電気の引越し手続きマニュアル|解約から利用開始までの流れや必要な書類をわかりやすく解説
進学や転勤などで新居へと引越す際には、生活に必要なさまざまなライフラインの手続きが必要です。中でも、電気関係の手続きを忘れると、新生活を快適に始められなくなってしまいます。
しかし、初めての引越しや久しぶりの引越しで「電気関係の手続きはいつまでに済ませておくべき?」「契約にはどんな書類が必要?」といった疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。
こちらの記事では、電気の引越し手続きに関する情報をまとめてお伝えします。新居での快適な生活をスタートさせるために、ぜひお役立てください。
電気の引越し手続きは何日前までやるべき?
電気の使用開始・停止手続きは、引越し前に済ませておくとスムーズです。おおむね引越す1週間前、最低でも3日前までには手続きを済ませておきましょう。
また、引越しが増える3~4月、および9~10月の繁忙期には、さらに余裕をもって手続きを済ませておくことをおすすめします。 この時期には、電気の契約・解除を依頼する人が増えるため、手続きに時間がかかることや、電力会社のオペレーターに電話がつながりにくくなることが予想されます。
新居で電気が使えないという事態を避けるためにも、1~2週間前頃から余裕をもって手続きしておくと安心です。
引越し当日に電気の手続きをしても良い?
電力会社によっては、引越し当日でも手続きを行ってくれる場合があります。例えば東京電力では、引越し当日に申込手続きをした後、すぐに電気を使用することが可能です。ただし、土日祝は当日申込み・開通ができないことや、申込みをした時間帯によっては当日に受付できない可能性があるなど、いくつか条件があります。
しかし、引越し日が休日と重なっていても、新居に設置してある電力メーターが「従来型」の場合には、翌営業日まで待つ必要はありません。従来型の電力メーターは、契約手続きが完了していなくても、ブレーカーを上げて電気を使用することが可能です。手続き前に使用した電気代については、後日電力会社から送られてくる請求書にしたがって支払いましょう。
一方、新居に設置されている電力メーターが「スマートメーター」の場合は、当日申込み・開通ができない可能性があります。スマートメーターには通信機能がついており、電力会社が遠隔で供給・停止の操作をしています。居住者がいない場合には、その時点で送電が中止されているため、開始手続き完了まではまったく電気が通っていない状態です。
電力会社によっては、当日開通に対応してくれる場合もありますが、できるだけ余裕をもって手続きを済ませておくことをおすすめします。
【全国の主な電力会社が推奨する手続きのタイミング】
電力会社名 | 推奨する手続きのタイミング |
---|---|
東北電力 | 使用開始日5日前までの申込みを推奨 |
東京電力 | できるだけ早めの手続きを推奨 ただし、営業日内であれば、使用開始日または停止当日でも手続き可能な場合もあり |
中部電力 | 使用開始日が決まった時点で早めの手続きを推奨 |
関西電力 | 使用開始日・停止日の30日前から前日までの申込を推奨 当日申込みの場合は、希望の時間に電気が使えない場合もある |
電気の引越し手続きの流れ
電気の使用開始手続きは、インターネットまたは電話での申込みが可能です。
引越しをする際の電気の手続きの流れは、以下のとおりです。
電気の引越し手続きの流れ
各項目で詳しい内容をご説明します。
手続きに必要な書類・情報を用意する
引越し先で旧居と異なる電力会社を利用する場合には、新規契約手続きが必要です。手続きに必要な書類や情報を、手元に用意しておきましょう。
電気の開通手続きに必要な情報
- 契約者の氏名
- 新居の住所
- 引越し日時or使用開始日
- 希望の電気料金プラン
- 電気料金の支払方法(クレジットカード番号、銀行口座番号など)
旧居の電気の停止手続きをする
引越しをする際は、旧居の電気解約手続きも忘れずに行いましょう。解約を忘れた場合、電気を使用していなくても、基本料金を支払わなければいけません。解約手続きには、電力会社から毎月送られてくる「検針票」や「電気料金の領収書」に記載されている、以下の情報が必要です。
電気の停止手続きに必要な情報
- 契約者の氏名
- お客様番号
- 供給地点特定番号
- 旧居の住所(電気を停止するため)
- 旧居の電気を停止する日付
主な電力会社の電気停止手続きの窓口は、以下のとおりです。
【主な電力会社の電気使用開始手続きの窓口】
電力会社名 | 引越し手続き用Webサイト | 電話番号 |
---|---|---|
北海道電力 | 北海道電力公式サイト | 0120-12-6565 |
東北電力 | 東北電力公式サイト | 0120-066-774 |
東京電力 | 東京電力公式サイト | 0120‐503‐895(規制料金プラン) 0120‐503‐894(自由料金プラン) |
北陸電力 | 北陸電力公式サイト | 0120-77-6453 |
中部電力 | 中部電力公式サイト | 0120-921-691 |
関西電力 | 関西電力公式サイト | 0800-777-8810 |
中国電力 | 中国電力公式サイト | こちらのサイトから最寄りの営業所へお問合せください |
四国電力 | 四国電力公式サイト | 0120-500-908 |
九州電力 | 九州電力公式サイト | こちらのサイトから最寄りの営業所へお問合せください |
沖縄電力 | 沖縄電力公式サイト | 0120-586-390 |
電話の場合は、はじめに「引越しをするので、〇月〇日に電気を停止してください」という旨を伝えます。その後は、コールセンターの担当者の案内にしたがって、聞かれた情報を答えていきましょう。
新居の電気の使用開始手続きをする
旧居の電気停止手続きが済んだら、新居の電気使用開始手続きが必要です。契約したい電力会社を決めたら、停止手続きをしたときと同様に、インターネットまたは電話で手続きを行います。ただし、引越し先でも旧居と同じ電力会社を利用する場合、こちらの手続きは必要ありませんので、次の項目へと進みましょう。
主な電力会社の電気使用開始手続きの窓口は、以下のとおりです。
【主な電力会社の電気使用開始手続きの窓口】
電力会社名 | 引越し手続き用Webサイト | 電話番号 |
---|---|---|
北海道電力 | 北海道電力公式サイト | 0120-12-6565 |
東北電力 | 東北電力公式サイト | 0120-066-774 |
東京電力 | 東京電力公式サイト | 0120‐503‐895(規制料金プラン) 0120‐503‐894(自由料金プラン) |
北陸電力 | 北陸電力公式サイト | 0120-77-6453 |
中部電力 | 中部電力公式サイト | 0120-921-691 |
関西電力 | 関西電力公式サイト | 0800-777-8810 |
中国電力 | 中国電力公式サイト | こちらのサイトから最寄りの営業所へお問合せください |
四国電力 | 四国電力公式サイト | 0120-500-908 |
九州電力 | 九州電力公式サイト | こちらのサイトから最寄りの営業所へお問合せください |
沖縄電力 | 沖縄電力公式サイト | 0120-586-390 |
新居でブレーカーを上げて利用開始
引越し当日には、新居に設置されているブレーカーのスイッチを入れて、電気を使える状態にする必要があります。
ブレーカーの操作手順
- アンペアブレーカーを「入」にする
- 漏電ブレーカーを「入」にする
- 配線用ブレーカーを「入」にする
- 電気が使用できるか確かめる
※アンペアブレーカーが取り付けられていない「スマートメーター」の場合は「2」以降の手順を参考にしてみてください。
電気に問題がなければ、新居に置いてある「電気使用申込書」に必要事項を記入し、ポストに投函しましょう。
万が一、ブレーカーを上げても電気がつかない場合には、電力メーターの種類によって以下のような対処が必要です。
【ブレーカーを上げても電気がつかない場合の対処法】
電力メーター | 対処法 |
---|---|
従来型 | 漏電の可能性がないかを確かめる 「漏電ブレーカー」を上げたまま、「配線用遮断器」のスイッチをひとつずつ上げる いずれかのスイッチで漏電ブレーカーが落ちたら、漏電の可能性が高いため、速やかに電力会社に連絡をする |
スマートメーター | 使用開始日に間違いがないかを確認する 使用開始日があっているにも関わらず、電気がつかない場合は電力会社に連絡する |
【補足】電気の手続きでは基本的に立ち合いは不要
電気の開通手続きには、基本的に立ち合いは必要ありません。ただし、オートロックのマンションなど、係員だけでは確認できない位置にメーターが取り付けられている物件では、立ち合いが必要になるケースもあります。また、契約プランの内容や、電力会社の供給設備の状況によっても、立ち合いを求められる可能性があります。
電気の引越し手続きをする際の注意点
電気の引越し手続きをする際には、以下のような点に注意が必要です。
電気の引越し手続きをする際の注意点
- マンションでは電力会社が指定されるケースがある
- 退去時にブレーカーを落とすか大家さんに確認する
➀マンションでは電力会社が指定されるケースがある
引越し先のマンションが「高圧一括受電契約」の物件の場合には、契約する電力会社を指定されるケースがあります。「高圧一括受電契約」のマンションでは、特定の電力会社と1棟分の電気契約を結んでいるため、各戸で自由に電力会社を選べません。その代わり、通常より割安な料金で電気を使用できるメリットがあります。
ただし、中にはマンションの共有施設のみが「高圧一括受順契約」で、各戸の個別契約には制限を設けていないマンションもあります。引越し先のマンションがどのような電気契約になっているか、引越し前に確認しておくと良いでしょう。
➁退去時にブレーカーを落とすか大家さんに確認する
一般的に、感電や火災といった事故が起きる可能性があるため、退去時にはブレーカーを落としておかなければなりません。しかし、地域や季節によっては、ブレーカーを落とさないほうが良い場合もあるため、注意が必要です。
特に、冬季にブレーカーを落とすと、給湯器の凍結防止機能が停止し、排水バイプが凍結・破損する恐れがあります。場合によっては、修理費用を請求される可能性もあるため、退去時のブレーカーについては、大家さんや不動産会社に確認しておきましょう。
電気の引越し手続きに関するよくある質問
こちらでは、電気の引越し手続きに関するよくある質問を取り上げます。
電気の引越し手続きに関するよくある質問
- 電気の引越し手続きはいつからいつまでに行う?
- 電気の引越し手続きを忘れていた場合はどうなる?
- 電気の引越し手続きに立ち合いは必要?
- 退去時はブレーカーを落とす必要がある?
- 電気の引越し手続きに必要な書類は?
- 電気の引越しの窓口は?
- 引越し先の電力会社の選び方は?
それぞれ回答していくので、気になる項目を確認してみてください。
電気の引越し手続きはいつからいつまでに行う?
電気使用開始の手続きは、引越しの1週間前まで、遅くとも3日前には済ませておきましょう。また、引越しをする人が増える4月、および9月の繁忙期には、引越しの1~2週間前を目安に手続きを済ませておくと安心です。
詳しくは「電気の引越し手続きは何日前までやるべき?」をご覧ください。
電気の引越し手続きを忘れていた場合はどうなる?
電力会社にもよりますが、電気の使用開始手続きは当日でも行うことが可能です。ただし、申請した時間帯や電力会社の営業日によっては、当日申込み・開通が難しい場合もあります。また、引越し手続きを忘れていたとしても、新居の電力メーターが従来型であれば、ブレーカーを上げて電気を使用することが可能です。
詳細は「引越し当日に電気の手続きをしても良い?」を確認してみましょう。
電気の引越し手続きに立ち合いは必要?
電気の開通には、基本的に立ち合いは必要ありません。ただし、係員だけでは確認できない場所にメーターがある場合には、立ち合いを求められるケースもあります。
「【補足】電気の手続きでは基本的に立ち合いは不要」にて詳しく解説しています。
退去時はブレーカーを落とす必要がある?
物件のある地域や季節によっては、ブレーカーを落とさないほうが良いこともあります。退去時のブレーカーについて特に指示がない場合は、念のため大家さんや不動産会社に確認をとっておくと安心です。
詳しく知りたい方は「➁退去時にブレーカーを落とすか大家さんに確認する」を確認してみてください。
引越し先でブレーカーを上げても電気がつかない場合は?
ブレーカーを上げても電気がつかない場合の対処法は、新居に設置されている電力メーターによって異なります。まず、従来型の電気メーターでは漏電の疑いを確認し、異常があれば電力会社への連絡が必要です。次にスマートメーターの場合は、電気開始使用日に間違いがないかを確認し、状況を電力会社に伝えましょう。
詳しくは「④新居でブレーカーを上げて利用開始」をご覧ください。
電気の引越し手続きに必要な書類は?
電気の使用開始、および停止時に必要な情報や書類は、以下のとおりです。
使用開始時に必要な情報や書類
- 契約者の氏名
- 新居の住所
- 引越し日時or使用開始日
- 希望の電気料金プラン
- 電気料金の支払方法(クレジットカード番号、銀行口座番号等)
使用停止時に必要な情報や書類
- 契約者の氏名
- お客様番号
- 供給地点特定番号
- 旧居の住所(電気を停止するため)
- 旧居の電気を停止する日付
解約時には、上記の情報が記載された検針票や電気料金の領収書を手元に用意しておくとスムーズです。
詳しくは「➀手続きに必要な書類・情報を用意する」「➁旧居の電気の停止手続きをする」を参考にしてみてください。
電気の引越しの窓口は?
主な電力会社の電気使用開始・停止手続きの窓口は、以下のとおりです。
【主な電力会社の引越し窓口】
電力会社名 | 引越し手続き用Webサイト | 電話番号 |
---|---|---|
北海道電力 | 北海道電力公式サイト | 0120-12-6565 |
東北電力 | 東北電力公式サイト | 0120-066-774 |
東京電力 | 東京電力公式サイト | 0120‐503‐895(規制料金プラン) 0120‐503‐894(自由料金プラン) |
北陸電力 | 北陸電力公式サイト | 0120-77-6453 |
中部電力 | 中部電力公式サイト | 0120-921-691 |
関西電力 | 関西電力公式サイト | 0800-777-8810 |
中国電力 | 中国電力公式サイト | こちらのサイトから最寄りの営業所へお問合せください |
四国電力 | 四国電力公式サイト | 0120-500-908 |
九州電力 | 九州電力公式サイト | こちらのサイトから最寄りの営業所へお問合せください |
沖縄電力 | 沖縄電力公式サイト | 0120-586-390 |
電力会社の電気使用開始・停止手続きの窓口を知りたい方は「➁旧居の電気の停止手続きをする」「➂新居の電気の使用開始手続きをする」をご参照ください。
引越し先の電力会社の選び方は?
2016年4月に始まった電力自由化に伴い、利用者が自由に電力会社を選べるようになり、大幅に選択肢が増えました。新居で利用する電力会社を選ぶときには、供給エリアや料金プランを確認し、ご自分のライフスタイルにあったものを選びましょう。
電力会社の選び方のポイント
- 供給エリアをチェックする
- 生活スタイルにあった料金プランから選ぶ(単身用や、オール電化用など)
- 特典やセット割があるかチェックする(ガスとのセット割や、マイル付与など)
まとめ
今回は、電気の引越し手続きに関する情報をまとめてお伝えしました。
電気の開通に関する手続きは、引越しの1週間前まで、遅くとも3日前には済ませましょう。4月、9月の繁忙期には手続きに時間がかかることがあるため、引越し1~2週間前頃を目安に手続きを済ませるのがおすすめです。引越し当日でも電気使用開始の申込みや開通は可能ですが、多くの電力会社では早めの手続きを推奨しています。
また、電気の使用開始・停止に関する手続きはインターネット、および電話で行えます。手続き時には、新居の住所や、現在の契約について書かれた「検針票」などを手元に用意しておきましょう。
物件によっては電力会社が指定されているケースもあるため、引越し前に契約形態を確認しておきましょう。そのほか、退去時にブレーカーを落とすかは、念のため大家さんや不動産会社に確認をとると安心です。
越し当日に焦らずに済むよう、電気の使用開始・停止手続きには余裕を持ち、快適な新生活をスタートさせましょう。