オール電化の冬の電気代はいくら?高くなる理由や節約方法を解説

  • 更新日:2025/02/14

冬の電気代は高くなりやすいため、節電できる方法がないかと悩んでいる方は多いかもしれません。解決策のひとつとして挙げられるのが、ガス併用からオール電化への移行です。

今回は、オール電化での電気代を春夏秋冬に分けてご紹介するほか、オール電化で冬の電気代が高くなる理由もお伝えします。電気代の節約方法にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

オール電化での冬の電気代はいくら?

オール電化の平均的な料金は、公的なデータが公表されていないため、明確にはお伝えできません。ただし、総務省統計局は家計調査で、季節ごとの平均的な電気代を公表しています。

【冬(1月~3月)の平均的な電気料金】
電気代
一人暮らし 9,340円
二人以上の世帯 17,723円

※総務省統計局「1世帯当たり1か月間の収入と支出(2023年)」

そのほかの季節についても同様のデータをご紹介しますが、季節ごとの平均的な電気料金がもっとも高いのは、1月~3月にかけての冬の時期です。

一人暮らしでも9,000円以上、二人暮らし以上の世帯では17,000円を超える電気代がかかっています。

オール電化での春の電気代

冬の電気代と同様に、総務省統計局の家計調査から電気代の平均額をご紹介します。

【春(4月~6月)の平均的な電気料金】
電気代
一人暮らし 5,486円
二人以上の世帯 11,354円

※総務省統計局「1世帯当たり1か月間の収入と支出(2023年)」

冬の時期とは一転し、電気代の平均額は大幅に安くなります。

オール電化での夏の電気代

続いて、夏(7月~9月)の電気代を、一人暮らしと二人以上の世帯で分けて見てみましょう。

【夏(7月~9月)の平均的な電気料金】
電気代
一人暮らし 5,842円
二人以上の世帯 9,885円

※総務省統計局「1世帯当たり1か月間の収入と支出(2023年)」

冬ほどの電気料金ではありませんが、春の時期と比べると、一人暮らしの電気代はあがる傾向にあります。一方、二人以上の世帯については、春よりも安いという結果でした。

オール電化での秋の電気代

続いて、秋(10月~12月)の電気代を、総務省統計局の家計調査からご紹介します。

【秋(10月~12月)の平均的な電気料金】
電気代
一人暮らし 5,833円
二人以上の世帯 10,099円

※総務省統計局「1世帯当たり1か月間の収入と支出(2023年)」

秋の電気代は、夏と比較して、一人暮らし・二人以上の世帯いずれも大差がありません。春夏秋冬の電気料金を比較すると、冬の電気代が突出して高いことがわかります。

冬の時期をいかにして節電して過ごすかが、年間の電気代を安く抑えるためのポイントといえるでしょう。

オール電化で冬の電気代が高くなる理由

オール電化とは、室内のエネルギーをすべて電力で賄うシステムです。先ほどの料金比較は、オール電化だけでなく、ガス併用住宅も含めた統計結果ですが、オール電化でも冬の電気代が高くなる傾向にあることは変わりません。

オール電化で冬の電気代が高くなる理由は、次のとおりです。

    <オール電化で冬の電気代が高くなる理由>

  • エコキュートの効率が悪くなるから
  • 暖房器具をよく使うから
  • シャワーやお湯を多く使うから
  • 洗濯機や電子レンジを使う回数が増えるから
  • 在宅時間が長くなるから

それぞれのポイントを解説します。

エコキュートの効率が悪くなるから

オール電化では、給湯システムとしてエコキュートを導入することが一般的です。給湯器には電気温水器もありますが、空気中の熱を利用してお湯を温めるエコキュートは、より高い節電効果を得られます。

しかし、エコキュートは、外気から取り込んだ空気を電気エネルギーで圧縮して水を温めるシステムなので、外気温が低ければ低いほど、熱を電力から作り出すようになります。冬のエコキュートはエネルギー効率が下がるため、電気代が高くなりやすいのです。

暖房器具をよく使うから

冬は、エアコンや電気ストーブ、ホットカーペットといった暖房器具をよく使う季節です。発熱する家電製品は消費電力が大きくなりがちなため、暖房器具をよく使うシーズンは電気代が高くなります。

エアコンは、冷房よりも暖房のほうが消費エネルギーが多くなります。そのため、エアコンの稼働時間が夏と同じだとしても、冬の電気代は割高になりがちです。

シャワーやお湯を多く使うから

冬は、それ以外の季節と比べて、寒さをしのぐために熱いお湯を使う機会が増えるでしょう。シャワーや浴槽の温度をあげたり、調理中の食器洗いや手洗いにお湯を使ったりする回数も増えます。結果として、給湯器の稼働時間が長くなり、消費電力が増えてしまいます。

洗濯機や電子レンジを使う回数が増えるから

冬は洗濯物を干しても乾きにくいため、洗濯機の乾燥機能を使う機会も増えます。乾燥機は、ヒーターやヒートポンプを使って温めた風を使うため、多くのエネルギーを消費しやすいです。

また、温かい料理を用意するために、電子レンジやオーブンを使う機会も増えるのではないでしょうか。高温で稼働する家電は消費電力が大きく、全体の電気代を大幅に増加させてしまいます。

在宅時間が長くなるから

在宅時間が長くなることも、オール電化の電気代が増える原因のひとつです。寒さが厳しい冬の時期は、外出を控えて、自宅で過ごす時間が長くなることが多くなります。結果的に、テレビやPC、暖房器具の使用頻度が増え、電力消費量が高くなるのです。

オール電化で冬の電気代を抑える節約方法

先述した理由により、オール電化でも冬の電気代は高くなりがちです。しかし、電気代を抑える節約方法を知っておくと、冬の光熱費を抑えやすくなります。

    <オール電化で冬の電気代を抑える節約方法>

  • エアコンを上手に使う
  • エコキュートの運転で節約する
  • 料金プランを見直す
  • 部屋の断熱性をあげる

とくにエコキュートの運転には、工夫すると良いポイントが多く、オール電化で冬の電気代を抑えるための鍵を握る存在といえます。それぞれのポイントを細かく確認していきましょう。

エアコンを上手に使う

冬に使う機会が増える家電のなかで、とくにエネルギーを消費しやすいのはエアコンです。エアコンの使い方を工夫すると、電気代を大幅に削減できる可能性があります。

資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、エアコンの設定温度を21℃から20℃にした場合、1日9時間の稼働で約1,650円の節約につながるといいます。そのほかにも、以下のような工夫をすると、エアコンにかかる電気代を抑えやすいです。

    <エアコンを上手に使う方法>

  • ドアや窓の開閉を少なくする
  • 厚手のカーテンや、床まで届く長さのカーテンを使う
  • サーキュレーターを使って暖かい空気を循環させる

エコキュートの運転で節約する

エコキュートの使い方を見直すことも、冬の節電対策として効果的です。エコキュートの節約方法は3つあります。

    <エコキュートの節約方法>

  • おまかせモードに設定
  • 追い炊きではなく「足し湯」
  • 旅行中は休止モードに設定

それぞれのポイントを確認し、できる範囲のことから試してみましょう。

おまかせモードに設定

エコキュートにはいくつかの運転モードがあり、冬は「おまかせモード」に設定するのがおすすめです。おまかせモードとは、必要な湯量をエコキュートが自動的に沸かすモードで、適切な消費電力でお湯を使えるようになります。

おまかせモードの注意点は、エコキュートのタンク内のお湯が不足すると、電気代が高い昼間にお湯を沸かしてしまうことです。

設定湯量は自分で調整できるため、1日あたりに使う湯量を計算しておき、タンク内のお湯を使い切らないようにしましょう。

追い炊きではなく「足し湯」

冬は浴槽に張ったお湯の温度が下がりやすく、家族でお風呂に入る場合は、お湯を温め直さなければなりません。その場合の方法は「追い炊き」と「足し湯」の2種類ですが、節約のためには足し湯がおすすめです。

追い炊き機能を利用する場合は、エコキュートが新しくお湯を沸かし直さなければならないため、電力を消費しやすくなります。

一方の足し湯は、タンク内にある高温のお湯を追加する機能のため、無駄な電力消費が生まれません。

旅行中は休止モードに設定

旅行や出張などで長期間留守にする場合は、エコキュートの運転モードを「休止モード」に設定しましょう。休止モードに設定している間は、エコキュートが湯沸かしを行わないため、電力消費を最小限に抑えられます。

冬は年末年始に家を留守にする機会が増えがちですが、真冬の時期は夜間の気温が低くなるため、1度の湯沸かしにも大量のエネルギーを消費します。お出かけの前は運転モードをチェックして、休止モードに設定できているかを確認しましょう.

料金プランを見直す

従来の料金プランを契約したままオール電化に切り替えても、十分な節電効果を見込めません。

エコキュートの特徴は、夜間に沸かした電気を昼間に利用できることです。夜間の電気代が割安に設定されている「オール電化向けプラン」を契約しましょう。

また、電力自由化により、東京電力や関西電力といった大手電力会社以外の新電力とも、自由に契約ができるようになりました。

各社がそれぞれ特徴の異なる料金プランを用意しているため、定期的に契約する電力会社や料金プランを見直して、お得な料金プランを選びましょう。

部屋の断熱性をあげる

部屋の断熱性をあげると、冬の冷たい冷気が室内に入りにくくなるほか、暖房器具で温めた室温が外部に流出しにくくなります。

住宅全体のリフォームを計画している場合は、断熱性を重視したリフォームを取り入れると良いでしょう。

大規模なリフォームをしなくても「厚手のカーテンに買い替える」「断熱シートを貼る」といった簡単な対策やDIYでも、断熱性があがります。

断熱性が高い家は、冬だけでなく夏の消費電力も抑えやすくなるため、1年をとおして高い節電効果が期待できるでしょう。

冬によくエコキュートのトラブルが起きる理由

冬のエコキュートは、以下のようなトラブルが起こりがちです。

【冬のエコキュートで起こりがちなトラブル】
トラブルの内容 問題点
配管が凍結する 配管が詰まり、お湯が出なくなる場合がある
ヒートポンプユニットに霜がつく 空気熱交換機が目詰まりし、湯量が不足しやすくなる

配管が凍結するのは、気温が0℃を下回ったときに、給湯・給排水管に溜まっている水が凍ることが理由で起こります。

凍結が原因でお湯が出なくなった場合は、配管にぬるま湯をかけて、少しずつ氷を溶かしましょう。熱湯をかけると、急激な温度差が原因で配管の破損・破裂につながるおそれがあるため、要注意です。

霜つきは、ヒートポンプユニットが排出する、空気に含まれる水蒸気が結露することが理由で起こります。

冬は定期的にヒートポンプユニットの背面を確認して、霜がついている場合は取り除きましょう。エコキュートに「霜取りモード」が搭載されている場合は、これを活用するのも効果的です。

まとめ

オール電化住宅においても、冬の電気代は高くなりがちです。その理由としては「エコキュートの効率が悪くなる」「暖房器具をよく使う」「在宅時間が長くなる」といった点が挙げられます。

しかし、オール電化で、冬の電気代を抑える節約方法は多いです。エコキュートの運転を工夫するだけでも一定の効果を見込めるほか、ご家庭に合った料金プランを選ぶことにより、電気代を節約しやすくなります。トラブルへの対処法も確認しながら、冬も賢く、お得な暮らしを実現しましょう。

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<この記事を書いた人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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