外来種と自然と人への影響

2021年03月31日

所属:国際基督教大学

インターン生:T.Bさん

外来種と自然と人への影響の写真

近年、外来種問題が日本各国で発生しておりニュースが堪えません。一見外来種問題は単に生態系に害を及ぼす、という問題のみだ思っている人が多いではないでしょうか?しかし実際の外来種問題は想像をしていたよりはるかに複雑で様々な事象が重なっています。そのためには、人々は問題の深刻さを理解する必要がございます。この記事では身近な外来生物の説明と人と自然、産業に対する被害やその解決策などを説明したいと思います。

外来種とは?

外来種とは、人為的な原因により運搬され、本来存在しない新しい場所に生息してしまった生物をさします。この人為的な原因は二通り存在しており、前者は非意図的、(服や水タンクに混合することでの運搬など)によって運ばれてしまうケースや、意図的(ペットや食用としての商業目的や特定種に対する駆除や荒地の緑化など)によって運ばれて定着してしまったケースがあります。

一般的に外来種といえば外国から移入してきた動植物だけだと思いますが。実際には、国内種であっても、二ホンイタチみたいに毛皮やネズミ駆除を目的として、本来は生息が確認されない北海道などの地域に移入された例が存在します。本文では主に人為的なケースの外来種をメインに説明したいと思います。これら外来種が一度定着してしまったら環境のみならず人体や経済様々な悪影響を及ぼしてしまいます。

外来種の種類

外来種の被害などを説明する前にまず代表的な五種類の外来種を紹介することでどのような事例があるのかを理解していただければと思います。まず、一つ目は北米産のミシシッピアカミミガメです。ミシシッピアカミミガメはペットショップなどでは幼体がミドリガメとして1950年代にペットショップに大量に輸入されていましたが、成長するにつれて凶暴になってしまい捨ててしまう人が続出してしまった結果、2000年代に定着が確定してしまいました。

二つ目の生物は同じ北米産のアメリカザリガニとウシガエルです。ウシガエルは1918年に、アメリカザリガニは1927年にウシガエルの餌としてそれぞれ日本の滋賀県水産試験場と茨城県水産試験場に輸入されたとされ、そこから脱走した個体が水辺に定着したと思われています。

また、ルアーフィッシングで知られるブラックバスやブルーギルが存在しており、前者は1925年に赤星鉄馬がアメリカカリフォルニア州から持ち出した個体を芦ノ湖に放流したのが始まりです。一方後者は1960年に当時の皇太子(当時の上皇陛下)がシカゴ市長から寄贈されて琵琶湖に放流された事で定着してしまいました。他にもヒアリやカミツキガメなど様々な外来種が存在しておりますが、後に一緒に説明し、これらがどのような影響を与えるのかを説明したいと思います。

自然界の影響について

まず、外来種の自然に対する影響の事例を説明したいと思います。例えば、アメリカザリガニは雑食性で手当たり次第に動植物を食い荒らしてしまうため、その場の生態系を変えてしまう恐れがあります。実際水草が多く透明度の高い池がアメリカザリガニの移入が原因で水草が激減し、濁った池へと変換し、日本の固有種であるシャープゲンゴロウが局所絶滅してしまった事例が存在してしまっています。

他にも、ミシシッピアカミミガメが在来種(クサガメやイシガメ)と日光浴場所や住処の競争を行い生息地を浸食してしまうだけではなく、在来の甲殻類や魚類にも影響を及ばしてしまいます。これはブラックバスやブルーギル、カミツキガメやワニガメも同様で、これらは、自身より小さい生物を手当たり次第食べつくしてしまうため、大きな問題となっております。

一方、植物でも自然界に甚大な被害をもたらします。例えば、ホテイアオイは観賞用や水質浄化や緑化等を目的に19世紀に日本を含めて世界中に移入されましたが、かえって大量発生による生息地の独占や、また、短命であり冬に大量に枯死することによって水質をさらに悪化させてしまう例も存在します。また、カエルやカメ、サル等の一部の外来生物は、在来の近縁種との雑種を生み出してしまうことがあり、疎に地域特有の遺伝子的特徴が失われる、特定の病気などの抵抗をなくしてしまうなどの遺伝子攪乱が発生しまいます。

これは、メダカ等の国内外来種でも同様の現象が発生します。反面、一部の外来生物は自然界の回復に大きく貢献する事例が存在します。例えば、小笠原諸島の一種である西之島は、火山島であり、周囲は噴火によって面積が増えるともに荒地も増加しますが、渡り鳥や海流などによって運び出された種子や昆虫が繁殖した結果、表土と植生が形成され2018年に狩猟や開発によって個体数が懸念されているアオツラカツオドリの繁殖が2016年の調査で確認されました。このように、本来は生息していないはずの外来種が一度でも定着してしまったら自然界に大きな影響を与えてしまいます。

人体への影響

意外かもしれませんが、外来種の一番恐ろしいことはこれらの外来種は、動植物を問わず日本に存在しない病原菌や寄生虫なども媒介、または増殖してしまうことです。そしてこれらは人体の健康や病気にも影響を与えてしまいます。例えば、コンテナ等といった貨物に紛れ込んで世界中に拡散された南米産のヒアリは、在来種のアリと競争するだけではなく、アルカロイド系の毒針を保持しているため、刺されてしまうと激しい激痛とともに膿を含んだ水膨れが生じてしまい、最悪アナフィラキシーショックで死亡してしまう危険性があります。

また、ヒアリはこれらの毒針を利用して、雛や小型哺乳類にも襲い掛かる等、人間以外にも影響を及ぼしてしまいます。次にアメリカザリガニの場合はヤゴなどの肉食系の水生昆虫を食してしまうため、これらに個体数が激減し蚊の増加を招き感染症が広まってしまう事例が存在します。ビル・ゲイツ氏が2016年に自身のブログで公表した世界保健機関(WHO)や国際連合食糧農業機関(FGO)の統計を基づいた報告によりますと、蚊は世界中で年間、83万人以上の人間をマラリア原虫をはじめとして、デング熱病ウイルスやナイルウイルスなどウイルスの他にも寄生虫などを媒介し、結果的に大勢の人間殺しているとられています。

これは、人間自身が殺めている53万人を遥かに上回る数です。また、同年WHOが発表した同年マラリアレポートによりますと、約二億人が蚊によってマラリアに感染しており約43万人がなくなっております。これは前述した蚊による年間の殺人の半数を示しており、蚊が増えることがどれだけ危険な事ということが理解することが出来ます。

また、一部のネズミやサル、コウモリなどの生物は体内にSARSやエボラ出血熱などの病原菌を保持しているため定着してしまったらそれらの病原菌が媒介してしまう恐れがあります。他にも、船舶等を通じて日本国内に進出した毒蜘蛛の一種であるセアカゴケグは強い毒を持ち噛まれてしまった場合は激痛や発汗、発熱を引き起こし、重症化すると組織部分の壊死に至ってしまいます。一方で、北米原産のワニガメや、カミツキガメは、強力な口を持つため、捕獲の際に近づいた人にけがを負わせる事故が発生してしまっています。このため、外来種は人々の健康にも脅かしてしまうため、発見次第に速やかに環境省などの機関に連絡を入れるべきです。

各産業での影響について

次に外来種の定着は、様々な産業、主に農業や漁業といった食料に関する事業に大きな打撃を与えてしまうことです。先述した5種類に外来種は、いずれも肉食、または雑食系であり、自身より小さい個体は、動植物を問わず捕食してしまうため、特定の種類のみが生息地を独占してしまいます、そのため、ブラックバスやブルーギルの場合は在来種の魚(ワカサギや鮎、イワナなど)の漁を生業としている人々にとって食資源が減ってしまう恐れがあります。

出典:国土交通省

上の図はオオクチバスの近縁種で同様に特定外来種あるコクチバスの胃の中から摘出された鮎です。これら漁業協会が放流する鮎の食害がオオクチバスとともに懸念されています。また、アメリカザリガニの場合は稲苗を食してしまったり田畔に穴を開けてしまう被害が発生してしまいます。他にもミシシッピアカミミガメの事例ですとレンコンなど水生野菜畑における食害等の事例あります。このように外来種は人々の生活、産業面にも大きな影響をもたらしてしまいます。

上記で説明したペット目的で大量に輸入されていたミシシッピアカミミガメ以外にも、元々食用目的で輸入されてきたやアフリカマイマイは、広東住血線虫による寄生虫被害のみならず、サトウキビ等の農作物食害を引き起こしてしまいます。

もちろんヒアリも経済などに十分に脅威のある外来生物の一種であり、例としてはヒアリは地面だけではなく、配電盤や電圧機などの機械の内部にも巣を作る例があり、配線などをかじることによって停電や故障、そして火災を引き起こしてしまう恐れがあります。植物においては現在話題になっているホテイアオイも先述説明した水質汚染や独占のみならず、水面近くを独占してしまうため、船舶の運航や漁業、水流への障害を引き起こします。これらを駆除するにあたり、年間1000万円がかかる見込みです。

実際に起きている事例によりますと、陸上生物の場合、1970年代に話題となったアニメ、ラステルなどで有名なアライグマはミシシッピアカミミガメ同様ペットとして輸入されましたが、成長するにつれて凶暴化することから捨てる人が続出、繁殖し、在来種の捕食だけではなく、農作物の食害を引き起こしてしまいました。環境省からの報告によりますとアライグマによる農作物の被害額は2003年には1000万円以内に対して、2010年には3億円を超えてしまっております。

出典:環境省

実際に、上の表を見ますようにアライグマは他のヌートリアやマングースなどの外来哺乳類の被害と比べて2003年から2010年にかけての被害額が高いことから、とても脅威なのが理解できます。この結果、アライグマは2005年に所持や放出を禁止対象に認定されました。

また、外来魚の場合、全国水面漁業協同組合連合会の川や湖での104件の外来魚被害学の報告によりますと、漁業以外にも人件費や外来魚による漁具の破壊に対する管理費、駆除費、密流防止費用の総額が1億5千万円を超えてしまいます。このように、外来種を安易に商売目的等で輸入する事は、自然界に対する軽視して持て余して捨ててしまう事で、農作物の食害等の損害を被り、結果的に国内の産業に大きな被害を被ってしまうのです。

どうするべきか

このように先述したほとんどの外来生物は2005年に制定された外来生物法に基づき特定外来生物に指定されており、生きた状態での飼育や運搬が禁止されております。基本的な外来種の定着を阻止するためには、ペットショップなどの店から安易に買わない、成長するにつれての巨大化や凶暴化、もしくは維持費などを理由に捨てない、そして、広めない事が重要ですが、依然として外来種は増え続けています。

今日では様々な対策が存在しますが、依然と不十分だというのが主流です。主に外来生物法に基づく直接的な駆除が主流で、主に物理的に捕獲、罠の設置、もしくは雌雄どちらかの放射線による不妊化等様々な手法が存在しますが、後者の方法でウリミバエなど一部の外来生物に対しては根絶を成功していますが、根絶に至る事例は非常に少ないです。

また、根絶に成功したとしても長い歳月を要してしまいます。しかもで前述で説明したとおり最終処分を含む莫大な費用の問題など様々な課題を抱えます。そこで料理や肥料など様々な産業と連携するという選択肢も存在しております。例えば、アメリカザリガニは輸入された目的はウシガエルの餌としてではありますが、現産地の北米や中国ではアメリカザリガニは人気の食材の一種です。

実際中国ではあまりの人気のため、企業が植物性たんぱく質を利用した代用肉の開発も進められているほどです。また、日本においても一部地域でも捕獲したアメリカザリガニの調理かつ試食会を個人や市町、もしくは一部企業によって開催されております。アメリカザリガニよりも先に移入されたウシガエルも鶏肉のささみと比べても低カロリーかつ高タンパク質でもあるため兵庫県にある篠山東雲高校の自然科学部ではウシガエルの肉を利用したライスバーガーの開発に取り込んでいるほどで、外来生物の食材への転換はとても魅力的であると思います。

しかし、一般の人々にとって、池や湖などの生物を利用した食材を利用するのは抵抗を持ってしまうかもしれませんし、特定外来種に指定された生物は生きた状態での持ち運びが禁止されてしまうので、どろ抜きなどの作業を行えないことが大きな欠点ともいえるでしょう。外来植物の場合も同様、ただ捕獲して処分するには同様に莫大な費用がかかりますが、滋賀県でWEF技術開発株式会社はホテイアオイの駆除の際、対象をたい肥に転換する技術開発を2021年度に完成を県に報告したことを正式に発表しました。

この技術は既存の処分と比べて費用が低くすむだけではなく、たい肥を利用して新たな農業の展開や地消地産にもつながる可能性が広がります。残念ながらこれらの方法でもってしても外来種を根絶する事は難しいでしょう。何故なら、前述したように意図的に拡散された個体や服や荷物、水タンク等にまぎれて非意図的に拡散した個体が存在するため、仮に一か所で根絶したとしても、別の何ならかの方法で他地域に定着してしまう可能性が存在するからです。このように外来種を駆除、根絶するのには一筋縄では行きません。

終わりに

以上、本文では外来種の説明とその脅威、そして対策を説明しましたが、とても難しく、複雑だと思われます。しかし、忘れてはいけないのは全ての外来種も生きているのですから彼らも生存本能にしたがって行動しているわけで一方的に彼らが悪いというわけではありません。むしろ最終的な責任は、都合によって連れ出して捨ててしまった私たち人間に存在しているわけであり身近にあることなのです。

また、忘れてはいけないことは、私たちは現在でも外来種を利用し続けております。例えば、ほとんどの野菜や果物等の農作物は他の大陸などから移入してきた外来種ですし、養蜂で利用するほとんどのミツバチも西洋ミツバチという外来種です。この種は人の管理がないと生きていけないうえに、蜂蜜の利用だけではなく先述した農作物の受粉にも役立っております。現代社会において、飛行機や船といった移動手段が増えたことによって、様々なビジネスや交流が展開されて着ました。

しかし、食用や鑑賞目的といった安易な目的によって生物が拡散、定着した結果経済損失や環境被害、そして寄生虫や病原菌などの健康被害といった様々な分野から悪影響が確認されてしまっています。そのため、私たちは事の重大さを理解するべきなのです。そして一度でもペットなどで所有してしまった場合は責任をもって飼育を続けるべきなのです。皆さんも、他人事に考えるのではなく自分事であることを自覚し、願わくば外来種だけではなく、その先に広まる環境問題に対しても興味を抱くことを期待しています。

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エコモ博士
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