ファション産業によってもたらされる環境問題

2021年08月06日

所属:武蔵野大学

インターン生:O.Yさん

ファション産業によってもたらされる環境問題の写真

近年、ユニクロやZARAなどのファストファッションは私たちの身近なものになりました。低価格で手に取りやすいファストファッションによってもたらされる恩恵は計り知れません。しかし、それは同時に環境問題を引き起こしています。今回はファション産業によってもたらされる環境問題について考察していきたいと思います。

近年のファストファッション事情

ファストファッションとは「手軽、気楽、安く、日常的に着ることができるファッション衣料」と定義づけられています。日本を代表するファストファッションの1つに、ファーストリテイリングが事業展開するユニクロがあります。ユニクロは、大人はもちろんのこと学生でも一度は店舗に足を踏み入れたり、商品を購入した経験があるのではないでしょうか。

2000年代に入ってからユニクロの事業展開は国内外問わず今日まで拡大しています。売上規模は、世界のアパレル製造小売業の中で第3位に上り詰めるほどです(2021年4月28日時点)。今回はユニクロを例に取り上げましたが、競合他社であるH&MやZARAなどでも同じく上昇傾向が見られました。世界的に2000年から2015年で、1人あたりが購入する服の数が約2倍に増加しており、1つの服が消費者に着られる回数は減少しているという研究も出ています。(出典:THRED UP「2019 RESALE REPORT」)

20世紀に入りファストファッションが普及したことで、「洋服は着られなくなるまで着る」という従来の概念は壊れつつあります。しかし、ファストファションの普及は我々の知らないところで様々な環境問題を引き起こしています。実際にアパレル産業は、世界の環境汚染産業1位の石油産業につぐ、第2位の産業に上り詰めるほどです。

ファストファションは、最新のトレンドを反映したファションアイテムを、大量生産でコストを抑えつつ、速やかに市場に導入することで我々消費者のニーズを答えていくビジネスモデルを展開しています。実際にアイテム1つを1ヶ月ほどで企画から販売行う、短いプロセスを確立しているファストファッションブランドも多数存在します。

過剰生産

ファストファッションが環境問題を引き起こしてしまっている原因として「大量生産・大量消費」が挙げられます。ファストファッションが行なっている「大量生産・大量消費」のビジネスモデルには、1つの型を大量に生産することで、全体のコストを大幅に下げることができるというメリットがあります。その一方でメリットと同時に、そのアイテムの生産数が膨大になってしまうという点がデメリットになってしまっています。生産数が膨大な数になれば、人気商品でもない限り、売れ残ってしまい、余剰在庫が出てしまいます。

冒頭でも述べたユニクロでは、人気なTシャツやヒートテックは1型あたり、何百万枚から何億枚ほど生産されていると言われています。トレンドの移り変わりが早いファッション業界は膨大な在庫を抱えきれず、最終的に余った多くの衣服を処分する選択を取ります。日本の衣料廃棄物は年間約140万トンにも上ります。またそのうち、 80%近くが焼却・埋め立て処分されてしまっているのです。リサイクルやリユースに回されるのは残りの約20%しかありません。(出典:環境省 「一般廃棄物の排出及び処理状況等について令和3年5月18日現在」)

焼却処分は有害物質を発生させてしまうのはもちろん、近年課題とされている地球温暖化の原因であるCO2などの温室効果ガスを大量に排出させてしまいます。実際に、ファッション業界のCO2排出量は増加の一途であり、2019年には2015年比で60%以上増加しています。2030年には約20億8千万トンになると予測されています。

水不足・海洋汚染

また「大量生産・大量消費」による環境問題は廃棄されるときだけではなく、生産される過程でも引き起こされています。洋服が生産される過程では大量の水が必要になります。例えば、コットン製のTシャツを1枚作るために約2720リットルもの水が必要なのです。これは、成人男性1人が約3年かけて飲む水の量に匹敵します。(出典 WWD「The Impact of a Cotton T-Shirt」) 国際連合広報センターによると、世界の産業廃水汚染の20%が染色などファッション産業によるものだと言われています。(出典:国際連合広報センター 「国連、ファッションの流行を追うことの環境コストを「見える化」する活動を開始」)

水の大量消費は水質を汚染させてしまうことはもちろん、人間にも影響を与えています。先進国の日本に住んでいるとあまり感じることは少ないかもしれないが、世界に目を向けると世界人口の3人に2人が毎年少なくとも1カ月間の水不足に直面しています。今すぐにでも対策を打たなければ、深刻な水不足で、2030年までに7億人が避難民となる可能性もあり、さらに2050年までに、世界人口の過半数と、世界の穀物生産の約半分は、水ストレスによるリスクにさらされることになるというのが国際連合広報センターにより警告されています。(国際連合広報センター 「水と衛生に関するファクトシート」)

プラスチック問題

さらにファッション産業は近年様々なところで取り上げられているマイクロプラスチックの問題にも深く関わっています。日本でもマイクロプラスチックの流出による環境への悪影響を少しでも減らすべく、2020年7月より全国の小売店におけるプラスチック製レジ袋の有料化を義務付けました。このことがきっかけでマイクロプラスチックを知ったという人も多いかもしれません。

マイクロプラスチックとは5ミリ以下のプラスチックのことを言います。現在、推計で最大約1300万トンも世界の海に流れしまっているとされています。現在、流通している服の約6割はポリエステルやレーヨンといった石油などから作られる化学繊維、つまり繊維状のプラスチックからつくられています。これらの製品は毎回洗濯をする時に非常に細かい繊維となって下水へと流れます。繊維はとても細かいため下水処理場などの施設でも100%完璧にろ過することができません。そのため海へと流れてしまっているのです。プラスチックには、人体に有害な添加剤や生殖機能に影響する内分泌かく乱作用が含まれており、そのマイクロプラスチックをプランクトンや魚介類が誤飲し、体内蓄積されることで「生物濃縮」となり、それを食べる私たち人間の健康にも直接影響することが懸念されています。

G20が2019年6月に大阪で開催したサミットで2050年までに海洋プラスチックゴミによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を世界共通のビジョンとして共有しました。様々な取り組みが行われていますが、量が膨大ということもありなかなか進行していないというのが現状です。(外務省  大阪ブルー・オーシャン・ビジョン実現のための 日本の「マリーン(MARINE)・イニシアティブ」)

ファッション産業における可視化の可能性

今後もファストファッションの勢いは止まることはないと思われます。限られた資源しかない中、で取り返しのつかないことになる前に我々消費者が自覚と責任をもち消費行動をとることが大切になってくると思われます。

現代のファッション産業の問題点として、生産され消費者に届くまでの過程が不透明であるということが挙げられると私は思います。「どこで生産されたものなのか」、「素材はどこで採取されたものを使っているのか」、「誰の手によって作られたものなのか」、「どれくらいの量の水を使用しているのか」など。現在ファストファションを身につけている人の多くは上記で述べたことに関して答えられる人は数パーセントにも満たないと思います。

現代のファッション産業について一連の過程を可視化して見えるようにすることで、自分達の着ている洋服がどれほど環境負荷を与えているのか知ることができ、トレンドや好みが変わったなどが理由の不必要な洋服購入を抑制することにつながると考えます。洋服の需要が減れば必然的に服の生産量を減らす効果があると思います。

具体的に取り組んでいるアパレルブランド

世界的に有名なアウトドアアパレルブランドの1つである「patagonia」ではファッション産業によってもたらされてしまった多くの環境問題を重く受けとめ、可視化や環境を配慮した多くの取り組みで環境問題に立ち向かっています。

「patagonia」は2025年までにサプライチェーンを含む事業全体にわたってカーボン・ニュートラルを目標とし、多くのアクションを起こしています。今ではかなり普及してきた環境に配慮された素材であるオーガニックコットンをコットンの全ての商品に適応させたり、ペットボトルのリサイクルでフリースを作ったりと、アパレルブランドでは初めての試みを多く導入した先駆者です。

Patagoniaで販売されているT シャツには、「この洋服がどういった素材を使用しているのか」、「従来の製品と比較してどれほど水の使用量や温室効果ガスの排出量を減少させているのか」などが記載されています。

そのほかにも、配送の際排出される温室効果ガスを削減するため、移動距離を最小限にしたり、空輸ではなく海上輸送を使用するなど、エコな輸送方法に切り替えています。また、オフィスや店舗で再生可能エネルギーによって発電された電力を積極的に使用するなどの取り組みも行なっています。

可視化を浸透させるために

しかし、可視化には大きな問題が付きまといます。可視化は企業自体にはなんのメリットもなく、むしろ製品を作る過程での醜態があらわになり売り上げが低迷してしまうことが目に見えてわかるため、デメリットになってしまいます。しかし、現代のファストファッションによる環境破壊を食い止めるためにも、ファッション産業の可視化は必要不可欠なことには間違いありません。そういった中で可視化を促すためにも、私はフッション産業の可視化を義務化する条例や拘束力のある法律を策定することを提案します。

このままだと、この悪循環な社会は進んでいってしまい取り返しのつかないことになってしまいます。また単に規制することでも十分な効果はあると思いますが、SDGsのような達成するべき目標や具体的な数値を設けた方が、より一層効果は期待できるのではないかと思います。目に見えた目標を掲げることで、アパレル産業のみではなく消費者や政府が目標達成に向け団結していくことができると考えます。

リサイクル・リユース問題 

また消費者にとっても今からできることはたくさんあります。冒頭の廃棄問題でも取り上げたように、日本の衣類リサイクル率は約20%と、リサイクル率が50%を越える古紙やビン・カン、ペットボトルなどに比べ、衣類は非常に低い値になっています。しかも、リサイクルされたとしてもほとんどがマットレスの詰め物や断熱材になります。新しい服に生まれ変わるのは、1%にもおよびません。(出典:世界経済フォーラム「深刻化するファッション業界のごみ問題:解決策の一端がここにある」)

あまり知られていませんが、日本は世界一の焼却大国であり、日本ほどごみを燃やしている国はほかにありません。また、リサイクル率においても先進国の中でおそらく最下位を争う低さです。 今後このリサイクル率は向上させていかないといけません。

リサイクル・リユースの普及に向け

リサイクルが進んでいない原因と以下の2つが挙げられます。1つ目は古着屋やアパレルブランドのリサイクルサービスや都道府県での衣類の無料回収などを利用しない国民の意識の低さが上げられると思います。これに関しては上記で述べた一連の流れを可視化することで国民の意識改革につながり、結果的にリサイクルを行う人は増加するのではないかと思います。

また、ここ数年でメルカリやラクマ、ヤフーオークションなど消費者が自宅にいながらスマホ一台で簡単に自分の衣類を含む雑貨品などが売れる環境が形成されています。以前は「着なくなったから捨ててしまおう」となっていた服も「一回出品してみようかな」と思いとどまることができ廃棄する量は経っていると推測されます。

メルカリが「2020年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を発表しました。フリマアプリ利用を始めた方の意識変化TOP3が1位「節約意識が高まった」、2位「身の回りの売れそうなモノを探すようになった」、3位「リサイクルを意識するようになった」。3位でリサイクルを意識するという声も上がっているほどです。(出典 メルカリ  「2020年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査) しかし、まだまだ国民の意識は低く、「出品する手間がめんどくさい」という理由から、捨てるという選択肢を選んでいる人が一定数いるのも事実です。

2つ目に混紡素材の増加が挙げられます。紡素材とは2種類以上の繊維を混ぜてつくられた繊維のことを指しアパレル市場で需要の高い素材の1つです。混紡繊維をリサイクルするのは、種類の混ざった個々の繊維を分離しなければなりません。しかし、現代の技術において素材の品質を落とすことなく元の素材に分けることは技術的に難しいとされており、実現にはもう少し期間がかかりそうです。

やはり、リサイクル率の向上への唯一の方法は国民の意識を変える事だと思います。 近年多くのアパレルブランドがリサイクルを意識した取り組みを行なっています。

リサイクルを意識した取り組み

例えば、ファーストリテイリンググループのUNIQLOとGUでは、UNIGLOとGUの全商品を対象に衣類回収を行っています。回収方法は、お店に設置されたリサイクル用の回収BOXへ、洗濯済みの衣類を入れるだけです。回収された古着は難民キャンプなど、服を必要としている地域へ衣料支援されます。また、H&Mでは自社製品のみならず、他ブランドの衣類も回収しています。いらない服を袋に入れて持っていくだけでリサイクル率向上の手助けをすることができます。

最後に

ファッション産業によってもたらされた環境問題を解決するためには大量生産・大量消費の時代に終止符を打ち、リサイクル率を向上させることが必要になります。ありきたりな答えにはなってしまいますが、国民の意識改革が他のどんな事より大切になります。ただ、「環境に配慮した生活を送ってください」という啓発は正直なところほとんど効果を見込むことができません。

ファッション産業の可視化により、現状の深刻さを知らせることで、どれほど自分が環境負荷に寄与してきてしまったのか自覚させることは、単なる啓発より高い効果は見込めるのではないでしょうか。だから私はファッション産業によってもたらされた環境問題を解決するために、消費者の手に届くまでの一連の過程を可視化することを提案します。

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エコモ博士
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