オール電化のメリットとは?デメリットや上手に活用するポイントを解説
オール電化を検討している方は、オール電化にはどのようなメリット・デメリットがあるのかが気になりますよね。
本記事では、オール電化のメリットやデメリットをわかりやすく紹介しています。オール電化が向いている人の特徴も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
オール電化とは
オール電化とは、ご家庭で使うエネルギーをすべて電力でまかなうことです。一般的な家庭では、お風呂、キッチン、給湯器はガスを使用しています。
また、オール電化のものを使用している住宅を、オール電化住宅といいます。オール電化住宅では、それらの代わりに、IHクッキングヒーターやエコキュート、蓄熱ヒーター、床暖房などを使用しているのが特徴です。
オール電化住宅ではガスを使用せず、すべて電力エネルギーで対応するため、家庭の電力を効率的に使用できるように工夫すれば、光熱費を安くできる可能性があります。
オール電化のメリット
オール電化のメリットは、以下のとおりです。
オール電化のメリット
- メリット➀:基本使用料が一本化できるのでお得
- メリット➁:お湯を安く使える
- メリット➂:安く暖房を利用できる
- メリット④:火を使わないので安心
- メリット⑤:災害時に復旧が早い
一つずつ、どのようなメリットなのかを見ていきましょう。
メリット➀:基本使用料が一本化できるのでお得
オール電化はガスを使用しないので、基本使用料を一本化できる点がお得なポイントです。ガスを使う家庭の場合は、ガスと電気にかかる基本料金は別々で請求されます。一方で、オール電化の場合は電気の基本料金で済むため、基本料金を抑える効果があります。
【オール電化の場合・ガスと電気を利用している場合の基本使用料】
オール電化の場合 | ガスと電気を利用している場合 | |
---|---|---|
基本料金 | 電気のみ(一本化) | ガス、電気両方の基本料金が発生 |
光熱費平均 (2人暮らしの場合) |
電気料金12,000〜14,000円 | 電気料金 10,000〜15,000円
ガス 5,000〜6,000円 そのほかの光熱費 1,500〜2,000円 計 18,000円くらい |
ガスの使用頻度や使用量によって変化しますが、オール電化にすると基本料金を含めて他光熱費は電気のみで済むことから、コストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
メリット②:お湯を安く使える
ガスを使用するよりも、お湯を安く利用できます。オール電化のエコキュートは、電気料金が安い深夜に沸かしたお湯をタンクに貯めることが可能です。貯めたお湯を日中に使用できるので、お湯を沸かす電力量を軽減します。
またエコキュートでお湯を沸かすときに、電気だけではなく、外気の熱も同時に利用するため、省エネルギーでお湯を沸かせる点も魅力的です。とくに夏場は気温が高いので、お湯を沸かす電気料金を抑えられるでしょう。
メリット③:安く暖房を利用できる
オール電化は蓄熱効果があるため、安く暖房を利用可能です。電気の使用単価が安くなる夜の間に蓄熱ができる蓄熱暖房機を使えば、安い料金で暖房を使用できます。蓄熱暖房機の中にある、蓄熱レンガに夜の間に熱を貯めておけることが理由です。
また、蓄熱暖房機から発せられる暖かさは輻射熱のため、部屋全体をムラなく暖かくできま
す。蓄熱効果を有効活用できることから、オール電化は安い値段で暖房をメリット④:火を使わないので安全
オール電化のコンロはIHクッキングヒーターを使用するため、火を使用せずに安全です。ガスを使わないので、火災やガス漏れなどの心配がありません。小さいお子さまやペットと暮らしている場合でも、安心してキッチンを利用できるでしょう。
オール電化は火を使わないことから、安全性と利便性に優れていることで注目を集めています。
メリット⑤:災害時に復旧が早い
オール電化は災害時にトラブルが起きてしまっても、復旧が早いといわれています。電力会社は災害が発生すると、電線が断裂しているところを見つけてすぐに修復をするので、ガスや水道よりも早く復旧が可能です。
また、オール電化の導入時に設置するエコキュートは、災害で断水してしまってもお湯や水をすぐに使用できます。貯湯タンクの容量次第ですが、一定期間の生活ができるレベルで水を利用できる点が魅力的です。なお、飲料用としては使えないことを覚えておきましょう。
オール電化のデメリット
オール電化は、火災のリスクを軽減したり、安い費用で家電を使用できたりするなど、さまざまなメリットがあります。その一方で、以下のようなデメリットもあります。
オール電化のデメリット
- デメリット①:昼間の電気代が高い
- デメリット②:導入時に初期コストがかかる
- デメリット③:エコキュートの設置できる場所が必要
- デメリット④:IHクッキングヒーターは調理器具が制限される
- デメリット⑤:停電時は機能が一切使えない
一つずつ、どのようなデメリットになるのかを見ていきましょう。
デメリット①:昼間の電気代が高い
オール電化は、昼間に使用する電気代が高いです。夜に比べると、昼間の電気料金は割高に設定されているので、下記の方法で節約を心がけましょう。
節約方法
- 掃除や洗濯などの家事はできるだけ朝か夜に行う
- カーテンを使用して外からの日差しを防止する
- パソコンやテレビなどの使わない家電はこまめに電源を消す
オール電化で節約をしたい方は、できるだけ夜に消費電力が高いものを使用することをおすすめします。
デメリット②:導入時に初期コストがかかる
オール電化に必要な機器をそろえて工事をする必要があることから、導入時に初期コストがかかります。例えば、下記の機器を導入する必要があります。
導入が必要な機器
- キッチンのIHヒーター
- エコキュート
- 蓄電池
導入時には、初期費用として数10万円〜数100万円もかかってしまいます。とはいえ、長期的に見ると、ガスを使用した場合よりもランニングコストを削減できるため、コストパフォーマンスに優れている点が魅力です。
デメリット③:エコキュートの設置できる場所が必要
オール電化の一部であるエコキュートは大容量のタンクなので、設置スペースが必要です。庭やベランダなどのスペースに設置しないと、オール電化を使用できません。
住宅のスペースに余裕がない場合や設置が難しい場合には、オール電化の適用が難しくなるでしょう。
デメリット④:IHクッキングヒーターは調理器具が制限される
IHクッキングヒーターは火を使わないため、調理器具が制限されてしまいます。電磁力で鍋やフライパンが温まることによって食材を加熱するので、IH専用の調理器具が必要です。
また、金属、ステンレス製、磁石に付く・付かないによって使用できるヒーターが異なるため、自宅のIHで使用できるのか確認したうえで購入しましょう。
デメリット⑤:停電時は機能が一切使えない
オール電化は電気がエネルギー源となるため、停電が発生してしまうと、調理・給湯・暖房などの機能がすべて使えない状態になります。ガスや灯油などのほかのエネルギー源が使える住宅と比べて、停電時の影響が大きいです。
とはいえ、緊急で必要な水はすぐに確保できる点が魅力といえます。エコキュートに貯められたお湯があるので、非常用の水として利用できます。エコキュートに貯蔵された水は、沸騰で殺菌できていない状態のため、飲料水として直接飲まないよう気を付けましょう。
オール電化を上手に活用できれば、節電につながったり、電気代にかかる費用を抑えたりできます。上手に利用するポイントは、下記項目の方法です。
オール電化を上手に活用するポイント
- ポイント➀:エコキュートや蓄熱暖房機は季節に合わせて使う
- ポイント②:電気料金の安い夜間に利用する
オール電化のメリットを最大限に活かす方法を見ていきましょう。
ポイント➀:エコキュートや蓄熱暖房機は季節に合わせて使う
エコキュートや蓄熱暖房機は、暑い時期や寒い時期などの季節に合わせて使うことがポイントです。例えば、寒い冬場の時期は蓄熱暖房機を活用して暖房を使用し、暑い夏場ではエコキュートを活用して給湯をすると、使用電力量を削減できます。
【エコキュートと蓄熱暖房機の特徴】
特徴 | |
---|---|
エコキュート |
|
蓄熱暖房機 |
|
どちらとも電力を効率よく使用できたり、光熱費を節約できたりする効果があるので、季節に合わせた利用を心がけましょう。
ポイント➁:電気料金の安い夜間に利用する
オール電化は、電気料金の安い夜間に利用することがポイントです。多くの電力会社は、夜間の電気が日中に比べると需要度が低くなることから、夜間の料金が安く設定されています。
掃除や洗濯などの家事を夜にできると、家事で利用する電力料金を節約することが可能です。オール電化で効率よく節約したい方は、料金の安い深夜に工夫して電気を使用しましょう。
オール電化の利用が向いている方の特徴
オール電化の利用は、下記の特徴がある方に向いています。
オール電化の利用が向いている方
- 電気料金が高く設定されている昼間に電気をあまり使わない
- 安心安全に生活したい
- 節約志向で光熱費をもっと安くしたい
- IHクッキングヒーターを上手に利用できる
昼間の電気料金が割高なので、昼間に電気をあまり使わない人に向いています。また、火を使わないので、安心安全に生活したい方、光熱費を一本化できるので、光熱費を安くしたい方にもおすすめです。
オール電化のメリットに関するよくある質問
オール電化のメリットに関するよくある質問を取りあげます。
オール電化のメリットに関するよくある質問
気になる疑問を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
オール電化のメリットは?
オール電化のメリットは、主に下記項目があります。
- 基本使用料の一本化ができる
- お湯や暖房が安く使用できる
- キッチン周りのお手入れがしやすい
- 家の中で火を使わず安全
- 災害時などのトラブルに復旧が早い可能性がある
<オール電化のメリット>
オール電化は安心安全に利用できるうえ、災害時のトラブルから早く復旧できるメリットがあります。小さなお子さまやペットを飼われている方にとっては、重要なポイントとなるでしょう。
メリットを詳しく知りたい方は「オール電化のメリット」を確認してみてください。
オール電化のデメリットは?
オール電化のデメリットは、下記項目があります。
- 昼間の電気代が高くなる可能性がある
- 設置の初期費用が高額
- 停電時になにも機能しなくなる
- エコキュートは設置場所を選ぶ
- 直火料理ができないため調理器具に制限がある
<オール電化のデメリット>
オール電化は、導入時に費用がかかってしまったり、IH専用の調理器具を選んだりなど、手間がかかってしまいます。とはいえ、デメリットは工夫次第で解決できることがほとんどなので、導入する前にどのように対策をとるといいのかを明確にしておきましょう。
詳しくはオール電化のデメリットをご参照ください。
オール電化と電気・ガス併用のどちらがお得?
ガスの基本料・使用料がないため、オール電化のほうがお得です。ガスを使用する場合はガス電気の使用料が発生しますが、オール電化の場合は電気料金のみの使用料のため、使用料が一本化できお得になります。
詳細は「メリット➀:基本使用料が一本化できるのでお得」で解説しています。
オール電化を4人家族が利用すると電気代はいくら?
1人暮らしの場合だとオール電化住宅は高くなり、2人家族以上では安くなる傾向にあります。4人家族以上で使用すると、平均17,416円です。1人あたりにかかる電気代が約4,400円となり、2人家族以上はコストパフォーマンスがいいことがメリットでしょう。
オール電化が停電したらどうすればいい?
オール電化を利用していて停電した場合は、停電が解消されたときの火災や事故の二次災害を防ぐために、コンセントから電気製品のプラグを抜いて復旧を待ちましょう。ただし、台風や地震などの大きな災害で、復旧に時間がかかることが予想できる場合は、復旧を待つ間にさまざまな対策をとる必要があります。
まとめ
オール電化のメリットやデメリットを解説しました。オール電化は安心安全に利用できたり、工夫次第では節約につながったりといったメリットがあります。導入時には設備の設置に費用がかかったり、IH専用の調理器具をそろえたりすることが必要です。
とはいえ、長期的に考えると電気料金を抑えられるので、ガスと電気を併用するよりも、光熱費を抑えることが可能なことから、コストパフォーマンスに優れています。
今回紹介したオール電化の節約術やトラブルの対策を意識して、効果的にオール電化を利用していきましょう。