プロパンガスの歴史と料金適正化への道のり
プロパンガスは、日中戦争の開戦と共に日本で普及し始め、現在も家庭や店舗、タクシー会社などで使用されているエネルギーです。
プロパンガスは、これまでガス会社が消費者ごとに料金を自由に設定できていたため、消費者とトラブルが起きやすい点が難点でした。
しかし、現在は経済産業省が施工した法令により、料金トラブルが起きにくい環境が整備されつつあります。
今回は、プロパンガスの歴史と料金適正化への道のりをご紹介していくので、プロパンガスの契約を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
プロパンガスの歴史と普及の背景
現在、プロパンガスはLPガスという名称で多くの家庭や店舗などで普及しています。
しかし、プロパンガスは初めから家庭や店舗用として開発されたエネルギーではありません。そこで、この項目ではプロパンガスの歴史と日本で普及した背景について解説していきます。
日本におけるプロパンガスの導入と普及の経緯
日中戦争により石油を輸入できなくなった日本は、燃料不足を回避するためにプロパンガスを燃料にできる自動車(LPG車)を開発しました。これが日本でプロパンガスが普及し始めたきっかけです。
その後、1953年ごろから家庭の燃料も薪や炭、練炭から、より簡単かつ強い火力を生み出せるプロパンガスへ移行しました。
プロパンガスの料金適正化への道のり
プロパンガスは都市ガスと違い自由料金制を採用しているので、「同じガス会社で契約しても、消費者によって料金が異なる」「料金の内訳が不透明」などの状態が横行していました。
しかし、この状況は消費者の信頼を大きく損なうと問題視されたため、2024年7月2日に経済産業省から「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が施行されたのです。
それにともない、プロパンガス会社には2024年7月2日から「過大な営業行為をしないこと」「LPガス料金について情報提供を求められた場合は必ず提示すること」が義務付けられました。また、2025年4月2日からは「三部料金制の義務化」も決定しています。
- 基本料金:ガスの使用量に関係なく毎月一定額発生する料金
- 従量料金:ガスの使用量に応じて発生する料金
- 消費設備料金:LPガス器具などの設備利用料
<三部料金制>
これにより、これまで自由で不透明だったプロパンガスの料金は、ようやく適正化に向けて動き出しました。
プロパンガスを適正料金で利用するためのポイント
プロパンガスは経済産業省が施行した法令により、適正料金化が進んできていますが、ここでは、より安心してプロパンガスを利用するためのポイントをご紹介します。
適正料金で運営しているガス会社を見極める
適正料金で運営しているプロパンガス会社を見極めるポイントは、先ほどご紹介した「三部料金制」にならって料金を設定しているかどうかです。
これまでのプロパンガス会社は、LPガスの消費に関係ない機器(エアコン、WiFiルーターなど)を消費設備料金に計上していたり、内訳を隠していたりするケースが多く見られました。
しかし、2025年4月2日からは消費設備料金の内訳を提示すること、LPガスと関係ない設備に費用を計上しないことが義務化されたので、三部料金制を守っているガス会社は適正料金で運営しているといえます。
また、法令の施行により、現在は契約前に料金表を確認できるようになったので、複数のガス会社で料金を確認する方法も、適正料金で運営しているガス会社を見極める1つの手段です。
信頼できるガス会社の選び方
プロパンガスを適正料金で利用するためには、信頼できるガス会社を選ばなければなりません。
信頼できるガス会社は、現段階で経済産業省から施行された法令に従い、過大な営業行為を制限しており、消費者から料金の提示を求められた際はすぐに伝えるようにしています。
したがって、「このアパートは特定のLP会社しか契約できない」「一度契約したら他社に乗り換えできない」「契約するまで料金は教えられない」などと言ってくるガス会社は危険です。
また、信頼できるガス会社は、解約方法やLPガス設備の費用負担方法、値上げの可能性などを事前に知らせてくれるので、この点もガス会社選びの基準として覚えておきましょう。
料金トラブルを未然に防ぐための心がけ
プロパンガスを契約する際は、以下の点に心がけて料金トラブルを未然に防ぐことが大切です。
- 定期的に料金を確認する
- 解約条件を契約前に確認する
ガス料金が事前に提示してもらった料金表内で計上されているか、定期的に確認しましょう。急に値上がりしていたり、無駄な設備費用が計上されたりしていないか、チェックが必要です。
料金トラブルは契約中だけでなく、解約時にも発生しやすいです。解約金の有無や最低利用期間などの解約条件は、プロパンガス契約前に確認しておきましょう。
まとめ
プロパンガスは長らく自由料金制で運営されてきたため、消費者と料金トラブルが発生しやすい点が難点でした。しかし、現在は経済産業省が施行した法令により、料金の透明化が進んで来ています。
昨今のプロパンガス会社は契約前に過大な営業行為が禁止されただけでなく、料金表や料金の内訳を確認できるようになったため、不当な料金を請求される心配はほぼありません。
プロパンガス会社を選ぶ際は、お住まいの地域で法令に従い三部料金制を採用している会社から契約先を見つけましょう。

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