そもそも環境問題って何!?私たちにできることとは?
所属:専修大学
インターン生:O.Rさん
皆さんは環境問題と言ったら何を思い浮かべますか?地球温暖化、森林伐採、海洋汚染など様々なことを思い浮かべると思います。しかし、これらの問題がなぜ起こってしまったのか、何が問題なのか、私たちにできることは何かについては意外と知られていないのではないでしょうか。このコラムではそのことについて考えていきたいと思います。
地球温暖化
人間活動により温室効果ガスが増加し地球規模で気温の上昇が起こっていることを地球温暖化と呼びます。温室効果ガスの代表的なものは二酸化炭素、メタン、フロンガスがあげられます。
二酸化炭素は自動車や、電気エネルギーを作るときに使われる大量の化石燃料から排出されます。メタンを排出する一番の原因は家畜のゲップだと言われています。人間が増え、家畜も増えることによりこの問題は深刻化していきます。家畜を育てるために森林を切り開くことも問題となっています。
地球温暖化が引き起こす問題は?
- 地球温暖化による問題点として挙げられるのは異常気象です。集中豪雨や猛暑、ハリケーンが増えてきているのは温暖化が原因と言われています。
- 森林火災などは異常気象によるものと考えられています。森林火災の大きな事例としては、2009年にオーストラリア南部で一か月も続いた火災があります。この山火事により森林の4500平方メートルが消失してしまいました。
- 陸地の氷が解けることによって起こる海面上昇も深刻化しており、オセアニアにある島国ツバルは沈んでしまうともいわれています。
私たちにできることは?
- 使っていない電気を消す
- 使っていないコンセントを抜く
- 公共交通機関を使う
- 電気自動車に乗る
- 再生可能エネルギーを使っている電力会社に切り替える
森林破壊
現在、世界の森林が減少し続けています。その理由としては土地利用の転換や焼き畑農業の増加、森林火災、燃料用木材の過剰伐採が挙げられます。
土地利用の転換は、世界的な食料やバイオ燃料等の需要増加により、森林を伐採してオイルパームのプランテーションやサトウキビ農園、牧場へ転換するために行われています。
焼き畑農業は元々、焼き払った森林を数年程度農地として利用した後に自然の回復力で森林に戻すというサイクルを繰り返すという農法でしたが、近年、人口増加などにより、森林が回復しないうちに再び焼いて土地が劣化し、森林が再生しなくなってしまうことが問題となっています。
森林火災も森林を破壊する大きな問題です。上の地球温暖化の影響の欄でも述べたように、温暖化の影響で森林火災が多くなっています。そして、その火災が温暖化を加速することにもつながってくるのです。
燃料用木材の過剰な採取も問題となっています。世界の木材需要の約半分は燃料としての利用です。特にアフリカでは木材需要の約9割が燃料として使用されており、人口増加に伴い、森林減少が進んでいます。
森林破壊が引き起こす問題とは?
- 木は地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素などの有害物質を吸収しています。だから森林が減ると地球温暖化も、もちろん加速してしまいます。
- 森林が減ることは生態系にも影響が出てきます。草木が減ると、草や木の実を食べて生活していた昆虫や草食動物たちが減っていきます。そして草食動物を食べていた肉食動物も減っていってしまいます。こうして生態系がどんどん乱れていってしまうのです。
- 発展途上国を中心に土壌侵食も問題となっています。土壌侵食とは土が雨や風にさらわれてその土地からなくなってしまうことです。土壌は森林の根が支え、水分を保持した土地が保たれています。しかし森林を伐採してしまうことで保持力がなくなってしまいます。保持力をなくした土地で農業をすると土壌の養分が失われ土地がパサパサになり壊れやすくなっていきます。そこに大雨が降ると土が簡単に流され土壌浸食につながってしまうのです。こうなると野菜を育てることも羊を飼うことも難しくなってしまいます。
私たちにできることは?
- 割りばしや紙コップなどの使い捨て用品を使わない。
- リサイクル用紙を使う
- 牛乳パックなどリサイクルできるものはリサイクルする。
- グリーンマークやエコマークなどのついた環境に配慮された製品を買う。
海洋汚染
海洋汚染とは海の生物や人間の健康に有害なものが、人間により海へ直接持ち込まれてしまう、もしくは下水などから海へ流れ込むことにより引き起こされます。
汚染にはゴミや産業廃棄物が捨てられる、船の事故で石油が流れるなどの一時的なものと、工場や家庭からの排水、河川や大気から農薬などの化学物質が流れ込むといった慢性的なものがあります。また、海洋にあふれるゴミの中ではプラスチック製品が一番多く6割~9割を占めるといわれています。
海洋汚染が引き起こす問題とは?
- 赤潮が問題となっています。赤潮とはプランクトンが異常発生することで水が赤く見えることです。工場排水や生活排水により海の栄養分が高くなることで発生するといわれており、水中の酸素濃度が低下し魚が死んでしまうなどの被害が出ています。
- サンゴ礁の減少も海洋汚染が原因の一つと言われています。田畑から流れる肥料や農薬がサンゴ礁に害を及ぼしているのです。
- 生物濃縮も問題となっています。生物濃縮とは化学物質が生態系での食物連鎖を経て生物の体内に蓄積されていく現象をさします。牡蠣を食べるとノロウイルスになることがあるのは生物濃縮が原因とされています。また、水俣病のように有害物質が直接魚に蓄積され、魚を食べた人間が病気になってしまうケースもみられます。
- 海に流れ着いたプラスチックが細かくなってできたマイクロプラスチックというものが今、大きな問題となっています。マイクロプラスチックは油に溶けやすい有害物質が付きやすい性質を持っており、これを魚が餌と間違えて食べると体内に蓄積されて有害物質の濃度が高くなり生態系に影響を及ぼしてしまうのです。
私たちにできることは?
- 使い捨てのプラスチックを使わない。レストランでもプラスチックのストローを使わない店が出てきています。
- 海に行ったらごみは捨てない
- 化粧品や日焼け止めも実は海に悪影響なのでオイルフリーのものを使ってみる
- 食器洗い洗剤を使いすぎない
- 油を直接下水に捨てない
大気汚染
大気汚染は工場の煙や自動車などの汚染物質により空気が汚れることを言います。この汚染物質には二酸化炭素を中心に、二酸化窒素や光化学オキシダント、二酸化硫黄などがあります。
二酸化窒素は大気汚染の代表的な物質です。工場や自動車から排出された一酸化炭素が空気中で二酸化窒素に変化します。光化学オキシダントは工場や自動車から排出された窒素酸化物が太陽の紫外線により化学反応を起こしたものです。二酸化硫黄は石炭や石油が燃焼したときに発生する大気汚染物質です。
大気汚染が引き起こす問題
- 酸性雨は大気汚染が引き起こす代表的な問題です。酸性雨が降ると土壌や河川、湖などに影響が出てきます。土壌が酸性雨により酸化すると、樹木に水分を通して酸性物質が入り込みます。そうすると酸性化が苦手な植物や急激な変化に耐えられなかった植物たちが一斉に枯れていってしまうのです。また、河川や湖に住んでいる魚たちも水質の変化に耐えられず死んでしまうことがあります。つまり酸性雨は森林破壊や生態系の破壊にもつながってくるのです。
- 大気汚染は人体にも大きな影響を及ぼします。四日市ぜんそくは大気汚染による公害でも代表的なものです。光化学スモッグという言葉を皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?光化学スモッグを吸うと目やのどの痛み、気分が悪くなるなどの症状が現れます。これも大気汚染による一つの例です。そのほかにも頭痛や吐き気を催すなどの汚染物質が存在します。
私たちにできることは?
- ごみの分別を徹底する
- 自宅でごみを焼却しない
- 公共交通機関を利用する
さいごに
これまで見てきたように世界ではたくさんの環境問題が起こっています。環境問題は一つ一つが独立して存在しているのではなく複雑に絡み合って存在しており解決するのが難しい問題です。そして問題を引き起こしているのは人間であることも分かったと思います。
しかし、私たちが日常生活から取り組める環境保護活動はたくさんあります。皆さんが何か一つでも意識して生活することで少しずつ状況がいいほうに向かうのではないでしょうか。私はコンビニに行くときはバイクではなく自転車で行こうと思います。