地域創生ホールディングスの電気料金プランと特徴を解説

現在契約中の電力会社を切り替えて、さらに電気料金を安くしたいと考えている人も多いでしょう。しかし、新電力会社はたくさんあるため、どの新電力会社と契約すれば安くなるのかわからないと感じる人も少なくありません。

実際に電気の契約を切り替えて、損をしてしまうケースもあります。電力会社によってさまざまなプランが提供され、条件次第で地域の大手電力会社より、料金が高くなるプランに設定されていることもあるためです。

今回は、全国規模で法人に電力小売サービスを行っている、地域創生ホールディングスの電気料金プランを見ていきましょう。法人の総務担当者で、電力需給契約を見直そうと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

地域創生ホールディングスとは

まずは、地域創生ホールディングスがどのような会社かを確認しましょう。新電力会社と契約するにあたって、企業の安定性や知名度などを重視する人も多いはずです。

実際、新電力会社の中には、短時間のうちに倒産したり、経営が苦しくなって料金を値上げしたりするところもあります。

地域創生ホールディングスは、全国各地で地域密着・業種特化型の電気小売事業・ガス事業を行っている企業です。企業概要は、以下のとおりです。

【地域創生ホールディングスの概要】

地域創生ホールディングスは、2021年に設立された比較的新しい電力会社です。コーポレートサイトオープンのお知らせを 見ると、株式会社ハルエネと株式会社おトクでんきという、2つの会社の事業を承継していることがわかります。

ただし、現在、地域創生ホールディングスが電力を販売している対象は、法人のみです。一般家庭の人は申し込めず、個人事業主や小規模な店舗・オフィスを運営している人限定となっています。営業エリアは、北海道電力エリアから九州電力エリアまで全国です。

地域創生ホールディングスの料金プラン

地域創生ホールディングスは、法人・個人事業主向けに、さまざまなプランを用意しています。

＜地域創生ホールディングスの料金プラン＞

• シンプルプランM
• シンプルプランMプラス
• シンプルオフィスサポートプランM
• ビジネスプランM
• ビジネスプランMプラス
• シンプル店舗サポートプランM
• ビジネスオフィスサポートプランM
• ビジネス店舗サポートプランM
• 動力プランM
• 動力プランMプラス
• 低圧セットプランM

各エリアの料金を見る前に、地域創生ホールディングスの電気料金の計算方法・各プランの特徴を知っておきましょう。

地域創生ホールディングスの基本的な料金計算方法

地域創生ホールディングスの基本的な料金計算方法は、「最低料金or基本料金+電力量料金＋再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。最低料金or基本料金は、供給エリアによって変わります。

電力量料金は、使用量に電力量料金単価・燃料調整費・調達調整費の3つの料金の合計をかけた料金です。燃料調整費・調達調整費は、－になることもあります。

燃料調整費は、地域の大手電力会社と同じ金額です。ただし、調達調整費という地域創生ホールディングス独自の料金調整システムがあることに、注意しなければいけません。

調達調整費の計算は、まず「調達単価」を算定するところから始まります。調達単価は、JEPXサイト内における、スポット市場取引結果のエリアプライス1ヶ月単純平均×1.2です 。

調達調整費は、この調達単価が「還元基準値」を下回っていれば、還元（電気料金が安くなる）されます。一方で「追加規制旧基準値」を上回っていれば、追加で料金が請求される仕組みです。

調達単価は、毎月地域創生ホールディングスのホームページで確認できます。地域創生ホールディングスで案内されている、2023年6月以降の還元基準値と追加請求基準値、ならびに直近2024年7月度の調達単価を見てみましょう。

【供給エリアごとの還元基準値・追加請求基準値・調達単価】

この調達調整費の仕組みがあるため、以下で紹介する料金プランは、地域の大手電力会社より安いです。しかし、実際には、電気料金がそこまで安くなるわけではありません。

特にJPEXのスポット市場取引結果が高いと、この調達単価が高くなり、電気料金が大幅に高くなってしまうことも考えられます。

地域創生ホールディングスの料金プランの特徴

地域創生ホールディングスのプランは選択肢が多いため、各プランを簡単にまとめます。

【地域創生ホールディングスの料金プランの特徴】

※オフィスサポートパック・店舗サポートパック：ご利用開始から7ヶ月目以降3,980円（税抜）の料金発生

料金設定が似ているプランの基本的な違いは、以下のとおりです。

＜プランの基本的な違い＞

• 事務手数料が契約時にかかるか、契約期間内に解約したときにかかるか
• 税抜3,980円の「サポート」オプションがつくか

低圧セットプランM以外、すべて3年（自動更新）の契約期間が決まっています。契約期間内の解約は、契約解除料9,800円（不課税）がかかるので、注意が必要です。

地域創生ホールディングス・北海道電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの北海道電力エリアと、北海道電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・北海道電力エリアの料金プラン】

※北海道電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯B・C、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・東北電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの東北電力エリアと、東北電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・東北電力エリアの料金プラン】

※東北電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯B・C、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・東京電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの東京電力エリアと、東京電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・東京電力エリアの料金プラン】

※東京電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯B・C、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・北陸電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの北陸電力エリアと、北陸電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・北陸電力エリアの料金プラン】

※北陸電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯B・C、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・中部電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの中部電力エリアと、中部電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・中部電力エリアの料金プラン】

※中部電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯B・C、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・関西電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの関西電力エリアと、関西電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・関西電力エリアの料金プラン】

※関西電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯A・B、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・中国電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの中国電力エリアと、中国電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・中国電力エリアの料金プラン】

※中国電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯A・B、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・四国電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの四国電力エリアと、四国電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・四国電力エリアの料金プラン】

※四国電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯A・B、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングス・九州電力エリアの料金プラン

地域創生ホールディングスの九州電力エリアと、九州電力の 料金比較は以下のとおりです。ただし、地域創生ホールディングスの料金には、さらに調達調整費が加算されます。

【地域創生ホールディングス・九州電力エリアの料金プラン】

※九州電力の料金はシンプル・ビジネスが従量電灯B・C、動力が低圧電力プラン

地域創生ホールディングスのメリットと良い口コミ・評判

地域創生ホールディングスには、いくつかの口コミが寄せられています。そこから契約するメリットを考えてみましょう。

＜地域創生ホールディングスのメリットと良い口コミ・評判＞

• 電気料金が安い
• 今まで通り電気が使える

一つずつ解説します。

電気料金が安い

電力量料金が安いので、地域創生ホールディングスには助かっています。

地域創生ホールディングスには、電気料金が安くなるという口コミが寄せられていますが、すべての人が安くなるとは限りません。特に、供給エリアによってお得度が異なるので、しっかり料金を確認してから契約するようにしましょう。

今まで通り電気が使える

今まで通り電気が使えて、停電が増えるようなこともないので安心です。

地域創生ホールディングスのような新電力会社に契約を切り替えても、電気が一時的に使えなくなったり、停電が増えたりすることはありません。送電網は今まで通り、地域の大手電力会社のものが用いられるためです。

地域創生ホールディングスの注意点と悪い口コミ・評判

次に、地域創生ホールディングスの悪い口コミを見てみましょう。地域創生ホールディングスに切り替えて、かえって電気料金が高くなると感じる人もいます。

＜地域創生ホールディングスの注意点と悪い口コミ・評判＞

• 電気が安くならない
• 営業がしつこい

一つずつ解説します。

電気が安くならない

調達調整費のせいで電気料金が高くなった。契約前の見込みとだいぶ違う。

地域創生ホールディングスの調達調整費は、電力卸市場の市場価格と連動しているため、料金シミュレーションが難しくなっています。そのため、契約後に料金が思ったより高い、前より高くなったと感じるリスクがある点に、注意しなければなりません。

営業がしつこい

営業マンは安いことばかり強調するが、どうも信用できない。

新電力会社は、多くの顧客を集めなければ利益を出せないため、企業によっては営業マンが積極的に活動しています。会う営業マンによっては、営業がしつこい・信用できないと感じる場合があるかもしれません。

地域創生ホールディングスがおすすめの人

地域創生ホールディングスがおすすめなのは、以下のような人です。

＜地域創生ホールディングスがおすすめの人＞

• お得度が高いエリアで事業を営む個人事業主
• 小規模なお店や事務所を持っている人

地域創生ホールディングスは、供給エリアによって、地域の大手電力会社との料金差が激しい特徴があります。各エリアの料金プランや調達調整費をしっかり確認し、安くなると感じない場合は、ほかの新電力会社を探すのも手です。

地域創生ホールディングスのお申し込み方法

地域創生ホールディングスへのお申し込みは、サポートダイヤルへの電話、お問い合わせフォームのいずれかから可能です。その後、契約の確認（地域創生ホールディングス側から連絡）、スマートメーターへの交換を経て、利用開始となります。

電気プランの乗り換え時のよくある質問

• 電気プランの切替で電気の品質は変わる？
• 電気プランの切替で停電の頻度は変わる？
• 地域創生ホールディングスが倒産した場合は電気がとまる？

電気プランの切替で電気の品質は変わる？

電気プランを切り替えても、電気の品質に違いは発生しません。電力自由化の議論においても、電力の品質については一切の変動がないよう、これまでと同じ送配電ネットワークを使って電気が届けられるよう設計されています。

ですので、経済産業省などのHPにも公開されているよう、これまでと全く同一の電気が届けられます。

電気プランの切替で停電の頻度は変わる？

電気プランを切り替えても、停電のリスクが変動することはありません。電力インフラの事故に関しては、短い期間であっても人命や社会インフラの存続に関わるものであり、その復旧に関しては、特定の電力会社や特定プランの顧客優先という視点は存在しません。

また、経済産業省や消費者庁（消費者保護、安全の確保、消費者啓発を目的とした団体）は、電力全面自由化の際、電力の消費者に対して、新電力は停電が増える、電気の品質が変わるといった誤解をしないよう情報発信しています（ご参考）。

地域創生ホールディングスが倒産した場合は電気がとまる？

電力会社も企業ですので、日本にある多くの会社と同様、経営努力を怠れば特殊な例外事例を除き、通常は倒産します。

ただ、電気の供給断絶は命に関わることもあるため、地域創生ホールディングスが倒産等した場合でも、突然電気が止まることはないよう制度設計されています。

ただし、倒産してますので、同一の電力会社から電気を購入することはできなくなりますので、その点は注意が必要です。

電気を購入している小売電気事業者が倒産等により事業を廃止する場合、小売電気事業者は契約相手である消費者に対してあらかじめその旨周知しなければなりません。

つまり、電気の消費者（みなさま）としては、別の電力会社のプランへ切り替える必要があります。

なお、電気はセーフティネットがしっかりしており、最終的な電気の供給を実施すること（最終保障供給）が一般送配電事業者に義務づけられています。

例えば、それまで供給していた小売電気事業者が倒産等により事業を廃止したような場合には、需要家は、他の小売電気事業者に切り替えるまでの間、一般送配電事業者と契約することで最終保障供給を受けることもできます。もちろん、別の新電力と契約することも可能です。

このように倒産した場合であっても、別の新電力との契約ができるほか、セーフティーネットも存在するため、倒産の周知があった際に電力切替の行動を起こせば停電することはありません。

ただし、倒産した後も全く何もせず、他の電力会社の料金プランへお申込み等しなければ、電気の供給が止まるおそれがあります。

このため、再度ご自身にあった電力会社を探すのは手間であることからも、倒産リスクは電気プラン切替のデメリットと捉えることができます。

まとめ

今回は、法人向けの電力小売サービスを行っている、地域創生ホールディングスの料金プランを解説しました。

地域創生ホールディングスのプランは、地域の大手電力会社と似ていますが、調整費用が市場連動型になっているのが大きな特徴です。

そのため、料金プラン表を見ると電気料金が安く見えても、実際には高くなってしまうリスクもある点にご注意ください。

法人が契約できる新電力会社はほかにもたくさんあるので、ぜひいろいろな新電力会社を比較してみましょう。全国規模でサービスを行っておらず、地域限定・地域密着型で運営されている企業も多いです。

電気プラン乗換コムでは、各電力会社の電気料金プランの数値情報等をデータベース化しております。それらのデータを下記にて一部出力し記載しておりますのでご参考ください。なお、上記記事の作成日とデータベース調査日が異なるケースがありますので、その点はご留意ください。

また、電気料金プランの選択でお困りの方がおりましたら、当サイトでは収集データ等を軸にオススメの電力会社をご紹介しておりますので、宜しければご覧ください。

地域創生ﾎｰﾙﾃﾞｨﾝｸﾞｽによる電気料金プランの提供エリアは？

各電力会社が提供する電気料金プランは全国どこでも利用できる訳ではなく、プランによって使える地域・エリアが分かれています。そのため、下記表にて地域創生ﾎｰﾙﾃﾞｨﾝｸﾞｽが提供する一般家庭用プランの提供エリアをご案内差し上げます。皆さまがお住いのエリアで下記電気料金プランを利用可能であるかご確認ください。

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※各電気料金プラン各々の調査時点での情報となりますので、最新の正確な情報を把握したい方は、各社のHPをご確認ください。

電気料金プランの想定年間電気代は？

電気料金は基本的に、月額固定の基本料金と、実際に使用した電気量に1kWhあたりの単価を乗じた「従量料金」を合計することで算出できます。これら基本料金や従量料金の単価は各電力会社のHPに掲載されておりますので、電気利用量と基本/従量単価を計算式に当てはめることで、電気料金の水準を算出できます。

ただし「基本料金」や「従量料金」の他にも、燃料調整費や市場調整費、もしくは電源調整費等、電力会社によって細かくパラメータが設定されており、実態の電気代と大きく異なるケースもあるため、あくまで下記はご参考としてご参照ください。なお、世帯人数別の電気利用量については、総務省統計局による家計調査の数値をベースとして推計値を算出しています（ご参考））。

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※各電気料金プラン各々の調査時点での情報となりますので、最新の正確な情報を把握したい方は、各社のHPをご確認ください。
※基本料金および電力量料金の合算値となります。
※年間電気代は、一人暮らし（30A相当、月間210kWh）、二人暮らし（40A相当、月間360kWh）、三人暮らし（50A相当、月間400kWh）、四人暮らし（50A相当、月間430kWh）、五人暮らし（60A相当、月間460kWh）、六人暮らし（60A相当、月間560kWh）を利用した場合の推計値です。

各電気料金プランのオプションは？

電気料金プランの利用によって、下記のオプションを利用できる可能性があります。それら内容をご確認いただき、皆様のライフスタイルに沿ったオプション内容であれば、電気料金プランの削減メリットと併せて検討材料にして頂けますと幸いです。なお、オプションによっては適用等で費用が発生するケースもございますので、詳細は公式HPをご確認ください。

※横にスクロールで表全体を表示

※各電気料金プラン各々の調査時点での情報となりますので、最新の正確な情報を把握したい方は、各社のHPをご確認ください。

補足

• 本ページの情報は推計値等も含まれているため、最新の正確な情報を把握したい方は、地域創生ﾎｰﾙﾃﾞｨﾝｸﾞｽの公式HPをご確認ください。