「海洋プラスチック問題、どのような取り組みがされているの?」

  • 更新日:2025/09/12

所属:跡見学園女子大学

インターン生:E.Aさん

「海洋プラスチック問題、どのような取り組みがされているの?」の写真

私たちが日常生活でよく使用するプラスチック。非常に便利なものですが適切に処理しなければ問題が出てきます。よく耳にする海洋プラスチック問題。この問題が具体的にどのようなものなのか、また私たちのどのような影響を与えるのか、私たちにできることはあるのかということを考えていきたいと思います。

<このページを監修した人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

RAULのインターンシップに参加いただいた跡見学園女子大学のE.Aさんが執筆してくれた記事だモ!内容がご参考になりましたら、ぜひともイイネやシェアしてほしいだモ!

目次

私のきっかけ

私が海洋プラスチック問題やマイクロプラスチック問題について知ったきっかけは、学生時代に授業の話題として取り上げられたからです。そして、様々な問題の状況や対策について知りました。

その時に、今まではさほど実感が持てなかった問題が自分が思っていた以上に身近であり、関わりのある内容なのではないか、と思い直しました。

では、この問題の現状はどうなのか、またどのような対策、取り組みがされているのかということが気になりました。

海洋プラスチック問題とは

海洋プラスチック問題とは、海洋に流出したプラスチックごみが、生態系を含めた海洋環境の悪化や海岸の機能低下、景観への悪影響、船舶航行の障害、漁業や観光への影響などを引き起こしている状態を指します。

プラスチックは微生物に分解されにくく、長期間消えないごみとして環境に留まり続けます。

マイクロプラスチック問題とは

マイクロプラスチック問題とは、マイクロプラスチックが海洋に流出することによって悪影響が出る問題です。

一般的に5mm以下の微細なプラスチック類であるマイクロプラスチックは、プラスチックごみが波や紫外線等の影響により小さくなることにより、あるいは洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として使われてきたプラスチックの粒子や合成繊維の衣料の洗濯等によっても発生します。

製造の際に化学物質が添加されていたり、プラスチックの漂流の際に化学物質が吸着したりすることで、マイクロプラスチックに有害物質が含まれていることがあります。

具体的な影響は必ずしも明らかにはされていませんが、含有・吸着する化学物質が食物連鎖に取り込まれることによる生態系に及ぼす影響が懸念されています。

北極や南極においてもマイクロプラスチックが観測されたとの報告もあり、地球規模の海洋汚染となっています。

また、もともと微細なものがありますが、いずれも海に流出すると回収することは困難であり、魚やミジンコなどの生物に取りこまれ何らかの影響を及ぼすことも懸念されています。

現在の状況

プラスチックは加工のしやすさ、用途の多様さから非常に多くの製品に利用されています。

環境省によると、プラスチックの生産量は世界的に増大しており、1950年以降生産されたプラスチックは83億トンを超えています。また、生産の増大に伴い廃棄量も増えており、63億トンがごみとして廃棄されたとのことです。

出典:環境省 第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失

海洋プラスチックごみの量は極めて膨大です。

世界全体では、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているという試算や、2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるという試算もありこの問題は深刻なものです。

気象庁では、海面浮遊汚染物質、主にプラスチック類を発泡スチロール、漁具類、 薄膜状プラスチック及びその他プラスチック類に分類して観測が行われています。

2011年から2020年の10年間の平均では、 発泡スチロールが最も多く5割を超え、以下、その他プラスチック類、漁具類、薄膜状プラスチックとなっております。 この内訳は、年ごと、海域ごとにあまり大きな違いはないそうです。

出典:国土交通省 気象庁 海面浮遊汚染物質(プラスチック類)の内訳

また、環境省では平成28年度に全国10地点(稚内、根室、函館、遊佐、串本、国東、対馬、五島、種子島、奄美)で漂着ごみのモニタリング調査が実施されていました。

調査対象の10地点は、平成22~27年度の間に調査した5地点及び平成28年度に新たに選定した5地点の計10地点です。ただし、全国の状況を表すものではありません。また、各地点の海岸線50mの中に存在したごみの量や種類等を調査したものとなっています。

種類別では重量ベースで自然物が、容積及び個数ベースではプラスチック類が、最も高い割合を占めています。

また、そのプラスチックのうち重量は漁網、ロープが、個数は飲料用ボトルが最も高い割合を占めています。

出典:環境省 海ごみをめぐる最近の動向 資料2-2

出典:環境省 海ごみをめぐる最近の動向  資料2-2

具体的な被害

海洋プラスチック問題には先述したように様々な問題を引き起こしています。そこで問題の一例を紹介します。

例えば、生態系との関係では、世界中から、死んだ海鳥の胃の中から誤って食べたプラスチックが多く見つかり、魚の胃の中からも、細かいプラスチックが発見されています。

また、海中などに放棄され又は流出した網やカゴなどの漁具が、長期間にわたって水生生物に危害を加えることもあると言われています。

これは、持ち主のいなくなった漁具が人の管理を離れて長期間水生生物を捕獲することからゴースト・フィッシングとも呼ばれており、生態系だけでなく、漁業にも悪影響を与えています。

日本での取り組み

現在、海洋プラスチックやマイクロプラスチックが問題になっている中、日本でもこの問題を解決しようとする取り組みがあります。

日本での取り組みをいくつか紹介します。

プラスチック・スマート

プラスチック・スマートは、「プラスチックとの賢い付き合い方」をキーワードにしたキャンペーンです。

海洋プラスチックごみ問題の解決には、国・地方公共団体・NGO・NPO・企業・研究機関・個人等の幅広い関係主体が連携、協働して取組を進めていくことが必要であると言われています。

このキャンペーンは、普及啓発、広報を通じて海洋プラスチック汚染の実態の正しい理解を促しつつ、国民的気運を醸し出し、海洋ごみの発生防止に向けた取組を進めることを目的としています。

「プラスチック・スマート」では、以下の4つの要素に対して対策を講じることが特に必要と考え、広く取組を募集しているそうです。

2021 年3月末時点で2,012件の取組が登録されています。プラスチック・スマートWebサイトや各種イベントを通じて広く国内外に発信されています。

環境省では以下のような例が挙げられています。

  • 不必要な使用を減らす
    例:軽量化や代替素材の開発、マイボトル・マイバッグの利用
  • 使用後は適正処理をする
    例:分別を守った適切な廃棄、選別回収、再生プラスチックの活用
  • 処理から漏れたら回収する
    例:街中、河川、海岸での清掃活動
  • 分解されるものを使う
    例:生分解性プラスチックやバイオマスプラスチックの開発・利用

    補足

  • 生分解性プラスチック:プラスチックとしての機能や物性に加えて、ある一定の条件の下で自然界に豊富に存在する微生物などの働きによって分解し、最終的には二酸化炭素と水にまで変化する性質を持つプラスチックのことです。
  • バイオプラスチック:バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの総称のことです。

レジ袋有料化

2020年7月に、レジ袋の有料化が制度化されました。

有料化の対象となるのは、購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手のついたプラスチック製買物袋です。

あらゆるプラスチック製買物袋を有料化することにより、過剰な使用を抑制していくことが基本となっています。

海ごみゼロウィーク

「海ごみゼロウィーク」とは、環境省と日本財団の共同事業として2019年より、5月30日であるごみゼロの日から6月5日である環境の日を経て6月8日である世界海洋デーまでの期間を「海ごみゼロウィーク」と定め、海洋ごみ削減を目的とした全国一斉清掃活動を実施しているそうです。

この取組は、海洋ごみ問題の周知啓発とともに、海洋ごみの流出を少しでも防ぐことを目的に実施されています。

海ごみゼロアワード

「海ごみゼロアワード」は、同じく日本財団との共同事業として2019年より始めた、海洋ごみ対策に関して、全国から優れた取組を募集・選定し、優良事例の表彰を通じて深刻化する海洋ごみ問題の解決に向けた日本のモデルとなるような取組を世界に発信していく活動です。

国際的な取り組み

次に、国際的な取り組みを紹介します。

国際的な取り組みとして挙げられるのは、G20大阪サミットにおいて、共有された「2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染ゼロ」をめざす「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」です。

現在は87の国・地域がこのビジョンを共有しています。

計画期間は2021年度から2030年度までの10年間です。

このビジョンの目標達成に向け、大阪府・大阪市が共同でプラスチックごみによる河川や海洋汚染の防止に率先して取り組むため、数値目標や具体的な施策、推進体制等を含めた「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」実行計画が2021年3月に策定されました。

住民、事業者、NPO等の団体、周辺自治体など幅広い関係者とのパートナーシップのもと、海洋プラスチックごみの削減のための様々な施策を展開することにより、経済・社会・環境の三つの側面の統合的向上に取り組んでいます。

この計画の目標は、2つあります。

  • 大阪府・大阪市で2030年度に大阪湾に流入するプラスチックごみの量を半減すること
  • 大阪市で河川・海域の水質に係る国の環境基準を100%達成、維持するとともに、水環境に関する市民満足度を40%まで向上すること

そしてこのビジョンでは重点的に取り組む五つの柱と主な取組があります。

    1プラスチック製品の使用抑制と環境への流出の削減

  • 新たなプラスチックごみを発生させない生活スタイルへの変革
  • 海洋プラスチックごみの削減に向けた対策・調査研究
  • まち美化の推進
  • 環境教育・啓発の推進

    2プラスチックの資源循環に向けた地域活性化のシステム推進

  • プラスチック、主にペットボトルの資源循環の促進
  • 新たなペットボトル回収を通じた地域活動の活性化の推進

    3海洋プラスチックごみ削減のための国際協力

  • 行政、企業、NPO・NGOを含む各種住民団体による先進的取組みの海外への展開

    4良好な水環境の創造

  • 水質の保全と生物多様性を守るための水環境の創造
  • 水資源の有効利用と快適な水辺空間の保全・創造
  • 水辺空間の利活用とにぎわいの創出

    5あらゆるステークホルダーとの連携

  • あらゆるステークホルダーとのパートナーシップの構築
  • 広域連携、国際協力・協調

私たちにできること

私たちが行動を起こしても、それほどの影響や効果は出ないだろう、と思う方もいるかもしれませんが、私たちがこの問題に対して関心や意識を向けることが大切になってくると思います。私たちでもできることがいくつか挙げられます。

  • レジ袋をできる限り受け取らない、マイバックを使用する
  • 地域のルールを守って、ごみの分別をする

他にも私たちができることは多くあります。ですので自分からなにか一つでも行動をとってみることは、意識を向けるきっかけになると思います。

終わりに

海洋プラスチック問題やマイクロプラスチック問題は私たちにも影響を与えます。

現在では、様々な対策や対応がとられており、この状況を少しずつでも良くしようと行動しています。

プラスチックは非常に便利なものなので、全く使わなくすることは不可能だと思っています。ですので少しずつでも使用量を減らす、または適切な処理、リサイクルを推進していくことが大切なのではないかと考えます。

そして私たちでできることもあるので、少しずつでもこの問題に向き合ってみることが、よりよくするための第一歩になると思います。

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エコモ博士
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