家庭で出来るエコ活動とCSR活動
所属:跡見女子大学
インターン生:O.Mさん
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)によると、私たちの住んでいる地球は、過去100年で0.6℃上がったといわれています。 今の地球環境のまま何もせずに放っておくと、2100年になるころには地球の温度は1.4~5.8℃にまで上がってしまうという結果が出ており、非常に深刻な状況です。
はじめに
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)によると、私たちの住んでいる地球は、過去100年で0.6℃上がったといわれています。今の地球環境のまま何もせずに放っておくと、2100年になるころには地球の温度は1.4~5.8℃にまで上がってしまうという結果が出ており、非常に深刻な状況です。
では、地球全体の温度があがるとどんな問題を引き起こすのでしょうか?たとえば、南極や北極の氷が溶け出し、そこに住むペンギンやホッキョクグマなどの野生動物が生きていけなくなってしまいます。
さらに、被害を受けるのは寒い地域だけではありません。溶けた氷が水になり、海に流れ込むことによって海面の高さも上がります。すでにこの100年の間で海水面は10~20cmほどあがっていて、南の島が海のそこに沈んでしまう可能性も出てきています。
気温が上がることで、人間にも被害が及びます。気温が上がると雨が降らなくなって大地が水不足の状態になります。すると農作物が取れなくなって十分な食料を得られない、自然災害が増え、最終的には地球上の動物の40~70%が絶滅の危機に立たされることになります。
人間によって、進んでしまった地球温暖化を緩和するために動くことが出来るのは私たち人間です。いち早く環境を改善するために、家庭内ですぐに始めることが出来る「エコ活動」についてご紹介したいと思います。そして、環境保全に企業が取り組むCSR活動について、詳しく調べました。
家庭で出来る「エコ活動」
今回この記事では、家庭で出来るエコを「減らす」「再利用する」「再生して利用する」「省エネ」の4項目に分けて紹介していきます。
Reduce
まずはじめに、「減らす(Reduce)」です。具体的には、家庭内や生活の中で出る「ごみ」となるものを減らすということです。
家庭で出来ること
たとえば、スーパーでお買い物をしたら《レジ袋はもらわない》・洗剤やシャンプーなどプラスチック製品の日用品は《詰め替え用を購入する》・コンビニでもらうお箸を《マイ箸にする》など日常生活ひとつとっても、環境保全のための「減らす活動」は多く出来ることがわかります。
少し難易度を上げると、家庭で出た生ごみはただ捨てるのでは無く、《家庭の庭に埋める》であったり、そもそも料理をするときに使えるところは使用して《生ごみの量を軽減する》などもエコ活動になります。他にも、空き缶やペットボトルを潰すことでごみの量を圧縮することも「減らす」に繋がります。
企業の活動
●日本コカ・コーラ:《地球に優しいペットボトル》
ペットボトルを簡単に圧縮することで環境にやさしいペットボトルとして有名になった「いろはす」はガソリン換算で1億本ごとに《地球約90周分》もの原油削減効果があるそうです。これは一般的な燃費の自動車を例としてその自動車で地球を90周できるということのようです。
イロハスのペッとボトルは、原材料に5~30%の植物由来の素材を使用することで100%リサイクルが可能になっています。さらに、「いろはす」の大きな特徴のひとつである《絞れる》という利点について、これはごみの体積を小さくする効果がありますが、ラベルの下部にクビレを設けることで強度と耐久性の維持を実現させた工夫も織り込まれています。
Reuse
二つ目は「再利用(Reuse)」です。現存するものを手を加えずに何度も使用するということです。
家庭で出来ること
これは、生活していくうえで最も実践しやすく、簡単に出来ることだと思います。カレンダーや広告のチラシを《メモとして再利用》したり、もう使用しないかばんを《エコバックとして再利用》・《ペットボトルの再利用》または《マイ水筒》にしたり、あるものをそのままの利用方法で使うことも経済的かつ環境にもいいと考えられます。
企業の活動
●KIRIN:《きれいなビンはそのまま利用》
たとえば、「ビンのリユース」ビールやジュースなどの入れ物として頻繁に目にするビンも、状態の良い空き瓶はきれいに洗浄され、再び商品として販売されます。さらに、一升瓶に関しては規格が統一されているため、お酢やお醤油のビンとして共通に利用できるようになっています。
●花王:《ECOな詰め替えパック》
最近では、シャンプーや食器用洗剤などの詰め替え容器も品質など環境負担の少ない容器が増えているようです。洗剤やシャンプーなどを多く取り扱う「花王」では、詰め替えの包装容器の開発をしているそうです。
《包装材料使用量の削減》や《ごみ体積の削減》をReduse(減らす)し、内容物の濃縮・コンパクト化をはかって、包装の材料軽量化を実現させています。ごみ体積の削減については、丸めたり折り畳みが出来るようにし、ごみの量を減らすことに繋がっています。
Recycle
三つ目は「再生利用(Recycle)です。再利用に似ていますが、再利用と違う点は、現存するものの形を変えて再利用することです。
家庭で出来ること
家庭でいち早く出来るのは《お風呂の水を洗濯用水に再利用》・《ペットボトルの回収》・《牛乳パックなどの紙パックの回収》は簡単に行えるし、分別が厳しい地域などではすでに行われているのではないでしょうか。
家庭で出たごみから、もう一度資源にリサイクルされ、新しく再生される商品もあります。新聞や雑誌、会社から出たコピー用紙は古紙として回収されます。また、古紙を回収するために使用される紙袋もリサイクル製品のひとつです。
そのほかにも、着られなくなってしまった服や履けなくなった靴下を《雑巾》・《ポーチ》・《バック》などにリサイクルすることも可能で、何より簡単に実践できるのでおススメです。
企業の活動
●株式会社三裕:《ビンのリサイクル》
リユースの項目でビンの再利用が可能であることを記述しましたが、ビンが再利用されるのは、ヒビや割れが無いときのみです。ひとつでもひび割れがあるとそれは再利用できないため、ガラス窓などのガラス製品にリサイクルされることになります。
ちなみに、リサイクルされたビンであるかを見分ける方法は、リサイクルされたビン(リターナブルビン)についている「Rマーク」もしくは「丸正(まるしょう)マーク」で確認が出来ます。
四つ目は、「省エネ」です。生活する中で実現し易く少し気にするだけで大きなエコ活動になるものもあるので一番実践しやすいと思います。生活していくうえで一番やりやすいのは「水(節水)」や「電気(節電)」ではないでしょうか。夏季や冬季はエアコンの稼働率が上がり、地球温暖化を推し進めやすいです。
そのため稼働率の高い時期は、《設定温度を28℃以下にしない》などの小さなエコ活動から、就寝時に《氷枕を使用》して設定温度を上げるなども、環境保全に繋がると思います。
夏季、冬季以外のエアコンを使う頻度が低い季節にはエアコンのコンセントを抜くと、環境にも良く、電気代の節約にもなり有効的です。しかし、地球温暖化によって気温が高くなっているため、人間も地球の温度に耐えられなくなっています。暑さを我慢して体調を崩す恐れもあるため、無理せず行うことも大切です。
他にも、可能な限りは自動車を使わずに通勤したり、お買い物には自転車を使用したり、排出ガスを極力減らすこともエコ活動になります。外出時にも、なるべく《ハンカチを携帯》するようにして、お手洗いのエアー乾燥機やペーパータオルの使用頻度を減らしたり、食器洗いの際には一度拭き取ってから洗うことで汚れた水を排出することが無いし、水に節水にもなります。
また、食べ物や飲み物は《必要量のみの購入》に抑えるなどをすることによって、賞味期限が切れることも無いし、「無駄なごみの量」を減らせると考えました。
「省エネ」は環境にやさしいだけでなく、家庭内の電気代節約や水道光熱費など家庭の節約にもなるため、地球温暖化の原因を減らすために、始めやすい内容が多かったと思います。
今回、地球温暖化を身近な環境から改善していくために、家庭で出来るエコ活動について取り上げましたが、今回紹介した四つの項目以外にも様々な方法があることがわかりました。
企業の活動
●再生可能エネルギーの使用
再生可能エネルギーとは、太陽光発電や風力発電、エコキュートなどのような自家発電を利用し、CO2を削減することが出来るシステムです。利用者も年々増加している再生可能エネルギーを利用すれば家庭内でも無駄な電力を使用することは減るし、自然の力で電力をまかなうため、環境にもやさしいです。
もっと環境にやさしく
ここまで挙げた環境保全のためのエコ活動方法以外にも、身近なものを少し方法うを変えるだけで大きく環境を良く出来る商品もあります。
油は固めて捨てる
料理で使った油をそのまま排水溝に流すとその水は油を含んだ状態で海や川に流れ着きます。そこで暮らす魚たちは流れ着いた油まみれの水で生活しなければならないため、環境に悪いです。それだけでなく、自宅の排水管の中で油が白い塊となってつまりの原因にもなりかねません。
使用し終わった油は、新聞紙に吸わせて捨てるなど方法はいくつかあります。新聞紙に吸わせる方法は注意点があり、自然発火のリスクが伴うため常温油にのみ使用するのが良いと思います。もうひとつの方法は、凝固剤を使用して油を固める方法です。凝固剤を使用すればより簡単に環境にやさしく食用油の処理が出来ます。
水で溶けるポリ袋》
これは中国で開発されたものですが、シンクに溜まった生ごみを捨てるとき、又は家庭内でペットを飼っている場合、ペットの散歩をした後に必ず出るであろう犬の糞などを袋ごと捨てることが可能になっているようです。
日本でも似たような商品が開発されていて、通販サイトでも購入することができます。「アイラップ」や「お料理パック」(ワタナベ工業)など水に溶け袋だけでも多くの種類が出てきているようです。
自分の手を汚さず簡単に捨てられるため、放置したり水を流しっぱなしで残飯を処理する必要も無くなり、結果的に環境に悪い影響は及ぼさずに済むでしょう。
CSR活動
現在は、家庭だけでなくエコ活動に積極的に取り組む企業も増えているようです。Sansan株式会社のオフィスでは、オフィス内に観葉植物を置いたり、屋上に庭園をつくって壁面を緑化していたり、スーパークールビズ(オフィスの室温を28度に設定しても快適に仕事が出来る服装、ノーネクタイ)を採用する企業が増えています。
Sansan株式会社のみならず、このように環境や社会に配慮し貢献する活動が「CSR」と呼ばれ、「働いてみたい!」「働きやすそう!」という印象を持たせる企業が、多くCSRの活動を採用しているように見られます。
企業がCSR活動を行い、重視する大きな理由としては、企業のイメージ向上が挙げられます。「社会的責任を果たす」ことがCSR活動の根本的な目的であるため、この活動を取り入れる企業は「社会的責任を達成している」という印象を与えられることが出来るからでしょう。
こうした活動が、企業の信頼を高め、ブランドイメージを上げるだけでなく、社内のコミュニケーションを活発にし、モチベーションを向上させていくこともあるそうです。
総括
地球温暖化のために、小さなことでも気にして削減することで、地球環境だけでなく家庭の環境を見直すことも出来ると感じました。ごみは物理的に量を減らすだけでは無く、圧縮したりするだけでもごみが減らせることを学ぶことが出来ました。
有名な飲料水や同じ仕組みで作られたシャンプー・リンスのボトルなど環境保全のために様々な技術の強い進歩が見られました。また、家庭だけでなく、家庭用品や日用品を取り扱う企業も環境保全に努めていることも知ることが出来ました。
家庭内のみならず、企業がCSR活動を行うことで、企業側へのメリットもあるし、活動を続ければ環境を保持することが出来るという点には、環境を改善するために作られた活動内容もわかりやすく、実践しやすいものであると感じました。