買い物袋から考える環境問題

2021年11月09日

所属:跡見学園女子大学

インターン生:O.Mさん

買い物袋から考える環境問題の写真

近年、日本ではマイバッグを持参して買い物をすることが日常化しつつあります。プラスチック製買物袋(レジ袋)は環境負荷があるということから、2020年7月1日にプラスチック製買物袋が有料化され、マイバッグを持つ人々が増えたのです。しかし、マイバッグがレジ袋よりも環境に優しいと本当に言えるのでしょうか。

レジ袋が及ぼす環境問題とは?

レジ袋を含むプラスチックには、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題があります。プラスチックは便利で使い捨てもしやすく、あらゆる分野で私たちの生活に貢献している一方、廃棄される量が非常に多いです。そしてプラスチックは適切な処理が行われないもの多く、環境に負荷を与えてしまっています。プラスチックは石油を原料とする物質です。石油の主成分は水素と炭素であり、燃やせば二酸化炭素が排出されます。つまり、プラスチックを生成したり焼却で処理する際には、二酸化炭素が発生してしまうのです。この二酸化炭素は温室効果ガスの主成分であり、増加すれば地球温暖化を促進することにも繋がります。

また、プラスチックごみは軽くて丈夫であることから、微生物などに分解されることなく自然界に存在します。よって、自然投棄されたプラスチックごみは風に飛ばされたり、河川に落ちて流されたりして海へと辿り着きます。そして海面を漂ったり海底に沈んだりして海洋汚染を引き起こします。プラスチックの生産量と廃棄量は年々増加しています。1950年以降のプラスチックの生産量は83億トンを超えており、そのうち63億トンがごみとして廃棄されました。今でこそ回収されたプラスチックは焼却処分やリサイクルなどが行われますが、以前は埋立や海洋などに投棄されることが多く、今までに廃棄されたうちの79%がそのような処理を行われていたのです。リサイクルも2017年までに9%程度しか行われておらず、このままのペースでいけば2050年までに120億トン以上のプラスチックが埋立や自然投棄されることになります。

これらの環境問題は、日本だけでなく世界中で問題視されており、早急な対策が行われるほど深刻なものです。2050年には、世界のプラスチックの製造・廃棄にかかる二酸化炭素排出量は、気温上昇を2℃以下に抑えるための二酸化炭素排出量の上限のうち15%を占めると言われています。また、陸域で排出されたプラスチックごみは、世界全体で毎年800万トン海に溜まり続けてます。このまま続くと、2050年には海洋中のプラスチックごみの重さが、魚の重さを上回るとされています。海洋プラスチックごみ問題は環境問題の中でも特に深刻であり、世界中で議論され、これ以上環境が悪化しないように、取り組みが行われています。海がプラスチックごみで溢れ返れば、景観が損なわれるので、観光業に影響を与えます。また、海洋生物の生態系が破壊されてしまうので、漁業にも影響を与え、魚介類が獲れなくなる未来が来るかもしれません。

中でも日本の一人当たりのプラスチックごみの廃棄量は、日本の人口1人当たりの廃棄量においてアメリカに次いで世界2番目に多いと言われています。そんな日本で多く廃棄されるプラスチックごみの廃棄量のうち、2%程度がレジ袋なのです。2%といわれると少なく感じる方もいるかもしれませんが、一人当たりのプラスチックごみ廃棄量が多い日本において、その中の2%が削減されると考えれば相当な量になるといえるのではないでしょうか。

レジ袋の有料化

以上の問題を踏まえ、2020年7月1日より、プラスチック製買物袋の有料化を行い、レジ袋ではなく何度も使える「マイバッグ(エコバッグ)」を推奨する動きが大きくなりました。先行してレジ袋有料化を行っていた都道府県や市区町村はありましたが、法律で定められた規定により、全国でプラスチック製買物袋の有料化が始まったのです。これは、普段何気なく貰っているレジ袋を有料化することで、レジ袋の使用を控えてもらうと共に、レジ袋が本当に必要かを考え、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。日本におけるレジ袋は、国内で使用されるプラスチック全体のうち2%ではありますが、まずは身近なレジ袋から取り組み、その他のプラスチックごみの削減に広げていくことが大切です。私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があるのです。

有料化の対象外となるレジ袋

・プラスチック以外の紙や布の袋

・持ち手のないビニール袋

・プラスチックのフォルムの厚さが50マイクロメートル以上の袋

・海洋生分解性プラスチックの配合率が100%の袋

・バイオマス素材の配合率が25%以上のプラスチック製買い物袋

以上のように、レジ袋が有料化したとはいえ、植物由来原料のレジ袋などであれば有料化の対象外となっています。(すでに一部の小売店や飲食店では、バイオマス素材を25%以上配合したレジ袋を使うことで無料化を実現しています。)

レジ袋の有料化が対象となる事業者

プラスチック製買物袋を扱う全ての事業者が対象となります。これは小売業にも適用されます。また、主な業種が小売業ではない製造業やサービス業などの事業者であっても、事業の一部として小売業を行っている場合は有料化の対象となります。

海外のレジ袋規制は?

ここで、海外でのレジ袋規制の取り組みも見ていきたいと思います。レジ袋の規制は日本だけでなく、60カ国以上もの国々でも行われています。日本と同じく有料化されている国には韓国、スウェーデン、南アフリカ共和国などが挙げられます。また、有料ではなく課税という方式でレジ袋の規制を行っている国もあります。さらに、フランス、カメルーン、バングラデシュではレジ袋の使用を禁止としています。この中でも、先進的な事例といえるのがフランスです。

レジ袋の規制に先進的な国、フランスの事例

フランスでは、環境汚染につながる使い捨てプラスチック製品の削減を目指し、2016年7月1日より、50ミクロン未満の薄さの使い捨てレジ袋を商店で提供することが禁止されました。レジ袋として使用できるのは、厚さ50ミクロン以上のプラスチック製か、紙や繊維などその他の素材の袋だけです。そして、これに違反した場合の最高刑は、罰金10万ユーロかつ禁固2年となっています。 さらに、2017年1月には、バラ売りの野菜や果物を入れるための使い捨てプラスチック製袋や、雑誌などのパッケージにプラスチック製材料を用いることなども禁止されています。尚、バイオマス原料を用いた生分解性プラスチックの袋についてはバイオマス含有率の高いプラスチック製の袋は禁止措置の対象外となり、このバイオマス含有率最低限基準は、年々引き上げられ、2025年には60%になる予定です。こうしてフランスの事例と日本を比べると、環境問題の対策として日本のレジ袋規制はまだまだ甘いということが分かります。

レジ袋とマイバッグ 比較

ここまでは、レジ袋がもたらす環境問題とその対策について述べてきました。日本ではレジ袋ではなくマイバッグの使用が推奨されています。しかし、マイバッグの使用が本当に環境問題の改善に繋がるのでしょうか。ここからは、レジ袋とマイバッグを比較していきたいと思います。

レジ袋とエコバッグ、どちらが環境に優しいの?

レジ袋とマイバッグの1枚あたりの二酸化炭素排出量を算出・比較した日本LCA学会(LCAとはライフサイクルアセスメントのことであり、ある製品が製造されて破棄されるまでに、外部環境にどのような影響を与えるのかを評価する方法のことをいう)の研究発表会における報告「環境配慮行動支援のためのレジ袋とマイバックのLCA」によると、「買い物回数50回未満ではレジ袋より負荷が大きいが、それ以降では常にレジ袋よりも小さいCO2排出量で買い物をすることができる」としています。

以下の表1では、レジ袋とマイバッグ各1種類について、原料調達から廃棄処分までの 二酸化炭素排出量を比較しています。表1によると、二酸化炭素排出量はレジ袋が15.4g/枚、マイバッグが781.7g/枚となっており、マイバッグ1個あたりの二酸化炭素排出量はレジ袋1枚の約50倍になっています。これはマイバッグの重量がレジ袋の約10倍あること、また原料・製造段階でのポリエステル生地製造・製品加工(樹脂溶融→紡糸→原綿→紡績糸→織布→裁断→袋加工)にかかる環境負荷が段違いに重いことによるもので、マイバッグの使用条件によってはレジ袋よりも環境負荷の増大につながる可能性があることを示しているともいえます。

表1 前提条件と評価結果

出典:一般社団法人 プラスチック循環利用協会(PWMI)

表2は、レジ袋と、使用に耐える回数の違う3種類のマイバッグについて、買い物回数が増えると二酸化炭素排出量がどうなるかを示したものです。1回1枚使用で使い捨てとした場合のレジ袋は、二酸化炭素排出量が直線状に増加していきます。一方マイバッグは、それぞれの耐用使用回数の上限値(25、50、100回)に到達した時点で同じ耐久性のマイバッグに交換しなければならないため、交換の都度、階段状に二酸化炭素排出量が増加していくことになります。この結果から、マイバッグ(50回)は買い物回数50回でようやく二酸化炭素排出量がレジ袋と等しくなります。また、マイバッグ(100回)は買い物回数50回目まではレジ袋より二酸化炭素排出量が多かったものの、それ以降は常にレジ袋より少なく、環境に優しいことが分かります。一方、マイバッグ(25回)は頻繁に交換が必要なため、二酸化炭素排出量はレジ袋よりも常に上回っており環境負荷が大きいといえます。

表2 買い物回数と排出量の関係

出典:一般社団法人 プラスチック循環利用協会(PWMI)

つまり、マイバッグは50回よりも多く使わなくては環境問題に貢献したことにはならないのです。また、マイバッグで二酸化炭素の排出削減等の地球環境に貢献するならば、耐久性が高いものを選ぶべきということがいえます。レジ袋などの使い捨てを辞めて、マイバッグを50回以上くり返し使うことがプラスチックごみの量と二酸化炭素排出量の削減に繋がっていくのです。

これらのことから、PWMIでは、マイバッグは環境に良く、レジ袋は資源を無駄遣いしていると単純にはいえず、マイバッグであろうとレジ袋であろうと、使い方によって環境に悪く、資源を無駄遣いしている場合がありうるとしています。

マイバッグの使用50回って実際どのくらいの期間?

では、マイバッグ50回の使用はどのくらいの期間がかかるのでしょうか。ここでは、私の事例を参考に見ていきたいと思います。私は今年度から一人暮らしを始め、それと同時にマイバッグを1枚購入しました。私は3日に1回の頻度でスーパーへ買い出しに行きマイバッグを使用しています。そこで、一人暮らしを始めた日(2021年4月2日)から今日(2021年8月30日)までの5カ月間のマイバッグの使用回数を家計簿を基に数えてみたところ、51回でした。つまり、一か月に10回(51回÷5ヶ月)程度買い出しをする人は、約5ヶ月で二酸化炭素の排出の削減に貢献できることが分かります。そして、買い出しの頻度が3日に1回以上の人は、5ヶ月よりも早く二酸化炭素の排出削減に貢献できることとなるでしょう。

本当にレジ袋使用者は減っているのか

ところで、レジ袋使用者は本当に減ってきているのでしょうか。

結論から言うと減っています。スーパーでは有料化前の顧客のレジ袋辞退率が57%だったのに対し、有料化後は80%にまで上昇しました。コンビニは23%から75%に上昇し、ドラッグストアも使用量が84%減少しました。調査会社の推計データでは、国内のレジ袋流通量は2019年の20万トンから2020年は35%減の13万トンになったといいます。また、環境省は「みんなで減らそうレジ袋チャレンジ」というキャンペーンを行いました。本キャンペーンは2020年7月1日からのレジ袋有料化をきっかけに、プラスチックごみ問題について人々に考えてもらい、日々の買い物でマイバッグを持参して、レジ袋を辞退することが当たり前になるといった一人一人のライフスタイルの変革を目指し、「2020年3月時点で、レジ袋を1週間使わなかった人が約3割だったのを、12月で6割にすること」を目標としていました。そして、このキャンペーンは11月末時点で71.9%と目標数値を1割も上回って達成します。1週間レジ袋をつかわない人は、この9ヶ月の間に3割から7割にまで増加したのです。さらに、環境省の調査によれば、レジ袋を貰った人の中でも81.8%はかなりの割合で再利用しているということで、ほとんどの人はもらったレジ袋をすぐに廃棄はしていませんでした。レジ袋を貰わないことも大切ですが、一度使ったレジ袋を再利用することも大切なので、これは良い傾向と言えるでしょう。

レジ袋の有料化による問題

レジ袋が有料化となり、レジ袋自体の需要は減ったものの、取っ手付きポリ袋などの需要が高まるといった問題が起きています。ゴミ袋は人々にとって必需品であり、小売店では束になったポリ袋がよく売れるようになったのです。これは、レジ袋は取っ手があって結びやすく、ゴミ袋として使ってきた人が多かったということが原因と考えられます。調査会社クロス・マーケティングが7月初旬、全国の男女1100人にレジ袋有料化で不都合に思うことを複数回答で尋ねたところ、「自宅のゴミ袋がなくなる(レジ袋をゴミ袋として再利用している)」が最も多く、38.5%でした。また、100円ショップのダイソーでは有料化直前の2020年6月は、昨年に比べて2倍以上の売れ行きとなり、2020年7月以降は入荷して店頭に陳列するとすぐ売れる品薄の状況が続いているといいます。これについて、ダイソーを運営する株式会社大創産業の広報担当者は「もらえていたレジ袋を買ってゴミ袋にする、というサイクルに変わった。特に単身世帯はゴミ袋として使っているのでは」とみています。

ビニールの排出量を減らすためのレジ袋有料化ですが、ポリ袋の需要が高まるという矛盾が起きてしまってるのが現状なのです。ポリ袋は生活必需品としてゴミ袋の代用など再利用されることが多く、今後とも需要は高いままでしょう。

おわりに

以上のように、レジ袋含むプラスチックは環境負荷が大きく、世界中で問題視されている深刻な課題ではあるものの、レジ袋とマイバッグとでは、一概にどちらの方が環境に良いとは言い切れないということが分かりました。しかし、この問題は、私たちがマイバッグを50回以上使用するだけで二酸化炭素排出量が削減されるという対策があります。みなさんも二酸化炭素排出量を軽減させるべく、耐久性のあるマイバッグを持ってみてはいかがでしょうか。また、プラスチックの袋を使用する際はバイオマス素材を25%以上配合したレジ袋や海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のレジ袋を使用してみてはいかがでしょうか。尚、バイオマスの比率が高くなるほど環境負荷は低くなります。そして、多くの店がこうしたレジ袋を使うことで、消費者は別途にポリ袋といったプラスチック製ごみ袋を買わずに済み、無駄な消費も減ります。プラスチックのレジ袋を有料で販売するだけでなく、温暖化対策に貢献するレジ袋を無料で消費者に提供することももっと推奨されるべきなのではないでしょうか。

よって、マイバッグの50回以上の使用の他、バイオマス素材を25%以上配合した袋や海洋生分解性プラスチックの配合率が100%の袋を使用することこそが、買い物袋から繋がる環境改善への一歩なのではないかと考えました。尚、バイオマス素材を25%以上配合した袋や海洋生分解性プラスチックの配合率が100%の袋には、第三者により認定または認証されたことを示す記載、または記号があるはずです。みなさんもプラスチックの袋を買う際は是非表記に注目してみてください。一人一人の力は微々たるものではありますが、こうした個々人の小さな対策の積み重ねこそが環境問題の貢献へと繋がっていくのです。

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エコモ博士
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