エコキュートと都市ガスはどちらが安い?料金面以外のメリット・デメリットも解説

エコキュートに切り替えて、オール電化に移行しようと検討している方が気になるのは、都市ガスとの料金差ではないでしょうか。
今回は、エコキュートと都市ガスのどちらが安いのか、新電力の料金も用いながらご紹介します。また、料金面以外のメリット・デメリットもお伝えするため、切り替えの有無を決める際の参考にしてみてください。
エコキュートと都市ガスの料金を比較!
まずは、エコキュートと都市ガスの料金を比較してみましょう。料金は、3つの項目に分類できます。
- 初期費用の比較
- ランニングコストの比較
- 光熱費の比較
<エコキュートと都市ガスの料金を比較!>
光熱費の比較では、2人~6人までの世帯人数ごとに料金を比較します。
初期費用の比較
初期費用は「本体価格+工事費用」です。以下の比較表を見ると一目瞭然ですが、初期費用はガス給湯器が圧倒的にお得といえます。
【初期費用の比較】
エコキュート | 約40万円~60万円(本体価格20万円~25万円+工事費20万円~30万円) |
---|---|
ガス給湯器 | 約10万円(本体価格4万円~10万円+工事費6万円) |
エコキュートは安価な商品でも、本体価格が20万円前後におよぶケースが多く、ガス給湯器と比べて高価です。
工事費もエコキュートのほうが高いため、初期費用を抑えることを優先したい場合は、ガス給湯器を選ぶことをおすすめします。
ランニングコストの比較
続いて、ランニングコストを比較します。なお、前提条件は次のとおりです。
【前提条件】
使用湯量(L) | 440 |
---|---|
水道水温度(℃) | 15 |
希望供給温度(℃) | 40 |
エコキュートタンク内水温(℃) | 90 |
エコキュート加熱能力(kW) | 4.5 |
エコキュート消費電力(kW) | 1.53 |
ガス給湯器号数 | 20 |
給湯ガス消費量(kcal/h) | 32,300 |
10社の料金を比較してみましょう。
【ランニングコストの比較】
エリア | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 四国 | 中国 | 九州 | 沖縄 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
電気 | 3,179円 | 3,174円 | 2,823円 | 4,218円 | 2,799円 | 2,421円 | 4,443円 | 3,013円 | 2,273円 | 2,633円 |
ガス | 6,604円 | 6,631円 | 5,419円 | 5,091円 | 5,419円 | 5,356円 | 6,530円 | 7,258円 | 7,625円 | 7,772円 |
※すべて燃料費調整単価、再エネ賦課金、原料費調整単価を含みます。基本料金は計算に含めていません。
ランニングコストで比較すると、オール電化のほうが大幅に割安になることが分かります。
光熱費の比較
続いて、世帯人数ごとの光熱費を比較します。2人~6人までの使用湯量ごとに、各電力会社とガス会社の料金を比較してみましょう。
なお、使用湯量は2人が360L、4人が520L、6人が680Lで計算しています。
【世帯人数ごとに見た光熱費の比較】
エリア | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 四国 | 中国 | 九州 | 沖縄 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2人 | 電気:2,600円 ガス:5,403円 |
電気:2,596円 ガス:5,425円 |
電気:2,309円 ガス:4,433円 |
電気:3,450円 ガス:4,581円 |
電気:2,289円 ガス:4,434円 |
電気:1,980円 ガス:4,382円 |
電気:3,625円 ガス:5,343円 |
電気:2,465円 ガス:5,938円 |
電気:1,859円 ガス:6,239円 |
電気:2,154円 ガス:6,358円 |
4人 | 電気:3,756円 ガス:7,805円 |
電気:3,750円 ガス:7,836円 |
電気:3,336円 ガス:6,404円 |
電気:4,984円 ガス:6,618円 |
電気:3,307円 ガス:6,405円 |
電気:2,861円 ガス:6,330円 |
電気:5,236円 ガス:7,718円 |
電気:3,561円 ガス:8,577円 |
電気:2,685円 ガス:9,012円 |
電気:3,111円 ガス:9,185円 |
6人 | 電気:4,912円 ガス:10,207円 |
電気:4,904円 ガス: 10,248円 |
電気:4,363円 ガス:8,374円 |
電気:6,517円 ガス:8,655円 |
電気:4,324円 ガス:8,376円 |
電気:3,741円 ガス:8,278円 |
電気:6,848円 ガス:10,093円 |
電気:4,656円 ガス:11,217円 |
電気:3,512円 ガス:11,786円 |
電気:4,069円 ガス:12,011円 |
人数が多ければ多いほど、エコキュートに切り替えたほうがお得なことが分かります。
エコキュートに切り替えてオール電化にするメリット
現在の電力・ガスの併用から、エコキュートに切り替えてオール電化にするメリットは、次のとおりです。
- 契約がシンプルになり、光熱費を管理しやすくなる
- 割引の適用で光熱費を抑えられる
- 安全性が高まる
- 省エネになる
<エコキュートに切り替えてオール電化にするメリット>
コスト面以外のメリットも多いため、エコキュートの魅力を確認しておきましょう。
契約がシンプルになり、光熱費が管理しやすくなる
エコキュートに切り替えてオール電化にすると、電力とガスの料金請求を一本化できるため、光熱費を管理しやすくなることがメリットです。
電力会社とガス会社を併用する場合は、それぞれの会社と別々に契約を結ぶ必要があります。
結果として、引き落としのタイミングが違ったり、家計簿をつける手間がかかったりすることがデメリットです。しかし、オール電化に切り替えることにより、そのような手間はかかりません。
割引の適用で光熱費を抑えられる
エコキュートを導入すると、時間帯別の電気料金プランに加入できるため、割引を適用して光熱費を抑えることが可能です。
たとえば、夜間の料金が安くなるプランに加入すると、共働きで日中は部屋を空ける機会が多い方の電気料金が、さらにお得になるでしょう。
安全性が高まる
エコキュートの導入によりオール電化に切り替えると、ガスを使わなくなるため、やけどや火災といった重大なトラブルのリスクが大幅に下がります。
特にお年寄りや小さなお子さんと同居しているご家庭にとって、安全性が高まることは大きなメリットでしょう。
省エネになる
エコキュートは、大気中の熱を利用してお湯を作る仕組みのため、省エネにつながることもメリットです。
ガス給湯器のように、燃料を燃やさずにお湯を沸かせるため、二酸化炭素も排出しません。火力発電におけるCO2排出量を計算に含めても、ガス給湯器と比較したCO2排出量は、およそ半分以下です。
エコキュートに切り替えてオール電化にするデメリット

エコキュートに切り替えて、オール電化にするデメリットは次の3つです。
- 初期費用が高額になる
- 昼間は光熱費が割高になる
- 停電時に使用できなくなる
<エコキュートに切り替えてオール電化にするデメリット>
メリットと併せて確認しながら、エコキュートの導入がご家庭に合っているのかを検討しましょう。
初期費用が高額になる
先述したとおり、エコキュートを導入する際にかかる費用は、ガス給湯器と比較して高額です。そのため、本体の購入や工事費の目安として、約40万円~60万円の費用を用意しなければなりません。
ただし自治体によっては、エコキュートを導入するご家庭に支払われる、補助金制度を利用できる可能性があります。
補助金の相場は、1万円~5万円です。エコキュートの導入を検討する場合は、お住まいの自治体で補助金制度を実施しているか確認しておきましょう。
昼間は光熱費が割高になる
オール電化に適した料金プランを契約する場合、夜間と比べて昼間の電気代が高くなる場合が多いです。一例として、東京電力の「スマートライフS」プランの料金をご紹介します。
【東京電力(スマートライフS)の時間帯別料金】
時間帯 | 電力量料金(1kWh) |
---|---|
午前6時~翌1時 | 27.86円 |
午前1時~午前6時 | 35.76円 |
日中に電気を使うことが多く、夜間は早めに就寝するご家庭の場合、契約する料金プランによっては光熱費が割高になる可能性があるため、注意しましょう。
停電時に使用できなくなる
エコキュートでオール電化に切り替えると、停電が発生した場合、何もできなくなることには注意しなければなりません。
照明や家電などもともと電力で稼働していたものはもちろん、調理ができなくなったり、お風呂を沸かせなくなったりすることも、停電時特有のデメリットです。
都市ガスを維持するメリット・デメリット
都市ガスの契約を維持するメリット・デメリットは、次のとおりです。
【都市ガスを維持するメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
都市ガスの場合、エコキュートと比較して導入時・交換時の初期費用を抑えられるほか、生活スタイルによって月々の料金が変動することもありません。また、停電が発生したとしても、ガスの供給が続いている限り、調理などをそのまま続けられます。
一方で、火力を使うため、火災やガス漏れなどが発生するリスクがあることはデメリットです。
電気とガスの契約が二重になるため、一本化できるオール電化と比べると、光熱費も管理しにくいでしょう。また、時間帯別の電気料金割引も適用できず、生活スタイルによっては損をする場合もあります。
エコキュートと都市ガスはどちらがおすすめ?

エコキュートと都市ガスのメリット・デメリットを把握したうえで、どちらがご自宅に適しているのか判断できない方に向けて、それぞれをおすすめできるケースをご紹介します。
- エコキュートがおすすめのケース
- 都市ガスがおすすめのケース
<エコキュートと都市ガスはどちらがおすすめ?>
それぞれを具体的に見ていきましょう。
エコキュートがおすすめのケース
エコキュートがおすすめのケースは、以下に該当する場合です。
- 契約をシンプルにして、光熱費を管理しやすくしたい
- 安全性を高めたい
- 省エネ性や地球環境を意識した契約を結びたい
- 夜間に電気を使う機会が多い
- 初期費用よりもランニングコストを削減したい
<エコキュートがおすすめのケース>
都市ガスと比較して初期費用がかさみますが、ランニングコストを抑えやすいことがエコキュートのメリットです。
特に夜間に電気を使う機会が多いご家庭は、光熱費を節約しやすいでしょう。また、安全性を高めやすいことや、省エネ性・地球環境に配慮した契約ができることも、エコキュートの魅力です。
都市ガスがおすすめのケース
都市ガスをおすすめできるのは、以下に該当する場合です。
- ランニングコストよりも初期費用を削減したい
- 日中に電気を使う機会が多い
- 停電時の利便性を高めたい
<都市ガスがおすすめのケース>
都市ガスは、エコキュートと比べて初期費用を抑えられるため、新築時やリフォーム時のコストを削減したい場合におすすめできます。
エコキュートでは割高になる日中に電気を使う機会が多い場合や、停電時の利便性も想定する場合も、都市ガスの利用がおすすめです。
エコキュートへの交換費用
エコキュートへの交換費用は、給湯設備に応じて大きく異なります。目安としての相場は、次のとおりです。
【エコキュートへの交換費用の目安】
ガス給湯器からエコキュートへの交換 | 50万円~100万円 |
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電気温水器からエコキュートへの交換 | 40万円~80万円 |
エコキュートからエコキュートへの交換 | 30万円~70万円 |
ガス給湯器からエコキュートに交換する場合は、ガス配管の撤去や電気配管の設置が必要です。そのため、そのほかの交換と比較すると、費用が高額になる場合が多いでしょう。
エコキュートは都市ガスと併用することもできる!
エコキュートは、都市ガスと併用することも可能であり、必ずしもオール電化にする必要はありません。
たとえば「停電したときも最低限の調理ができる状態を維持したい」「ガスコンロを使った調理にこだわりたい」という方も多いでしょう。
その場合は、エコキュートと都市ガスを併用することにより、理想の生活スタイルを維持しながら、光熱費を引き下げられる可能性があります。
まとめ
エコキュートと都市ガスを比較すると、初期費用では都市ガスが、ランニングコストではエコキュートがお得になる可能性が高いです。
エコキュートと都市ガスには、以下のようなメリット・デメリットがあるため、どちらがご家庭に適しているかを検討しましょう。
【エコキュートと都市ガスのメリット・デメリット】
エコキュート | 都市ガス | |
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メリット |
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デメリット |
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また、エコキュートは都市ガスと併用することも可能です。調理はガスコンロにこだわりたい場合や、停電時も想定したうえでどちらを選ぶか決めたい場合は、併用も選択肢に加えることをおすすめします。
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