家電リサイクルとSDGsの関係とは?正しいリサイクル方法と未来を守る取り組みを解説
使い終わった家電はただのゴミとして処分するのではなく、リサイクルに出して資源を回収することが求められています。家電リサイクルは世界中で持続可能な社会の実現を目指して採択されたSDGsの達成にも関わっており、家庭でも企業でも関心が高まっているのが現状です。
この記事では、家電リサイクルとはどのようなものなのか、家電リサイクルの仕組みや注意点、SDGsとの関わりを通してご紹介していきます。家電リサイクルと社会やSDGsとの関係性について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
家電リサイクルとは?
そもそもリサイクルとは、人間の活動で発生した廃棄物を、再び物品の原材料やエネルギー源として有効利用することです。
ゴミとして処分される物品を減らし、埋め立てに回される廃棄物を減らせる効果があります。焼却処分されるゴミも減らすことができ、二酸化炭素の排出を抑えて地球温暖化を抑制する効果も期待できるでしょう。
家電リサイクルとは、家庭などで出た廃家電を回収し、使用されている金属などの素材を取り出して再び使用する循環の仕組みです。
家電リサイクルを効率的に、かつ正しい手法で進めるために「家電リサイクル法」と呼ばれる法律が制定されています。
家電リサイクルの目的と重要性
家電リサイクルの目的は、これまで粗大ゴミとして埋め立てられてきた廃家電を回収し、内部にある素材を取り出して再利用することです。できる限り廃棄するゴミの量を減らして回収することにより、消費される天然資源を節約することも期待されています。
リサイクルをせずに廃棄された家電をそのまま埋め立てていると、いずれはゴミ処理場が満杯になってしまいます。
また、地球上にある限られた資源が枯渇してしまえば、それ以上人間社会の発展を望むことはできません。
特に、日本は国土も資源も限りがあるため、循環型社会の形成は急務と言えるでしょう。
家電リサイクル法とは?小型家電リサイクル法との違い
家電リサイクル法とは、経済産業省によって定められた家電のリサイクルに関する法律です。正式名称を「特定家庭用機器再商品化法」と言います。
家庭で使用されている比較的大型の家電4品目のリサイクルについて、流れや仕組みを定めた法律です。
似た法律に小型家電リサイクル法がありますが、家電リサイクル法と小型家電リサイクル法には対象となる家電の品目に違いがあります。
家電リサイクル法は大型の家電4品目が対象であるのに対し、小型家電リサイクル法では家庭で使用するような家電全般が対象です。
家電リサイクルが求められる背景
家電リサイクルが求められる背景には、「都市鉱山」の形成を目指すという目的があります。
都市鉱山とは、家電製品や携帯電話などの廃棄される工業製品を、都市に眠る資源と見なす概念です。
一つひとつの製品に含まれる金属の量は微量でも、廃棄される製品の総量を考えれば、膨大な量の金属資源が存在しています。
これらを取り出して再利用することで、天然の鉱山を採掘せずとも資源を循環させて活用できると考えられているのです。
国内では産出できない金属でも、廃棄製品から回収することで、自国内での資源自給ができる可能性が高まります。こうした多くのメリットから、家電リサイクルの重要性が高まっているのです。
家電リサイクルの対象品目と処分方法
家電リサイクル法や小型家電リサイクル法では、回収する家電の品目やリサイクルの流れが決められています。そのため、よく内容を確認しておくことが大切です。
家電リサイクル法の対象となる4品目
家電リサイクル法において回収の対象となるのは、家庭で使用される比較的大型の家電4品目です。
<家電リサイクル法の対象となる4品目>
- エアコン(室内機・室外機)
- テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
エアコンについては、室内機と室外機の両方が該当します。また、回収の対象となるのは家庭用の機器のみであり、業務用の機器は該当しません。
その他のリサイクル対象家電(小型家電リサイクル法の対象)
家電リサイクル法の回収対象となっているのは大型の家電4品目のみですが、小型家電リサイクル法ではそれ以外にもさまざまな家電がリサイクルの対象となっています。具体的な品目は以下の通りです。
- 電話機、ファクシミリ装置その他の有線通信機械器具
- 携帯電話端末、PHS端末その他の無線通信機械器具
- ラジオ受信機及びテレビジョン受信機(テレビ本体を除く)
- デジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDレコーダーその他の映像用機械器具
- デジタルオーディオプレーヤー、ステレオセットその他の電気音響機械器具、光ディスク装置その他の記憶装置
- パーソナルコンピュータ
- 磁気ディスク装置
- プリンターその他の印刷装置
- ディスプレイその他の表示装置
- 電子書籍端末
- 電動ミシン
- 電気グラインダー、電気ドリルその他の電動工具
- 電子式卓上計算機その他の事務用電気機械器具
- ヘルスメーターその他の計量用又は測定用の電気機械器具
- 電動式吸入器その他の医療用電気機械器具
- フィルムカメラ
- ジャー炊飯器、電子レンジその他の台所用電気機械器具(冷蔵・冷凍庫除く)
- 扇風機、電気除湿機その他の空調用電気機械器具(エアコンディショナーを除く。)
- 電気アイロン、電気掃除機その他の衣料・衛生用電気機械器具(洗濯機・衣類乾燥機除く)
- 電気こたつ、電気ストーブその他の保温用電気機械器具
- ヘアドライヤー、電気かみそりその他の理容用電気機械器具
- 電気マッサージ器
- ランニングマシンその他の運動用電気機械器具
- 電気芝刈機その他の園芸用電気機械器具
- 蛍光灯器具その他の電気照明器具
- 電子式・電気時計
- 電子楽器及び電気楽器
- ゲーム機その他の電子玩具及び電動式玩具
家電リサイクルの具体的な流れ
家電リサイクル法では、家電の回収とリサイクルを大まかに4つのステップに分けています。
まず、廃家電を捨てる方、すなわち排出者は適切なリサイクル料金を支払った上で家電の回収を依頼しなければなりません。
家電を買い換えるのであれば、新品の家電を購入した事業者に対して料金の支払いと回収の依頼を行います。
買い換えずに廃棄だけするのであれば、購入当時の事業者や市区町村の案内による事業者に依頼しましょう。
家電が引き渡されると、事業者によって家電リサイクル券が発行されます。これにより、引き渡した家電がリサイクルのためにもとのメーカーに引き渡されているかを確認可能です。
次に、家電を引き取った事業者や市区町村が指定の取引場所まで運搬します。
最後に、家電を製造したメーカーが該当の家電を引き取り、適切な形でリサイクルを実施して資源を回収するのが流れです。
リサイクル後、家電はどう生まれ変わる?
家電製品から回収される資源は金属だけでなく、外装や部品に使用されているプラスチックなども含まれます。これらは適切に再資源化され、新たな用途として活用されます。
再資源化される素材とその活用例
家電に使用されている鉄、銅、アルミなどの金属は、回収して溶解・製錬すれば再び高い品質を維持したまま素材として活用できます。
一方で、限りある資源で作られているにもかかわらず再利用に高度な技術が必要なのが、ポリプロピレンやポリスチレンなどの樹脂やプラスチックです。
たとえば、パナソニックでは家電に使用されていたプラスチックを選別し、高純度のプラスチックから不純物などを取り除いて寿命や強度を復活させた再生樹脂を生産しています。
これにより、再生樹脂製のエアコンのフィルター枠や冷蔵庫のカバーダクトなどが生産されているのです。
レアメタルの再利用とその意義
回収される家電の中でも、小型家電からは特にレアメタルの回収が期待されています。
レアメタルとは、地球上での産出量が少なく、希少性の高い金属類を指します。自動車やIT機器など、現代の工業製品の製造において欠かせない重要な素材です。
レアメタルは産出地域が限られており、主要な金属の副産物として得られることが多いため、その流通は国際情勢や主要金属の生産状況に大きく左右されます。
日本ではこうした鉱物資源のほとんどを輸入に依存しているため、家電から回収して再利用することには大きな意義があると言えるでしょう。
家電リサイクルの注意点
家電リサイクルを実施するときは、いくつかのポイントに注意する必要があります。リサイクルにはさまざまな人が関わるため、自分や家族の身を守るための工夫が必要です。
不法投棄・違法業者に注意
家電リサイクルで気をつけたいのは、違法業者の存在やリサイクルに出した家電の不法投棄です。
家電リサイクルを事業として行うには、各自治体から「一般廃棄物処理業」の許可を受けるか、正式に委託されている必要があります。
家電を「無料で引き取ります」と宣伝して街中を巡回したり、空き地などで回収を行ったりしている業者の中には、こうした許可を得ていない違法業者も少なくありません。
このような業者は、法律に基づいた適切な廃棄処理を行えないため、引き渡した家電が不法に投棄されたり、必要な処理を行わずに破壊されたりすることがあります。
こうした無責任な処分が原因で、フロンガスや各種の有害物質が環境中に放出されるおそれがあります。
また、「無料」と言って近づいてきたにもかかわらず、後から高額な回収費用を請求する業者もいるため、十分な注意が必要です。
個人情報の削除を忘れずに
パソコンや携帯電話などの情報端末には、使用者本人やその周囲の人々の個人情報が含まれていることがあります。
こうした個人情報は、回収を依頼する前に自分で確実に消去しておかなければなりません。氏名や連絡先、クレジットカード情報などが端末に残ったままだと、途中で第三者に情報を抜き取られる可能性があります。
リサイクルの過程にはさまざまな人が関与するため、思わぬところから情報が漏れるリスクを想定し、あらかじめ適切な対策を講じておくことが重要です。
リサイクル券の取り扱いに注意
家電リサイクルの際は、リサイクル券の取り扱いにも注意が必要です。
リサイクル券は、回収された家電に貼り付けられるものと処分を依頼した排出者の控えとに分けられます。
控えに書かれたお問合せ管理表番号を使用すれば、処分を依頼した家電がきちんとメーカーに引き渡されたかを確認可能です。
家電がメーカーに引き渡されるまでは、勝手に家電を持ち去られたり、貼り付けられたリサイクル券が剥がれたりする可能性があります。
リサイクル券の控えを排出者がきちんと管理していれば、このような状況にも対処できるでしょう。
そのため、家電がメーカーに引き渡されるまではリサイクル券を手元に残しておく必要があります。
家電リサイクルとSDGsとの関係
家電リサイクルは、持続可能な社会の実現を目指すSDGsとも深く関わっています。廃家電から資源を回収・再利用することで、資源循環型社会の実現に近づけるためです。
SDGsとは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」のことで、世界中で暮らす人を「誰一人取り残さない」ことを理念に掲げ、世界の貧困の解消や持続可能な社会の実現を目指すものです。17の目標と169のターゲット、231の指標で構成されています。
家電リサイクルは、その17の目標のうちの1つに深い関わりがあります。
目標12「つくる責任、つかう責任」と家電リサイクル
家電リサイクルと特に関わりが深いのは、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」です。
この目標は、人間の活動に伴って生産されるさまざまな物品の製造・消費・廃棄に関する責任を明確にすることを目的としています。たとえば、以下のようなターゲットが設定されています。
- 2030年までに、天然資源の持続可能な管理および効率的な利用を達成する。
- 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従って、製品ライフサイクル全体を通じて、化学物質およびすべての廃棄物の環境上適正な管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小限に抑える。そのために、大気・水・土壌への有害物質の排出を大幅に削減する。
- 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用および再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
これらのターゲットは、家電リサイクルの推進と深く結びついています。
工業製品の生産者と消費者の双方が製品に対して責任を持ち、適切に管理・処分することが、地球環境への貢献につながるとされています。
資源循環型社会の実現に向けた取り組み
家電リサイクルによって期待されているのは、資源循環型社会の実現です。
循環型社会とは、資源を再利用・再生して社会の中で循環させることで、環境への負荷を抑えつつ、人間の活動を持続可能にする社会のことを指します。
従来の「大量生産・大量消費・大量廃棄」を前提とした社会から脱却し、貴重な資源を有効に使い回すことで、持続可能な社会の実現を目指すことが目的です。
資源の消費を削減するための取り組みには、リサイクルによる資源回収だけでなく、製品を可能な限り長く使い続ける中古販売なども含まれます。
たとえ壊れた製品であっても、修理によって再び使用できる場合は、適切な処置を施して再利用することが望まれます。
家庭でできる身近なリサイクル活動
持続可能な循環型社会を実現するためには、家電リサイクルだけでなく、さまざまなリサイクル活動が求められるのです。その中には、家庭で手軽に取り組める方法も多くあります。
家庭でのリサイクルにおいて特に重要なのは、排出するゴミを丁寧に分別することです。自治体のルールに従い、再利用できる資源とそうでないゴミを正しく分別することで、無駄に消費されて埋め立てられる資源を減らすことができます。
また、ポスティングチラシなどの不要なものを受け取らない、あるいは無駄なものを購入しないといった日常の行動も、資源の節約につながる有効な取り組みです。
まとめ
持続可能な循環型社会を実現し、資源の無駄遣いや環境への負荷を軽減するためには家電リサイクルが重要です。
また、家電リサイクルは許可を得た事業者を通じて、適切な形で実施する必要があります。
「カイトリアップ」は、一般社団法人日本SDGs協会によって2つの目標に取り組む企業として「事業認定」を受けたリサイクルショップです。家電や家具を廃棄するのではなく、再利用して中古販売することによって廃棄物発生の抑制を目指しています。 家電を処分するときは、ぜひカイトリアップの利用を検討してみてください。
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