都市ガスの自由化

2019年10月07日

所属:武蔵野大学

インターン生:I.Yさん

都市ガスの自由化の写真

2016年4月に開始された電力自由化に続き、2017年4月に、都市ガスの小売全面自由化が始まりました。都市ガスの自由化とは、どのような制度なのか。また、都市ガスの自由化によって、私たちにどのような利点があるのでしょうか。

ガスの種類

家庭で使うガスには3つの種類があります。1種類目が、ガス導管を通して家庭にガスを届ける、都市ガスです。2種類目が、70戸以上の団地などで敷地内にガス発生設備をおき、各家庭にガスを届ける、簡易ガス(団地ガス)です。3種類目が、LPガス会社の人が、LPガスの入ったボンベを家庭に配達することでガスを届ける、LPガス(プロパンガス)です。

プロパンガスと都市ガスの違い

都市ガスとプロパンガスは、同じガスでも原料や性質、供給方法、重さ、火力など様々な点で違いがあります。まず原料という点では、プロパンガスは、ブタンやプロパンが主成分、都市ガスは「液化天然ガス(LNG)」と呼ばれ、天然ガスのメタンが主成分となります。

次に特徴・性質、供給方法での異なる点です。プロパンガスは、-42℃まで冷やすと液体になり、体積が250分の1と小さくなります。また圧力をかけることでも簡単に液化し体積が小さくなるので、その特性を生かして液体のままボンベに入れて、家庭に配送しています。

一方の都市ガスは、−162℃に冷却することで液体になり、体積が600分の1にまで小さくなります。その特性を生かして液体の状態で一度に大量に輸入し、基地のタンカーに貯蔵します。その後、気化・熱量調整したものを「都市ガス」として、ガス導管を通じて家庭にガスが届けられます。

また、重さにも大きな違いがあります。プロパンガスは空気より重く、都市ガスは空気より軽くなっています。そのため、プロパンガスは、ガスが漏れた時は床面に広がり、低い場所にたまります。

都市ガスは、ガスが漏れた時は日常の生活空間より上層部へ上昇し、さらに空中へと放散されやすいです。それぞれのガスの重さの違いにより、ガス警報器をつける位置も異なります。プロパンガスを使用している場合は室内の壁の下の方、都市ガスの場合は天井や壁の上の方へ設置します。

最後に熱量、火力での異なる点です。プロパンガスは1㎥あたり約24,000kcalの熱量が、都市ガスは1㎥あたり約11,000kcalの熱量です。プロパンガスは同じ体積で都市ガスの2倍以上の熱を出すことができます。プロパンガスの方が熱量は高いですが、熱量と火力は違います。同じガス機器ならプロパンガスも都市ガスも火力は同じになります。

都市ガスの自由化とは

都市ガスの小売全面自由化により、現在、敷設されているガス管を利用して、これまでの都市ガス会社だけでなく、新しく参入する会社もガスを供給・販売することができ、消費者はそれぞれの都市ガス会社や新規参入の会社が用意する料金やサービスを自由に選ぶことができます。

また、それぞれの会社が、顧客を獲得するために創意工夫を凝らし競争することで、料金水準の低下に加えてサービスの種類や内容が多様化し、料金メニューの幅が広がるなどの変化が実現する可能性があります。

すでに電力・ガス自由化が行われている海外各国では、ネット・固定電話・携帯と電気・ガスのバンドルサービス提供や、低価格ブランドの立ち上げ、スーパー・コーヒーチェーン等の有力チャネルを活用したプロモーションが行われるなど、サービスや価格、販売チャネル等において取組の工夫が見られています。

都市ガスの自由化が行われても変わらない点もあります。ガス設備の定期保安点検や緊急時の対応は、新規参入の会社を選んでもこれまでどおり提供されます。また、従来のガス管から供給される都市ガスであれば、これまでの都市ガス会社でも、新規参入の会社でも品質が変わることはありません。

都市ガスの自由化前の仕組み

都市ガスの小売全面自由化がされる以前(2017年(平成29年)3月末まで)は、家庭等の小口需要に対するガスの販売は、既存ガス会社(一般ガス事業者・簡易ガス事業者)による地域独占が認められていました。このため、消費者はその地域の既存ガス会社からしかガスを購入することができませんでした。

今般のガスの小売全面自由化とは、こうした家庭等の小口需要に対する地域独占を撤廃し、既存ガス会社以外の事業者が、既存ガス会社のガス導管を使って家庭等の小口需要家に対しガスの販売を行うことが可能となることを指します。

ガス会社を見極めるポイント

まず、ガス会社が、ガス事業法に基づき登録されている会社かどうかの確認が必要です。登録を受けた会社は、資源エネルギー庁のホームページにおいて公表しています。また、2017年(平成29年)3月までに、一般ガス事業、簡易ガス事業の許可を受けている会社につきましては、登録を受けたものとみなされます。

ただし、自ら登録を受けていなくても、登録を受けたガス会社の代理・媒介・取次ぎ業者として勧誘を行うこともあるので、当該会社に確認を行うとともに、場合によってはガス会社にも当該会社が実際に代理・媒介・取次ぎ業者であるかを確認することがお勧めされます。

さらに、ガス小売会社には、料金を含む供給条件の書面による説明義務がガス事業法上課されていますので、その内容の確認も重要となります。最後に、料金のみではなく、保安に対する取組や、契約期間、契約解除などの諸条件をよく確認して、納得して契約をすることが重要です。

ガス会社を切り替えるための手続とそれにかかる期間

ガス会社の切替えを希望する場合、都市ガス会社間の切替えは、原則切り替えようとする先のガス会社への連絡になります。オール電化やLPガスから都市ガスへの切替えの場合は、契約解除について切替え前の会社にも連絡を行う必要があるほか、都市ガス用の配管やガス器具(ガスコンロ、ガス給湯器等の消費機器)の調整、取替えなどが必要になる場合があるので、供給開始をいつにするかについては切替え後のガス会社と調整する必要があります。

切替えに要する期間は、スイッチングシステムを備える大手一般ガス事業者(東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス)管内の都市ガス事業者間の切替えについては、原則としてスイッチング申込みから5営業日以降の定例検針日とされています。それ以外のガス小売事業者や、オール電化やLPガスからの切替えの場合、具体的な切替日については切り替え先のガス会社への確認が必要です。

スイッチングシステムとは

契約変更をするときにスイッチング支援システムというものの導入が行われます。これは、迅速な契約変更や二重での契約を防いだり、どことも契約していない状況に陥らないようにしたりするために必要なシステムです。

海外でのガス自由化の事例(イギリス)

イギリスでは、日本より一足早くガス自由化制度をすすめてきました。1982年に超大口需要家向けのガス小売りが解禁され、1986年には大口需要家向けのガス小売り解禁と同時に国営ガス会社の民営化が行われています。

とはいえ、最初の数年間は天然ガス供給会社に太いパイプを持つ旧・国営ガス会社の独占状態が続き、新規参入は難しい状態が続いていました。その後、さまざまな行政指導や法改正が行われた結果この状況は一変しました。

1996年に一般家庭向けのガス小売り解禁、2002年の価格規制撤廃を経て、現在のガス小売り市場のシェアは新規参入業者が54%をも占めています。ちなみに新規参入事業者はもともと地域に地盤を持っていた電気事業者が多く、日本でも同じような傾向が見られています。

海外でのガス自由化の事例(アメリカ)

アメリカでのガスの供給は、州単位で管理・統制されます。そのためにガスの自由化についても国が一本化して進めるのではなく、対応が各州によって違うために、進捗にもばらつきが見られます。

ガスのパイプラインは、広大な国土全域に50万キロも張り巡らされ各家庭に供給されていますが、小売自由化に関しては1995年から一部の州で開始したものの、未だ8つの州のみでしか実施されていません。こういった現状の背景には、天然ガスの卸売価格が下がらない状況で自由化に踏み切っても効果は期待できないばかりか、価格の高騰を招く危険も潜んでいるため、踏み切れずにいる各州の事情があるようです。

そもそもアメリカは、天然ガス自給率が高い国です。天然ガスの取引史上が活発なアメリカにおいて、家庭用のガスを供給するにはユーザーが多くないと利益を出すことができないため、産業用の大口顧客にガスを供給する方のが効率が良くなります。

いろいろな企業が乱立し、大手の需要家が多数集まるニューヨークやカリフォルニア州などの地域では、産業用ガスと同時に家庭用ガス自由化の導入もスタートさせましたが、それ以外のほとんどの州では、大口の需要家に対してしかガス自由化を開始させていないというのが実情となっています。

海外でのガス自由化の事例(ドイツ)

ドイツでは、ガス・電力の自由化は1998年に同時に行われました。一時期ガス会社が国営1社のみだったイギリスなどに対し、ドイツでは独占してガス販売を行う会社はなく、それぞれの地方に公営のガス会社が多数存在していました。他国では、大口需要家や年間使用量別に段階的にガス自由化の範囲を拡大していく傾向がありましたが、ドイツでのガス自由化は使用規模に関わらず一気に全面的に行われました。

ガス自由化がスタートしてから、電力・ガスの小売市場には100社を越える新規事業者が参入していき、既存の会社と新規事業者が激しく価格競争を繰り広げていきます。しかし、元々ドイツではガスの原料の80%以上を輸入に頼っているため、競争が激化しても料金に反映させることがなかなか出来ない状態が続いています。

一時は数多くあった新規事業者の内、今は資金力のある会社だけが生き残っているのがドイツのガス自由における現状となっています。

海外でのガス自由化の事例(フランス)

フランスでのガス自由化は、まず2000年に発電事業者・コージェネ事業者や、年間ガス使用量が約1,855万㎥以上の需要家を対象として始まりました。2003年には年間ガス使用量約650万㎥以上の需要家、2004年には家庭用を除く全ての需要家、そして2007年には家庭用を含めた全てのガス市場が自由化されました。

フランスのガス市場は長い間、国営のGDF(Gaz de France)という会社が独占していました。また電力に関しても同様に、EDF(Électricité de France)社が国内の需要者へ独占提供を続けてきました。2007年のガス・電気市場自由化に伴い、ガス会社のGDFは電力市場へ、電力会社のEDFはガス市場へ参入していきます。さらに新規参入会社が加わったり、エリア限定でガスの小売を行っていた会社が全国展開を行ったりしていきました。

本来、国内全体へのガス供給を行う会社が1社しかなかったフランスでは、積極的にガス事業へ参入する会社があまり増えないことは予想されていました。そこで、中でも競争の程度が特に低いと考えられたフランス南部への新規参入を促すことを狙いとし、2005~2008年に「ガスリリース・プログラム」が実行され、ガスを入札によって自主的に市場へ開放していきます。

この措置によって新規参入者は、競争する上で必要になる配給パイプラインの整備を待つことなく、フランス南部の市場へ参入していくことができました。しかし一時的な方策に過ぎず、実質的に競争を展開・持続させるまでには至りませんでした。結果的には、ガス・電気の旧独占企業であるGDFとEDFが競り合う状態が今でも続いています。

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