オール電化の電気代は平均いくら?高くなる原因や節約術、変更するメリットを解説

  • 更新日:2025/02/14

オール電化に切り替えると、ガス併用と比較して電気代が下がるのか気になる方は多いでしょう。

そこで今回は、オール電化の電気代は平均いくらなのか、ガス併用のトータルコストと比較しながらご紹介します。

また、オール電化の電気代が高くなる原因や、節約術についても解説します。オール電化に変更するメリットがあるかどうか、この記事を参考に確認してみましょう。

目次

オール電化の電気代は平均いくら?

オール電化とは、家庭内で使うエネルギーを電力に一元化することを表す言葉です。一般的な住宅では、調理や入浴のエネルギーをガスでまかないますが、オール電化では「エコキュート」と「IHクッキングヒーター」を使って電力でまかないます。まずは、オール電化の電気代に関する概要をご紹介します。

    <オール電化の電気代は平均いくら?>

  • 【世帯人数別】オール電化住宅の電気代の平均額
  • オール電化の電気代は、夏よりも冬のほうが高くなる
  • オール電化とガス併用のトータルコストを比較

それぞれを具体的に見ていきましょう。

【世帯人数別】オール電化住宅の電気代の平均額

まずは世帯人数別に、ガスを併用する一般の住宅と、オール電化住宅の平均的な電気代を比較します。

【一般住宅とオール電化住宅の平均光熱費比較表】
一般住宅 オール電化
電気料金 ガス料金 ほかの光熱費 光熱費合計 電気料金
一人暮らし 5,482円 3,001円 651円 9,134円 10,777円
2人暮らし 9,183円 4,330円 1,311円 14,824円 13,406円
3人暮らし 10,655円 4,930円 1,169円 16,754円 14,835円
4人暮らし~ 11,836円 4,903円 878円 17,617円 16,533円

※一般住宅の料金は「総務省統計局『家計調査 家計収支編 2021年 世帯人数・世帯主の年齢階級別』」より計算しています。
オール電化の電気料金は、関西電力のオール電化プランを利用中の「はぴeみる会員」が使用した、2020年~2021年の年間使用量の平均値です。

一人暮らしの場合はガス併用の一般住宅のほうがお得ですが、2人暮らし以上の家庭では、オール電化のほうが光熱費は割安になります。特に2人暮らしの場合、月々の光熱費が1,919円も安くなる結果でした。

オール電化の電気代は、夏よりも冬のほうが高くなる

暖房や電気ストーブは消費電力が大きいため、オール電化切り替え後は、夏よりも冬の電気代が高くなるケースが多いです。総務省統計局の「家計調査 家計収支編 2023年」より、季節ごとの電気代の平均額を見てみましょう。

【季節ごとの電気代平均額】
季節 一人暮らし 2人以上の世帯
冬(1月~3月) 9,340円 17,723円
春(4月~6月) 5,486円 11,354円
夏(7月~9月) 5,842円 9,885円
秋(10月~12月) 5,833円 10,099円

上記の金額は、ガス併用住宅も含めた電気代の平均額です。しかし、オール電化で利用する「エコキュート」は、タンクにためた水を加熱してお湯を作るため、お湯を作る量が増える冬の時期は電気代が高くなりやすいでしょう。

オール電化とガス併用のトータルコストを比較

オール電化とガス併用のトータルコストを比較すると、初年度の費用は次のようになります。

【オール電化とガス併用のトータルコスト比較表】
オール電化 ガス併用
家族構成 1人 2人 3人 4人 1人 2人 3人 4人
初期費用 40万円~70万円 20万円~30万円
光熱費(1年分) 129,324円 160,872円 178,020円 198,396円 109,608円 177,888円 201,048円 211,404円
トータル 529,324円 560,872円 578,020円 598,396円 309,608円 377,888円 401,048円 411,404円

※トータルの料金は、オール電化の初期費用を40万円、ガス併用の初期費用を20万円として計算

オール電化は、ガス併用と比べて初期費用が高く、トータルコストが高くなりやすいです。ただし、エコキュートの耐用年数は15年とされており、ガス給湯器の耐用年数10年よりも長持ちします。

また、4人家族の年間光熱費を比較すると、オール電化のほうが13,008円もお得です。エコキュートを15年使用した場合、この間の光熱費の差額は195,120円に達するため、初期費用の差額を取り戻せる可能性もあります。

オール電化で電気代が高くなる主な原因

オール電化で電気代が高くなる原因は、主に以下の4つです。

    <オール電化で電気代が高くなる主な原因>

  • 電気代が高い昼間の利用が多い
  • 古い設備や家電を使用している
  • 契約プランや契約アンペア数が適切でない
  • 最近は電気代そのものが上がっている

それぞれを具体的に見ていきましょう。

電気代が高い昼間の利用が多い

オール電化向けのプランは、昼間の電気代が割高に設定されています。そのため、夜間よりも昼間に電気を利用する機会が多い場合、オール電化移行後の電気代が高くなりやすいです。

古い設備や家電を使用している

古い設備や家電は、省エネ性能が劣ります。新しい設備・家電と比較すると、同じ使用量だとしても、電気代が割高になる可能性が高いです。

契約プランや契約アンペア数が適切でない

オール電化向け以外のプランを契約すると、夜間料金の割引を適用できずに、電気代が高くなる場合が多いです。また、基本料金は契約アンペア数によって変わるため、必要以上に大きなアンペア数を契約しないようにしましょう。

最近は電気代そのものが上がっている

電気代は「基本料金」と「電力量料金」に加えて、「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」を合計して計算します。最近は、燃料費調整額と再エネ賦課金が高騰しており、個人でできる節約には限界があることも事実です。

オール電化住宅の電気代を抑える方法

オール電化住宅の電気代を抑える方法は、以下の7つです。今すぐにできるものもあるため、できることから試してみましょう。

    <オール電化住宅の電気代を抑える方法>

  • 電力会社や料金プランを見直す
  • 電気代が安い夜間をメインに使う
  • お湯やエアコンの設定温度を一定にする
  • 家族の生活スタイルを合わせる
  • 節電グッズを活用する
  • 省エネ家電に買い替える
  • 太陽光発電や蓄電池を導入する

一つずつ解説します

電力会社や料金プランを見直す

契約する電力会社や料金プランによって、基本料金や電力量料金が異なります。オール電化向けの料金プランを選ぶことを前提に、電力会社の変更も検討しましょう。

電力自由化に伴い発足した「新電力」は、東京電力や関西電力といった大手電力会社よりも、割安な料金プランを提供している場合があります。

電気代が安い夜間をメインに使う

オール電化向けの料金プランは、昼間と比べて夜間が割安に設定されています。大手電力会社の料金を比較してみましょう。

【大手電力会社10社の時間帯別電力量料金】
電力会社 夜間料金 日中料金
北海道電力 28円99銭 37円93銭
東北電力 29円86銭 36円86銭
東京電力 27円86銭 35円76銭
中部電力(平日) 16円52銭 38円80銭
北陸電力 26円98銭 39円87銭
関西電力 15円37銭 26円24銭
四国電力 30円40銭 40円02銭
中国電力 30円35銭 44円40銭
九州電力 14円59銭 24円74銭
沖縄電力 29円66銭 53円92銭

洗い物や洗濯、入浴、調理の時間を夜間にずらすと、電気代を抑えやすくなります。

お湯やエアコンの設定温度を一定にする

お湯は設定温度が高いほど消費エネルギーが増え、電気代が高くなるため要注意です。エアコンに関しても、夏は設定温度を1度下げると13%、冬は1度上げると10%の消費電力を削減できます。設定温度を一定にすると、電力を無駄に消費しにくくなるでしょう。

家族の生活スタイルを合わせる

家族の生活スタイルが異なると、電化製品が稼働する時間が長くなりやすいです。例えば、入浴時間を極力合わせると、追い炊きや足し湯をせずに済むため、電気代を節約しやすいでしょう。

食事の時間を合わせるだけでも、電子レンジを使って温め直したり、炊飯ジャーを保温したりして、電力を消費することがなくなります。

節電グッズを活用する

節電グッズを活用すると、電気代を大幅に抑えられる可能性があります。代表的な節電グッズと期待できる効果をご紹介します。

【節電グッズの一例】
節電グッズ 特徴
LED照明 蛍光灯と比較して寿命が長く、電気代も安い
冷蔵庫カーテン 冷蔵庫内の冷気を閉じ込められるため、設定温度を下げられる
節電タップ スイッチを押すだけで、コンセントを抜かなくても待機電力を削減できる
遮光カーテン 外気温が室温に影響しにくくなり、冷暖房の必要性を下げられる

省エネ家電に買い替える

省エネ家電への買い替えも検討しましょう。最新の家電に切り替えると、年間数千円~数万円の節約につながる可能性があります。

先述したように、蛍光灯からLED照明に交換することも効果的で、これだけでも年間2,000円~3,000円を節約できるでしょう。

太陽光発電や蓄電池を導入する

太陽光発電を導入すると、日中の電気代が高い時間帯は自家発電で電力をまかなえることに加えて、余った電力を売ると利益を得られます。発電した電力をためておける蓄電池も、オール電化住宅と相性が良い設備です。

世帯人数別に考える、オール電化住宅での電気代の節約術

オール電化住宅で有効な節約術は、世帯人数によっても異なります。一人暮らしの方と、2人以上の世帯の方におすすめの節約術をご紹介します。

    <世帯人数別に考える、オール電化住宅での電気代の節約術>

  • 一人暮らしにおすすめの節約術
  • 2人以上の世帯におすすめの節約術

それぞれを具体的に見ていきましょう。

一人暮らしにおすすめの節約術

一人暮らしの方は、以下の方法で節約をすると、電気代の平均を引き下げやすいでしょう。

    <一人暮らしにおすすめの節約術>

  • 電気代が安い夜間に調理や入浴を行う
  • 契約アンペア数を10A~20Aなど少なくして基本料金を抑える
  • 「スマート家電」を含む省エネ家電に切り替える
  • 電力会社の見直しを行う

一人暮らしの方の場合、同時に使用する電力量が少ない場合が多いため、契約アンペア数を引き下げることをおすすめします。また、電気代が安い時間帯に、まとめて家事を行うなどの工夫も有効です。

2人以上の世帯におすすめの節約術

2人以上の世帯の方には、以下の節約術がおすすめです。

    <2人以上の世帯におすすめの節約術>

  • 使用量に合った契約アンペア数に変更する
  • 電力会社の見直しを行う
  • 夫婦やカップルは生活スタイルを極力合わせる
  • 子どものお弁当は深夜に作り置きする
  • 子どもと一緒に入浴する
  • 太陽光パネルや蓄電池を購入する
  • 家の断熱性能を高める

これらの対策を施すことにより、月々の電気代の平均額を抑えやすくなるでしょう。

オール電化に変更するメリット

ガス併用からオール電化に変更するメリットは、大きく次の4つです。

    <オール電化に変更するメリット>

  • 光熱費が一元化され、家計管理がしやすくなる
  • 夜間の電気代が安くなる
  • 災害リスクが低減される
  • 掃除が楽になる

それぞれを具体的に見ていきましょう。

光熱費が一元化され、家計管理がしやすくなる

オール電化にすると、電気代とガスの支払いを一元化できます。光熱費をまとめられるため、家計管理がしやすくなることに加えて、ガスの基本料金を支払わずに済むため、節約しやすくなることもメリットです。

夜間の電気代が安くなる

オール電化向けの料金プランは、夜間の電力量料金が安く設定されています。夜型の生活をしている方の場合、よりメリットを感じやすいでしょう。

災害リスクが低減される

オール電化ではガスを使わないため、火災やガス漏れのリスクが低いこともメリットです。また、災害時にはガスよりも電気のほうが早く復旧することが多く、万一の被災後も日常の生活を取り戻しやすくなります。

掃除が楽になる

IHクッキングヒーターは、ガスコンロと比べて掃除しやすいことがメリットです。構造が平面のため、分解する必要がなく、サッと拭くだけでもお手入れが完了します。

オール電化住宅の注意点

オール電化住宅の注意点は、次のとおりです。

    <オール電化住宅の注意点>

  • 昼間の電気代は割高になる
  • IH対応の調理器具以外は使用できない
  • 停電するとすべてのライフラインが止まる

昼間に電気を使う機会が多い家庭の場合、ガス併用時よりも光熱費が高くなる可能性があります。

土鍋など一部の調理器具は、IHでは使用できません。また、停電時にはすべてのライフラインがストップすることも、注意点として頭に入れておきましょう。

まとめ

平均的な光熱費を比較すると、オール電化への移行後は、2人暮らし以上の電気代が安くなる可能性が高いです。ただし、オール電化は初期費用が高いため、トータルコストで比較すると、ガス併用のほうが割安といえます。

電力会社や料金プランを見直したり、節電グッズを利用したりすることが、オール電化住宅の電気代を安く抑えるコツです。

また、オール電化には「災害リスクが軽減される」「光熱費を一元化できる」といった費用以外のメリットも多いため、総合的なメリット・デメリットを比較して、オール電化移行を検討しましょう。

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<この記事を書いた人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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