日本を支える物流と環境問題

2021年09月02日

所属:跡見学園女子大学

インターン生:T.Rさん

日本を支える物流と環境問題の写真

ここ数年で、スマートフォンが普及し皆さんはどのような恩恵を受けていますか。第一としてはECが拡充したことにより、日頃のショッピングが格段と快適になったのではないでしょうか。一方その裏では、物の移動が増えそれに伴い、トラック等の台数が増えているのが現状です。そこで、物流と環境について考えていきます。

スマートフォンとネットショッピングの普及率

近年、スマートフォンの普及率が増加している理由として、スマート決済という利便性や、コロナウイルスの影響により個人の時間が増えた為、感染リスクを冒さずに物の売り買いができるようになったことが挙げられます。そこで、個人のモバイル端末の保有状況を見ていきます。令和2年の「スマートフォン」の保有者の割合は69.3%を占めていることが分かり、令和元年より、1.7%増えています。

ネットショッピングの普及率も年々増加傾向にあります。皆さんのスマートフォンの中にも一つはネットショッピングのアプリが入っているのではないでしょうか。

理由として、前述の通りコロナウイルスの影響でおうち時間が増えたことやネットで扱われている商品が豊富になったことで利用する人が増えたことによります。今回はB to CのECに注目してみていきたいと思います。B to Cとは企業がモノやサービスを直接個人に提供するビジネスモデルであり、コンビニや薬局、スーパーもこれに含まれます。

B to Cで特に成長が著しいのが、Amazonや楽天、ZOZOTOWNのようなEC事業です。EC事業とは、「インターネット通販」や「ネットショッピング」といったものを総称したものです。物を売るというのは、それまで店舗を構えて行うのが当然でした。しかし、通信販売が誕生したことで、店舗を構えることなく、それができるようになったことがECの魅力だと言えます。

通信販売の多くは、自宅にいながらカタログで商品を選び、はがきや電話で注文すると、後日自宅に商品が届くというものです。ECサービスは配達業者が支えています。配達業者の例として国内では佐川急便、ヤマト運輸、日本郵便の3社です。3社ともEC事業にとって便利なサービスを展開しています。佐川急便ではキャンセル率の低減を狙う政策や購入商品の返品・返金を行う「リバース・ソリューション」サービス、「飛脚クール便」を行っています。ヤマト運輸では、「お届け完了eメールサービス」や「トゥデイ・ショッピング・サービス」を導入しました。

日本のネット通販で買いものをした中国人向けに商品を宅配するサービスが始まっています。彼らが日本の通販サイトで購入した商品は最短3日で届けられます。最後に日本郵便です。競合2社に対抗するためにDVDや書籍などの小型商品の取り組みに力を入れています。宅配事業の強化に向け、新たに「日本郵便デリバリー」を設立しました。しかし、ECサービスが増加したことにより社員だけでの配送に限界がきて、他の配送業者への委託を行っているのが現状です。

運輸業の稼働率

日本の血管とも言われている物流ですが、トラック等の運輸に関する物の流れは年々増加傾向にあり、特にコロナ禍においてECの利用率が広がった2020年度はその伸びが顕著に現れています。このことから、トラック等の稼働数も比例することが分かります。トラック等の稼働数が多くなることにより、二酸化炭素の排出量も増加し環境問題に繋がっていきます。日本の二酸化炭素排出量は11億800万トンです。そのうち、運輸部門で排出される二酸化炭素は2億600万トンで18.6%を占めています。

各部門におけるCO2排出量

各部門におけるCO2排出量 出典:国土交通省

①営業用貨物車の二酸化炭素排出量

運輸の91.8%を占める営業用貨物車が年間に排出する二酸化炭素の量は4193万トンです。これは運輸部門の20.4%を占めています。営業用貨物車とはトラックなど会社や仕事で使う車のことを一般的にいいます。トラック1台1㎞走るのに二酸化炭素は225g排出されます。配送するために1日に平均で40㎞走ると9㎏排出されてしまいます。1事業所に5台トラックがあったとしたら、45㎏1日に排出される計算です。近年では、営業用貨物車の二酸化炭素の排出を抑える取り組みを行っています。

②鉄道貨物の二酸化炭素の排出量

鉄道貨物が1トンの荷物を1㎞運ぶ際にかかる二酸化炭素の排出量は20gです。これは営業用貨物車の11分の1になります。鉄道貨物は長距離・大量になるほど効率的で、最も環境にやさしくエネルギー効率の高い輸入手段として、二酸化炭素排出量の削減にも効果的です。しかし、環境負荷が小さい輸送手段ですが、あまり知られていない為、モーダルシフトを推奨し環境負荷の低減に取り組んでいます。

③船舶の二酸化炭素排出量

船舶の二酸化炭素の排出量は年間に1025万トンです。これは運輸部門の5.0%を占めています。船舶の燃料は90%の割合の重油です。船舶を動かすには1日数十トンの燃料が必要になるため、コストが安い重油を使用してエンジンを動かします。そのため、重油が燃焼したときに排気ガスが大量に発生してしまいます。船舶等の海上での動きが増加することで、エネルギー消費の増大による二酸化炭素排出量の増加が地球温暖化など、様々な環境問題を深刻化させていると感じます。2020年1月にIMO(国際海事機関)が大気汚染の防止として排出量を規制しました。規制されてからは、煙突に排気ガス洗浄装置を搭載し、改善に取り組んでいます。

④航空の二酸化炭素の排出量

航空の二酸化炭素排出量は年間に1049万トンです。これは運輸部門の5.1%を占めています。近年、グローバル化の進展とともに特に国際輸送量が急増しています。しかし、航空輸送は現代社会に欠かせない存在です。航空用ジェット燃料は自動車用燃料と比較し約20分の1です。したがって、航空機が排出する二酸化炭素の燃料による全体排出量に対する寄与は大きくありません。

しかし、航空機が石油製品を燃料として飛行する限り、二酸化炭素の排出は避けられません。そこで、現在ではバイオジェット燃料への取り組みをしています。2012年に通常のジェット燃料に食用廃油から合成したバイオジェット燃料を15%混合した環境に優しい次世代航空燃料を使用し運航を行っています。バイオ燃料は地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出量削減に大きく関わっていくと考えられます。

営業用貨物車の特徴

営業用貨物車の大半はディーゼル車です。ディーゼル車の特徴としては、熱効率が高く耐久性に優れています。ガソリンエンジンよりも多くの空気を使って燃料を燃やします。ディーゼルエンジンの熱効率は30~34%、ガソリンエンジンでは24~28%と言われています。

また、ディーゼルエンジンの中ではトラックを動かせるくらいの爆発が起こっているため、ディーゼルエンジンは大きなエネルギーに耐えられるように丈夫に作られます。したがって、トラックは二酸化炭素の排出量が多く地球温暖化が進んでいる原因の1つです。このことを踏まえて、全日本トラック協会等は環境を守るために二酸化炭素削減に取り組んでいます。

営業用貨物車での取り組み

営業用貨物車は二酸化炭素やPMと呼ばれる粒子状物質の排出が問題視されています。化石燃料を燃焼させる動力を得る自動車の排気ガスには二酸化炭素やPM以外にも硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質が含まれています。境問題への対策の1つとなるのが先進環境対応車等の普及促進や脱炭素化(カーボンニュートラル)への取り組みです。

トラックの燃料は石油に依存しているため、天然ガス自動車(NGV)の普及対策が進められてきました。現在、トラックのハイブリッド化が進んでおり、自動車メーカーでは4.75㎞/Lを導入したことによって従来のトラックより、二酸化炭素の排出量が減少傾向にあります。これは「平成27年度燃費基準+15%」を達成しています。

他にも排ガス浄化装置の開発・搭載を行い、排ガス対策を行うとともにダウンサイジングエンジンやハイブリッドシステム搭載を推進し、環境問題の解決に取り組んでいます。しかし、より二酸化炭素排出量を削減するためには、ハイブリッドトラック、液化天然ガス(LNG)トラック、燃料電池車(FCV)、電気トラック(EV)などの次世代トラックが必要だと考えられます。

営業用貨物車の種類

①液化天然ガス(LNG)

不純物をほとんど含まないクリーンなエネルギーで、石炭や石油に比べ燃焼時に二酸化炭素の発生量が少ない為、地球温暖化抑制に寄与します。また、酸性雨や大気汚染の原因とされるNOx(窒素酸化物)の発生量も少なく、SOx(硫黄酸化物)が発生しません。資源の生産から消費・廃棄に当至るライフサイクルで考えることが重要だと考えます。液化天然ガス(LNG)は環境特性に優れた理想的なエネルギーだと言えます。

②燃料電池車(FCV)

燃料電池で水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使って、モーターを回して走る自動車です。有害な排気ガスがゼロ、または少なくなり、走行時に発生するのは水蒸気のみです。大気汚染の原因となる二酸化炭素(CO₂)や窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、浮遊粒子状物質(PM)は全く排出されません。

現時点では、ガソリン内燃機関自動車のエネルギー効率(15~20%)と比較して、2倍程度(30%以上)と非常に高いエネルギー効率を実現しています。燃料電池自動車は、低出力域でも高効率を維持できるのが特徴です。

天然ガスやエタノールなど、石油以外の多様な燃料が利用可能なため、将来の石油枯渇問題にも対応することができます。太陽光やバイオマス等、クリーンで再生可能なエネルギーを利用して水素を製造することにより、環境への負荷を軽減できます。また、1回の充電による走行距離も電気自動車よりも長く、将来はガソリン内燃機関自動車と同程度になると考えられています。

③電気トラック(EV)

電気をエネルギーにして、モーターを駆動させることで走行し、ガソリンを使わず電気100%で走るため、給油は必要ありません。二酸化炭素や汚染物を排出しないゼロ・エミッション輸送、騒音問題を解決することができるトラックです。高性能リチウムイオンバッテリーを6個搭載しており、1回の充電で約100㎞の走行を可能としています。

モーターは今までのディーゼルエンジンをしのぐ高出力で、低速から最大トルクを発生させる電動モーターの特性があります。様々な企業がカーボンニュートラル社会の実現に向けて電動化の取り組みを強化しています。しかし、EVリチウムイオンバッテリーの原価が高いため、一充電走行距離や充電設備などの性能や利用に関する課題よりも車両価格に繋がる原価低減が最優先だと考えられます。

④ハイブリッドトラック

ガソリンや軽油などの燃料で動くエンジンと、電気で動くモーターの両方を搭載した低公害車のことを言います。ハイブリッドトラックは、ふつうは捨ててしまうクルマが低減するときのエネルギーを、モーターを発電機として蓄電池に蓄え、次の走行や加速の時に利用することができます。減速エネルギーを再利用することで、エンジンの負担を軽減し、排出ガスに含まれる二酸化炭素や大気汚染物質の量を抑えることができることが特徴です。ハイブリッド車の仕組みは、エンジンやモーターなどの使い方に応じて、いくつかの方式に分けることができます。

エアロスターエコハイブリッドの方式では、自動車は蓄電池により電気モーターで走行します。エンジン、発電機、モーターがそれぞれ直列に並び、車を動かすために「シリーズ方式」と呼ばれています。減速エネルギーだけでは、クルマを走らせる全てのエネルギーを賄うことはできません。そのため、エンジンで発電機を駆動して不足分を蓄電池に充電し、排気ガス量は少なくなります。

キャンターエコハイブリッドで採用されているのは、エンジンとモーターのどちらも自動車を動かすために使う方式です。減速エネルギーを蓄えた蓄電池により、通常のエンジンに加えて電気モーターがエンジンを助けます。エンジンは小さな出力で車を動かすことができるため、二酸化炭素や大気汚染物質を減少することができます。また、エンジンと共同で車を動かすために、モーター出力や蓄電池はシリーズ方式に比べて小さく済むことが特徴です。

宅配便・商品輸送における消費者意識

私たちの暮らしに欠かせない宅配便や日用品・食料品等の商品輸送は、消費者のニーズの高度化・多様化に伴い、輸送の迅速化や少量多頻度化が求められてきました。一方で、消費者ニーズに応えるということは、二酸化炭素排出量の増加にもつながっていると考えられます。物流における二酸化炭素排出量の削減は企業だけで無く、最終的な利便を享受する消費者も重要になります。前述の通り、宅配便の利用は年々増加していて、サービスも多様化しています。

一例として不在時の再配達が挙げられます。再配達は消費者にとって便利なサービスであるが、その一方で、再配達をすると宅配トラックの走行距離が長くなり、二酸化炭素排出量の増加につながります。そこで、消費者が宅配の利便性と環境についてどのように考えているのでしょうか。

環境負荷と消費者意識

国土交通省が意識調査を行いました。これによると、「荷物を受け取る側で事前に配達時間の指定ができるようになれば、1度目の配達時に必ず在宅するようにし、再配達など環境負荷の高いサービスは利用しない」、「荷物を受け取れる場所が増えるなど利便性が高まれば、再配達など環境負荷の高いサービスは利用しない」とする回答が大半を占めています。一方で、「どのようなことがあっても、再配達などのサービスは利用したい」とする回答は1割程度でした。したがって、一定の利便性が確保されれば環境負荷をかけないようにしたいとする消費者の意識が分かります。

日用品や食料品等の商品については、輸送の迅速化や少量多頻度化により、品切れの頻度が少なくなり品揃えが良くなるなど、最終的には消費者の利便性の向上に寄与しています。しかし、環境負荷の高いトラック輸送への依存が高まることにもつながっています。輸送区間によって二酸化炭素排出量も変わってきます。飛行機やトラックは鉄道や船舶に比べ、輸送時間短いが二酸化炭素排出量は多くなります。このように輸送手段によって二酸化炭素排出量が異なることについて消費者の意識はどのようなものでしょうか。

国土交通省が実施した意識調査によると、このように二酸化炭素排出量が異なることを「知っていた」と回答した人は半数に達していませんでした。地球温暖化に対する意識が高い一方で、私たちの暮らしの身近な商品について、その輸送手段による二酸化炭素排出量の違いが消費者に認知されているわけではないことが分かります。

物流の環境問題への取り組み

消費者に対して環境負荷の小さい商品の選択を促すためには、どの商品が環境負荷の小さい輸送手段を利用して輸送されているかについて分かりやすく伝えることが必要だと感じました。例えば、環境負荷の小さな鉄道貨物輸送を活用して地球環境問題に積極的に取り組んでいる企業や商品であることを表示する「エコレールマーク」制度があり、20商品・40企業が認定を受けています。この「エコレールマーク」の一層の普及を図り、認知度を高めることにより、消費者による商品選択を通じて、鉄道へのモーダルシフトが促進されることが重要だと考えます。

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エコモ博士
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