39.87円 | 28.87円 | 40.03円 | 46.46円 | 27.63円 | 57.41円 |
このように、夜間料金と日中料金には大きな差があります。お風呂に入る時間をずらしたり、電気代が高い時間帯の節電意識を高めたりして、対策すると良いでしょう。
省エネ家電を導入する
省エネ家電を導入すると、電気代を大幅に削減できます。資源エネルギー庁では、省エネ家電の導入により、以下の省エネ効果が得られると公表しています。
【省エネ家電の効果】
家電 | 省エネ効果 |
---|---|
冷蔵庫 | 10年前と比べて約28~35%の省エネ |
LEDランプ | 白熱電球と比べて約86%の省エネ |
エアコン | 10年前と比べて約15%の省エネ |
温水洗浄便座 | 10年前と比べて約8%の省エネ |
家電の買い替えには初期コストがかかりますが、ランニングコストを抑えられるため、長い目でみればお得になるでしょう。
自宅の断熱性能を向上させる
自宅の断熱性能を向上させることも、電気代の節約につながります。断熱性能が高い家は、エアコンでつくった温度が外部に漏れにくく、外気は室内に流入しにくいことが特徴です。
冬は暖かく、夏は涼しい環境になりやすいため、エアコンの稼働時間を減らしたり、設定温度を抑えたりしやすくなります。
断熱性能を高める方法として効果的なのは、品質の高い断熱材を利用したリフォームです。大がかりな対策を避けたい場合は、カーテンを断熱カーテンに交換したり、窓やドアに隙間テープを貼ったりして対策をしても、一定の効果が期待できます。
家電の使い方を工夫する
節電効果を高めるために、家電の使い方も工夫しましょう。エアコンの暖房を使う場合、設定温度を1度低くするだけでも、年間で約1,000円の節約につながります。電気の使い方を最適化できる「スマート家電」の導入もおすすめです。
太陽光発電や蓄電池を活用する
オール電化との相性が良い、太陽光発電や蓄電池の活用も検討しましょう。それぞれの役割は、次のとおりです。
- 太陽光発電…太陽光を使って日中に自家発電でき、余った電力は売電できる
- 蓄電池…太陽光発電の余剰電力や、電気代が安い時間帯に購入した電力をためられる
<太陽光発電と蓄電池の役割>
オール電化住宅に太陽光発電を取り入れると、電気代が高い日中の電力は自家発電でまかなえます。余った電力は電力会社が買取するため、無駄が生じません。
蓄電池は、電力をためておける装置です。電気代が安い夜間に購入した電力をためておき、日中の電力として使えるため、節電効果を得られます。
また、非常時のバックアップ電源としても活用できるため、災害対策を重視する方にもおすすめの装置です。
節電グッズを利用する
以下のような節電グッズも利用しましょう。
- センサー付きライト
- 冷蔵庫カーテン
- 電源タップ
- 遮熱カーテン
- 断熱フィルム
- サーキュレーター など
<節電グッズの例>
節電グッズにより節約できる光熱費は限られますが、そのほかの節電対策と併せてグッズを活用することで、着実に光熱費を節約できます。
オール電化の家電ごとの節約術
オール電化で活用する家電ごとの節約術も詳しくご紹介します。
- エコキュートの節約術
- IHクッキングヒーターの節約術
- 床暖房の節約術
- 蓄熱暖房器の節約術
<オール電化の家電ごとの節約術>
それぞれのポイントを確認して、電気代を節約しましょう。
エコキュートの節約術
エコキュートは、オール電化における主要設備のひとつです。以下のような節約術を活用することにより、電気代を大幅に抑えられる可能性があります。
- 季節ごとにモードを切り替える
- 昼間沸き上げはできるだけ使わないようにする
- ピークカット設定を行う
- 追い炊きよりも高温足し湯を優先する
- 不在時は休止モードを利用する
<エコキュートの節約術>
電気代が高い昼間の稼働を抑えることがポイントです。搭載されている機能やモードを上手に活用しながら、節約しましょう。
IHクッキングヒーターの節約術
IHクッキングヒーターも、日常的に使用する家電のひとつです。先ほどの表でもご紹介したとおり、火力が高いほど消費電力も高くなることに注意しましょう。保温調理をしたり、圧力鍋を使って料理時間を短縮したりといった節約術が有効です。
床暖房の節約術
床暖房の種類は「電気ヒーター」と、エコキュートによる「温水式」の2つです。どちらも、夜間に蓄えた水を日中に使用して室内を暖める仕組みのため、日中にお湯を温める頻度を減らして節電しましょう。具体的には、追い炊き機能を極力使わないことが節電のポイントになります。
蓄熱暖房器の節約術
蓄熱暖房機の節約術は、エコキュートと同様です。電気代が安い深夜に蓄熱できるよう設定し、日中の追い炊きはできるだけ避けましょう。
ただし、数日間程度の不在時には、電源を切らずに維持することをおすすめします。熱を失った状態から蓄熱する際に、大量のエネルギーを消費するためです。
まとめ
オール電化の電気代は今後も上昇する見通しですが、ガス併用と比べてランニングコストを抑えられる可能性があります。また、この記事でご紹介した節約術を活用することにより、電気代をさらに節約することも可能です。
特に、電気給湯器からエコキュートに切り替えたり、太陽光発電や蓄電池を導入したりすると、オール電化の電気代を節約しやすくなります。設備の見直しも視野に入れながら、オール電化への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

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