オール電化と都市ガスの料金を比較!料金面以外のメリット・デメリットも分かりやすく解説

最近では、都市ガスからオール電化に切り替えるご家庭が増えてきました。オール電化に切り替えるメリットとデメリットには、さまざまな要素があります。どちらを選ぶと料金がお得になるのかは、特に気になるポイントではないでしょうか。
そこで今回は、オール電化と都市ガスの料金を、給湯器とコンロの双方で比較します。また、料金比較だけではなく、オール電化のメリット・デメリットも詳しくまとめています。
この記事を参考にして、オール電化に切り替えるか、それとも都市ガスを利用するかを検討してみてください。
オール電化と都市ガスの料金を比較!
まずは、オール電化と都市ガスの料金を世帯人数ごとに比較します。
【オール電化と都市ガスの料金比較表】
2人暮らし | 3人暮らし | 4人暮らし | |
---|---|---|---|
オール電化(東京電力 スマートライフS) | ガス代:0円 電気代:9,028円 合計:9,028円 |
ガス代:0円 電気代:9,958円 合計:9,958円 |
ガス代:0円 電気代:10,889円 合計:10,889円 |
都市ガス | ガス代:4,971円 電気代:10,940円 合計:15,911円 |
ガス代:5,591円 電気代:12,811円 合計:18,402円 |
ガス代:5,284円 電気代:13,532円 合計:18,816円 |
※都市ガスの料金は2023年度の「家計調査 家計収支編」を参照
東京電力と東京ガスの料金を比較すると、オール電化のほうが大幅に安いことが分かります。
2022年以降の電気代は高騰していますが、オール電化では夜間の電気代が割引されるため、ランニングコストを抑えることが可能です。ここからは、給湯器とコンロでの料金をさらに比較します。
給湯器での比較
給湯器の料金を世帯人数ごとに比較してみましょう。すべて地域ごとの大手電力・ガス会社との比較です。
【給湯器での比較】
エリア | 2人暮らし | 3人暮らし | 4人暮らし |
---|---|---|---|
北海道 | 電気:2,600円 ガス:5,403円 |
電気:3,178円 ガス:6,604円 |
電気:3,756円 ガス:7,805円 |
東北 | 電気:2,596円 ガス:5,425円 |
電気:3,173円 ガス:6,631円 |
電気:3,750円 ガス:7,836円 |
東京 | 電気:2,309円 ガス:4,433円 |
電気:2,823円 ガス:5,419円 |
電気:3,336円 ガス:6,404円 |
中部 | 電気:3,450円 ガス:4,581円 |
電気:4,217円 ガス:5,600円 |
電気:4,984円 ガス:6,618円 |
北陸 | 電気:2,289円 ガス:4,434円 |
電気:2,798円 ガス:5,419円 |
電気:3,307円 ガス:6,405円 |
関西 | 電気:1,980円 ガス:4,382円 |
電気:2,420円 ガス:5,356円 |
電気:2,861円 ガス:6,330円 |
四国 | 電気:3,625円 ガス:5,343円 |
電気:4,431円 ガス:6,530円 |
電気:5,236円 ガス:7,718円 |
中国 | 電気:2,465円 ガス:5,938円 |
電気:3,013円 ガス:7,258円 |
電気:3,561円 ガス:8,577円 |
九州 | 電気:1,859円 ガス:6,239円 |
電気:2,272円 ガス:7,625円 |
電気:2,685円 ガス:9,012円 |
沖縄 | 電気:2,154円 ガス:6,358円 |
電気:2,633円 ガス:7,772円 |
電気:3,111円 ガス:9,185円 |
※料金には燃料費調整と再エネ賦課金、原料費調整単価を含みます。基本料金は計算に含めていません。湯量は2人が360L、3人が440L、4人が520Lを想定しています。
いずれもオール電化が割安になることが分かります。
コンロでの比較
コンロの料金をオール電化と都市ガスで比較してみましょう。なお、調理時間は2人暮らしが50分、3人暮らしが60分、4人暮らしが70分を想定しています。
【コンロでの比較】
エリア | 2人暮らし | 3人暮らし | 4人暮らし |
---|---|---|---|
北海道 | 電気:1,603円 ガス:1,678円 |
電気:1,923円 ガス:2,192円 |
電気:2,244円 ガス:2,348円 |
東北 | 電気:1,600円 ガス:1,685円 |
電気:1,920円 ガス:2,201円 |
電気:2,240円 ガス:2,357円 |
東京 | 電気:1,423円 ガス:1,501円 |
電気:1,708円 ガス:1,801円 |
電気:1,870円 ガス:2,101円 |
中部 | 電気:2,127円 ガス:1,423円 |
電気:2,552円 ガス:1,858円 |
電気:2,977円 ガス:1,991円 |
北陸 | 電気:1,411円 ガス:1,377円 |
電気:1,693円 ガス:1,798円 |
電気:1,976円 ガス:1,926円 |
関西 | 電気:1,221円 ガス:1,361円 |
電気:1,465円 ガス:1,777円 |
電気:1,709円 ガス:1,904円 |
四国 | 電気:2,234円 ガス:1,659円 |
電気:2,681円 ガス:2,167円 |
電気:3,128円 ガス:2,321円 |
中国 | 電気:1,519円 ガス:1,844円 |
電気:1,823円 ガス:2,409円 |
電気:2,127円 ガス:2,580円 |
九州 | 電気:1,146円 ガス:1,938円 |
電気:1,375円 ガス:2,531円 |
電気:1,604円 ガス:2,711円 |
沖縄 | 電気:1,328円 ガス:1,975円 |
電気:1,593円 ガス:2,579円 |
電気:1,859円 ガス:2,763円 |
※料金には燃料費調整と再エネ賦課金、原料費調整単価を含みます。基本料金は計算に含めていません。
多くの地域でオール電化の料金がガスの料金を下回っています。IHの方が高いエリアは、中部・北陸・四国のみでした。
オール電化のメリット

オール電化には、以下のようなメリットがあります。
- 都市ガス併用よりも安くなる可能性が高い
- 光熱費の管理がしやすい
- 安全性が高い
- 災害時の復旧が比較的早い
<オール電化のメリット>
料金以外の面でも、都市ガスと比較したメリットが多いため、総合的に比較しながらどちらを選ぶかを検討しましょう。
都市ガス併用よりも安くなる可能性が高い
オール電化に切り替えると、電気と都市ガスを併用する場合と比較して、月々の光熱費が安くなる可能性が高いです。冒頭でご紹介した比較表を、もう1度見てみましょう。
【オール電化と都市ガスの料金比較】
2人暮らし | 3人暮らし | 4人暮らし | |
---|---|---|---|
オール電化(東京電力 スマートライフS) | ガス代:0円 電気代:9,028円 合計:9,028円 |
ガス代:0円 電気代:9,958円 合計:9,958円 |
ガス代:0円 電気代:10,889円 合計:10,889円 |
都市ガス | ガス代:4,971円 電気代:10,940円 合計:15,911円 |
ガス代:5,591円 電気代:12,811円 合計:18,402円 |
ガス代:5,284円 電気代:13,532円 合計:18,816円 |
※都市ガスの料金は2023年度の「家計調査 家計収支編」を参照
家計調査をもとにしたガス代と電気代の合計額と比較して、東京電力のスマートライフSを契約してオール電化に切り替えた場合の合計額は、大幅に安いことが分かります。
ランニングコストを抑えやすいことは、オール電化に切り替えることで得られる、もっとも大きなメリットといえるでしょう。
光熱費の管理がしやすい
ガス代と電気代の請求を一本化できるため、光熱費の管理がしやすいこともメリットです。
別々に支払いをする必要がなく、手間がかかりにくいほか、支払いをうっかり忘れるリスクも少なくなるでしょう。請求書の発行を希望する場合も、発行にかかる手数料を削減できます。
安全性が高い
オール電化では直火を使わないため、ガスと併用する場合と比較して安全性が高いです。
調理中の火災やガス漏れのリスクを減らせるため、高齢者や小さいお子さんと同居しているご家庭も安心でしょう。また、不完全燃焼が原因で起こる一酸化炭素も発生せず、室内の空気が汚れません。
さらに、IHクッキングヒーターは磁力線によって鍋を発熱させるため、キッチンの周りが熱くなりにくいこともメリットです。
夏場は熱気が原因で調理を苦痛に感じがちですが、オール電化に切り替えると、季節を問わず快適に調理しやすくなるでしょう。
災害時の復旧が比較的早い
災害時には、電気・ガス・水道のライフラインがすべて止まる可能性が高いです。ただし、ライフラインのなかでもっとも早く復旧するのは、電気だといわれています。
そのため、オール電化に移行することにより、災害時にいち早く、元どおりの暮らしを送りやすくなるでしょう。
また、エコキュートは、夜間にお湯を沸かして日中に使えるよう備えておける仕組みのため、生活用水として活用できます。
飲料水としては使えませんが、洗濯をしたり、トイレの水を流したりできるため、災害時に役立つことは間違いありません。
オール電化のデメリット
オール電化には多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。
- 初期費用が高額
- 日中の電気料金が割高
- 停電時はほとんどの設備が使えなくなる
- 一部の調理器具が使用できない
- 設置やメンテナンスに手間がかかる
<オール電化のデメリット>
メリットだけでなく、デメリットも確認したうえで、ご自身にとってオール電化が適しているかどうかを判断しましょう。
初期費用が高額
オール電化を導入する際の初期費用は、都市ガスやプロパンガスの給湯器を購入する場合と比較して、高額です。
エコキュートの本体価格は、グレードや大きさによって異なりますが、20万円~30万円が相場となります。
さらに、機器の設置工事費用が20万円~40万円ほどかかるため、合計すると40万円~70万円程度の初期費用がかかるでしょう。
また、IHクッキングヒーターを併せて導入する場合は6、追加で10万円~20万円のお金がかかります。オール電化に切り替える場合、自治体から補助金が給付される場合がありますが、補助金を差し引いても初期費用はガス給湯器よりも高額です。
日中の電気料金が割高
オール電化向けの料金プランは、夜間の電気料金が割安になるケースが多い一方で、日中の電気料金は通常の料金プランと比べて割高です。
そのため、日中に電気を多く使用するご家庭の場合は、オール電化導入後に、むしろ電気料金が高くなる可能性があります。
オール電化による恩恵を受けやすいのは、共働きの世帯など、日中の電気使用量が少ないご家庭です。ご自身やご家庭の生活スタイルと照らし合わせて、オール電化で電気料金が割安になるかどうかを慎重に判断しましょう。
停電時はほとんどの設備が使えなくなる
オール電化は、その名のとおり、室内におけるすべての熱源を電気で賄っています。
そのため、停電が発生した場合は、照明や家電、キッチン、お風呂など、家中のあらゆる設備が機能しなくなるリスクがあることを、理解しておかなければなりません。
エコキュートも電気でお湯を沸かす仕組みのため、水を使えたとしても、水を温めることは不可能です。万一の停電リスクに備えて、カセットコンロやカセットボンベを備蓄する必要があります。
一部の調理器具が使用できない
オール電化によりIHクッキングヒーターを導入する場合、使用できる調理器具は、原則として「IH対応」の調理器具だけです。
そのため、今までに使っていた調理器具を廃棄して、新しくIH対応の調理器具に買い直す必要が生じる可能性があります。
たとえば、アルミ・耐熱ガラス・土鍋などはIHに非対応のため、オール電化への移行後は使えなくなってしまいます。
また調理中は、IHクッキングヒーターの天板に調理器具を密着させる必要があるため、フライパンを振って調理する料理には不向きです。
設置やメンテナンスに手間がかかる
オール電化の設備はサイズが大きく重いため、地盤の状態によっては、設置前の補強工事が必要な可能性があります。
また、エコキュートの寿命は最長で15年ほどといわれていますが、それは適切なメンテナンスを行った場合の寿命です。
たとえば、長期間家を空ける場合は、タンク内の水をすべて抜くなどのメンテナンスが必要なため、これまでにはかからなかった手間がかかります。
都市ガスのメリット・デメリット
都市ガスのメリット・デメリットは、次のとおりです。
【都市ガスのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
都市ガスの場合、夜間の料金割引は適用されませんが、導入時・交換時の初期費用を抑えられます。
停電が発生しても、ガスの供給が続く限り調理ができ、「とろ火」「弱火」などの微妙な火加減も調整しやすく、さまざまな調理法で料理を楽しめるでしょう。
一方で、電気とガスの支払いが別々になるため、管理にやや手間がかかることはデメリットです。また、火災やガス漏れといったトラブルが発生する可能性もあることには、注意しなければなりません。
オール電化と都市ガス併用はどちらがおすすめ?

オール電化と、電気・ガス併用には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。それぞれをおすすめできるケースをまとめたので、どちらがご家庭に適しているかを判断する際に参考にしてみてください。
- オール電化がおすすめのケース
- 都市ガス併用がおすすめのケース
<オール電化と都市ガス併用はどちらがおすすめ?>
それぞれを具体的に見ていきましょう。
オール電化がおすすめのケース
オール電化をおすすめできるのは、次のケースに該当する場合です。
- 夜間に電気を使用することが多い
- 電気とガスの支払いを一本化させて、光熱費を管理しやすくしたい
- 火災などのリスクを減らしたい
- 災害に備えたい
<オール電化がおすすめのケース>
オール電化向けの料金プランは、夜間の料金が割安になるため、夜間に電気を使う機会が多いご家庭に適しています。
ガスを使わないため、火災やガス漏れなどのトラブルが発生しにくいこともオール電化のメリットです。また、災害時にいち早く生活を立て直したい方にも、オール電化をおすすめできます。
都市ガス併用がおすすめのケース
電気と都市ガスの併用がおすすめのケースをご紹介します。
- 初期費用を抑えたい
- 日中は在宅していることが多い
- 停電に備えたい
- メンテナンスの手間をかけたくない
<都市ガス併用がおすすめのケース>
都市ガスは本体価格が安く、IH対応の調理器具に買い直す必要も生じません。そのため、将来的に設備を交換する必要が生じたとしても、初期費用を抑えられます。
日中に電気を使う機会が多いご家庭も、ガス併用を維持すれば、電気料金の値上がりを抑えやすいでしょう。
まとめ
エコキュートと都市ガスのメリット・デメリットは、次のとおりです。
【エコキュートと都市ガスのメリット・デメリット】
エコキュート | 都市ガス | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
オール電化に切り替えると、家計調査による平均的な電気・ガス料金と比較して、月々の料金が安くなる可能性が高いです。
ただし、オール電化にはガス併用とは異なるデメリットもあります。お得に使えるかどうかは、ご家庭ごとの生活スタイルによっても異なるため、オール電化とガス併用のどちらがご自身に合っているのかを慎重に検討しましょう。
オール電化にするなら無料一括見積りがおススメ
オール電化にリフォームしたい方、お得なエコキュートに切り替えたい方は、こちらの一括見積りサービスをご利用ください。
無料で最大3社まで地元施工店をご紹介いたします。弊社が厳選した地元施工店なので、安くて質の高い工事が実現できます。

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!
宜しければSNSでのシェアをお願い致します!
