騒音問題について
所属:東京情報大学
インターン生:K.Kさん
皆さんは「騒音問題」について知っていますか?多くの人にとって一度は聞いたことがあると思います。主な騒音の原因としては、電車や自動車などの乗り物、会話音や工事現場での作業音などがあげられます。今回は、日本における騒音問題について考えていきましょう。
そもそも、騒音というのは、一般的には「人が不快に感じる大きな音」というものですが、その定義については人によって分かれてきます。具体的な例を挙げると、楽器の演奏などがあります。通常、楽器の音色を騒音と感じることは少ないですが、演奏する場所によっては楽器の音を不快と感じることがあります。 日本における騒音に対する規制として、「騒音規制法」というものがあります。
日本の環境省が定めた騒音規制法の目的は、「騒音規制法は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行うとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。」とあります。
日本における騒音の基準については以下のように定められており、人の健康を保持するための基準となっています。図内の「地域の種類」については、都道府県知事(市の区域内では市長)が指定することとなっています。
環境基準図
地域の種類 | 昼間(6時から22時) | 夜間(22時から6時) |
---|---|---|
病院や社会福祉施設などが集合する静穏が推奨される地域 | 50デシベル(エアコンの室外機の大きさ)以下 | 40デシベル(図書館内部くらいの音)以下 |
通常の居住区 | 55デシベル(テレビの音や子供の駆け足くらいの大きさ)以下 | 45デシベル(ヒーターの音くらい)以下 |
通常の居住区に加え、商業や工業を行う地域 | 60デシベル(通常の会話くらいの大きさ)以下 | 50デシベル(エアコンの室外機の大きさ)以下 |
また、騒音規制法にも種類があり、工事・事業場騒音の規制、深夜営業騒音規制や自動車騒音規制などの様々な状況に応じた騒音規制法の種類があります。各騒音規制について詳しく見ていきましょう。
工事・事業場騒音規制について
工事の現場では、大きな騒音などが発生する工事や事業場を「特定建設作業」と呼び、指定地域内で建設を行う場合には、届出を行わなくてはなりません。杭打機やびょう打機(鋲の頭を作るための機械)などを使う作業は「特定建設作業」に指定されています。
特定建設作業で規制される内容について、東京都を例に挙げます。東京都では、騒音の基準値が85デシベル以下となっています。また、作業時間にも制限があり、1日における作業時間は区域によりますが、7時から19時のうちの10時間以内となっており、日曜・祝日は作業禁止となっています。
深夜営業騒音規制について
深夜営業をする飲食店等では営業時間を制限したり、音響機器の使用が制限されるなど、住民の生活を保護するために定められています。日本の環境省において、知事が定める静寂が必要な地域ではおおむね0時から6時の間は、飲食店営業を禁止されております。しかし、以下のいずれかに当てはまる営業についてはこれの制限にはかかりません。
- 酒類を提供しないで営業する店舗
- 屋台などの移動式店舗
- 駅・空港などの旅客施設にあり、主に旅行者に利用させる目的で営業している店舗
- 事務所等にあり、主に事務に従事する人に利用させる目的で営業している店舗
- ホテルや旅館において、宿泊客に利用させる目的で営業している店舗
- その他知事が定めるもの
音響機器についてですが、カラオケ装置、蓄音機、楽器などは23時から6時の間、静寂が必要なでは使用が禁止されます。ただし、飲食営業において、音響機器の音声が外部に漏れないようになっている営業店(カラオケ店など)ではこの制限にはかかりません。さらに、飲食店等で発生する騒音については、地域や時間ごとに音量の基準を定めることが求められます。
自動車騒音規制について
日本の自動車騒音規制は昭和27年に「定常走行騒音」と「排気騒音」による規制が始まり、昭和46年には現在の規制の基盤となる「加速走行騒音」が国土交通省により定められました。昭和61年には排気騒音に代わり、「近接排気騒音」が導入されており、平成10年から13年にかけて、規制値の強化が行われてきました。
ちなみに定常走行騒音の規制とは、50kmで走行するときに騒音値が規定値以上にならないかを確認する規制であり、加速走行騒音の規制は、50kmの走行から加速する際に騒音値が規定値以上にならないかを確認する規制で、近接排気騒音の規制は、停止状態で一定の空吹かしした際に騒音値が規定値以上にならないかを確認する規制です。
自分達でできる騒音対策
まず、なるべく騒いだりしないように声のボリュームを下げるように意識するのが一番重要であると考えます。うるさくなければ騒音被害も起きません。また、防音対策がきちんとできている環境にすることも大事であると思います。防音シートを用意しておくなども、騒音の対策になると思います。自動車騒音に関しては、防音対策のある自動車を使うなどの対策が挙げられます。
最後に
現在では騒音問題について大きく問題視されることは少なくなってはいますが、快適な暮らしをするためには考えなくてはいけない問題なのではないかと思います。今一度騒音問題について理解をすることで、快適な暮らしができるのではないかと思います。