8億人を苦しめる飢餓と環境課題

2021年09月28日

所属:早稲田大学

インターン生:I.Kさん

8億人を苦しめる飢餓と環境課題の写真

世界中の約9人に1人が飢餓問題に苦しんでいることをご存知でしょうか。飢餓とは、長期にわたる食糧の不足によって、十分な栄養が摂取できないために、生活や生存が困難な状態のことをさします。本記事では、持続可能な開発目標、SDGsの2つ目のターゲットでもある飢餓問題と環境課題について考察していきます。一人でも多くの人の命を救うために、また私たちの生活を豊かに保つために、今できることを考えていきましょう。

飢餓問題について

まず始めに、飢餓問題について考えたいと思います。現在、世界中の約8億人が飢餓問題に苦しめられています。日本国際飢餓対策機構によると、世界では1分間に17人が飢餓によって命を落とし、そのうち12人が子どもだとされています。今この記事を読んでいる瞬間にも、世界中のどこかで、飢餓が原因で命を落としている人がいるのです。

2017年に発表された「世界の農林水産」によると、2050年までに世界の人口は約97億人に達し、特に南アジア、サブサハラ・アフリカなどの開発途上地域を中心に、大幅に人口が増加することが予想されています。そのため、今後起こりうる飢餓人口の増加への対策が急務なのです。

深刻化する飢餓問題

飢餓問題は、大きく分けて二つの種類に分類されます。一つ目は、「突発的な飢饉」です。洪水や地震などの自然災害や、紛争などの突発的な原因によって起こります。このような場合は比較的ニュースになりやすいため、世界中からの支援を仰ぎやすいです。

二つ目は、「慢性的な飢餓」です。農業の生産性が低い、不公平な貿易の仕組みなどによって起きています。政府、教育、環境という様々な要因が絡む問題のため、解決までに時間がかかり、後回しにされやすいのが現状です。以下からは、解決が困難とされる「慢性的な飢餓」に注目し、具体的な解決策を考えていきます。

慢性的飢餓を引き起こす3つの原因

上記でも述べた通り、飢餓は長期にわたる食糧不足によって引き起こされます。しかし、原因は世界中の食糧が不足しているからではないのです。農林水産省のレポート【FAO 食料見通し(Food Outlook, October 2015)-穀物-】によると、世界の年間穀物生産量公表値は25.34億トンです。

つまり、これを世界人口76億人に均等にわけると、25.34億トン÷76億人で、1人当たり約333kg(年間)食べられる計算となります。私たちが生きるために必要な年間平均穀物摂取量はその半分の165kgと考えられているため、世界中の人たちが暮らすのに必要な穀物の約2倍も穀物が生産されているのです。それではなぜ、飢餓が起きているのでしょうか。

1.食品ロス

一つ目の原因は、食品ロスだとされています。食品ロスとは、まだ食べられるのにも関わらず、食べ残しや売れ残りが原因で廃棄されてしまう食品のことをさします。世界の食品廃棄量(食品ロス量を含む)は年間約13億トンといわれています。日本では約621万トンの食品ロスが年間起きています。これを国民一人あたりに換算すると、お茶碗一杯分が毎日廃棄されている計算になります。

ここで注意が必要なのが、「食品ロス」と「食品廃棄」の定義の違いです。食品ロスとは食べられるものが捨てられていることをさしますが、食品廃棄とはもともと可食部ではない、魚の骨や果物の芯などを含む部分を捨てる場合をさします。次に、主要国の食品廃棄の発生量をみていきましょう。

出典:農林水産省

出典:農林水産省

食品廃棄量は1位から、中国、米国、日本と続いています。一方、人口一人当たりの食品廃棄量を見てみると、日本は世界で六番目、アジアではトップです。現在、世界中の飢餓で苦しんでいる人への食糧支援量が約320万トンとされていますが、日本では、その約2倍の約621万トンが毎年捨てられています。このことを踏まえると、日本の廃棄量を減らすだけでも、多くの命が救えるのです。

ではなぜ日本で大量の食品ロスが起きているのでしょうか。日本の食品ロス約621万トンの内訳をみてみると、スーパーや飲食店などの事務系が約339万トン、家庭系が約282万トンとなっています。日本の食品ロスの主な原因は、「3分の1ルール」が要因だといわれています。3分の1ルールとは、食品の流通において、賞味期限がある程度しっかり確保された商品を店頭に並べるために作られたルールです。法律ではないですが、食品メーカーや卸売業者と実際に食品を販売するスーパーや百貨店の間で決められた商習慣です。

次に、3分の1ルールの仕組みについて説明します。まず食品が製造された日から、その食品の賞味期限までの期間をきっちり3等分します。最初の3分の1の期間は、卸売業者は小売店納品しなければならない「納品期限」、次の3分の1の期間は、小売店が商品を店頭に並べておいてもよい「販売期限」、最後の3分の1の期間は、消費者がその食品をおいしく食べられる期間の「賞味期限」と3つの期限が定められています。この厳しい規制により、1日でも期間を過ぎた食品は販売できないため、廃棄されることが多いのです。3分の1ルールは、消費者に新鮮な食べ物を届けられるメリットがある反面、食品ロスを大量に生み出してしまうデメリットがあるのです。

日本のコンビニエンスストアが分かりやすい例です。よく大量廃棄されるお弁当やおにぎりがニュースになりますが、日本の食品ロスの約5%がコンビニエンスストアの廃棄物だとされています。賞味期限とは、未開封で常時方法のとおり保存した場合、「美味しく食べられる期限」で、賞味期限を過ぎても食べられないわけではありません。しかし、賞味期限が近いものや切れたものは廃棄されるのが現状です。コンビニの廃棄解決を行うことは、今後のSDGsの目標達成に不可欠だといえます。

食品ロスは飢餓問題を引き起こすだけでなく、環境や経済にも影響を及ぼしています。私たちの食卓によく登場する加工食品は、原料が工場で加工され、小売店まで交通機関を利用し運搬され、我々のもとに届きます。この過程でも、CO2が排出され、環境汚染を加速させるだけでなく、多額の生産コストがかかっています。それに加えて、食べ残しなどによる食品ロスが起こると、食品を焼却処理する必要があり、ここでもまたCO2が排出され、地球温暖化の要因となる温室効果を助長し、さらに焼却にかかる費用もかかります。つまり、食品ロスが増えると、結果的に地球温暖化を進行させ、経済的な損失も生み出してしまうのです。

2.社会構造の問題

二つ目の原因は、社会的構造の問題だとされています。まず、2010~2012年において、年南アジア、サブサハラ・アフリカ、東アジアが飢餓人口の8割以上を占めているとされています。なぜ主にアジアとアフリカの地域で飢餓が起きているのか、説明していきたいと思います。

アジア地域

飢餓人口の約3分の2がアジア地域に集中しています。特に、インド、中国、バングラディッシュなどの人口が多い地域で飢餓が進行しています。インドでは約2億人、中国では約1億人の人が飢餓状態にあるそうです。

ではアジア地域で飢餓が起こる原因を考えていきます。まず一つ目に、人口増加があげられます。例としてインドでは、人口が増え続けており、2027年には人口の最も多い中国を抜いて、世界最大の人口大国になるといわれています。しかし、インドの爆発的な人口増加に対応できる食糧の確保、安定供給、食糧運搬の交通インフラ整備が整っていないのが現状で、飢餓人口が増加する恐れがあります。

二つ目の原因は、不安定な気候による水不足だと考えられます。インドでは、安定的に確保できる降水量が減少傾向にあるため、衛生的な水の確保と農作物の生産量に影響がでる可能性があり、さらなる飢餓人口増加に繋がるかもしれません。

また三つ目の原因は、貧困だと考えられています。世界の中で最貧国といわれるミャンマーでは依然として、人口の4人に1人が貧困状態です。国民の平均寿命も東南アジアの中ではもっとも低く、貧困が寿命や健康に大きく影響していることがわかります。ラオスでは、近年GDP成長率が7%前後を維持し、経済成長が続いているため、一見、貧困から脱出できているようにみえます。しかし、経済成長は鉱産資源や農作物の輸出によるものであり、輸出業に携わる人以外の貧困問題は未だ解決されていません。以上のような原因の他に、東南アジアでは、突発的な飢餓に分類される台風などの自然災害による飢餓も多いとされています。

アフリカ地域

では次に、アフリカ地域の貧困の原因についてみていきます。まず一つ目は、農業への依存度が高いことが原因としてあげられます。アフリカに住む人々の多くが小規模な農家であり、天候の影響によって生産量が変動するため、安定した収入が見込めないのです。そのため、貧困に陥りやすく、結果的に飢餓になってしまうのです。

二つ目は、インフラ整備が整っていない問題です。アフリカは、地域によって道路状態が悪いため、現地に十分な資源が行き渡らない場合があります。

三つ目は、経済情勢です。穀物が「お金を増やすためのビジネス」として注目されたために、価格が高騰し、実際にアフリカに住んでいる方が購入できる価格と国際的な相場に差が開いてしまい、ものを買えない現状があります。つまり、目の前に十分な食糧があるにも関わらず、飢餓が起きてしまっているのです。以上のような原因の他に、アフリカでは、突発的な飢餓に分類される内戦や紛争による飢餓も多いとされています。

二つの地域の状況から、貧困と不十分な交通インフラ設備によって飢餓が加速していることが分かりました。飢餓問題は、様々な社会的構造が絡み合って起きているため、解決が非常に困難なのです。

3.バイオ燃料

三つ目の原因は、バイオ燃料の需要増加です。バイオ燃料とは、バイオマス(生物資源)を原料とする燃料のことです。バイオ燃料は、カーボンニュートラルな側面を持ち合わせていることから、地球に優しい次世代エネルギーとして注目が集まっています。しかし、世界中で飢餓問題が深刻化する中、食糧を燃料とすることに疑問の声が上がっています。

*カーボンニュートラルとは、植物が成長する過程でCO2を削減し、燃料として使われる過程でCO2を出すため、ライフサイクル全体で見たときに、CO2排出量がプラマイゼロの状態になることをさします。

それでは、バイオ燃料の需要増加がなぜ飢餓問題を加速させていくのか、考察していきます。一つ目の原因はバイオ燃料の需要増加に伴い、穀物の価格が高騰したためです。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の新興経済4カ国)の経済発展などに伴って、燃料や食料の需要が急増しています。こうした中で、化石燃料の代わりとして、また地球温暖化対策として、バイオ燃料への期待が急速に高まり、食用と燃料用とで穀物の奪い合いが起きた結果、価格高騰が起きているのです。アメリカでは、トウモロコシの生産量の約30%(1億2000万トン)が毎年エタノール生産に使用されています。

国連食品特別報告員のジーグラー氏(ジュネーブ大学・ソルボンヌ大学教授)によると、トウモロコシ231キロからバイオ燃料のエタノール13ガロンを作り出せますが、同量のトウモロコシで、メキシコやザンビアの子供1人を1年間養えるというのです。トウモロコシや小麦、豆、ヤシ油などバイオ燃料に使われる農作物の価格が急騰したことで、アフリカでは1年で小麦が2倍、トウモロコシが4倍の価格になりました。これにより、貧しい人々が経済的圧力を受け、貧困が加速し、飢餓人数が増えていくのです。

二つ目はバイオ燃料の需要増加に伴い、もともと穀物を育てていた畑が、バイオマスを作るための畑に作付け転換されたためです。米国では、バイオ燃料の需要増加によって、小麦とダイズの栽培をトウモロコシに切り替える動きが出ています。またブラジルでも、オレンジからサトウキビへの作付け転換が行われています。また近年、米国では生産量が多く病気に強い遺伝子組み換えトウモロコシ畑への作付けが拡大しています。遺伝子組み換えを好まない消費者のニーズに応えられない品種が増えてきているため、飢餓を進行させかねません。

近年では「穀物を人が食べるのではなく自動車が食べる」という、飢餓に直面おり、途上国の人々にとっては、許しがたい事態が進行しているのです。またバイオ燃料は、飢餓を増加させるだけでなく、加工する過程で多くのCO2を排出して環境汚染を助長させているという専門家の意見もあり、多くの疑問も残ります。その一方で、バイオ燃料を普及させるための制度が増えてきている現状もあります。

FITはその制度の一つです。FIT (Feed-in Tariff)は固定価格買取制度の事で、太陽光、風力、水力、知力、バイオマスの再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が一定価格・一定期間買い取ることを国が保証し、再生エネルギーの普及を促進するための制度です。日本では2012年7月からスタートしました。日本のエネルギー自給率はわずか約7.4%であり、今後の普及率向上が求められています。
バイオ燃料には、食糧飢餓を促進させてしまうデメリットはありますが、今後の環境問題対策としても、エネルギー自給率向上としても、不可欠なエネルギー資源となっていくと考えられます。

またバイオマスを使用した商品も普及してきています。商品におけるバイオマスが10%以上であることが認証されると「バイオマスマーク」を取得することができます。「バイオマスマーク」とは、生物由来の資源を活用し、品質および安全性が関連する法規、基準、企画等に合格した商品の目印です。例として、ニチバンのセロハンテープは、バイオマスマーク認定商品です。他にも、環境に優しいとされるバイオマスレジ袋が増えてきています。

問題を解決していくためには

ここまで「慢性的貧困」を引き起こしている3つの主な原因について考えてきました。ではここからは、具体的にどのようにして問題を解決していけばよいのか考えていきましょう。

1.食品ロスを減らすためには

まずは、食品ロスを削減するために消費者である私たちがすぐに実践できることを紹介していきます。一つ目は、食べられる量だけ買うというシンプルな解決策です。冷蔵庫に何が残っているか把握していないために、まだ残っている食材を誤って買ってしまった経験はないでしょうか。買いすぎを防止し、お財布にも優しい生活を送るために、冷蔵庫の中身のチェックを習慣づけてみてください。

二つ目は、宴会などの会食時に「3010運動」を心がけることです。3010運動とは、最初の乾杯から30分と宴会が終わる10分前には席について料理を楽しむ運動のことです。こういった制度を積極的に取り入れていくことで、食品ロスを減らすことができます。最後は、食べきれない場合に、フードドライブや近所へのおすそ分けを積極的に行なうことです。食べたい人に食糧が届けられるように、一つでも多くの解決策に取り組んでみてください。*フードドライブとは、各家庭で使い切れない未使用食品を持ち寄り、フードバンク団体や地域の福祉施設・団体などに寄贈する活動のことです。

2.社会構造の問題

つぎに、社会的構造の問題によって起きる飢餓に対して、私たちができることを考えていきます。今からすぐにできる取り組みとして、寄付があげられます。単発で行なえる寄付制度も多く存在し、クレジットカード、コンビニ支払いなど気軽に金額を送付できます。この問題は、複雑な社会問題が絡み合うため、解決は一筋縄ではいきません。しかし、私たちの行動一つ一つで改善に向かえることを知っていただきたいです。

3.バイオ燃料

最後のバイオ燃料への解決策として、次世代バイオ燃料への転換があげられます。食料を直接燃料にしてしまうと、食料価格の高騰などを招く危険性があります。そのため、近年開発がおこなわれているのが、第二世代のバイオ燃料です。原材料に、間伐材、稲わら、トウモロコシの皮、果物の皮などの食品ではないものを使用することで、穀物の価格上昇を抑えることができると期待されています。

また最近は、第三世代のバイオ燃料と呼ばれる藻類を使用したバイオ燃料の研究開発も進んでいますが、低コスト化が大きな課題となっています。バイオ燃料の解決策に、私たちが直接関わることは難しいかもしれませんが、世の中のエネルギー事情と飢餓問題の関係性を少しでも知っていただけたらと思います。

まとめ

今回の記事では、持続可能な開発目標、SDGsの2つ目のターゲットでもある飢餓問題と環境課題について考察を行ないました。この記事を読んで少しでも、食品ロスをなくそう、寄付をしてみようと思っていただけたら嬉しいです。全世界には、飢餓に苦しむ人が約8億人います。私たち一人一人の意識を変えていくことが、今後の解決に繋がる大きな一歩となるのです。

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エコモ博士
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