仮想通貨データセンターの電気代はいくら?電力消費の実態
仮想通貨とは、インターネット上でやり取りが可能な財産的価値のことであり、暗号資産とも呼ばれます。
この仮想通貨の取引ではマイニングと呼ばれる作業が行われますが、マイニングには電力を大量に消費するデータセンターが必要になることも多いです。
この記事では、仮想通貨データセンターの役割に関する基礎知識や電気代が高額になりやすい理由・その目安について解説します。
また、電気代の高騰やエネルギー消費に関する課題への対策として、再生可能エネルギーを活用したモデルなどもご紹介します。
仮想通貨データセンターの電力消費に関心のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
仮想通貨データセンターとは?マイニング専用施設の基礎知識
仮想通貨データセンターとは、仮想通貨のマイニングを行うための専門施設です。
マイニングとは、ネットワーク上で新たに行われた仮想通貨の取引記録を検証・承認し、「ブロックチェーン」と呼ばれる取引台帳に記録する作業のことです。
この作業に取り組み、成功させた人を「マイナー」と呼び、マイナーは報酬として新規発行された仮想通貨や取引で支払われる手数料を獲得します。
マイナーは「プルーフ・オブ・ワーク」と呼ばれる仕組みに従い、膨大な計算問題を解く必要があり、これを最初に成功させた人だけが報酬を得ることができます。
そのため、誰よりも先んじて計算問題を解くための高性能なコンピュータが必要になり、専用のコンピュータである「マイニングマシン」を用意することになります。
仮想通貨データセンターには、このマイニングマシンが多数設置されています。
データセンター型マイニングと自宅マイニングの違い
マイニング自体は、データセンターでなくとも自宅で行える作業です。
しかし、マイナーの多くは自宅やオフィスなどではなく、専用のデータセンターを用意する傾向にあります。
マイニングマシンは一般的な個人用のパソコンなどと比べて高性能のコンピュータであり、電力消費が大きいです。
マイニングマシンは24時間365日稼働させておく必要があり、家庭用の電気料金プランでは1か月に数万から数十万円の電気代が発生する可能性があります。
さらに、30A程度の契約ではマイニングマシンを1~2台稼働させるだけでブレーカーが落ちてしまう可能性もあり、自宅での運用は難しいです。
また、マイニングマシンは本体の電気代が高いだけでなく、装置の冷却にもお金がかかります。
コンピュータは稼働に際して熱を排出しますが、この熱の量はコンピュータが高性能であるほど多いです。
本体の温度が高いまま放置すると熱暴走を起こし、マシンの寿命を縮めるため冷却装置を用意しなければなりません。
他にも、稼動時の音が騒音になること、盗難や火災に対する対策の難しさなどから、自宅でのマイニングはあまり望ましくないでしょう。
データセンターであれば、事業用の電気料金プランで電気代を安くする、冷却装置を設置するスペースを確保できる、防音対策や盗難・火災への対策がしっかり取られているなど、マイニングの収益性を高めるための用意を整えやすいのです。
どこで電力を使うのか(計算処理・冷却・周辺設備)
マイニング自体は、データセンターでなくても自宅で行える作業です。しかし、マイナーの多くは自宅やオフィスではなく、専用のデータセンターを用意して運用する傾向にあります。
マイニングマシンは一般的な個人用パソコンなどと比べて高性能なコンピュータであり、消費電力が大きくなります。
24時間365日稼働させておく必要があるため、家庭用の電気料金プランでは、1か月に数万〜数十万円の電気代が発生する可能性があります。
さらに、30A程度の契約ではマイニングマシンを1~2台稼働させるだけでブレーカーが落ちてしまう可能性もあり、自宅での運用は難しいと言えるでしょう。
また、マイニングマシンは本体の消費電力が高いだけでなく、装置の冷却にもコストがかかります。
コンピュータは稼働時に熱を排出しますが、この熱の量はコンピュータが高性能であるほど多くなります。
本体の温度が高いまま放置すると熱暴走を起こし、マシンの寿命を縮めてしまうため、冷却装置を用意しなければなりません。
そのほか、稼働時の音が騒音になることや盗難・火災への対策が難しいことなどから、自宅でのマイニングはあまり望ましいとは言えません。
データセンターであれば、事業用の電気料金プランを利用して電気代を抑えられるほか、冷却装置を設置するスペースの確保や防音対策、盗難・火災への対策も十分に講じられており、マイニングの収益性を高めるための環境を整えやすくなります。
ビットコインネットワーク全体の電力消費と規模感
仮想通貨の一種であるビットコインのマイニングに費やされる電力は、年々大幅に増加しています。
ビットコインは供給量に上限が定められており、まだマイニングされていない量は限られていることが特徴です。
未採掘のビットコインに課される計算処理は、時間の経過とともに複雑化していき、その複雑な計算に対応するため、より多くの電力を消費せざるを得ません。
また、ビットコインの価格が上昇するほどマイニング競争は激化し、より多くのマイナーがマイニングマシンを用いて報酬獲得を目指します。
その結果、ビットコインのマイニングには、2021年5月時点で100TWhを超える電力が消費されていると推定されています。
マイナー全体としての電力消費量が増えているだけでなく、個々のデータセンターにおいても、他のマイナーより早く計算を完了させるために高性能なマイニングマシンを複数台稼働させることで、個別の消費電力も増加し、電気代の高騰につながっています。
IT機器・空調・照明など電力使用の内訳
データセンターで使用される電力のうち、マイニングマシンなどのIT機器が占める割合は全体の約50%と言われています。
マイニングマシンは非常に高性能な機器であり、消費電力の目安は1,000~4,000W程度です。
家庭用のエアコンや電子レンジなど、家電の中でも消費電力が大きいものを常時フル稼働させているかのような電力を消費します。
なお、IT機器に次いで消費電力が大きいのはマシンの冷却を行う冷却設備であり、照明などの周辺設備は比較的消費電力が小さい部類に入ります。
PUE(電力使用効率)の考え方とマイニング施設の特徴
仮想通貨データセンターの電力消費を考えるうえで重要なのが、「PUE」と呼ばれる電力消費効率です。
これは、データセンター全体の消費電力をIT機器の消費電力で割った数値であり、1.0に近いほどエネルギー効率が良いとされています。
国内のデータセンターにおける平均的なPUEは、1.4~1.8程度です。マイニングに特化したデータセンターであれば、PUEを1.5以下に抑えられていると効率が良く、エネルギーコストを削減しやすくなります。
そのため、効率的で電力消費量の少ない冷却設備を導入しているデータセンターを選択することが重要です。
仮想通貨データセンターの電気代の目安
仮想通貨データセンターの消費電力は一般的に大きいとされていますが、具体的にどれくらいの電気代がかかるかは、さまざまな条件によって異なります。
また、一般家庭の電力使用の傾向とは異なるだけでなく、同じ「データセンター」であっても、AI向けのデータセンターとは消費電力の構造や傾向が異なる場合があります。
電気料金の計算方法
まずは、データセンターにかかる電気代の計算方法について見ていきましょう。
電気代は主に1kWhごとの単価が決まっており、「1時間にどれだけの電力を消費するか」「1日の稼働時間が何時間か」「1か月のうち何日稼働するか」によって、月間・年間の料金を計算できます。電気代の基本的な計算式は以下のとおりです。
月間の電気代=消費電力(kW)×電力量料金単価(円/kWh)×稼働時間(時間/日)×稼働日数(日/月)
マイニングを1ヶ月間休みなく続けた場合は、1日24時間、概ね30日間の稼働になるでしょう。
仮に特別高圧の料金単価を25円/kWhとすると、計算式は次のようになります。
月間の電気代=消費電力(kW)×25円×24時間×30日
小規模・中規模・大規模データセンター別の電気代イメージ
仮想通貨のマイニング用データセンターが数百kWクラスの小規模施設である場合、たとえば消費電力が200kW程度であれば、電気代は次のように計算できます。
200kW×25円×24時間×30日=3,600,000円
データセンターが数MWクラスの中規模施設である場合、たとえば5MW(=5,000kW)の消費電力であれば、電気代は次のとおりです。
5,000kW×25円×24時間×30日=90,000,000円
数十MWを超えるような大規模データセンターを用いる場合は、「メガマイニング」と呼ばれます。
たとえば30MW(=30,000kW)の施設を使用する場合、電気代は次のように計算できます。
30,000kW×25円×24時間×30日=540,000,000円
なお、電気代の単価の目安は国や地域、社会情勢などによって大きく異なるため、実際の試算にあたっては最新の料金体系を確認することが重要です。
一般家庭やAIデータセンターとの電気代比較
一般家庭では電気の契約そのものがデータセンターと異なるため、電気料金の単価が特別高圧よりも高くなります。
仮に消費電力が200kWの小規模なデータセンターと同じようにマイニングを行うとすると、単価が31円の契約では以下のようになるでしょう。
200kW×31円×24時間×30日= 4,464,000円
自宅でマイニングを行う場合、これとは別に生活費としての電気代がかかる点にも注意が必要です。
また、AI用データセンターは1棟あたりの消費電力が非常に大きく、200MW~1GW程度になるとも言われています。
そのため、マイニング用データセンターと比べても電気代が非常に高額になります。
例えば200MWであれば200,000kWに相当し、特別高圧契約で単価が25円/kWhとすると、電気代は次のように試算できます。
200,000kW×25円×24時間×30日=3,600,000,000円
電気代に影響する主な要因
実際の電気代には、さまざまな要因が影響します。そのため、データセンターをどこに設置するか、どのような設備構成にするかによって、実際にかかる電気代の金額は大きく変動します。
電気料金単価(国・地域・契約メニュー)の違い
電気代への影響が大きいのは、電気を使用する際の「単価」です。
電気代は、電気を供給している国や地域によって単価の設定が異なります。設置されている発電所の種類や発電に必要な燃料を自国内で調達できるかどうかによっても価格は変わってくるのです。
また、同じ国内であっても地域ごとに単価の設定は異なります。日本でも、たとえば東京電力・中部電力・関西電力などの間で電気料金の単価が異なることが特徴です。
さらに、電力会社ごとに用意している契約メニューによっても単価は変わります。
家庭向けと業務用のメニューがあるだけでなく、電力会社ごとに条件の異なるさまざまな料金プランが用意されているためです。
そのため、データセンターを設置する国や地域で利用できる電力会社にはどのような選択肢があるのか、また、データセンターの運用に適した料金プランがあるのかを事前に確認しておく必要があります。
マイニングマシンのハッシュレートと効率
マイニングにかかる電気代には、マイニングマシンの性能も大きな影響を与えます。とくに重要になるのが、マシンのハッシュレートです。
ハッシュレートとは、マイニングにおける1秒あたりの計算処理能力のことです。
採掘速度とも呼ばれ、ハッシュレート1あたりの消費電力が小さいマイニングマシンを選べば、その分電気代を抑えることが可能です。
性能が高いマイニングマシンは、その分消費電力も大きくなりがちですが、計算性能に対する消費電力の効率にも注目して機種を選べば、電気代を抑えられる可能性があります。
稼働率・24時間連続稼働とビットコイン価格の影響
マイニングにかかる電気代には、実際にどれだけの時間マイニングマシンを稼働させるかも影響します。
導入しているマイニングマシンの稼働率が高く、稼働時間が長いほど電気代は高くなるのです。
たとえばマイニングマシンが3台ある場合、うち2台だけを使用する場合と3台すべてを同時に使用する場合とでは、消費電力は大きく異なります。
また、24時間連続で稼働させるのであれば、1日を通して電気代が発生します。マイニングマシンはそもそも24時間稼働することを前提として設計されており、その分だけ電気代もかかると考えられるのです。
なお、ビットコイン価格が高くなればなるほどマイニング競争は激化し、必要とされるマシン1台あたりのスペックも高まっていきます。
スペックの高い高性能マシンは消費電力も大きいため、価格の上昇が電気代の高騰につながる可能性が高いでしょう。
建物・設備設計(配電・空調レイアウト)による差
マイニングを行うデータセンター全体で、どれだけ電気を効率的に使用できるかによっても、電気代は変わります。
データセンターの運用では、マイニングマシンだけでなく、空調や周辺設備の稼働にも電気代がかかります。
そのため、空調を効率良く循環させてマシンを効果的に冷却できる配置になっていれば、その分電気代を抑えられる可能性があるのです。
データセンターを用意する場合は、建物の設計や設備配置の計画を十分に練り、効率良く運用できるレイアウトにすることが重要です。
再生可能エネルギーを活用した仮想通貨データセンター
仮想通貨データセンターでは大量の電力を消費するため、従来の火力発電などによる電力をそのまま使用し続けることには多くの課題があります。
生活や他の産業で使用する電力と競合してしまうと、持続的な経済活動に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
そのため、仮想通貨のマイニングに力を入れている各国では、再生可能エネルギーを活用したさまざまな対策が検討・実施されています。
太陽光・風力・水力と組み合わせたマイニングモデル
再生可能エネルギーには、太陽光発電・風力発電・水力発電など、さまざまな種類があります。
マイニングでもこれらの発電方式が活用されており、アメリカではテキサス州などで太陽光発電や風力発電を利用したマイニングが行われ、これまでに約5,000ビットコインが生成されています。
また、カナダでは水力発電を、アイスランドやエルサルバドルでは地熱発電を活用したマイニングが行われるなど、各国が地理的な強みを活かした取り組みを進めています。
これにより、地域の雇用創出などの副次的なメリットも生まれている点が特徴です。
余剰電力・出力制御電力を活用するスキーム
再生可能エネルギーの中には、太陽光発電のように時間帯によって発電量に大きな差が生じるものもあります。
太陽光発電では、日中の発電量が必要な電力量を上回り、余剰電力として行き場を失ってしまうことがあるのです。
余剰電力は売電価格が低くなりやすいため、これをマイニングに活用すれば、その分収益性を高めることができます。
マイニングのために新たに電気を生み出すのではなく、余ってしまった電気をマイニングに利用するという形を取ることで、発電事業者は出力制御を行う必要がなくなり、より効率的な電力取引が可能になります。
再エネ活用による電気代削減とカーボンフットプリント低減
再生可能エネルギーを活用すれば、仮想通貨データセンターで使用する電力を、より効率的かつクリーンなものにすることができます。
余剰電力を活用することで電気代のコストを抑えられるため、その分、マイニングの収益性を高めることが可能です。
また、再生可能エネルギーは発電の過程で二酸化炭素を排出しないため、マイニングにおけるカーボンフットプリントを低減し、よりクリーンな事業運営に近づけられます。
まとめ
仮想通貨データセンターは、仮想通貨のマイニングを行うための専門的な施設です。
そこに設置されるマイニングマシンは高性能なコンピュータであり、長時間の稼働を前提として設計されているため、電気代が高くなりがちです。
仮想通貨データセンターにかかる電気代を軽減するためには、マシンの効率や建物の設計に加え、使用する電力の料金プランや発電方法を見直すことが大切です。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!
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