ゼロワットパワーの電気はどれぐらいお得？利用者の口コミ評価もチェック！

光熱費の負担が大きい近年、電気供給契約の切り替えで、電気料金を節約しようとしている人も多いのではないでしょうか。しかし、実際に調べてみると、電気供給サービスを行っている新電力会社は非常にたくさんあります。どの会社と契約するのが良いか、迷ってしまう人も多いでしょう。

今回は、数ある新電力会社の中から、ゼロワットパワーについて解説します。料金プランや利用者の口コミを見て、他社と比較検討してみてください。

ゼロワットパワーとは

ゼロワットパワーは、千葉県柏市にある新電力会社で、2015年に設立されました。企業名のゼロワットパワーには「二酸化炭素（CO2）排出ゼロの発電を目指す」という思いが込められています。

まずは、企業概要を簡単にご紹介します。

【ゼロワットパワーの企業概要】

ゼロワットパワーは、電力供給以外にも、研究・開発などさまざまな活動を行う再生エネルギー専門企業である点が特長です。再生可能エネルギー電気の買い取りも行っています。

次に、これから説明する電気小売事業の概要も見ていきましょう。ゼロワットパワーは、個人・法人どちらにも電気を販売している企業です。ゼロワットパワーのホームページでは、高圧以上供給量実績が紹介されています。これを見ると、年々ゼロワットパワーが全国で実績を伸ばしていることがわかるでしょう。

【ゼロワットパワー年度別高圧以上供給量実績（単位：1,000kWh）】

ゼロワットパワーの大きな特徴は、再生可能エネルギーにこだわっているところです。電源構成や非化石証書使用状況を見ても、太陽光・バイオマスの電気を多く用いていることがわかります。

【2023年度電源構成（全社平均実績値）】

【非化石証書使用状況】

ゼロワットパワーの電力小売は、法人向けが全国対応、個人向けが沖縄エリア以外対応となっています（離島を除く）。新電力会社の中には、地域密着型の企業も多く、そうした企業だと提供エリア外に引っ越す際に解約しなければいけません。しかし、ゼロワットパワーの場合、国内の広いエリアをカバーしているので、引っ越し先でもそのまま契約を継続できるのがメリットでしょう。

ゼロワットパワーの料金プラン

次に、ゼロワットパワーの電気料金プランを確認していきます。ゼロワットパワーは、全国に電力小売サービスを展開しているため、エリアごとによって料金プランが異なるのが特徴です。

2024年5月現在、ゼロワットパワーのホームページでは、東京電力エリアの料金表のみが掲載されています。そのため、以下で掲載する東京電力エリア以外の料金表は、ゼロワットパワーのホームページにあるpdfファイル「重要事項説明書【低圧】（2023年4月1日）」を 参考にしました。

どのエリアも共通して、ゼロワットパワーの料金プランは「ゼロカーボン」プランと「ゼロカーボン+」プランの2種類です。「ゼロカーボン」プランは、1FIT電気へ環境価値をもつJ-クレジットなどを組み合わせることにより、調整後CO2排出係数をゼロにした電気を提供します。一方「ゼロカーボン+」プランは、再生可能エネルギー100％の電気です。よりエコな電気を使い、環境に貢献したい人向けのプランといえるでしょう。

ここからは各エリアについて、多くの家庭で契約する「電灯標準」契約のプランに絞って、料金比較をしていきます。お住まいのエリアでどれぐらい電気料金がお得になるか、ぜひ比較してみてください。

東京電力エリアの料金プラン

まずは、東京電力エリアの電灯標準の料金プランです。東京電力のスタンダードSプランの 料金と比較し、どれだけお得になるかを見ていきましょう。

【「ゼロカーボン」プラン】

【「ゼロカーボン+」プラン】

「ゼロカーボン+」プランは、エコな電気を使える代わりに、通常プランより高い料金設定になっています。安い電気を使いたい人は、「ゼロカーボン」プランを選びましょう。

北海道電力エリアの料金プラン

続いて、ゼロワットパワーの北海道電力エリアの料金プランを見ていきましょう。比較対象は、北海道電力の標準的な料金プラン（従量電灯B）です 。北海道電力エリアでも、エコな電気を使える「ゼロカーボン+」プランが選べます。

【「ゼロカーボン」プラン】

【「ゼロカーボン+」プラン】

中部電力エリアの料金プラン

続いて、中部電力エリアのゼロワットパワーの料金プランを見ていきます。比較対象は、中部電力のポイントプラン（契約電流が10～30Aの人 ）・おとくプラン（契約電流が40～60Aの人）です 。中部電力エリアでも、エコな電気を使える「ゼロカーボン+」プランはあります。

【「ゼロカーボン」プラン】

【「ゼロカーボン+」プラン】

関西電力エリアの料金プラン

次に、ゼロワットパワーの関西電力エリアの料金プランをチェックしてきます。比較対象は、関西電力の家庭向けメニュー（従量電灯A）です 。ゼロワットパワーの約款を確認したところ、関西電力エリアでは「ゼロカーボン+」プランの料金表がありませんでした。ここでは、「ゼロカーボン」プランの料金のみをご紹介します。

【「ゼロカーボン」プラン】

中国電力エリアの料金プラン

続いて、ゼロワットパワーの中国電力エリアの料金プランを見ていきましょう。比較対象は、標準的な家庭向けコース（スマートコース ）です。中国電力エリアも、関西電力エリア同様に「ゼロカーボン+」プランの案内が出されていません。

【「ゼロカーボン」プラン】

九州電力エリアの料金プラン

次に、ゼロワットパワーの九州電力エリアの料金プランも確認していきます。比較対象は、スマートファミリープランです。九州電力エリアでも、「ゼロカーボン+」プランを選べます。

【「ゼロカーボン」プラン】

【「ゼロカーボン+」プラン】

EV得割について

ゼロワットパワーのホームページを見ると、「EV得割」というプランが用意されていることがわかります。電力量料金は、通常の「ゼロカーボン」「ゼロカーボン+」プランと変わりません。違う点は、補助金決定後、3ヶ月間基本料金0円になることです。

現在ゼロワットパワーでは、EV割の料金表について、東京電力管内しかアナウンスされていません。ほかのエリアでのEV割について知りたい人は、直接ゼロワットパワーに問い合わせてみるのが良いでしょう。

燃料費調整額について

ゼロワットパワーの電気料金表（主に「ゼロカーボン」プラン）を見ると、どのエリアでも安い印象を受けるでしょう。ただし、注意が必要なのは、実際の電力量料金に燃料費調整額が反映されることです。

新電力会社の中には、燃料費調整額も、各エリアの大手電力会社（東京電力など）と合わせているところもあります。しかし、ゼロワットパワーの燃料費調整額は、独自算出です。東京電力エリアに関しては料金シミュレーションもできますが、このシミュレーションも燃料費調整額を含まない金額が表示されます。燃料費調整額が東京電力と比較してかなり高い額であれば、料金プラン表の見た目のお得度は大きく薄れてしまうので、ご注意ください。

ゼロワットパワーで、具体的な燃料費調整額の一覧表は公開されていません。燃料費調整額の計算法は約款に記載されていますが、計算式はや複雑です。そのため、実際の料金がどれぐらい安くなるか（調整後の価格がいくらになるか）知りたい場合は、直接ゼロワットパワーに問い合わせるほうが良いでしょう。

ゼロワットパワーのメリットと良い口コミ・評判

続いて、ゼロワットパワーの利用者から寄せられた口コミから評判を見ていきましょう。ゼロワットパワーは料金面だけでなく、環境への取り組みが評価されている企業です。

環境にやさしい電気が使える

通常プランでも、CO2排出係数ゼロの電気が使えるエコな電気であることが、ゼロワットパワーのすごさだと思います。

ゼロワットパワーの特徴は、提供している電力が太陽光・バイオマスなど、エコな方法で発電されたものが多いことでしょう。環境への取り組みをアピールしたい、企業や商店などが高圧電力を契約するのに向いているといえます。実際、現在ゼロワットパワーは、個人のお客さまからの申し込み受付を停止しており、企業向けのサービスを中心に展開中です。

ゼロワットパワーの注意点と悪い口コミ・評判

ゼロワットパワーに寄せられている、良くない口コミも見ていきましょう。料金面での不満などはあまり聞かれていませんが、一部で不満な点がある人も少なくありません。

オール電化のプランがない

我が家はオール電化なので、オール電化に対応したプランがないと、どうしても高くなってしまいます。選択肢からは除外されてしまいますね。

オール電化の家庭では、新電力会社と契約しても、オール電化向けのプランを契約しないと電気料金が高くなってしまうリスクがあります。新電力会社の中にも、オール電化向けプランを提供しているところはありますが、ゼロワットパワーでは選べません。

クレジットカード払いしか使えない

決済方法がクレジットカードだけなので、少し不便に思います。

ゼロワットパワーの決済方法はクレジットカードだけで、銀行引き落としやコンビニ払いなどが選べません。クレジットカード以外の支払い方法を選びたい人は、ほかの電力会社を選ぶしかないでしょう。

ゼロワットパワーがおすすめの人

ゼロワットパワーと契約するのがおすすめなのは、環境にやさしい電気を使いたい人でしょう。再生可能エネルギーの専門企業である点が、新電力会社の中でも大きな特徴になっています。

電気料金を安くしたい人の中に、ゼロワットパワーと契約しようと考える人もいるでしょう。しかし、ゼロワットパワーと契約しても、必ず電気が安くなるとは限りません。それは、より環境にやさしい「ゼロカーボン+」プランは、「ゼロカーボン」プランより割高である点が理由です。また、燃料費調整額を加えると、料金プラン通りに実際の電気料金が安くなるとは限らない点も挙げられます。

ゼロワットパワーと契約する前に、必ず燃料費調整額を加味した実際の電気料金を比較することをおすすめします。特に2024年5月現在、ゼロワットパワーでは、電気料金の案内が東京電力エリアのみに限られています。約款を見れば料金プラン表も載っていますが、ホームページで料金の案内が出され、個人の申し込み受付が再開されてから、料金を比較するほうが確実でしょう。

ゼロワットパワーのお申し込み方法

2024年5月現在、ゼロワットパワーホームページの「お問い合わせ」を確認すると「新規電気契約のお申込み（個人）新規受付停止中」と出ています。再開時期についてのアナウンスも確認できません。

一応、現時点で案内されている、ゼロワットパワーの申し込み方法をご紹介します。個人の申し込み受付が再開になった後、申し込み方法などが変わる可能性があるのでご注意ください。

1. プランの確認・お申し込みページ入力

地点番号・お客様番号などを入力しなければいけません。手元に検針票など、これらの情報がわかるものを用意しておきましょう。メール登録・ユーザー登録完了後、お申し込みページの項目をご入力ください。

2. 供給開始日決定

供給開始日の案内は郵送で届きます。もし自動検針機がない場合、供給開始まで3ヶ月ほど時間がかかりますが、通常の機器のみの切り替えで費用はかかりません。

3. 電力供給開始・請求

決済方法の案内と検針後、請求書が自宅に届きます。ゼロワットパワーの決済方法はクレジットカードのみで、決済日は利用月の翌月27日です 。

電気プランの乗り換え時のよくある質問

• 電気プランの切替で電気の品質は変わる？
• 電気プランの切替で停電の頻度は変わる？
• ゼロワットパワーが倒産した場合は電気がとまる？

電気プランの切替で電気の品質は変わる？

電気プランを切り替えても、電気の品質に違いは発生しません。電力自由化の議論においても、電力の品質については一切の変動がないよう、これまでと同じ送配電ネットワークを使って電気が届けられるよう設計されており、経済産業省などのHPにも公開されているよう、これまでと全く同一の電気が届けられます。

電気プランの切替で停電の頻度は変わる？

電気プランを切り替えても、停電のリスクが変動することはありません。電力インフラの事故に関しては、短い期間であっても人命や社会インフラの存続に関わるものであり、その復旧に関しては、特定の電力会社や特定プランの顧客優先という視点は存在しません。

また、経済産業省や消費者庁（消費者保護、安全の確保、消費者啓発を目的とした団体）は、電力全面自由化の際、電力の消費者に対して、新電力は停電が増える、電気の品質が変わるといった誤解をしないよう情報発信しています（ご参考）。

ゼロワットパワーが倒産した場合は電気がとまる？

電力会社も企業ですので、日本にある多くの会社と同様、経営努力を怠れば特殊な例外事例を除き、通常は倒産します。ただ、電気の供給断絶は命に関わることもあるため、ゼロワットパワーが倒産等した場合でも、突然電気が止まることはないよう制度設計されています。ただし、倒産してますので、同一の電力会社から電気を購入することはできなくなりますので、その点は注意が必要です。

電気を購入している小売電気事業者が倒産等により事業を廃止する場合、小売電気事業者は契約相手である消費者に対してあらかじめその旨周知しなければなりません。つまり、電気の消費者（みなさま）としては、別の電力会社のプランへ切り替える必要があります。

なお、電気はセーフティネットがしっかりしており、最終的な電気の供給を実施すること（最終保障供給）が一般送配電事業者に義務づけられています。例えば、それまで供給していた小売電気事業者が倒産等により事業を廃止したような場合には、需要家は、他の小売電気事業者に切り替えるまでの間、一般送配電事業者と契約することで最終保障供給を受けることもできます。もちろん、別の新電力と契約することも可能です。

このように倒産した場合であっても、別の新電力との契約ができるほか、セーフティーネットも存在するため、倒産の周知があった際に電力切替の行動を起こせば停電することはありません。ただし、倒産した後も全く何もせず、他の電力会社の料金プランへお申込み等しなければ、電気の供給が止まるおそれがあります。このため、再度ご自身にあった電力会社を探すのは手間であることからも、倒産リスクは電気プラン切替のデメリットと捉えることができます。

まとめ

今回は、再生可能エネルギーにこだわる新電力会社・ゼロワットパワーについて、見てきました。現在ゼロワットパワーでは、個人のお客さまの新規電気契約申し込みを停止中です。再開時期は不明なので、今すぐ契約切り替えできる会社を探している人は、別の企業を探すほうが良いでしょう。

新電力会社の料金プランは、企業によって大きく異なります。また企業によっては、契約者向けにお得な特典を用意していることがめずらしくありません。料金比較だけでなく、総合的なサービスも考えて、自分のライフスタイルに合ったところを選びましょう。

電気プラン乗換コムでは、各電力会社の電気料金プランの数値情報等をデータベース化しております。それらのデータを下記にて一部出力し記載しておりますのでご参考ください。なお、上記記事の作成日とデータベース調査日が異なるケースがありますので、その点はご留意ください。また、電気料金プランの選択でお困りの方がおりましたら、当サイトでは収集データ等を軸にオススメの電力会社をご紹介しておりますので、宜しければご覧ください。

ゼロワットパワーによる電気料金プランの提供エリアは？

各電力会社が提供する電気料金プランは全国どこでも利用できる訳ではなく、プランによって使える地域・エリアが分かれています。そのため、下記表にてゼロワットパワーが提供する一般家庭用プランの提供エリアをご案内差し上げます。皆さまがお住いのエリアで下記電気料金プランを利用可能であるかご確認ください。

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※各電気料金プラン各々の調査時点での情報となりますので、最新の正確な情報を把握したい方は、各社のHPをご確認ください。

電気料金プランの想定年間電気代は？

電気料金は基本的に、月額固定の基本料金と、実際に使用した電気量に1kWhあたりの単価を乗じた「従量料金」を合計することで算出できます。これら基本料金や従量料金の単価は各電力会社のHPに掲載されておりますので、電気利用量と基本/従量単価を計算式に当てはめることで、電気料金の水準を算出できます。ただし「基本料金」や「従量料金」の他にも、燃料調整費や市場調整費、もしくは電源調整費等、電力会社によって細かくパラメータが設定されており、実態の電気代と大きく異なるケースもあるため、あくまで下記はご参考としてご参照ください。なお、世帯人数別の電気利用量については、総務省統計局による家計調査の数値をベースとして推計値を算出しています（ご参考））。

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※各電気料金プラン各々の調査時点での情報となりますので、最新の正確な情報を把握したい方は、各社のHPをご確認ください。
※基本料金および電力量料金の合算値となります。
※年間電気代は、一人暮らし（30A相当、月間210kWh）、二人暮らし（40A相当、月間360kWh）、三人暮らし（50A相当、月間400kWh）、四人暮らし（50A相当、月間430kWh）、五人暮らし（60A相当、月間460kWh）、六人暮らし（60A相当、月間560kWh）を利用した場合の推計値です。

各電気料金プランのオプションは？

電気料金プランの利用によって、下記のオプションを利用できる可能性があります。それら内容をご確認いただき、皆様のライフスタイルに沿ったオプション内容であれば、電気料金プランの削減メリットと併せて検討材料にして頂けますと幸いです。なお、オプションによっては適用等で費用が発生するケースもございますので、詳細は公式HPをご確認ください。

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※各電気料金プラン各々の調査時点での情報となりますので、最新の正確な情報を把握したい方は、各社のHPをご確認ください。

補足

• 本ページの情報は推計値等も含まれているため、最新の正確な情報を把握したい方は、ゼロワットパワーの公式HPをご確認ください。