FIT制度の前に実施されていたRPS制度って何?各制度の違いやPRSの概要をご紹介!

  • 更新日:2023/11/30

RPS制度とは

RPS制度(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)とは、電気事業者に対して公布されたもので、決められた目標年までに、新エネルギーなどを利用して得られる決められた量以上の電気の利用を義務付けることにより、新エネルギーの利用を推進していこうというものです。

この制度により電気事業者は、以上の3つの方法の中から効果的な1つを選び、決められた発電量を達成することが求められました。

  • 再生可能エネルギーを自ら発電する
  • 他から再生可能エネルギーによる電力を購入し供給する
  • 他から再生可能エネルギー電気相当量(Tradable Green Certificates:TGC)を購入する

目的

将来のエネルギーの安定供給につなげるため、電気事業者に向けて新エネルギーの利用に関する制度を公布して、エネルギーの安定供給を図るとともに、環境の保全にも取り組み、国民経済の健やかな発展を目指すことを目的としています。

対象エネルギー

  • 風力
  • 太陽光
  • 地熱(熱水をたくさん減少させないもの)
  • 水力(1000KW以下のものであって、水路式の発電やダム式の従属発電)
  • バイオマス(廃棄物発電や燃料電池による発電のうちのバイオマスの成分を含むもの)

義務

経済産業大臣は、利用目標を話し合い、電気事業者に対して、毎年度、その販売電力量に応じ決められた量以上の新エネルギーを使った電気の利用 を義務づけています。この決められた量のことを基準利用量といいます。電気事業者には、一般電気事業者・特定電気事業者・特定規模電気事業者の3つの事業者があります。3者とも行う義務は同じです。

一般電気事業者

一般の需要に応じて電気を供給する事業を経営するにあたって、経済産業大臣の許可を受けた者のことを指します。

特定電気事業者

特定の供給地点における需要に応じて電気を供給する事業を経営するにあたって、経済産業大臣の認可を受けた者のことを指します。

特定規模電気事業者

電気小売りが一部自由化されたときにガス会社や商社等によって設立され、経済産業大臣の認可を受けた者のことを指します。

設備認定

新エネルギー電気を発電、もしくは発電しようとする者は、その際に使う発電設備が基準に合っているかについて、 経済産業大臣の認定を受けることが出来ます。 経済産業大臣は、バイオマスを使った発電設備の認定については、あらかじめ農林水産大臣、国土交通大臣もしくは環境大臣に協議を行います。(法第九条関係)

海外の動向

海外でもRPS制度は導入されています。導入されている国は、イギリス、オーストラリア、韓国などがあります。イギリスではRPS制度とFIT制度を併用して使っています。ヨーロッパでは近年FIT制度が重視される傾向にあり、固定価格よりも先が読める点がその理由とされています。

FIT制度との違い

RPS制度に似た制度として、FIT(Feed-in Tariff)制度があり、固定価格買取とも呼ばれています。これは太陽光などの再生可能エネルギーによる発電に対して通常の電気料金より高い料金を設定して、非再生可能エネルギー事業者への買取を義務付ける制度のことをいいます。一方でRPS制度は非再生可能エネルギーによる発電事業者に対して、再生可能エネルギーの一定量の発電、利用を義務付けたものです。

つまり、FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電された電気を、決められた期間、決められた高い価格で買い取り続けるというもので、RPS制度は、決められた年までに再生可能エネルギーで発電された電気を決められた量使わなければならないというものです。2つの制度の違いは価格でコントロールするか、数量でコントロールするかであるため、この2つは反対の性質を持っていることとなります。

日本のRPS制度の問題点

RPS制度では、政府がそれぞれの電力事業者の目標量を設定しているとありましたが、その目標量が低めに設定されるという傾向がありました。その理由は、再生可能エネルギー電力の価格の低減を予測することが難しく、投資のコストや進捗ペースなどの行動が予測することができなかったからです。そのため、RPS制度を実施している他の国に比べ、再生可能エネルギーの目標量が大幅に低く設定されてしまい、RPS制度の本来の目的であった再生可能エネルギー電力の普及があまり進まないという事態になってしまいました。

電力の買取価格への配慮が足りず、大手電力会社の意のままのに設定されている点も挙げられます。結果として、ごみ発電からの電力が新エネルギーとして重視され、再生可能エネルギーによる発電が軽視されてしまいました。また、目標量を達しなかった場合の罰金が100万円とそれほど高くなかったことで、目標量を超えない事業者も出てしまいました。

FIT制度へ

現在はRPS制度ではなくFIT制度が施行されています。FIT制度への移行のきっかけは、菅官房長官が東日本大震災のへの対応の責任として退陣する際に条件として固定買取制度(FIT制度)の成立を掲げたことでした。

RPS制度から固定買取価格制度への移行については過去にも多くの議論が行われており、2005年ごろには総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会においてRPS法評価検討小委員会が開催されています。この委員会ではRPS制度の再生可能エネルギー普及効果に疑問が投げかけられており、電源ごとの特徴にあった個別の適正な取引価格を決めるなど、固定価格買取制度への改正も合わせた抜本的な見直しが必要であるとする意見が報告されていました。

こういった地盤もあったので、①競争力のある再生可能エネルギーの発電の開発が進まないことや、②諸外国を事例とした固定価格買取制度への高い再生可能エネルギー発電普及効果、③脱原発による将来的な代替エネルギーの模索などの条件が加わり、RPS制度の廃止が決定され、2012年の7月1日から全寮制の固定価格買取制度が始まりました。

しかし、近年このFITを卒業する卒FITという言葉をよく耳にします。これは、FITの買取期限が原因となっています。どういうことかというと、国が約束する自然エネルギー電力の買取期間は買取を始めた月から10年だからです。例えば、2009年11月から買取が開始された場合、10年後の2019年10月までの買取となるという事です。

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エコモ博士
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