家電リサイクルの環境への効果とは?資源循環と持続可能な社会の実現
役目を終えた家電は、正しい形でリサイクルすることで、環境にポジティブな効果を与えることができます。
反対に、方法を間違えると、リサイクルをしたつもりでできていなかったり、環境に思わぬ負荷がかかったりすることもあるため注意が必要です。
この記事では、家電をリサイクルすることによる環境への効果や、リサイクルの正しい方法と誤った方法、家電リサイクルの課題や今後についてご紹介しています。家電リサイクルが環境に与える効果について関心がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
家電リサイクルとは?その目的と仕組み
現在では家電リサイクル法により、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目が、リサイクルの対象に含められています。
これらの家電は、家庭で使用する電化製品の中でも大型な傾向にあり、金属をはじめとするさまざまな資源や、そのまま廃棄すると環境に悪影響を及ぼす化学物質も使用されています。
家電リサイクルが必要となる理由は、これらの家電からまだ使える資源を取り出して、循環型の社会を形成し、環境への負荷を軽減するためです。
通常のゴミとして家電を廃棄すると、これらを焼却して埋め立てることになり、貴重な資源の枯渇や環境の汚染を招きます。
家電リサイクル法におけるリサイクルでは、家電を使用していた所有者が運搬費用を小売業者に支払って引き渡し、小売業者が管理表を発行して家電メーカーなどの製造業者まで家電を運搬します。
そして、製造業者は家電をマテリアルとサーマルに分けてリサイクルし、残滓を処分します。
家電リサイクルによる環境への良い影響
続いて、家電を適切にリサイクルすることによって得られる、環境への良い影響や効果について見ていきましょう。
家電リサイクルに期待されているのは、人間の活動によって起こり得る、環境への悪影響を食い止めることです。
廃棄物による環境汚染や資源の取り尽くし、地球温暖化など、リサイクルによって歯止めをかけられる事象はたくさんあります。
① 廃棄物の削減と不法投棄の防止
家電を適切にリサイクルすれば、焼却されて埋め立てられる廃棄物を減らすことができます。使われている部品や資源の多くが再利用され、どうしても使い物にならない残滓のみが処分の対象になるためです。
廃棄物を減らせば、フロンガスや鉛などの有害物質が環境に放出され、土壌や河川、海洋環境を汚染するのを防げます。これにより、環境の保護に繋がるのです。
また、リサイクルの窓口を設けることにより、役目を終えた家電が適切な処理をされずに不法投棄されるのを防ぎ、景観の悪化や環境への悪影響を防ぎます。
② 資源の有効活用と「都市鉱山」の形成
家電をリサイクルして使える資源を取り出して再利用すれば、資源が循環する社会を形成できます。
資源を使い捨てにするばかりでは、いずれ地球上の資源が枯渇してしまうため、社会の中で資源を有効活用して循環させる仕組みをつくることは急務です。
家電リサイクルの現場は、資源を採掘しなくてもリサイクル品から取り出すことで取得できる「都市鉱山」なのです。
また、新しく資源を採掘する必要性が減ることで、環境への負荷をさらに軽減できます。
③ フロン回収による地球温暖化対策
家電リサイクルを実施すれば、エアコンや冷蔵庫などに使用されたフロンを回収できます。
フロンは家電などの冷媒として使用される物質ですが、オゾン層の破壊や地球温暖化を引き起こす性質も持っている存在です。
そのため、フロンが使われている家電を適切に処理しないと、中にあるフロンが漏れ出して環境に影響を与えます。
リサイクルによって適切な形でフロンを回収すれば、地球環境への悪影響を軽減できるのです。
④ エネルギー消費の削減と温室効果ガス排出の抑制
家電をリサイクルすることにより、廃棄物を焼却処分するため、あるいは資源を新たに採掘するためのエネルギー消費を抑えられます。
家電をはじめとする廃棄物を処分するためには、焼却のために大量のエネルギーが必要です。
エネルギー資源もまた枯渇の可能性を擁しているため、リサイクルによって資源の消費を抑えられるのであれば、それに越したことはありません。
焼却によって発生するCO2などの温室効果ガスの排出を抑制することもできます。
また、資源を新たに採掘するためにも大量のエネルギーが消費されています。家電の中に使用されている資源を回収して再利用することにより、採掘で消費されるエネルギーも削減可能です。
正しいリサイクルと誤ったリサイクルの違い
家電リサイクルは環境への負荷軽減のためにも大切ですが、どのような形でも良いわけではありません。
業者選びを間違えると、リサイクルをしたつもりで実際には適切な処理がされていなかったなどの問題が発生することがあります。家電リサイクルの際は、正しい方法でルールを守って実践する必要があるのです。
① 無許可回収業者による不適切な処理の危険性
家電の回収を行っている業者の中には、「無料」で回収するとうたって消費者から家電を回収していくところもあります。
しかし、こうした業者の多くは、適切なリサイクルのための技術や資格を持たない無許可の回収業者です。
無料で回収を行える理由は、家電に使用された金属など売却できる資源を抜き取って換金するためです。
換金できる資源以外は適切な処理をされない可能性が高いでしょう。中には、引き取った家電を処分するのではなく、別のところに不法投棄した例もあります。
こうした不適切な処理がされるのを防ぐためにも、正規の仕組みを利用して家電をリサイクルすることが大切です。
② 適切なリサイクルのためのルールと方法
適切な形で家電リサイクルを行うためには、ルールを守って家電を業者に引き取ってもらうことが大切です。
家電リサイクル法では、家電を引き取ってもらう消費者は回収業者に対して、運搬費用などを支払うよう定めています。
基本的には、家電を購入した店舗や許可を受けて回収業務を行っている事業者に、家電の引き取りを依頼するのが無難です。
家電を購入した店舗がすでに存在しない、あるいは遠い、分からないなどの場合は、自治体が設置しているリサイクルセンターなどの窓口に持ち込みましょう。
家電リサイクルの未来と課題
家電リサイクルは、現在その仕組みや制度を整えて、適切な形で実行できるような環境づくりをしている最中です。そのため、現状のままでは解決できていない課題なども存在しています。
環境問題への取り組みを広げていくためには、こうした課題を放置することなく解決に取り組むことが大切です。
① リサイクル配慮設計の重要性
家電リサイクルを推進するためには、対象となる製品のリサイクル配慮設計が重要です。
リサイクルを実際に行う事業者にとって、家電の部品などの規格がバラバラの状態では、作業がしにくく手間がかかります。
そこで、部品のサイズを揃えたり、素材を明記して純度の高いリサイクルができるようにしたりといったリサイクル配慮設計が重要です。
この考え方は年々普及しつつあり、新しい家電ほどリサイクル配慮設計を取り入れてリサイクルしやすくなっています。
② 消費者の意識向上と協力の必要性
家電リサイクルを適切に運用するためには、消費者側の意識向上や協力も欠かせません。
不法投棄や無許可の回収業者がなくならないのは、消費者側に「リサイクルに取り組まなくても大丈夫だろう」「少しでも損をしないようにしたい」といった意識があるためです。しかし、このように考えていては循環型社会の形成は遅々として進みません。
家電リサイクル法において消費者がリサイクルや運搬のための費用を支払うよう求められているのは、消費者にも循環型社会の一員としてコストを支払ってもらうためです。
販売業者は運搬や管理票発行の、製造業者はリサイクルに関わる実務面でのコストを支払っています。これらの役割分担を理解し、リサイクルの必要性に対する高い意識を持つことが求められるでしょう。
③ 持続可能な社会に向けた取り組み
現在、家電リサイクル法の対象になっているのは限られた4品目の家電です。
確かにこれらの家電は大型で使われている資源も多い存在ですが、家庭で使用され、そして廃棄されている家電はこれだけではありません。そのため、対象品目の拡大などの取り組みが求められています。
また、持続可能な社会の実現に向けて必要なのはリサイクルだけではありません。そもそも家電を修理しながら長く使用し、できるだけ廃棄をさせない工夫も必要です。
また、国内での資源循環を目指すのであれば、廃家電の国外流出についても目を向ける必要があるでしょう。
まとめ
家庭で使用できなくなった家電は、適切な事業者に引き渡してリサイクルすることが大切です。
家電リサイクルを実施すれば、廃棄物の処分などで発生する環境への負荷を軽減して持続可能な社会の実現に近づけます。
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