ゲームが地球のために何ができるのか

  • 更新日:2020/08/28

所属:東京情報大学

インターン生:H.Dさん

ゲームが地球のために何ができるのかの写真

ここ数年間で、森林破壊や海洋汚染などといった環境問題がより深刻化してきています。このまま進んでいけば、30年後には海に浮かぶごみが海の生物の総数を上回り、さらにその70年後には地球上にある主要な森林がすべて消滅すると言われています。今回は、ゲームという娯楽が環境問題に対してどのようなことができるのかを考えていきます。

そもそもゲームが現実の社会問題に影響を与えるというのは、簡単なことではありません。当たり前のことではありますが、ゲームの中で何百本と植林したとしても、現実では期は1本も植えられていません。さらに、小説などにあるような現実と変わらないようなVR空間で生活することによって現実で環境破壊を行う必要がないようにするという事も、今の技術力ではすぐに行うというのは難しいです。

ですが、ゲームを通して環境問題の現状を知ることや、そこから環境問題を改善していくために一人ひとりが何をできるのかを知っていくことはできます。未来に行動できる子供たちや、今行動できる高校生ぐらいの人たちにどのように今の地球について知ってもらうためのツールとして、ゲームは一つの選択肢であると考えています。

子供にどうやって知ってもらうか

では、具体的にはどのようにしてゲームを活用していけばいいのか、最初にターゲットを小学校低学年の子供たちとして考えていきましょう。まず大前提として、小学校低学年の子供たちでは自主的に何かをするということは難しいです。保護者の方と一緒に環境問題の改善のための活動に参加することはできますが、子供が保護者なしでそのような活動に参加することは基本的に不可能です。なので、子供たちが今できることは、「未来で自分が動くために今何が起きているのかを知る」ことであると考えています。そしてそれを行うための手段の一つが、ゲームなのです。

もちろん環境問題が世界的な課題となっている現代では、小学校でも環境問題について多少は授業で触れているかと思います。そんな中でもゲームを利用しようと考える理由は単純で、そちらのほうがおもしろいからです。

子供に限らず、人間は自分がつまらない、楽しくないと思っているものをいやいややるよりも、自分がおもしろい、楽しいと思っているものを自分からやるほうが自然とモチベーションも上がるものです。ですがそれは、学校の授業をやる意味がないというわけではありません。学校の、特に小学校の授業というのは、現代社会において知っておくべきことを学ぶ場所でもあり、環境問題というのはその知っておくべきことの一つです。

なので、学校の授業では環境破壊が世界的に問題になっているということを教えて、ゲームを使って具体的に何が起こっているのか、何をすれば改善されるのかといったことを教えていくことがよいのではないかと考えます。

どんなゲームが求められるのか

では、実際にどのようなゲームがあれば良いのかというと、都市が建設されていく中での人間にとっての暮らしが豊かになる行為や、自分も普段の生活の中で何気なくやってしまっているような行為が自然に対してどのような影響を及ぼすのか、それを環境破壊される前の状態に戻すのにどれほどの年月と労力が必要なのかというものを体験できるようなシミュレーションゲームであるのが一番いいのだと思います。

もちろんそれはあくまでも理想であって、それらの条件を満たし、かつ子供でも楽しいと思えるようなゲームを作るというのはかなり難しいです。なので、次善策として、複数人でプレイすることを前提としたボードゲームであるのがいいと思います。

その理由として、数年前までは一人で遊ぶのを前提としたゲームばかりであったのが、近年新しく発売されるゲームでは複数人でのプレイや、基本は一人でもほかの人と交流を行うことを想定したものが多いことがあります。これには、単純な技術力の発展もありますが、それ以前に一人より複数人で何かをするほうが楽しいと考える人が大多数であり、様々なゲーム会社がそれを理解したうえでゲーム開発を進めているからであると考えています。なので、ほかの人との交流を行えても基本は一人になりがちなコンピュータのシミュレーションゲームの次善策として、複数人で遊べるボードゲームがいいのだと考えました。

もちろん、環境問題について学ぶためと考えるのであれば、複数人での交流という要素を追加する分ボードゲームのほうがシミュレーションゲームよりも少し劣っているとも言えてしまいます。ですが、楽しいと感じれなければわざわざゲームで環境問題について知る意味がなくなってしまいます。シミュレーションゲームもボードゲームもどちらも一長一短であり、どちらも子供に環境問題を楽しく知ってもらうためのツールとして有効なものになってくれるでしょう。

学生にどのように動いてもらうか

これまでは小学校低学年の、一人での行動が難しい子供のことを想定して考えてきました。次は、自主的に行動ができ、かつ社会人に比べて比較的自由に動ける時間の多い高校や大学などに通う学生をターゲットとして考えてみましょう。

何ができるのかを伝える

先に述べたように学生は社会人よりもある程度自由に動けます。これには二つの意味があり、環境保全のためのボランティア活動などに参加するための時間を取りやすいということと、自分の就職先に環境保全のための活動を行っている企業や団体を選ぶことができるということです。

では、それを踏まえたうえで、ゲームをどのように活用すれば学生が環境保全のための活動をするうえで役に立つのでしょうか。私はゲームを、子供たちをターゲットとした時と同じように、知識を得るためのツールとして活用するべきであると思います。ただし、その内容は同じではありません。子供たちをターゲットとした時は主に「今地球に何が起きているのか」を伝えようと考えてきましたが、学生には主に「今後自分に何ができるのか」を伝えるべきであると考えます。

どんなゲームが求められるのか

例えば、環境破壊が進んだ星を立て直すようなシミュレーションゲームなどがあれば、それをプレイすること自体が今の地球の環境問題を解決するために何をすればいいのかということを知ることにつながります。もちろん企業レベルの人員や資金がなければそもそも実行できないことも多々あります。ですが、プラスチックのごみをなるべく出さない、紙の無駄遣いをしないなど、一人ひとりが今からでもできることもたくさんあります。

それを意識して生活することによって、微力ではあっても地球の環境は改善され、その微力なものが数多く集まることによって、地球全体に良い影響を及ぼしていきます。そしてそれを視覚的に理解するための手段として、ゲームはとても有効なものであると考えます。

ゲームにできるもう一つのこと

これまでで、ゲームを用いることで自分一人の範囲で何ができるのかを伝えられると考えてきました。では次は、ゲームを用いてボランティア活動などの一人ではできない行動をしてもらうにはどうすればいいのかを考えていきましょう。ただし、私はそれをするには、これまでと同じようにただゲームを作るだけでは足りないと考えています。

では、どうすればよいのかというと、ゲームで学ぶのではなく、ゲームを動く理由にするのです。それを考えるうえで参考になるのが、2016年にiOS端末とAndroid端末でリリースされた「ポケモンGO」です。このゲームは、ゲームでありながらそれをプレイするユーザーの運動量が上昇し、スポーツ庁の「Sport in Life」プロジェクトにて認定第1号となりました。このように、ゲームとは必ずしも室内など一つの場所で動かずに遊ぶものではなく、内容などを工夫すればほかの行動につなげることも可能なのです。そしてそれは、環境保全のための活動につなげることも不可能ではないのです。

例えば、ゴミ拾いなどのボランティア活動を行っている場所へ行くことによってゲーム内で何かしらのアイテムなどを受け取れるようにすれば、別にボランティア活動が目当てでなかったとしても実際に活動を行っている現場へと行く理由ができ、さらにそこで実際に活動を行っているところを見ることによって、せっかく来たのだから自分もやってみようという気持ちにさせることもできます。

ゲームはあくまでもきっかけの一つであり、そこからどのように動くのかは一人ひとりにゆだねられます。しかし、動いた結果どのような影響がもたらされるのかを教えることも、ゲームにはできるのです。何かをやるためのきっかけがあり、それをやった結果がわかっているならば、その何かも気軽にやれるようになるでしょう。そして、そんな経験を積むことが、将来自分が就職するときに、どんな仕事をしたいのか、何の職に就きたいのかと考えるのにも役に立っていくのです。

社会人には何ができるのか

では最後に、社会人をターゲットとして考えてみましょう。とは言っても、仕事をしている分手段があってもそれを実行できる時間が少ないということを除けば、基本的には学生に対してのものと変わりません。環境問題というのは最近になって浮上した問題であり、今も情勢が変わり続けています。なので、大人だから新たに知ろうとしなくていいというものではなく、むしろ大人だからこそ今何が起きているのか、何をすればいいのかを知っていく必要があるのです。

若年層とゲームの運営に何ができるのか

さて、そんな社会人ですが、まとまった時間がとりにくいこと以外にも、今までの子供や学生とは大きく異なる点が存在します。それは、経済力です。若い人であればソーシャルゲームをプレイする人も、それに課金をする人も少なくないでしょう。その課金額の一部が環境保全のための活動の資金にあてられたら、まとまった時間が取れない社会人であっても環境保全に容易に役に立つことができます。

これは今まであげてきたような、事前に設定された目的のためにゲームを作るというものではなく、むしろすでに作られているゲームに新たに目的のためのシステムを付け加えるような形にはなります。しかし、まとまった時間が取りづらい社会人にとって、スマートフォンだけでプレイ可能で、かつ短い時間ごとに中断が可能なソーシャルゲームは少なくともボードゲームやPCゲームと比べるとライフスタイルに合っているのです。なので、社会人の多くの人たちにとって、この手法が最も容易で、かつ効果的であるのだと考えます。

中高年層が何をするべきか

では、ソーシャルゲームなどをプレイする人が少なくなってくる中高年以上の世代の人には環境問題を改善させるうえでゲームがかかわらなくなっていくのかというと、そういうわけでもありません。中高年以上の人は今までの子供や学生とも、社会人になりたてな若い世代の人とも大きく立場が異なります。

今までは自分がゲームを通して環境問題について知り、そこから自分にできることをやっていくというものが多かったです。ですが中高年以上の人となると、それを見守る側になっていきます。ですので、中高年以上の人に求められるのは、環境問題について知り、それについて自分が何をできるのかを知り、そして何より、自分よりも若い世代がそれを実行しているのを見守ることなのです。

今まで子供や学生に対してゲームという手段を用いて何ができるのかということを考えてきました。ですが、内容を見ずにゲームだからというだけで大人がそれを止めてしまえば、環境問題の改善につながるようにと努力したとしても、そのすべてが無意味になってしまいます。なので、先入観などにとらわれず、それがどんな目的を持ったものなのか、それをやらせること、またそれを止めることでどんな結果になるのかをしっかりと見極めたうえでそのゲームをやらせるかどうかを判断していくことが必要になってきます。

近年では、ゲームは人と人が賞金を懸けて競い合う競技としての側面も持つようになりました。しかし日本では、様々な企業や団体がそれに理解を示している割に、認知度も決して高いとはいえず、選手になることに否定的な目を向ける人も少なくありません。すでに、ゲームはただの遊びであるという単純な考え方が全てにおいて通用することはなくなっているのです。自分の持つ情報だけですべてを判断するのではなく、自分の手でしっかりと調べて、そのうえでどのようにするべきかの判断を下すことが重要なのです。

まとめ

これらのように、ターゲットとする層によって内容も大きく異なりますが、ゲームも環境問題を改善するためのツールの一つとして使用することができます。ただし、ゲームを使用することによってこれらのことを達成するのが比較的容易にはなりますが、それは、これらのことは必ずしもゲームを使用しなければ達成できないというわけでも、達成するためにゲームを使用しなければいけないというわけでもありません。

「今自分がこの場でできることはないのか」、「これから自分がどんなことに気を付ければいいのか」という知識を自らの手で集めて、その知識をもとに自らの手で実行することこそが、最も大切なことなのです。環境問題を改善するために自分一人からでもできる行動を「自分一人がやってもやらなくても大差はない」と考えるのではなく、「何万人もの人がやっている行動に参加する」と考えるようにすれば、一人ひとりの貢献度も上がり、結果として地球にとってとても大きなプラスになっていくのだと思います。

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