それって本当に「ゴミ」ですか?
所属:跡見学園女子大学
インターン生:A.Nさん

皆さんは食品ロス(フードロス)と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。冷蔵庫の中でしわしわになったレタス。 気づいたら賞味期限が昨日までだったヨーグルト。レストランでちょっと多く頼みすぎた料理。 こうした「まだ食べられるかもしれないもの」が、私たちの日常の中で、何の疑問もなく捨てられていくこと。 これが、環境問題と深くかかわっている食品ロスです。 今回は、実際に会ったフードロス問題に触れながら、私たちにできることを紹介します。
RAULのインターンシップに参加いただいた跡見学園女子大学のA.Nさんが執筆してくれた記事だモ!内容がご参考になりましたら、ぜひともイイネやシェアしてほしいだモ!
食品ロスってなんだ?
食品ロスは、まだ食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食品のことをいいます。
日本における食品ロスは、年間464万トン発生しています。日本の食品ロスは、事業者から231万トン、家庭から233万トン排出されています。そのため、食品ロスを減らすには、事業者、家庭双方で取り組む必要があります。
そもそも食品ロスって何が問題なの?
食品ロスなんか環境問題に直結しないよ!なんて考える人もいるかもしれません。
食べ物をつくるには、水や土、エネルギー、肥料、輸送など、多くの資源と労力が使われています。
しかし、私たちはその大切な資源を使って育てた食べ物の3分の1を捨てているといわれています。
そして、廃棄された食品は焼却や埋め立てによって処理されるため、二酸化炭素(CO₂)やメタンといった温室効果ガスが大量に排出されているのです。
話題の商品が引き起こす、意外なロス
最近の出来事として、マクドナルドの「ハッピーセット」大量廃棄が話題になっているのをご存じですか?
2025年8月8日〜11日の期間限定で、ポケモンのおもちゃ+プロモカード付きセットを提供したところ、カード目当ての大人の転売業者が殺到しました。
それにより、カード以外の食品が廃棄されるケースが日本各地で多数発生しました。
店舗や周辺に未開封のセットが放置され、SNSには、食品をポイ捨てする様子や地面に置きっぱなしになっている動画が拡散されニュースに取り上げられる程の大きな話題になりました。
このような事例は今回限りではありません。「ちいかわ」キャンペーン(2025年5月)でも同様に、限定グッズ目当ての大量購入・廃棄・転売が発生し、早期終了および謝罪に至ったケースがあります。
このようにここ数年、マクドナルドのハッピーセットに付属する「おもちゃ」が、SNSやフリマサイトで大きな注目を集めています。
ポケモン、サンリオ、ちいかわ など、子どもから大人まで人気のあるキャラクターとコラボしたおもちゃは、発売初日から売り切れ続出、メルカリなどでは高額転売が横行。
コンプリートを目指す人や転売目的の“買い占め”が目立つようになりました。
「話題だから買う」「限定だからとりあえず確保する」そんな行動が、知らないうちに食品ロスの一因になっているのです。
ハッピーセットの“主役”が、おまけにすり替わる瞬間
ハッピーセットは本来、「子どもたちが楽しく食事できるように」と設計された商品です。小さめのハンバーガー、ポテト、ドリンク、そして小さなおまけ。おまけは“あくまで添え物”のはずでした。
おもちゃが欲しいがために食品廃棄をする現象の背景には、明らかに転売ビジネスの存在があります。
おもちゃはあくまでおまけです。単体では売られていないため、1つのおもちゃを得るにはハッピーセットを買う必要があります。さらに、おまけの中身はランダムで選べないことが多いため、目当てのものを手に入れるには複数個を買わざるを得ません。
そこで一部の人が考えるのは、「買い占めて転売すれば儲かる」という構図です。
これは、需要を煽るマーケティング戦略と、フリマアプリの普及が生み出した、新しい“消費の歪み”といえるでしょう。
転売と食品廃棄の混乱を受けて、マクドナルドが取った措置とは?
2025年8月、日本マクドナルドは以前の「ポケモンカード付きハッピーセット」で起きた混乱を受け、8月29日開始予定だった「ワンピースカードゲーム付きハッピーセット」のキャンペーンを、正式発表前に無期限で延期する決定を下しました。これは、ポケモンカードの回で起きた“買いすぎ・食品の廃棄・転売”といった問題を踏まえたものでした。
今回の判断に見える「社会的責任」としての側面
企業の誠意と配慮
マクドナルドは、単なる自粛ではなく「再発防止のためには中止も辞さない」という選択をしました。それは、食品ロス問題への社会的意識の高まりを重視した姿勢とも受け取れます。
消費者との信頼関係の維持
子どもや家族向けの商品の企画である以上、楽しみを最優先しながらも、混雑やフードロスによるトラブルを起こさないバランスが求められます。その点で、今回は「まだ準備が整っていない」と判断した慎重さが伺えます。
転売って実際儲かるの?
実際にフリマアプリで今回のカード転売価格を調べてみました。
マクドナルドのハッピーセットは510円~540円、クーポンを使えば420円~440円で購入することができます。(2025年8月21日現在
某フリマアプリで調査したところ、未開封5パックセットは7000円前後~12000円前後で売れていました。また、開封されコンプリートされたものは、4000円~5000円前後で売れています。
カードは傷が付くと価値が大幅に下がりやすい傾向にあります。このことから、未開封のほうがコレクターにとって需要があると読み取れますね。加えて、プロモカードは年月が経つとレアリティが高くなり、今後値段が上がっていく見込みがあります。
転売商品買っていい?その考え危険です。
このような転売を支えるのが、「どうしてもあのおもちゃが欲しい!」という一般消費者の行動、心理です。
つまり、転売品を買う人がいる限り「買いすぎた人が悪い」「転売屋が悪い」と一方的に責めることはできません。需要を生み出している私たち一人ひとりの行動も、結果的に食品ロスを生み出す要因となっているのです。
私たちができることは?
私たちができることをまとました。
本当に必要な分だけ買おう。
「全部コンプリートしたい」「レアものを確保したい」気持ちはわかります。でも、それ食べきれますか?お金払っているなら捨ててもいい。は大間違いです。買ったものを食べきれないなら、それはもう買いすぎです。
買う前に立ち止まって考えよう。
この食べ物、ちゃんと食べきれる?欲しいのは「おもちゃ」だけになっていない?そんな自問自答が、ムダな買い物やロスを防ぐ第一歩になります。
もし余ってしまったら、シェアや冷凍保存を工夫しよう。
買いすぎてしまったときは、家族や友人と分け合う、冷凍保存して後で食べるなど、ムダにしない工夫も大切です。
“転売”を応援しないこともアクションのひとつです。
そもそも転売が成り立っているのは、そこから買う人がいるからです。転売が利益になるから、買い占める人が現れます
私たちがその転売に乗らないことも、食品ロスを防ぐ一歩です。
しかし、分かっていても買ってしまう。これは、人として当然の思考です。私たちができることには、限界があります。
では、食品ロスのほぼ半分を占めている事業者(企業)ができることはあるのでしょうか。
転売・食品廃棄を防ぐために、企業が今できること
事業者ができることを紹介します。
購入制限の強化
1人あたりの購入数制限(例:1回の来店で3セットまで)
モバイルオーダーやデリバリーも制限対象にする
転売屋による大量買い占めを防ぎ、機会を公平に分けることができます。
ランダム封入の見直しをする。
ランダム特有のワクワクはなくなってしまいますが、欲しいものを選べるようにすることで、過剰な買い控えを抑制できます。
転売対策の強化をする。(フリマアプリとの連携)
メルカリなどのプラットフォームと連携し、転売品の削除依頼、注意喚起の表示そして、出品者への警告・削除対応の強化をしましょう。
「売っても儲からない」状態をつくることで転売抑止へと繋がります。
消費者への啓発活動
企業からのメッセージは、消費者の意識を変える力があります。
「食品ロス削減キャンペーン」や「食べきり運動」の実施。
商品パッケージに「食品ロスにご協力を」などのメッセージを記載するなど。
この先どうすればいいのか。
企業、消費者、社会の3方向から改善していくことが大切です。
企業 食品廃棄を防ぐ仕組みを作ろう。
消費者 「ちゃんと食べきれる?」という視点での購買行動しましょう。
社会 転売や過剰消費を見直す空気づくりをしよう。
この意識が大切になってくるのではないでしょうか。
企業の取り組みには社会全体を変える力がある
ここまで転売による食品ロスについて述べてきましたが、番外編としてここで私が気になっている事業者が挑戦している取り組みについて紹介します。
事業者(企業)が食品ロスとどのように向き合っているのか。ある企業はこんなこともしているよ。と少しでも分かっていただけたら、幸いです。
食品ロスが“電気”になる時代へ
大量に廃棄される食べ残しや調理くず。それらがただの廃棄物ではなく、新たなエネルギー資源になる取り組みが、いま注目を集めています。
回転寿司チェーン「スシロー」をはじめとする大手外食企業が、食品の残りやすい部分を集めてメタンガスを発生させ、発電に活用するプロジェクトを始動。JFEエンジニアリングと連携し、発電した電力を低価格で利用するしくみを構築しています。
そもそもメタンってなに?
メタン(CH₄)は、とても燃えやすい気体で、天然ガスの主な成分でもあります。
牛のゲップや、泥の中、ゴミ処理場などでも自然に発生します。
無色・無臭だけど、よく燃える=エネルギー源になることが特徴です。
メタン発酵ってなに?
メタン発酵とは、バクテリア(菌)が食べ物の残りや生ごみを分解して、メタンをつくる働きのことです。
これを専門の装置の中で行うことで、食品ロスから燃料となるガスをつくることができます。
メタン発酵→発電の仕組みとは?
メタンから発電ってできるの?!
簡単に説明します。
- 食品ロスをあつめる
食べ残し・賞味期限切れ・調理くずなどの「生ごみ」を、発酵装置に入れます。 - バクテリアが分解する(メタン発酵)
ごみの中で酸素がない場所で生きられる細菌「嫌気性細菌(けんきせいさいきん)」という菌が、酸素なしで生ごみを分解し、メタンガスを作り出します。 - 出てきたメタンガスを燃やす
できたメタンガスをガスエンジンやガスタービンで燃やすと、熱と電気(発電)が得られます。 - 発電された電力を使う or 売る
その電気を施設で使ったり、電力会社に売ったりすることで、エネルギーとして有効活用されます。
このような仕組みにより、食品廃棄物は“ごみ”ではなく、新しい“エネルギー資源”へと変化を遂げるのです。 安定した供給ができるようになれば、世界各地で使われるかもしれませんね。
「もったいない」を、行動に変えよう。
ここまで番外編を除き、転売廃棄から出る食品ロス問題について取り上げました。
人によっては、転売によって生み出されるフードロスの問題は、自分には関係ない、遠い話のように思えるかもしれません。
「そんな大きな問題、自分に何ができるの?」とも思うかもしれません。
しかし、食品ロスは私たちの毎日の選択から生まれているからこそ、小さな行動で変えられることもたくさんあります。
日常的に意識すれば食品ロスを減らすこともできます。
たとえば、、
- 買い物前に冷蔵庫の中をチェックして、必要な分だけ買う
- 「消費期限」と「賞味期限」の違いを知って、期限切れ前に使い切る
- 作りすぎない、外食は食べきれる量だけ注文する
- 残った料理はリメイクや冷凍保存して、次の食事で楽しむ
- 見た目が悪いだけの「訳あり野菜」を選んでみる
どれもすぐに始められることばかりです。
こうした小さな行動が、地球・社会にもやさしい未来につながります。
消費者庁が推奨している「食品ロス 事前チェックシート」というものもあります。
上手く使用することで、自己理解することも大切です。
フードロスを減らすことは、未来への責任
私たちが今日、何を買い、どう食べ、どう捨てるか。
その一つひとつの選択が、未来の環境や社会に大きく影響しています。
「フードロスを減らす」という行動は、自分にも、地球にも、人にもやさしい選択。
それは、私たちみんなにできる、身近で力強い行動なのです。
最後
今回は最近話題になっている転売による食品廃棄を中心に紹介しました。私はこの地球に人間がいる限り、環境問題はなくならないものだと考えています。
しかし、「何をしても無駄だ」というわけではありません。私たちには、思考力と行動力があり、良くも悪くも変えられる力を持っています。
「どう共存するか」「どこまでなら許容されるか」といった問いと向き合いながら、一歩ずつ環境に良いことができるといいですね。
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