電力自由化の歴史背景やメリット・課題をわかりやすく解説

  • 更新日:2025/01/16

電力自由化は、1990年代から構想がスタートし、2016年に日本で普及し始めた制度です。電力自由化のスタートにより、これまで居住地によって契約先が決められていた電力会社も、全国から好きな事業社を選べるようになりました。

しかし、電力自由化によって生まれた課題がある点も事実です。そこで今回は、電力自由化の歴史背景やメリット・課題をわかりやすく解説していきます。

目次

電力自由化の概要と基本的な知識

電力自由化とは、これまで東京電力や関西電力など特定の電力会社しか販売できなかった電力を、ガス会社や携帯会社など、さまざまな事業社も販売できるようにした制度です。

電力自由化は2016年4月からスタートしましたが、何を目的に電力自由化が始まったのでしょうか。

日本における電力自由化の目的

電力自由化の目的は、以下3つです。

    <電力自由化の目的>

  • 電力の安定供給
  • 電気料金の抑制
  • 電力会社の選択肢を増やす

電力自由化により、消費者は居住地に縛られず電力を契約できるようになったので、災害が起きても別の地域から電力を供給できれば、広範囲で停電が起こるリスクを軽減できます。また、電力自由化は業者間で価格競争を生むので、電気料金の抑制にも繋がります。

さらに、電力自由化が進むと消費者がより自分のニーズに合った事業社と契約できるだけでなく、電力会社の事業拡大で市場・経済活性化を期待できるのです。以上の目的により、電力自由化はスタートしました。

電力自由化の歴史

ここでは、電力自由化の歴史をもう少し細かく年代を区切って見ていきましょう。

1990年代

1990年代、世界的な規制緩和の流れにともない、日本は高コスト構造や内外価格差の調整が課題でした。

それにより、1995年に電気事業法が改正されましたが、規制緩和の流れは続いたため、1999年に競争原理を取り入れた法案改正が再び行われました。

2000年代

1999年の法改正時、「制度開始後3年を目処に電力自由化の範囲や関連制度などを検証し、部分自由化の範囲拡大や全面自由化などの是非を検討すべき」となっていました。

そのため、2003年に再び電気事業法が改正され、電気供給システムの安定性の確保、および電力会社の選択肢を増やす制度が整っていきました。

この流れにともない、電力自由化の対象は大規模な工場やオフィスなどから中小ビルや中規模工場、2016年には一般家庭まで拡大していったのです。

電力自由化がもたらしたメリットと課題

電力自由化がスタートしたことで生まれたメリットや課題を確認していきましょう。

電力自由化がもたらしたメリット

電力自由化は、以下のメリットをもたらしました。

消費者が複数の事業社から自分に合った契約先を選択できるようになった

電力自由化前、消費者は居住地で提供されている電力会社しか契約できませんでした。しかし、電力自由化にともない、居住地に捕らわれず複数の事業社から契約先を選択できるようになったため、より自分に合った事業社との契約が可能になりました。

最適な料金プランを選択できるようになった

電力自由化にともない、各社、さまざまな料金プランを提示するようになったため、消費者はより自分に合った料金プランで電気を契約できるようになりました。

日中の電気料金が安いプランや、夜間の電気料金が安いプラン、電気自動車を所有している人向けのプランなど内容は豊富なので、消費者のライフスタイルに合わせたプラン選びができるようになった点もメリットです。

安い電気料金を維持しやすくなった

電力自由化により、各社は消費者獲得に向けて価格競争を行うようになったため、消費者は「電気料金が高い」と感じたら他社へ簡単に乗り換えられるようになりました。

それにより、消費者は安い電気料金を維持しやすくなった点もメリットとして挙げられます。

電力自由化がもたらした課題

電力自由化により、事業社倒産の可能性が生まれた点は大きな課題です。

電力自由化で新規参入した事業社の中には、経営規模が小さいところもあります。そのような事業社の場合、十分な利益が生まれないと突然倒産してしまう可能性がある点に要注意です。

ちなみに、契約先の事業社が倒産しても急に電力供給が止まることはありません。しかし、消費者は新たに契約先を選び直す手間が発生するので、予期せぬ倒産は混乱を招くでしょう。

以上の点から、電力会社は安定した会社経営を行っている事業社での契約がおすすめです。

まとめ

電力自由化は、1990年代の世界的な規制緩和がきっかけとなり、2016年から本格的にスタートした制度です。

電力自由化にともない、消費者は契約先を自由に選択できたり、より安いプランを選択できるようになったりと、多くのメリットを獲得しました。

しかし、その一方で経営規模が小さい事業社も業界参入できるようになったので、中には契約した事業社が突然倒産してしまう可能性もあります。

契約後にトラブルに巻き込まれないためにも、電力会社を選ぶ際は、料金の安さだけでなく、会社の経営状況や規模なども確認しましょう。

<このページを監修した人>

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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エコモ博士
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