与信調査とは?基本から具体的な方法まで徹底解説!
多くの電力会社では、工場など大規模な施設を運用している企業向けに、高圧電力を提供しています。
この高圧電力の契約を結ぶ際は、お客様への与信調査が行われることが多いです。では、与信調査とはどのような調査で電力会社は何のために与信調査を行うのでしょうか。
この記事では、与信調査の目的や流れ、種類などの情報から、電力会社が与信調査を実施する理由についてご紹介しています。
与信調査を受ける可能性がある、与信調査とは何か知りたいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
与信調査とは?
与信調査とは、企業の商取引に関する信用状況について行う調査のことです。信用調査とも呼ばれており、これから取引を行う企業が信用に足る相手なのかを調べます。
これまでの取引でしっかり商品の受け渡しと決済が行われているか、今後も支払いができるだけの財力があるかなどを調べる調査です。
与信調査の目的
与信調査が行われるのは、取引を始める相手が信頼できるかを調べるためです。自社の製品やサービスを利用してきちんと代金を支払ってくれるか、あるいは支払った対価に応じて適切なサービスを提供してくれるのかなどを知ることが目的となっています。
電力会社であれば、高圧電力のサービスを提供したときに電気料金を支払ってもらえるかが重要な争点となるでしょう。
リスク回避のため
与信調査が行われるのは、企業によるリスク回避のためです。提供したサービスに対して、ちゃんとお金を支払ってくれる相手なのかを調べることを目的としています。
サービスを利用しておきながら代金の支払いは踏み倒すという企業相手では、電力会社も安心して契約できません。
電力会社が電気を調達するのにもコストはかかっており、電気料金を得られなければ損でしかないためです。
そのため、その企業がこれまでに代金の支払いを踏み倒した履歴はないか、支払いが厳しくなるような要因がないかを調べます。
長期的なビジネスの継続
企業の多くは、新たに取引を行う相手と長期的にビジネスを続けたいと思っています。そのため、長期的なスパンで取引ができる相手なのかを調べるのです。契約を結んだものの、すぐに解約されてしまうと資金計画にも影響がでる可能性があります。
長期的なビジネスで収入源を確保するとともに、資金計画も安定させるために、与信調査によって長期間の契約を続けられるかどうかを判断しているのです。
与信調査の流れ
与信調査では、大まかに相手企業の情報を収集し、それをもとに信用評価を行う流れによって取引を行うか判断します。それぞれの流れについて、詳しく見ていきましょう。
ステップ1:情報収集
与信調査では、まず企業に関する情報収集から始めます。過去に自社と一度でも取引をしたことがある相手であれば、自社内に残っている過去のデータも活用できるでしょう。
また、インターネット上で手に入る情報からも調査を行います。与信調査のためのさまざまな企業のデータを提供しているサービスもあり、無料で利用できるもので足りない場合は有償の情報も購入して情報収集を行うのです。
最終的に、実際に相手の企業を訪問して与信に関する調査を行います。
ステップ2:信用評価
最終的に、集めた情報をもとに企業の信用評価を行います。企業そのものとその経営者の信頼性、現在の売上や利益の状況、資産状況などから、取引を行うに足る相手なのかを判断するのです。
企業や経営者が問題やトラブルを起こしていないか、財務諸表や決算書などから売上や利益に問題はないか、資産状況は健全かを調べて評価することになります。
与信調査の種類
続いて、与信調査の種類についてご紹介します。与信調査には「内部調査」と「外部調査」、そして「直接調査」と「依頼調査」のように大別されます。それぞれの調査について、詳しく見ていきましょう。
内部調査と外部調査
内部調査は、社内調査とも呼ばれる調査です。本格的に与信調査を始める前に、簡単に自社内に残っているデータから情報を調査します。
過去に取引をした際の履歴や資料、当時取引を担当した職員の話などから過去の情報を収集しますが、得られる情報が限定的なことに注意が必要です。
外部調査は、自社及び調査対象となる企業以外の機関から情報を得るための調査です。外部調査にはさらに「官公庁調査」「検索調査」「側面調査」の3つがあります。
- 官公庁調査
- 検索調査
- 側面調査
公的な機関が提供している情報をもとに行う調査です。法務局では登記情報を確認でき、商業登記簿や不動産登記簿の情報を確認できます。
頻繁な店舗の移転や不祥事の隠蔽につながりそうな動きはないか、不動産に抵当権などが設定されていないかなどをチェックします。
インターネットを利用して情報を得ます。公式ホームページの決算報告やIR情報、人事異動の痕跡などをチェックします。
また、就職情報サイトや口コミサイトなどから、企業の現状に関する情報が得られる場合もあります。
単独で行う調査ではなく、企業を訪問して得られた情報の裏付けのために行う調査です。調査対象の企業が取引している別の企業や金融機関、オフィスがあるビルのオーナーに対してヒアリングなどを行い調査します。
直接調査と依頼調査
直接調査は、自社の担当者が調査対象の企業に対して直接行う調査のことです。実際に相手の企業を訪問して行う調査のほか、メールやFAXなどによって遠方から調査を行うこともあります。
インターネットなど、外部からの調査だけでは分かりにくい企業の情報を直接確認し、全体の雰囲気やスタッフの対応、社内の設備や在庫状況などを確認するのです。
依頼調査は、自社以外の機関に依頼して対象の企業を調査してもらう方法です。取引情報や経営情報について、独自で調査することが難しい場合に、与信調査を専門的に取り扱う会社に委託するのです。
与信調査のメリットとデメリット
続いて、与信調査のメリットとデメリットを見ていきましょう。与信調査を行えば、相手の企業が信頼できるかを判断でき、安定した取引ができる可能性が高まります。
一方で、与信調査を行うためにはコストも時間もかかるため、取引を始めるまでに時間がかかってしまいます。メリットやデメリットの詳細について見ていきましょう。
メリット:リスク回避と信頼構築
与信調査のメリットは、取引におけるリスクを回避して相手の企業と信頼を構築できることです。
与信調査を行えば、取引先の企業が信頼できるかを調査でき、サービスへの対価を滞納されたり踏み倒されたりする可能性がないかを確認してから契約できます。
また、調査を受ける企業も自社の経営状況に不審な点がないことを証明できるため、お互いに信頼関係を築いた上で契約を結べるのです。
デメリット:コストと時間の負担
与信調査を行うデメリットは、調査費用を負担する必要があり時間もかかることです。
与信調査を行う際、資料の取得や信用調査会社への依頼にはお金がかかります。また、自社で調査を行う際も相手の企業に訪問したり、インターネットで情報を収集したりとさまざまな作業が必要になるため時間がかかってしまう場合が多いです。
丁寧に調査を行おうとすればするほど、コストや時間の負担が大きくなってしまいます。
与信調査の具体的なポイント
与信調査を行う際は、3つのポイントをもとに調査を進めます。
1つ目のポイントは、サービスや商品への支払いができるほどの収入があるかです。
相手の企業が継続的な事業を行う環境を整えており、それによる十分な収入が得られているか、自社が提供するサービスに回すだけのお金があるのかを調査します。
2つ目のポイントは、企業やその経営者自身を信用できるかどうかです。経営者の人柄や誠実さ、企業の事業計画など、さまざまな側面から信頼性を判断します。
性格が良いように見えてもお金にだらしない相手は信用できないため、これまで支払いや借金を滞納していないか、踏み倒していないかを確認する必要があるでしょう。
3つ目のポイントは、企業の資産状況や財務の状態についてです。収入自体はあっても、資産状況が悪いと倒産の可能性は捨てきれません。
資金繰りが適切に行われており、滞納や差し押さえの可能性がないかなどをチェックする必要があります。
こうした情報を集めて判断する与信調査は自社内でも行えますが、情報源によっては客観性に欠ける可能性があり、判断を誤るケースも少なくありません。そのため、自社ではなく信用調査会社を活用するのがおすすめです。
信用調査会社の活用
信用調査会社を活用すれば、自社で行うさまざまな調査の工程を委託できます。調査にかかる時間をまるまる信用調査会社に負担してもらえば、自社内の別の業務に人員や時間を使うことが可能です。
また、信用調査会社による調査であれば主観的な判断が行われにくくなり、第三者として公平な目線から取引の判断ができます。
信用調査会社を利用する場合、調査価格は適切か、要求した納期までに調査を終わらせてくれるか、報告書が見やすいかなどをもとに依頼先を選ぶと良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
続いて、与信調査に関して寄せられた質問についてご紹介します。与信調査を行うのは電力会社だけでなく、他社と取引のある企業であればどこにでも可能性があるため、できるだけ疑問点を解消して臨むのが良いでしょう。
与信調査はどのタイミングで行うべき?
基本的には、他社と新規契約を結ぶことになったら与信調査を行うべきです。契約を締結してからでは覆すのが難しくなるため、契約前に調査を行う必要があります。
また、現在契約中の企業であっても、経営不振などの噂を聞いた場合はそれが事実なのかを与信調査によって確認することが大切です。トラブルを回避して共倒れを避けるためにも、早めに調査するようにしましょう。
与信調査の費用はどのくらいかかる?
与信調査を行う際にどれくらいの費用がかかるかは、どのような信用調査会社を利用するのかによって異なります。調査期間が30日前後で大手の会社を利用する場合、相場は1社あたり15,000~25,000円程度です。
時間がない場合は過去の調査の資料を同等の価格で購入することもできますが、必ずしも現状を反映しているとは限らないため改めて調査してもらった方が良いでしょう。
まとめ
与信調査は、取引先となる企業の財務状況などの現状を知り、契約しても大丈夫かを判断するための調査です。
自社に残っている情報や外部機関から集めた情報、該当の企業を実際に訪問して見聞きした情報などから、企業や経営者の信頼性などを判断します。現状で与信調査を行っていない電力会社においては、与信調査を実施することで取引を検討している企業が信頼できるか調査することを推奨いたします。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!
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