IHとガスコンロはどちらが安い?料金面以外のメリット・デメリット、節約術も解説します

  • 更新日:2025/02/14

リフォームや引っ越しの際に、IHクッキングヒーターとガスコンロのどちらを選ぶべきか、悩んでいる方が多いかもしれません。

IHとガスコンロを比較するときは、料金面以外のメリットやデメリットにも注目するべきです。

今回は、IHとガスコンロを細かく比較して、それぞれをおすすめできるケースもご紹介します。

目次

IHクッキングヒーターとガスコンロの料金を比較!

IHとガスコンロを比較するとき、特に気になるポイントとなるのが料金ではないでしょうか。

まずは、IHと都市ガス・プロパンガスの料金相場を比較してみましょう。

    <IHクッキングヒーターとガスコンロの料金を比較>

  • IHとガスコンロ(都市ガス)の料金比較
  • IHとガスコンロ(プロパンガス)の料金比較

IHとガスコンロ(都市ガス)の料金比較

IHとガスコンロ(都市ガス)の料金を比較します。

【IHとガスコンロ(都市ガス)の料金比較表】
調理時間(1日) 20分 40分 60分
IH 22.01円 44.02円 66.03円
都市ガス 19.45円 38.90円 58.35円

※IHは「東京電力(スマートライフS)」の夜間料金、都市ガスは「東京ガス(都市ガスプラン)」の場合です。

IHには燃料調整費と再生可能エネルギー発電促進賦課金を含みます。いずれも基本料金を含まずに計算しています。

調理だけにかかる料金を比較すると、IHよりも都市ガスのほうが割安です。

IHには料金面以外のメリットもあるため、メリットを魅力的に感じられた場合はIHへの切り替えを検討すると良いでしょう。

また、IHの電気代節約術も後述するため、参考にしていただけますと幸いです。

IHとガスコンロ(プロパンガス)の料金比較

続いて、IHとプロパンガスの料金を比較してみましょう。

【IHとガスコンロ(プロパンガス)の料金比較表】
調理時間(1日) 20分 40分 60分
IH 22.01円 44.02円 66.03円
プロパンガス 33.46円 66.92円 100.38円

※IHは「東京電力(スマートライフS)」の夜間料金、プロパンガスは関東地方の平均料金です。

IHには燃料調整費と再生可能エネルギー発電促進賦課金を含みます。いずれも基本料金を含まずに計算しています。

プロパンガスを使用する場合は、東京電力を含むIHを使用したほうが、月々の調理にかかる料金がお得です。

料金の安さを重視する場合は、プロパンガスからIHへの切り替えを検討すると良いでしょう。なお、エリア大手10電力会社の夜間従量料金は以下のとおりです。

【エリア大手10電力会社の夜間従量料金比較表(1kWhごと)】
北海道電力 東北電力 東京電力 中部電力 北陸電力 関西電力 四国電力 中国電力 九州電力 沖縄電力
28.99円 29.86円 27.86円 16.52円 26.98円 15.37円 30.40円 30.35円 14.59円 29.66円

先ほど比較した東京電力以外のエリアでも、IHが割安になるでしょう。九州電力や関西電力、中部電力といったエリアでは、特に電気代が安くなる可能性が高いです。

IHクッキングヒーターのメリット

IHとガスコンロのどちらにするかを後悔せず選ぶためには、料金以外の特徴も比較しながら、自分に合った種類を選ぶことが重要です。まずは、IHクッキングヒーターならではのメリットを紹介します。

    <IHクッキングヒーターのメリット>

  • 安全性が高い
  • 楽な姿勢で火力調整ができる
  • 室内に熱がこもりにくい
  • お手入れの手間を省ける

それぞれを具体的に見ていきましょう。

安全性が高い

IHならではの特徴として挙げられるのが、安全性の高さです。火を使わずに加熱できるため、衣類や包装紙に火が移り、やけどや火事などのトラブルに発展するリスクを抑えられます。

高齢者の方など、火の扱いに不安がある方も、IHなら安心できるでしょう。

楽な姿勢で火力調整ができる

立ったままの楽な姿勢で火力調整ができることも、IHならではのメリットです。IHの火力調整や火力の確認は、IH機器の表面にある液晶パネルを操作するだけで行えます。

そのため、ガスコンロのように、かがんで火加減を調整する必要がありません。

室内に熱がこもりにくい

IHでは火を使わないため、キッチンの温度が上がりにくく、室内にも熱がこもりにくいです。真夏に長時間の調理をしても汗をかきにくく、快適に過ごしやすいでしょう。

調理のために冷房を強くする必要もなく、エアコンのコストを抑えられる可能性もあります。

お手入れの手間を省ける

IHはフラットな形状のため、フライパンから材料がこぼれたり、鍋から吹きこぼれたりしたとしても、天板を拭くだけで簡単にお手入れができます。

また、ガスのように上昇気流が発生することもなく、油が飛び散りにくいこともメリットです。

IHクッキングヒーターのデメリット

IHクッキングヒーターのデメリットは、以下の3つです。マイナス要素も確認したうえで、IHとガスコンロのどちらにするかを選びましょう。

    <IHクッキングヒーターのデメリット>

  • 使える調理器具に制限がかかる
  • 火力の微妙な調整がしにくい
  • 時間帯によって電気代が割高になる場合がある

一つずつ解説します。

使える調理器具に制限がかかる

IHクッキングヒーターで使える調理器具は、原則として「IH対応」と書かれているものだけです。

たとえば、鍋底に磁石がつかない多層鍋や土鍋、銅やアルミ製、耐熱ガラス製などの調理器具は使用できない場合があります。

そのため、状況に応じて、IHの導入に合わせて調理器具も買い直さなければなりません。

火力の微妙な調整がしにくい

IHはボタン操作一つで火力を調整できますが、細かな火加減の調整には適していません。

ガスのように火の強弱を目視で確認できないため、たとえば「とろ火」や「弱火」といった微妙なニュアンスの操作が難しい場合があります。

時間帯によって電気代が割高になる場合がある

契約している電気料金のプランによっては、調理をする時間帯によって、電気代が割高になる可能性があります。

電気代は夜間よりも昼間のほうが高い場合が多いため、昼に調理をする機会が多いご家庭の場合、IHに切り替えると電気代が高くなる可能性がある点に注意が必要です。

ガスコンロのメリット

ガスコンロには、以下のようなメリットがあります。IHのメリットとも比較しながら、どちらがご自身やご家庭に適しているかを検討しましょう。

    <ガスコンロのメリット>

  • 頑丈だから鍋をふって調理できる
  • どの調理器具でも使える
  • 停電した場合も使える
  • 火力が強いため、幅広い調理方法に対応できる

一つずつ解説します。

頑丈だから鍋をふって調理できる

ガスコンロには「ゴトク」と呼ばれる金属の金具が付帯しています。フライパンや鍋をふって調理したり、誤って強く置いてしまったりしても、ガスコンロ自体が壊れにくいのが特徴です。

IHのように、天板が割れてしまうのではないかと不安を抱えることなく、大胆に調理できるでしょう。

どの調理器具でも使える

先述したように、IHで使える調理器具は、原則として「IH対応」の調理器具に限られます。

一方のガスコンロでは、都市ガスかプロパンガスかを問わず、すべての調理器具を使って調理をすることが可能です。そのため、新しく調理器具を買い替える必要がありません。

停電した場合も使える

ガスと電気は供給元が異なるため、万が一停電が発生したとしても、ガスコンロなら普段どおりに調理を続けられます。

特にプロパンガスは災害に強く、地震や台風の影響により電力の供給がストップしたとしても、調理を続けられる可能性が高いです。

火力が強いため、幅広い調理方法に対応できる

ガスコンロはIHと比べて火力が強く、強火で炒められることもメリットです。程良い焦げつきができることもガスコンロならではの魅力で、幅広い調理法に対応できます。

美味しく調理することにこだわりたい方は、ガスコンロを選んだほうがメリットを感じやすいでしょう。

ガスコンロのデメリット

ガスコンロには、次のようなデメリットもあります。

    <ガスコンロのデメリット>

  • 掃除に時間がかかる
  • 火を使うため多少の危険を伴う

メリットと合わせて確認しておきましょう。

掃除に時間がかかる

ガスコンロは立体的な構造のため、汚れがついたときの掃除に時間がかかりやすいことがデメリットです。

特に液体は、火の影響を受けて焦げつきやすく、サッと拭くだけでは汚れが落ちません。この点が、天板を拭くだけで掃除ができるIHとの違いです。

火を使うため多少の危険を伴う

ガスコンロは直火を使って調理をするため、アクシデントが発生する可能性もあります。最近では「Siセンサー」と呼ばれる安全装置が搭載されたガスコンロが多いため、リスクは高くありません。

しかし、引火による火事の発生や、ガス漏れなどのトラブルには注意が必要です。

IHクッキングヒーターとガスコンロはどちらがおすすめ?

IHクッキングヒーターとガスコンロには、それぞれのメリットとデメリットがあります。

どちらが向いているかは、それぞれのキッチンの使い方や考え方により異なるため、どちらがより適しているのかを見極めることが重要です。

    <IHクッキングヒーターとガスコンロはどちらがおすすめ?>

  • IHクッキングヒーターがおすすめのケース
  • ガスコンロがおすすめのケース

それぞれを具体的に見ていきましょう。

IHクッキングヒーターがおすすめのケース

IHクッキングヒーターがおすすめのケースは、以下の特徴に当てはまる場合です。

    <IHクッキングヒーターがおすすめのケース>

  • 火事などのリスクに備えて安全に調理したい
  • 暑さを感じにくい環境で快適に調理したい
  • 腰などに負担をかけずに調理したい
  • キッチンのお手入れを簡単に終えたい

IHは直火を使わないため、火事などのリスクを抑えやすく、キッチン周辺でも暑さを感じにくいでしょう。また、形状がフラットなため、簡単に操作やお手入れがしたい方にも、IHが適しています。

ガスコンロがおすすめのケース

ガスコンロがおすすめのケースは、次のとおりです。

    <ガスコンロがおすすめのケース>

  • 持っている調理器具をそのまま使いたい
  • 料理の美味しさにこだわりたい
  • 災害時の利便性の高さを重視したい

「IH対応」の調理器具しか使えないIHとは異なり、ガスコンロならすべての調理器具をそのまま使えます。

火力の調整もしやすく、さまざまな調理法を用いたい方にもガスコンロがおすすめです。また、停電していても調理ができるため、災害を見越してガスコンロを選ぶのも良いでしょう。

ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換費用

ガスコンロからIJクッキングヒーターにリフォームする場合の費用相場は、5万円前後です。

ただし、IHを使うためには200Vの電源が必要になるため、200Vの電源が設置されていない場合は、電源の増設工事も行わなければなりません。

増設工事を伴う場合の費用相場は、10万円~25万円程度と考えると良いでしょう。

IHクッキングヒーターの電気代の節約術

先述したように、東京電力の「スマートライフS」と東京ガスの「都市ガスプラン」を比較すると、30分あたりの調理にかかる料金は、東京ガスのほうがお得です。しかし、以下の節約術を活用すると、調理にかかる電気代を節約できます。

    <IHクッキングヒーターの電気代の節約術>

  • 電気代が安い時間帯に使う
  • 節電機能を活用する
  • 電子レンジや圧力鍋などを併用する

それぞれを具体的に見ていきましょう。

電気代が安い時間帯に使う

契約している電気会社とプランによっては、電気を使う時間帯によって料金が安くなる場合があります。

契約中の電気料金プランの内容を確認して、何時に使うと電気代が安いのかを調べておきましょう。

仮に、昼間と比べて夜間の電気代のほうが安い場合は、夜間に作り置きをしておくと電気代を抑えられます。

節電機能を活用する

IHクッキングヒーターには、節電機能が搭載されていることが多く、節電機能を活用すると電気代を抑えやすくなります。

たとえば、消費電力を自動で切り替えられる機能がついたIHクッキングヒーターを選ぶと、無駄な電力を使わずに効率良く調理ができるでしょう。

電子レンジや圧力鍋などを併用する

IHクッキングヒーターと、そのほかの電化製品を併用すると、電気代を節約しやすいです。

たとえば「下ゆで」や「煮込み」をIHで行うと、長時間にわたり電力を消費しなければなりません。

その代わり、電子レンジや圧力鍋を使って調理の時間を短縮すると、電気代を節約できます。

まとめ

IHクッキングヒーターとガスコンロを比較するときは、料金に加えて、それぞれのメリット・デメリットを比較することも重要です。

ガスコンロからIHにリフォームする場合の交換費用は、5万円~25万円が相場になります。また、節約術を活用することにより、電気代を抑えてIHを使うことも可能です。

安全性の高さやお手入れの簡単さを優先する場合は、IHを選ぶと良いでしょう。

反対に、料理の美味しさにこだわりたい場合や、停電時の利便性を考慮する場合は、ガスコンロの使用がおすすめです。それぞれのメリットとデメリットは、以下のとおりです。

【IHクッキングヒーターとガスコンロの比較表】
メリット デメリット
IHクッキングヒーター
  • 安全性が高い
  • 楽な姿勢で火力調整ができる
  • 室内に熱がこもりにくい
  • お手入れの手間を省ける
  • 使える調理器具に制限がかかる
  • 火力の微妙な調整がしにくい
  • 時間帯によって電気代が割高になる場合がある
ガスコンロ
  • 頑丈だから鍋をふって調理できる
  • どの調理器具でも使える
  • 停電した場合も使える
  • 火力が強いため、幅広い調理方法に対応できる
  • 掃除に時間がかかる
  • 火を使うため多少の危険を伴う

ご家庭の事情や好みを考慮しながら、より適切なタイプを選びましょう。

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<この記事を書いた人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
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