ハウスメーカーの省エネ性能を徹底比較

  • 更新日:2025/11/18

住みやすい住宅を実現するためには、省エネ性能にこだわることが大切です。どのハウスメーカーに依頼するかによって、実現できる省エネ性能には差が生じます。

この記事では、住宅における省エネ性能の基礎知識やハウスメーカー選びのポイント、さらに代表的なハウスメーカー10社の特徴を比較してご紹介します。

高い省エネ性能を備えた住まいづくりに関心のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

省エネ性能は「家のつくり×すきまの少なさ×設備×設計×実測データ」で決まる

省エネ性能が高い住宅は「省エネ住宅」と呼ばれます。省エネ住宅は、断熱性能の高さによって冷暖房の効率を高め、空調にかかる消費エネルギーを抑えられるのが特徴です。

住宅の省エネ性能は、建物の構造や隙間の少なさ、エネルギー効率を高める設備、熱の出入りを抑える設計などをもとに、実際にどの程度エネルギー消費を削減できているかを示す実測データによって評価されます。

つまり、開口部の数や熱の逃げにくさなどを基準にした評価が、省エネ性能と呼ばれるものなのです。

省エネ性能の基礎

まずは、住宅の省エネ性能を評価する際に用いられる基準や制度について確認していきましょう。これらの基礎知識を押さえておけば、ハウスメーカーの比較もしやすくなります。

主要な数字

省エネ性能を判断する際には、いくつかの数値が用いられます。

代表的なものが「UA値」と呼ばれる指標です。UA値(外皮平均熱貫流率)は、住宅の内外に1℃の温度差があるときに、屋根や外壁などの外皮を通じて内部から外部へ逃げる熱の量を示したものです。断熱性能を測る目安として用いられ、数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。

また、省エネ性能を評価する指標には「C値」もあります。C値(相当隙間面積)は、住宅の隙間からどれだけ空気が漏れるかを示す数値です。こちらも数値が小さいほど隙間が少なく、気密性の高い住宅であることを表します。

制度と等級

省エネ性能を備えた住宅には、いくつかの基準があります。

代表的な表示の一つが「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」です。ZEHとは、住宅で消費するエネルギーと太陽光発電などで生産するエネルギーをおおむね同程度にし、年間のエネルギー収支を実質ゼロにする住宅を指します。自宅で使うエネルギーを自宅で賄う仕組みといえるでしょう。

また、国が定めた基準を満たした住宅は「省エネ基準適合住宅」と呼ばれます。現行の基準では、断熱等級が4以上、一次エネルギー消費量等級が4以上であることが求められるのです。ただし、この基準は今後改定され、より厳しくなる可能性があります。

断熱等級は、住宅がどの程度熱損失を防げるかを示す指標で、数字が大きいほど性能が高いのです。特に等級6や7は、最高水準の断熱性能を備えていることを示します。

さらに、国の基準以外にも、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が運営する「BELS」という評価制度があります。BELSでは、省エネ性能を星の数で表示しており、視覚的にわかりやすいのが特徴です。

省エネ住宅のメリット・デメリット

省エネ住宅には、環境面や住む人にとってのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。住宅を建てる際には、それぞれの特徴を十分に理解しておくことが大切です。

メリット

省エネ住宅の大きなメリットは、環境への負荷を抑えながら光熱費を削減できる点です。

断熱性能が高いため冷暖房効率が向上し、エネルギー消費量を抑えられます。その結果、電力会社から購入する電力量が減少するのです。現在、多くの電力会社は火力発電に依存しており、発電には化石燃料が使われCO₂が排出されています。

省エネ性能の高い住宅では、購入する電力量を減らすことでCO₂排出量を抑えられるだけでなく、電気料金の削減にもつながります。

さらに、屋内の温度が一定に保たれることで、ヒートショックのリスクを下げ、健康面にも良い効果が期待できるのです。加えて、結露が発生しにくくなるため、住宅の劣化を防ぐことにもつながります。

デメリット

省エネ住宅のデメリットは、初期の購入コストが高くなる点です。

高性能な住宅を実現しようとすると、それに応じて建築費用もかさみ、高額になりやすい傾向があります。ただし、その一方で光熱費を抑えられるため、長期的にはコスト削減につながる可能性があります。

ハウスメーカー選びの比較ポイント

実際に省エネ性能の高い住宅を建てる際には、ハウスメーカーを選んで建設を依頼する必要があります。住宅は高額な買い物であるため、複数のメーカーをしっかり比較したうえで依頼先を決めることが大切です。

ハウスメーカーを選ぶ際には、押さえておきたい8つのポイントがあります。

実績

ハウスメーカーを選ぶ際には、それぞれの実績を丁寧に比較することが重要です。

特に確認しておきたいのが、そのハウスメーカーが手がけた住宅におけるZEH率です。ZEHに対応していると謳っていても、実績がほとんどないメーカーでは、希望通りの住宅が建てられない可能性があります。

さらに、ハウスメーカーごとに対応できる地域が異なるため、建築予定の土地が対象エリアに含まれているかを必ず確認しましょう。あわせて、実際に建てられた住宅の実邸データが公開されているかどうかも重要なチェックポイントです。

技術力

ハウスメーカーによって、建築における技術力のレベルには差があります。省エネ性能の高い住宅を建てる際は、特に断熱性能や気密性をどこまで確保できるかを確認しておくことが大切です。

断熱性能については、そのハウスメーカーが提示する外皮のUA値のおおよその目安を調べておく必要があります。また、壁や屋根、基礎部分に使用する断熱材の工法も性能に大きく関わります。

気密性に関しては、隙間の量を示すC値を「実測」で提示してくれるかどうかを、しっかり確認するのがおすすめです。

設備

ハウスメーカーを選ぶ際には、取り扱っている設備も重要なポイントです。特に窓まわりや換気・空調の設備は、住宅の断熱性能に大きく影響するため、必ず確認しておきましょう。

窓まわりの設備では、サッシの材質が重要です。日本ではアルミサッシが主流ですが、断熱性能を高めるには樹脂製サッシを選ぶ必要があります。さらに、熱が逃げにくいトリプル複層ガラスを取り扱っているか、また窓の配置計画が適切かどうかも確認しておきたい点です。

換気・空調の設備については、その方式を調べておきましょう。第1種熱交換システムを採用している場合、室温を一定に保ちやすくなります。また、全館空調を導入していれば、家全体に空調を行き届かせることができます。

加えて、設備は掃除や部品交換などのメンテナンスのしやすさも考慮することが大切です。

再エネ・蓄電

再生可能エネルギー設備や蓄電設備の取り扱い状況や実績についても、事前に確認しておくことをおすすめします。住宅を建てる際には、建築時にあらかじめ再エネ設備を導入しておいたほうが、保証面などでも有利になることがあります。

また、取り扱い可能な太陽光パネルの容量や災害などで停電した際に活用できる蓄電池やV2Hといった設備が備えられるかどうかも確認しておきましょう。

アフターフォロー

ハウスメーカーごとの特色が特に表れやすいのが、建設後のアフターフォローです。

住宅は高額な買い物であり、その価値を長く維持するためには、定期的なメンテナンスや点検が欠かせません。メーカーごとに異なる保証年数や定期点検の有無・内容についてもしっかり確認しておきましょう。

総額

ハウスメーカーを選ぶ際に重要な要素の一つが、住宅購入にかかる費用の総額です。

住宅に充てられる予算は家庭ごとに異なります。省エネ住宅を建てるには高額な費用がかかることも多いため、その投資に見合う価値があるかどうかを見極めることが大切です。

また、各種設備を導入した場合に光熱費がどの程度削減できるのか、費用対効果も含めて検討してみましょう。

省エネに強いハウスメーカー10選

ここからは、実際に省エネ住宅の建設に強みを持つハウスメーカー10社をご紹介します。各メーカーにはそれぞれ特徴があるため、自分の希望と合致しているかどうかを確認することが大切です。

積水ハウス

積水ハウスは、ZEH普及率95%、累計施工実績8万棟を誇るハウスメーカーです。災害時にもエネルギーを活用できる太陽電池・燃料電池・蓄電池を備えた「グリーンファースト ゼロ+R」を提供しています。

また、基礎構造や雨漏りに関する初期保証が30年間付帯しており、建設後の修繕やメンテナンスも安心して任せられます。

ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)

ヘーベルハウスは、ZEH普及率88%を誇るハウスメーカーです。独自の高性能断熱材やコンクリートを採用しているのが特徴です。

また、太陽光発電の効率を高めるため、パネルの設置場所を独自にシミュレーションしている点も強みといえます。初期保証は30年、プランによっては最長60年の保証を受けることが可能です。

住友林業

住友林業は、ZEH普及率が北海道で94%、その他の地域では80%となっているハウスメーカーです。取り扱う木材の種類が豊富で、デザイン面でも自由度が高くなっています。

また、太陽光発電システムと「エコキュート」を標準仕様としている点も大きな魅力です。

一条工務店

一条工務店は、ZEH普及率99%を誇るハウスメーカーです。実現可能なUA値は0.25と非常に高水準であり、防犯ツインLOW-Eトリプル樹脂サッシや高性能ウレタンフォームを活用した窓づくりも行っています。

また、自社グループの工場で屋根一体型太陽光パネルを生産しているため、導入費用を抑えられる点も特徴です。

さらに、住宅に関するサポートアプリ「i-サポ」を提供しており、建設後のサポート体制も整っています。

パナソニック ホームズ

パナソニック ホームズは、ZEH普及率83%、標準仕様のUA値0.6を誇るハウスメーカーです。創エネ・省エネ・IoT技術を組み合わせた住宅づくりを行っています。

また、快適な生活と省エネ効果が期待できる空調システム「エアロハス」を提供しているのも特徴です。基本構造の保証は35年、雨漏りに関する保証は30年間利用できます。

三井ホーム

三井ホームは、ZEH普及率83%、実現可能なUA値0.26を誇るハウスメーカーです。一般的なZEH住宅に比べてエネルギー収支を約30%改善できる「グリーンズゼロ」を提供しています。

また、屋根には熱を反射するダブルシールドパネルを採用しており、高い断熱性能を実現しています。さらに、雨漏りやシロアリに対する無制限保証も利用可能です。

セキスイハイム

セキスイハイムは、ZEH普及率96%を誇るハウスメーカーです。創エネ設備を活用し、エネルギーを自給自足できる住宅を提供しています。

また、効率的に電力を利用できる蓄電システム「e-Pocket」を導入できるほか、築60年まで無料定期点検を実施している点も大きな特徴です。

大和ハウス

大和ハウスは、ZEH普及率97%を誇るハウスメーカーです。高効率な給湯器や独自のHEMSシステムを導入し、スマートにエネルギーを活用できる仕組みを整えています。

また、独自技術である「外張り断熱通気外壁」を採用しており、高い断熱性能を実現しているのです。さらに、シロアリ保証や設備機器保証は10年間、基礎構造や雨漏りについては30年間の初期保証が付帯しています。

ミサワホーム

ミサワホームは、ZEH普及率89%、UA値0.33を誇るハウスメーカーです。ZEH住宅の種類が豊富で、多くの実績に基づいた安定した品質を提供しています。

また、アフターフォローも充実しており、選択肢の幅広さが大きな特徴です。

トヨタホーム

トヨタホームは、ZEH普及率89%を誇るハウスメーカーです。独自の全館空調システム「スマート・エアーズ」を提供し、エネルギーの無駄を抑えた快適な住環境を実現しています。

また、太陽光パネルに15年間の保証が付いている点も特徴です。

まとめ

住宅の省エネ性能は、ハウスメーカーによって実現できるレベルが異なります。そのため、複数のハウスメーカーを比較し、自分の希望に合った依頼先を見つけることが大切です。

「角刈りの家の話」では、ハウスメーカー選びに役立つさまざまな情報を発信しています。メーカーごとに提供できる省エネ性能について詳しく知りたいときは、「角刈りの家の話」を利用してみてください。

<このページを監修した人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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